今夜放送の「奇跡体験!アンビリーバボー」で、
日本人スパイと中国人妻の「感動秘話」とやらが取り上げられていた。
物凄い美談であるかのように語っているのだが、正直、それはどうよと思った。
VTRが語るには、、
この日本人スパイの男性は、表向きは、さる工場の経営者だったが、
裏では偽札を大量に印刷し、それをもって得た軍事物資を日本に横流ししていたらしい。
普通に犯罪だと思うのだが・・・(汗
「お国のために信念を貫き通した!偉い!」みたいに語られているが、
彼が捧げた軍事物資(というより兵器)でアジアの人々が殺されたわけで……
百歩譲って「命令だから仕方なかった」とか「スパイにも人権がある」とか言って、
中国当局の取調べ(映像を見る限りでは拷問)を非難するならまだわかるが、
ヒーローであるかのように美化するのは正直「うわぁ……」と引いてしまった。
まぁ、このスパイについて何も知らないので何とも言えないが、
中国が拷問をしていたとするならば、それはやりすぎであり、訴えもされよう。
とはいえ、偽金づくりと軍事物資の不正売買(というより密輸出?)は
どう考えたって犯罪行為の何物でもなく、美談にするにはちと厳しいと思う。
以前も、戦後右翼の重鎮とも言える瀬島龍三氏をやたらと美化した話を流していたが、
TVタックルの司会であるビートたけし氏の番組だからだろうか?ずいぶんと保守的なことだ。
テレビ東京はテレビ東京で、あの『永遠のゼロ』を再放送していたし、
映画版は先日、日テレが流していた。安倍史観のバーゲンセールである。
安倍とメディアが懇意の仲であることは以前から内外から非難されていたが、
最近のバラエティ番組の質の劣化はちょっと目に余るものがある。
もはや愛国ポルノ!?
空疎な“日本人はスゴい”論連発で大ブームの日本礼賛本トンデモランキング
リテラでも、近年の日本メディアの度を越した自画自賛が批判されている。
そのほうが売れるからと言えばそれまでだが、
単なる商売目的を超えて、売る側のイデオロギーを感じるのは気のせいか?
戦時の日本人の美談と言えば、戦前は中国で反戦活動を行い、
戦後には冤罪でGHQに拘束・拷問を受けた鹿地亘氏を思い出す。
彼が主役のテレビ番組が作られることは絶対にないだろう。
本当に勇敢な行為というのは、決して権力層に評価されるものではないのだから。
私としては、本当に偉いのは、
弾圧を受けるのを承知で当時反戦活動を行った人間だと思うのだが、
日本の右翼の中では加地氏は売国奴よばわりされている。
加地氏に限ったことではなく、日本には昔から戦争に反対する人間がいて、
その中には、戦時中にも反戦活動を行い、そのために迫害された人間もいた。
これは国会議事堂の前のデモとはレベルそのものが違う、
まさに命がけの反戦運動だった(死亡した人間も多い)。
こうした人たちの多くは共産党党員だったということもあり、
日本の右翼ばかりでなく戦後の主流左翼も半ば自動的に否定的に評価している。
(意外に思われるかも知れないが、戦後の主流左翼に
神のごとく崇められている丸山眞男などは、その典型だったりする)
これら反戦運動の中には
世界的に有名な人物もメンバーになっているケースもある。
例えば、1932年に開かれたアムステルダム世界反戦大会がそれで、
同大会ではロマン・ロラン、アインシュタイン、宋慶齢、片山潜らが、
日本の中国侵略に反対する極東反戦会議を33年に上海で設けることを提案している。
(宋慶齢=孫文の奥さん
アインシュタインは翌年、ナチスの迫害から逃れて亡命・渡米する)
片山潜は、当時の日本人の中でもかなり国際的に有名な人物だったが、
この人もやはり共産党党員ということで、大きく取り上げられることは無い。
冷静に考えれば、当時のヨーロッパで最も活躍した文化人の一人である
ロマン・ロランやアルベルト・アインシュタインと協力して満州支配に抵抗した
日本人がいたというのは、相当な美談だと思えるのだが、アカはノーサンキューらしい。
日本の美談に無理がある理由として、
治安維持法で締め付けられていた戦前に、あえて法を破ってまで
反戦運動を行った人間が共産主義者か、それに準じる人しかいなかったというのが大きい。
あるいはクリスチャンか?いずれにせよ売国奴と呼ばれた人物である。
こういう人たちを取り上げると、遠まわしに日本政府の批判をしてしまうことになる。
(というのも、戦後70年、彼ら「売国奴」を逮捕、ひどい場合は
投獄・拷問、処刑したことに対する賠償を日本政府は行っていないから)
そこで、今日のような微妙なエピソードを美談にするか、
あるいはシベリア抑留やBC級裁判のように日本兵を被害者にできる話にするか、
はたまた戦後まもなく経済を復興させた民間人を取り上げるかのいずれかが選ばれるわけだ。
まぁ、所詮はテレビ番組だから、もはや仕方あるまいで済まされる話でもあるのだけれど、
それならそれで、わざわざバラエティで取り上げたり再放送することもないでしょうという話で、
どうも、作り手側のモラルというか歴史認識も薄れているんじゃないかと心配になってくる次第である。
