時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

国際政治理解のカギ

2014-07-07 22:37:06 | リビア・ウクライナ・南米・中東
冷戦は終結していない。
1991年以降も西側と東側の対立構図はそのままである。


この二点が現在の国際政治を理解する上で重要となってくる。



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ポール・ロバーツ氏の「ロシアの声(VOR)」取材班への回答文(抜粋)



VOR: 果てしの無い戦争の背後にある根本的理由は一体何でしょう?


ロバーツ:お互いに相互支援的ないくつかの理由があります。
一つは、ネオコン・イデオロギーが、ソ連崩壊と共に全盛となったことです。

このイデオロギーは、歴史は全世界を圧倒するべくアメリカを選んだのだと主張し、
アメリカの政治・経済制度に対する代替案は存在せず、歴史によるこの選択が、
アメリカが全世界に対して覇権を行使する責任を与えたのだというのです。


ですから、これはこれは極めて強力なイデオロギーで、
アメリカにこれまであったどれよりも遥かに強力なイデオロギーです。

しかも、それは他のイデオロギーが消滅した時に登場したのです。
共産主義イデオロギーは消滅しました。マルクス主義革命運動は消滅しました。
そこでアメリカがイデオロギーのレベルで支配するということになったのです。

(中略)

VOR: 政策はイスラエル・ロビーによって規定される部分が多いとおっしゃいます。
しかし、アメリカの中東政策は実際には、イスラエルを危険にさらしています。


ロバーツ:ええ、これは政策が意図していなかった結果です。
専門家達の中には、ネオコンに、ヨーロッパの植民地主義者、
主にイギリスとフランスによってひかれたアフリカの国境同様に、
中東の国境は人為的だと警告しようとした人々もいます。


そこには多数派のシーア派と、少数派のスンナ派がいる国々があり、
その逆に、多数派がスンナ派で、少数派がシーア派だという国々があるわけです。

これは伝統的に敵だった二つの戦っている部族を一つの国に纏めるよう
国境がひかれたアフリカのようなものです。諸国の国境には大して意味がありません。
こういう国境は、無知な西欧人だけがひけたのです。

非宗教的な政府を運営していたサダム・フセインや、
シリアのアサドの様な極めて強力な非宗教的支配者が、
異なる宗派間のイスラム教徒の対立を防いでいたのです。



これらの非宗教的な非イスラム教の政権が紛争を抑圧していたのです。
ですから、こうした政府を打倒すると、紛争を解き放つことになります。

(中略)

イラクとシリア分割の理由の一つは、イスラエルにとって脅威と思えないからです。
イスラエルとネオコン戦略家連中は、ああこれは良い、もし我々がこれらの国々を分裂させ、
内部で戦えばイスラエルの邪魔をする組織化された政府は無くなるだろうと考えたのです。

イラクのかわりに、お互いに戦う党派が存在することになります。
シリアのかわりに、現在のリビア同様に、お互いに戦う党派が生まれます。
そして中央政府をもたない国家は、イスラエルに対して脅威ではないのです。



それゆえ、イスラエルがパレスチナを盗み取るのに反対する
あらゆる類の組織された政府が無くなるので、
こうした国々の政治的実体の破壊をアメリカは好むのです。

イラクにはもはや政府はなく、リビア国内と同様、
ワシントンが、シリアで作ろうとしているような戦いあう派閥だけです。


http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/--pcr-1c96.html
(適宜、意味が変わらない範囲で修正)
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ソ連が崩壊して以降、知識人の間では「冷戦は終わった」、
「共産主義は失敗だった」という言説が日本国内で流布された。


しかしながら、フタを開けてみればアメリカに代表される
「西側イデオロギー」が中東・東欧・南米・中央アジア等の
「東側イデオロギー」に対して軍事的・経済的圧力(侵攻)をかけ、
それに対抗する人間と追従する人間との間で内戦状態になっている。



こういう状況下で、ウクライナ南東部の自治政府が行ったような独立運動、
シリアや中国のように欧米の支援を受けたテロ組織の運動が展開されている。


よって、我々がニュースを見る際には、それが西と東、どちら側のものかを
見抜くことで、ある程度の偏向報道から自信を守る助けになるだろう。