時事解説「ディストピア」

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昨今の人権団体に思う

2014-03-25 23:02:57 | 北朝鮮
先日、3月16日に池袋でヘイト・スピーチがあったそうです。


同日、人権団体も池袋に集結し、彼らとバトルを繰り広げたようですね。
こういう差別に対して抗議することは大事だと思います。

http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20140316


ただ、個人的には、ちょっと釈然としないことがあります。


それは、辛淑玉氏や有田芳生氏といった日常的に
北朝鮮をバッシングしている人間と協力していることです。


両氏とも「民族差別などけしからん!」と話していますが、
こうなったそもそもの原因は、彼らにあります


北朝鮮は拉致を行うひどい国だ、個人崇拝の独裁国家だ。
こういう言葉を執拗に繰り返して右翼を喜ばせていたのは
他ならぬ両名です。北朝鮮へ対する憎しみを煽った結果、
今日のような在日コリアンへ対する差別意識が助長されたのですから、
格好つけてはいますが、自分がつけた火を消しているだけにすぎません


http://jcj-daily.sakura.ne.jp/hokkaido/report02/1109shin/youshi.htm

辛淑玉氏は自身の講演で、
「在日は100%韓国出身であり、北朝鮮とは無縁」と断定しています。

しかしながら、現実には北朝鮮により自身のルーツを見つける人間も多々いて、
現に朝鮮学校では、韓国ではなく北朝鮮を母国とみなす教育がされています。


こういう人たちにとって、辛淑玉氏が行っていることは
祖国へ対する侮辱と自分たちへ対する攻撃に他なりません。


だからこそ、彼女に対して怒りを露わにする在日コリアンもいるのです。
(例えば→http://roodevil.blog.shinobi.jp)


有田氏にしても辛氏にしても、彼らが守りたいのは
在日コリアンの中でもマジョリティ(多数派)にあたる在日韓国人であり、
マイノリティ(少数派)の在日北朝鮮人では決してありません。

むしろ在日コリアンの中でも特に力が弱い在日北朝鮮人に
泥をぶつけることで、日本人と同様の待遇を与えるよう、
つまり日本国民として認めてくれとアピールしてきたと言ってもよいでしょう。


そういう気持ちはわからなくはないのですが、こういう人たちが語る人権は、
実際には、ごく限られた集団の権利を要求しているわけで、あまり感心できません。


有田氏に至っては、党内に極右も抱えている民主党の議員です。
鳩山氏や菅氏のせいで左翼政党とみられがちですが、
同党は実際には保守的な思想の人間も所属しています。

ヘイト・スピーチに反対するより前に、そういう政党に入党した
自身を悔いて脱党するべきではないでしょうか?

(脱党まではいかなくても、せめて党内に君が代や教科書問題で
 維新の会顔負けの右翼がいることに対して批判をするべきです。)


このように、致命的な問題を抱えている両氏ですが、
彼らの北朝鮮、総連、そして在日北朝鮮人に対する憎悪を
植え付けようとする行為を非難することもせず、
逆に仲間として迎えてしまう人権団体って一体何なのでしょう?


この抗議運動には、「のりこえネット」という人権団体も
参加しているのですが(辛氏は同団体のメンバー)、
構成メンバーをみると、右翼も左翼もごちゃ混ぜになっており、
立ち位置がよくわからない集団になっています。


前述したように、在日韓国人だけ守って
在日北朝鮮人には攻撃の手を緩まない、こういう
自分たちが半ば差別を加える側に立ったままでの
差別撤廃運動がどれほど偽善的か
は言うまでもありません。


こういう姿勢である限り、本当の意味で差別が消えることはないでしょう。