時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

続・悲しみのウクライナ (アメリカ・NATOの対ウクライナ・北朝鮮政策)

2014-03-12 22:14:59 | リビア・ウクライナ・南米・中東
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コメルサント-ウクライナ報道によれば、政府を装う
アメリカ政府傀儡のキエフ財務大臣は、ウクライナに金を貸す欧米銀行家が
ウクライナの貧乏人を犠牲にして返済が受けられるようにすべく、
ウクライナの年金を
160ドルから80ドルに削減する
経済緊縮政策を準備中
だ。


またもやギリシャの繰り返しだ。

選挙で選ばれた正当なウクライナ政権に対し、アメリカ政府が画策したクーデターで
権力の座につけられた傀儡政権が安定性や正当性を獲得するより前に、
欧米の略奪者達は既に仕事にとりかかっている。EU加盟で
より良い生活ができるというプロパガンダを素朴にも信じ込んだ抗議行動参加者は、
4月迄に年金を半分に削減される運命だ。しかし、これとて始まりに過ぎない。


腐敗した欧米マスコミは借款を“支援”と表現している。
ところが、EUがキエフに提供しようとしている
110億ユーロは支援ではない。借款だ。しかもキエフが
IMF緊縮政策を受け入れることを含め様々な条件付きだ。


選挙で選ばれた政権を打倒するのに利用された抗議行動に参加した
だまされやすいウクライナ人は、 EUに加盟さえすれば
たやすく金もうけができるようになるというアメリカ政府の
財政支援を受けたNGOがついた嘘を信じていたことを想起願いたい。

ところが今や彼等は年金を削減され、IMF緊縮政策に見舞われる。

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-5543.html
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ウクライナ市民の皆様のおかげで、
無事に首相は亡命し、ネオナチに支持された民主政権が誕生した。


めでたく、緊縮政策が実行されるだろう。イタリアやギリシャなど、
EUにおける経済弱国は、緊縮政策によって大量の失業者が生まれ、
年金や健康保険などの福祉費が削減され、国内で混乱が生まれている。


私は貧民化政策を借金の条件として強制するEUのほうこそ、
よっぽど独裁的だと思うのだが……どうだろう?



朝日新聞のような反対のポーズを見せながら政権に媚びるゴミは言うまでもなく、
赤旗もウクライナ政変はクーデター側を支持している。


共産党は歴史的に60年代初めからソ連と険悪の関係であり、
表面的には和解しているが、その実、実質的には修復されずに現在に至っている。


普段はNATOやIMFの植民地主義的な行動を非難している共産党も、
相手がロシアとなると話は違う様である。


そういう中で、朝鮮新報の記事だけは毛色が違った。

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●米国の常套手段

緊迫するウクライナで、ロシアはロシア系住民の保護を名目とする軍事行動を示唆した。
南部のクリミア半島では「自警団」と称するロシアの特殊部隊が
ウクライナ軍の武装解除を進めていると伝えられる。


▼この問題で米国のオバマ大統領は、ロシアの介入は主権侵害であり、
国連憲章に違反すると主張。これに対しロシアのプーチン大統領は、
現地からの要請を受け国際法に沿って行動していると反論した。

米国とEU(欧州連合)がロシアへの制裁発動、
強化に踏み切ると、ロシアも報復措置を打ち出した



▼ロシアを悪魔化する米国と、それに追従するEU(欧州連合)。
この構図は、以前のイラク、イランやシリア、そして朝鮮に対するものと同じ。

米国が軍事戦略において重視する要衝だ。だから独立国家の自主権主張は、
米国の軍事支配、ドル支配を揺るがす有事と映る。

ウクライナの「オレンジ革命」(04年)を資金援助した米政府は、
この地の資源と軍需産業をかすめ取り、ミサイル前哨基地を築こうと画策していた。


▼米国は朝鮮のロケット発射訓練(2月21日~3月4日)に対しても、
「脅威」をことさらあおり、「挑発」「国連決議違反」と大々的に非難している。

南朝鮮を動員して敢行した大規模合同軍事演習を棚に上げてだ。

強大な軍事力と核を振りかざし、世界中で内政干渉、軍事介入、
政権転覆を繰り返してきた米国こそ非難されてしかるべきだ。

http://chosonsinbo.com/jp/2014/03/il-222/
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常時、アメリカと韓国から軍事演習という名の威嚇を
受けている北朝鮮のサイドに立つならではの見解だ。