日本人スパイと中国人妻の「感動秘話」とやらが取り上げられていた。
物凄い美談であるかのように語っているのだが、正直、それはどうよと思った。
VTRが語るには、、
この日本人スパイの男性は、表向きは、さる工場の経営者だったが、
裏では偽札を大量に印刷し、それをもって得た軍事物資を日本に横流ししていたらしい。
普通に犯罪だと思うのだが・・・(汗
「お国のために信念を貫き通した!偉い!」みたいに語られているが、
彼が捧げた軍事物資(というより兵器)でアジアの人々が殺されたわけで……
百歩譲って「命令だから仕方なかった」とか「スパイにも人権がある」とか言って、
中国当局の取調べ(映像を見る限りでは拷問)を非難するならまだわかるが、
ヒーローであるかのように美化するのは正直「うわぁ……」と引いてしまった。
まぁ、このスパイについて何も知らないので何とも言えないが、
中国が拷問をしていたとするならば、それはやりすぎであり、訴えもされよう。
とはいえ、偽金づくりと軍事物資の不正売買(というより密輸出?)は
どう考えたって犯罪行為の何物でもなく、美談にするにはちと厳しいと思う。
以前も、戦後右翼の重鎮とも言える瀬島龍三氏をやたらと美化した話を流していたが、
TVタックルの司会であるビートたけし氏の番組だからだろうか?ずいぶんと保守的なことだ。
テレビ東京はテレビ東京で、あの『永遠のゼロ』を再放送していたし、
映画版は先日、日テレが流していた。安倍史観のバーゲンセールである。
安倍とメディアが懇意の仲であることは以前から内外から非難されていたが、
最近のバラエティ番組の質の劣化はちょっと目に余るものがある。
もはや愛国ポルノ!?
空疎な“日本人はスゴい”論連発で大ブームの日本礼賛本トンデモランキング
リテラでも、近年の日本メディアの度を越した自画自賛が批判されている。
そのほうが売れるからと言えばそれまでだが、
単なる商売目的を超えて、売る側のイデオロギーを感じるのは気のせいか?
戦時の日本人の美談と言えば、戦前は中国で反戦活動を行い、
戦後には冤罪でGHQに拘束・拷問を受けた鹿地亘氏を思い出す。
彼が主役のテレビ番組が作られることは絶対にないだろう。
本当に勇敢な行為というのは、決して権力層に評価されるものではないのだから。
私としては、本当に偉いのは、
弾圧を受けるのを承知で当時反戦活動を行った人間だと思うのだが、
日本の右翼の中では加地氏は売国奴よばわりされている。
加地氏に限ったことではなく、日本には昔から戦争に反対する人間がいて、
その中には、戦時中にも反戦活動を行い、そのために迫害された人間もいた。
これは国会議事堂の前のデモとはレベルそのものが違う、
まさに命がけの反戦運動だった(死亡した人間も多い)。
こうした人たちの多くは共産党党員だったということもあり、
日本の右翼ばかりでなく戦後の主流左翼も半ば自動的に否定的に評価している。
(意外に思われるかも知れないが、戦後の主流左翼に
神のごとく崇められている丸山眞男などは、その典型だったりする)
これら反戦運動の中には
世界的に有名な人物もメンバーになっているケースもある。
例えば、1932年に開かれたアムステルダム世界反戦大会がそれで、
同大会ではロマン・ロラン、アインシュタイン、宋慶齢、片山潜らが、
日本の中国侵略に反対する極東反戦会議を33年に上海で設けることを提案している。
(宋慶齢=孫文の奥さん
アインシュタインは翌年、ナチスの迫害から逃れて亡命・渡米する)
片山潜は、当時の日本人の中でもかなり国際的に有名な人物だったが、
この人もやはり共産党党員ということで、大きく取り上げられることは無い。
冷静に考えれば、当時のヨーロッパで最も活躍した文化人の一人である
ロマン・ロランやアルベルト・アインシュタインと協力して満州支配に抵抗した
日本人がいたというのは、相当な美談だと思えるのだが、アカはノーサンキューらしい。
日本の美談に無理がある理由として、
治安維持法で締め付けられていた戦前に、あえて法を破ってまで
反戦運動を行った人間が共産主義者か、それに準じる人しかいなかったというのが大きい。
あるいはクリスチャンか?いずれにせよ売国奴と呼ばれた人物である。
こういう人たちを取り上げると、遠まわしに日本政府の批判をしてしまうことになる。
(というのも、戦後70年、彼ら「売国奴」を逮捕、ひどい場合は
投獄・拷問、処刑したことに対する賠償を日本政府は行っていないから)
そこで、今日のような微妙なエピソードを美談にするか、
あるいはシベリア抑留やBC級裁判のように日本兵を被害者にできる話にするか、
はたまた戦後まもなく経済を復興させた民間人を取り上げるかのいずれかが選ばれるわけだ。
まぁ、所詮はテレビ番組だから、もはや仕方あるまいで済まされる話でもあるのだけれど、
それならそれで、わざわざバラエティで取り上げたり再放送することもないでしょうという話で、
どうも、作り手側のモラルというか歴史認識も薄れているんじゃないかと心配になってくる次第である。