六根清浄、お山は晴天。 登って下って、どっこいしょ。

たまに書く、時々入力、気が向いたら、したためる。駄文満載、阪神裕平ことおやじぃ雅のアウトドア雑記帳。

「富士山」バックに、極楽・至極。

2013-11-04 17:28:29 | 絵になる「お山」
~ふくの湯の富士山背景画~



 登る富士もいいが、見る富士も美しい。そして季節は冬である。この寒い
時期に天候に左右されることなく、本物ではないが美しい富士山の姿が拝め
る場所として、思い浮かぶのは銭湯かもしれない。

 銭湯になぜ富士山がなる疑問はたまたまが正解だそうで、特に由緒正しき
理由はないそうだ。また富士山の背景画には’“東高西低”の傾向がある。これ
は銭湯内部のつくりが影響しており、湯船を真ん中に配する関西に対して、
壁際が多い関東の方がビジュアル的にも富士山がマッチするからといわれる。

 しかし日本中で銭湯の数は年々減っており、富士山の背景画を描く絵師に
いたっては、もう日本中にたった2人しかいないそうだ。そんな2人が描いた
富士山が1枚づつ男・女湯に描かれている銭湯が東京にある。これは行かね
ばと、出向いてみた。

 スタートは、資料の収集にと訪れた神田神保町の本屋街。ここから歩く。
JR御茶ノ水駅、順天堂他大きな病院の間を抜け、本郷通りを一路東大方面
へ。赤門を過ぎ、地下鉄の本駒込駅あたりで方向転換、JR田端駅へ向かう
道をしばらく進むと、その銭湯はこつ然と現れた。名称は「ふくの湯」、
こぢんまりとした銭湯だ。

 浴室は男女週がわりとなり、当日の男湯は「赤富士」のある大黒天の湯
だった。湯船につかって仰ぎ見る赤富士。これもまた絶景である。それで
は、そろそろ出ますかな。さて風呂上がりは、富士山には月見草が似合う
そうだが、お風呂の後はやはりコーヒー牛乳が相性よしである。

★蛇足、おまけの駄文。
 このところ東京の銭湯の背景画に「立山」が増えているそうだ。理由は
宣伝。2014年度の北陸新幹線開業を前に、富山県が展開するPRの一環だ。

 都内の銭湯経営者は、そのほとんどが富山、石川、そして新潟の出身者
だそうで、銭湯で富山をアピール、富山なら富士山より立山となったよう
だ。そういえば、銭湯ではお馴染みのケロリンの黄色い桶。頭痛薬ケロリ
ンの製造会社も本社は富山。どうも富山は、銭湯との縁が深いようである。

夏はご勘弁。なぜなら…

2013-09-30 22:35:36 | 絵になる「お山」
冬枯れの「黍殻山」へ行って来た。
しかしこの場所…。夏場は二の足、ちょっと躊躇したくなる?


仲秋のある日、偶然入った展覧会会場の
キャプションが気になった。
記載によると、何でも作者の作風の転機となったのが、
夏の丹沢、黍殻山への山行だったとか。
きびがらやま? 知らないので行ってみた。



 絵画は夏の風景だが、出かけたのは2011年11月23日。季節は冬で、日本
全国休日の勤労感謝の日である。しかし朝の登山口は、私以外は1名。人気
の山域である丹沢でお休みだというのに、この人出。本日は、かなり渋めの
山歩きになりそうである。

 天気にも恵まれ、体調も良好。よって、あっさりと黍殻山(1272.8m)
のピークに立つ。ピークにはチープな山頂であることを示すプレート以外
は、特に何もなし、また展望も臨めない。したがって先を急ぐ。

 程なく黍殻山の避難小屋に到着した。夏場であれば、周囲は草原となる
場所にポツンと避難小屋がある風景は、かなり美しいに違いない。絵心を
持ち合わせていない私でもそう思うのだから、画家ともなれば相当何かを
感じられるはずだと思う。