ちなみに、北朝鮮はウクライナ騒乱と同時期の3月3日に
米海軍第7艦隊所属の原子力潜水艦コロンバスとが釜山の
海軍作戦基地に入港したことを非難している。


このコロンバスは、射程距離3100kmのトマホークミサイルを
搭載している攻撃型の潜水艦。現在は核弾頭が装着されていないが、
状況によってはいつでも核兵器の搭載が可能なことで知られている。


アメリカは2月にもB52核戦略爆撃機を出撃させて
核爆弾投下訓練を行っている
。日本の「北朝鮮、核なくせー!」と
わめいている平和主義者どもは、この現実を直視するべきだ。





さて、ふたたびクリミア半島の図を掲載するが、
クリミア半島は長らくソ連領だった地域であり、
現在は自治共和国として成り立っている。


つまり、ウクライナという国家の中に
クリミア自治共和国という名の小国家が存在する。


中国の台湾、イギリスの北アイルランドなど、小国家を抱える国は意外と多い。

今回、日本で「武力介入」と呼ばれているロシアの行動は、
クリミア自治共和国からの要請に応じたものだった。


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ロシア系住民が多いウクライナ南部の
クリミア自治共和国のアクショノフ首相(親ロシア派)は、
全軍と治安部隊を指揮下に置くと宣言し、
治安回復の支援をプーチン大統領に要請しました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-03-03/2014030301_01_1.html

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プーチン大統領もまた、そのような発言をしている。


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プーチン
「我々の行為は、不当なものとして非難を浴びている。
 しかし、思い出してほしいのだが、アメリカもイラクやリビアで、
 いかなる承認も得ずに、あるいはそれを歪めて行動した。

 我々の行動は、国際法に完全に則っている。
 なぜなら、我々には正当な大統領の要請があり、
 我が方の利益にも合致しているからだ。
 文化的、歴史的に緊密に結びついた人々を助けているのだから」


http://jp.rbth.com/politics/2014/03/05/47409.html

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当然、現地でウクライナ軍との戦闘は存在しない。
要するに、武力介入ではなく、これは「派兵」である。


赤旗(つまり共産党)はロシアの侵略だと誇張しているが、
普段、民族自決だとか民主主義だとか言っている政党が、
クーデターで成立した政権を支持し、住民投票でウクライナか
ロシアどちらの帰属になるかを決めることに反対するのはおかしい。


住民投票が駄目だというならば、何によって帰属を決めると言うのか?
しかも今のウクライナ政権は反対勢力を物理的に排除している。

日本のメディアはあまり流さないが、海外のサイトを読むと
西や東の反政権の人間を弾圧していることがわかる。


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ウクライナの司法当局の側では5日、
ロシアに治安回復の支援を要請したクリミアのアクショノフ首相、
自治権拡大の住民投票を決定したコンスタンティノフ・クリミア議会議長、
親ロシア派に投降したベレゾフスキー海軍総司令官らに対し
「国家反逆罪」の容疑で捜査を開始したことを明らかにしました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-03-07/2014030707_01_1.html
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冷静に考えて、これは粛清に他ならないのでは?
確かにロシア軍の派兵はやりすぎだと言う意見は理解できる。
だが、現政権をあたかも民主的な政権であるかのように報道する姿勢は謎だ。


共産党は仮にも、他国とは対話によって問題を解決すると
言っているのだから、こういう外交問題に関して、
日本にとって都合のよい報道をしては駄目だ。

北朝鮮問題で何度も指摘しているが、都合のよい事実認識をすると
向こうからの予期しない反撃を受け、結果的に後手に回ってしまう。

本当に日本の国益を考えるなら、現政権の不当性を指摘した上で、
クリミア自治共和国とウクライナ本国との対談を提示すべきだろう。