津市小舟、殿船団地入口より200m西にある、宇気比神社です。
「宇気比神社」という名称の神社は、三重県の志摩地方を中心に多数あります。
古事記には、神の御心を伺う行為を「宇気比」と記述されているそうで、
今風の言い方をすれば「巫女パワーの神社」ということですね。
階段を登ると、小さな拝殿があります。
拝殿の奥には、神明造りの社殿があります。
冒頭の画像の、入口の鳥居の横には、
長い木の柱を収納する小屋がありました。
おそらく、旗を掲げるなどして神社の行事に使っていたものと思われますが、
現在は使っていないようです。
地元の自治会長さんによると
「櫛形地区は、昔は櫛形村というひとつの村やったのに
現在も4つの神社があるんやで。
ひとつの村にひとつの神社となったはずやのに、
4つも神社を残したんやで、珍しいなあ」
とのことです。
明治時代末期の神社合祀政策により、全国で1914年までに約20万社あった神社の7万社が取り壊されました。
特に合祀政策が甚だしかったのは三重県で、県下全神社のおよそ9割が廃されています。
ひとつの村にひとつの神社として整理統合し、
その代わりに村(行政)が「村社」として神社を運営していくという施策であったわけですが、
一部の村では、完全にひとつには整理できなかったようです。
かと言って、神社の運営経費は村の負担となったわけですから、
複数の神社を維持していくのは、大変だったことでしょう。
平泉神社(津市分部)