 今回の山へ行くきっかけとなった展覧会は「犬塚勉」氏の作品展だった。
谷川岳で亡くなった彼のスーパーリアリズム技法のきっかけの地となった
のが、この黍殻山だったそうである。現在はすっかり枯れてはいるが、そ
れでも“絵”になる。「よし、夏も」と思いかけたが、やめにした。

 理由は看板。看板の文面にはこうあった。「春~秋、ヒルとマムシに要
注意」。どちらも苦手である。どうやら私、草原の中に建つ黍殻山避難小
屋を拝むことはできそうにない。

 黍殻山以降は、散々迷った末に犬越路ルートと、これまた渋めの選択と
なる。富士山の絶景ポイントである姫次からは、真っ逆さまに神ノ川へと
下り、再び登って犬越路。犬越路からは沢沿いの道を経て林道へ。あとは
のんびりと西丹沢自然教室へ。ややや、雨が降って来た。少し早足だな。



●コースタイム(カッコ内の左・到着、右・出発時間)  
JR橋本駅
(6:20)
 ↓↓↓↓
三ヶ木→→→→→→焼山登山口→→→→焼山直下(1000m付近)→→→→
(6:54/6:55)   (7:16/7:25)    (8:40/8:50)         

橋本駅発のバスは「三ツ木」で、隣に停車しているバスに乗り換えて登山口
へ。結構せわしなく、時間に余裕がない。小学生への注意ではないが、バス
に乗る前はトイレタイムも忘れずにが無難かも。なお登山口には、停留所先
にトイレあり。

焼山(1059.6m)→→→→黍殻山(1272.8m)→→→黍殻避難小屋→→→
(8:55/9:05)      (9:38/9:45)     (9:50/9:50) 

登山口からは、下りの場合はスリップ注意の場所もあるが、登る分には特に
問題なし。

焼山ピークでは「鉄塔状の展望施設」が、一方黍殻山のてっぺんでは、かな
りチープな山名表示のプレートと、大層立派な雨量計がお待ちかねである。

黍殻山の避難小屋は、超がつく程、きれいで立派。しかし、これは外見だけ
だったようで。2013年秋より建替え工事中。完成は2014年3月とか。


姫次→→→→→→→→袖平山直下→→→→→→→1010m付近→→→→→→
(10:40/10:45)    (11:00/11:00)     (11:30/11:50)

姫次に近づくにつれ、登山道には木製の階段が出現。ただし、かなり老朽
化というのか、壊れており、非常に歩きづらい。そうこうしているうちに、
東海自然歩道の最高地点(1433m)を通過する。

袖平山直下から・1077(風巻ノ頭)は、地図を見て想像する以上に急降下
となる。また足場も悪く、所々にロープもあり。行動は慎重に。

・1077(風巻ノ頭)→→→→神ノ川公園橋→→→→神ノ川ヒュッテ→→→
 (11:55/12:15)     (12:50/12:50)   (13:00/13:15)

・1077(風巻ノ頭)には、ここより神ノ川間は、丹沢一の急勾配との表
示あり。実際に歩いてみると、確かにその通り。浮石ゴロゴロの道を転が
るように進む。

なお、神ノ川ヒュッテで聞いた話によると、このルートは夏は山岳マラ
ソンのコースだそうだ。

犬越路→→→→→→→→用木沢出合
(14:20/14:50)   (15:45/15:50)       
             ↓↓↓↓
           西丹沢自然教室
             (16:10)

神ノ川ヒュッテから犬越路、そして用木沢までの道は、よく整備されて
はいるが。いかんせん沢沿いの道。そのため川の増水などで被害も受け
やすく、一部に不明瞭な箇所もあり。ただし道標は多数設置されている
ので、もし道がわからなくなったら周囲をよく見ること。必ず道標他、
道の目印が発見できるはず。

しかし沢沿いの道である。悪天候時は避けた方が賢明かも。

犬越路にも、先程の黍殻山避難小屋に負けず劣らずの避難小屋あり。