時事解説「ディストピア」

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米日韓首脳会談の各新聞の報道について

2014-03-27 22:53:53 | 軍拡

朝鮮新報の記事より。


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米・日・南首脳会談めぐる南の反対世論
米の要求に屈服、「屈辱的」



オバマ大統領、安倍晋三首相、朴槿恵大統領による
米・日・南首脳会談が25日夜(現地時間)、
オランダ・ハーグでの核安全保障サミット
(24~25日)終了後に現地の米大使公邸で行われた。


米国が仲介して6年ぶりに行われた今回の首脳会談では、
朝鮮の核問題などをめぐって3カ国が外交・軍事面での連携を
いっそう強化することで一致した


一方、安倍首相と朴大統領が就任後に
会談の形で顔を合わせたのは初めて。

日本軍「慰安婦」問題をはじめとする
日・南間の懸案は議題とならなかったが、
南朝鮮では会談をめぐる反対世論が強まった


全国民主労働組合総連盟(民主労総)と
韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)、韓国進歩連帯などからなる
「戦争反対平和実現国民行動」は20日、
米・日・南首脳会談の推進を即刻中断することを朴槿恵政府に求めた


「戦争反対平和実現国民行動」はこの日、論評を発表し、
安倍首相が河野談話継承を云々したものの、
歴史わい曲と再軍備策動を修正する兆しがない状況のなかで、
朴槿恵政府が米国政府の要求に屈して
米・南・日首脳会談を行おうとするのは「屈辱的」である
と非難した。


また、「歴史わい曲と日本の再軍備は
決して切り離せない問題であるにもかかわらず、
政府がわざと切り離し、『安保協力』を口実に
韓日間の協力を行おうとすれば、日本の軍国主義勢力に
力を添えることになる
」と指摘した。

さらに、安倍首相が再軍備を進めるために北の核問題を口実として
持ち出しているなかで、米・日・南首脳が共に北の核問題を論議することは、
日本の再軍備を加速させるだけでなく、6者会談など
協議の雰囲気をつくるうえでまったくプラスにならない
」と批判した。

一方、北側に人道支援を行っている団体「ウリキョレハナトェギ運動本部」は
21日、論評を発表。「政府はこの間、韓日首脳会談を開催すべく
日本側に河野談話の継承と靖国神社参拝の中断、
日本軍『慰安婦』問題解決などを求めてきたが、日本の立場は何ら変わっていない。
にもかかわらず、韓米日首脳会談を行おうとしている
」として非難した。

論評は、「韓米日首脳会談の形式で韓日首脳会談を強行する理由は、
4月のオバマ米大統領のアジア巡訪を控えて韓米日の三角構造を
構築しようという米国の要求に引き込まれたからである
」と指摘した。

また、米・日・南三角共助が、中露、
または朝・中・露3国の同盟構築という対応を導きかねない

として憂慮を示した。

http://chosonsinbo.com/jp/2014/03/20140327riyo-4/

-----------------------------------------------------(引用終わり)


朝鮮新報は総連傘下の出版社・新聞社なのだが、
意外なことに、産経や読売、毎日、朝日のような
「まともな」新聞社よりもまともな記事をよく載せている。



「日本の再軍備を加速させるだけでなく、6者会談など
 協議の雰囲気をつくるうえでまったくプラスにならない」



この言葉は、米日韓の三国軍事同盟の強化を非難したものだが、
問題の核心をついていて、かなり説得力がある。


軍事同盟というものは武力による紛争解決を前提にしたもので、
6者国会議のような対話による平和的解決を目指すものと矛盾するものだ。


平和主義を名乗る者であれば、今回の軍拡宣言を批判するのは
当然のことであるし、またそうすべきだろう。


この前の記事で、「左右の枠を超えて」という言葉に抵抗を
覚える皆を書いたが、日米韓同盟などもまさにそうで、
大日本帝国を理想視し、天皇中心の軍事大国を目指す安倍政権と
協力してまで軍拡を行ったって韓国民衆のためにならないだろう。


最悪の場合、慰安婦問題よりも軍事同盟の維持・強化が優先され、
民主化以前の時代のように日本に文句が言えない国になるかもしれない。
ベトナム戦争の時のようにアメリカと共に戦争犯罪を行う国になるかもしれない。

ちなみに、ネトウヨが愛する産経新聞では、
「日米韓首脳会談 相違乗り越え連携強化を」という社説を載せている。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140327/plc14032703230005-n1.htm



産経がいつも通りなのはともかく、朝日をはじめとした
左派系とみなされている新聞でも同様の見解を示しているのは問題だ。


日米韓会談―「第一歩」とするには←朝日の社説
http://www.asahi.com/paper/editorial.html

社説:日米韓首脳会談 米国頼みはもうできぬ←毎日の社説
http://mainichi.jp/opinion/news/20140327k0000m070132000c.html


残念ながら、赤旗も同様だった。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-03-27/2014032702_01_1.html


共産党は日米安保条約の破棄および日米同盟の解体を目指しているのだから
今回の対談など、「アメリカが侵略するための同盟が強化・維持された!」
とか「安倍・オバマの軍拡路線に歯止めがかからない!」とか言って、
もっと非難しても良いし、そうすべきだった。


客観的に見て、今回の対談は北朝鮮をダシにして、
広域におけるますますの軍拡を進めると宣言したもので、
平和主義を語る人間は誰しもが憂慮すべき問題だ。



昨今の安倍政権の軍備拡張路線や改憲志向に対して
反対姿勢を示すメディアなら猛抗議すべき内容だったのにそれをやらなかった。


この件に関して言えば、
日本のメディアは朝鮮新報にボロ負けしている。


北朝鮮は恐ろしい国だー、総連はその手下だーと叫んでいる割には、
総連の新聞社より侵略主義的な主張を述べているってどういうことだ…???