六根清浄、お山は晴天。 登って下って、どっこいしょ。

たまに書く、時々入力、気が向いたら、したためる。駄文満載、阪神裕平ことおやじぃ雅のアウトドア雑記帳。

続“干支”セトラ

2021-11-11 11:46:01 | THE GOAL IS A PUBLIC BATH〜それ行け、銭湯登山!
振り出しは山登り、上りはひとっぷろ(五)
「牛にひかれて」2話
【長野県、群馬県】


●2話目「牛に魅かれて」ウロウロと
倉賀野~高崎(群馬県)

疫病騒ぎは100年に1度は発生するそうだが、
そんな話は、つい最近まで知らぬ存ぜぬの身。

そんなこんなで、
えらいこっちゃと、あたふた過ごす
2年目の夏も暑い。気温に湿度は
あいも変わらず毎度のごとくである。

仕事は、少しづつ以前の状態に
戻りつつあるものの、
自営というのが玉にキズ。

収入の関しては、耐え難きを耐え
忍び難きを忍びの状態が続く。

それでも仕事の合間には、
極力人との接触は避けつつ、
ちょっとだけアウトドアへ。

前回は、変な疑問に
自分なりの答えを出すために
長野へと出かけた。

そして長野から帰ると
またしても、あるフレーズというか
今度は地名が気になり出した。

それが「高崎」。

どうも長野を歩いた際にメインとなった
国道18号の起点が高崎だったため、
行動中に「高崎から○キロ」なる表示と
定期的に接していたことに起因しているようだ。

そこで、とりあえず地図を見てみる。
すると「牛街道」という場所を
発見してしまった。

何でも牛街道とは、江戸時代における
物流の一大拠点だった川の港「倉賀野河岸」から
物資を運ぶルート。牛を使っていたために、
そんな名称が付いたという。

現在は、単なるマチナカの道だそうだが、
牛という文字が、おいでおいでと
手招きしているようだ。

「引かれて」に続くは「魅かれて」か。
いいじゃないですか、これも何かのお導き。
事前にインターネットで入手した
観光案内地図には、周囲には古墳も点在していた。
おまけに高崎にも、趣ある銭湯もあるようだ。
それではお邪魔しますか。

行程は、牛街道を含め倉賀野散策経由、
めざすは高崎の銭湯としてみた。

JR「倉賀野」駅を出て、
まずは倉賀野河岸跡へ。令和の今は、
何もない河原だが、
ここは瞼でも閉じて空想力、
往時の賑わいに思いを馳せる。
ただし長時間は禁物。

               


       

変な人が目をつぶって立っていると、
不審者に間違われかねないので
早目に切り上げる。

お次は倉賀野河岸を背に、
牛街道へ。現在はいわゆる路地であり
すぐに表通りの中山道にぶつかり
おしまいとなるが、ここでも空想力。
すると牛の姿や声が‥。
見え、聞こえたことにしておこう。

中山道に出たら、行きつ戻りつ
江戸の風情を感じさせる場所を巡り、
今度はいきなり時代を逆行で、古墳も見学。

     

   


中山道には日除けにもなる
並木が欲しいところとぼやきを交え、
江戸に古墳と、随分と隔たりのある
時間旅行を続けるうちに
着いたところは、JR「高崎」駅。

残すは銭湯で、ああ極楽体験のみ。
高崎名物の焼きまんじゅうを食いつつ
銭湯の場所を確認して、それでは出発だ。

それにしても、今日は同じデザインの自転車を
やたらと出会う。

よく見ると高崎には「高チャリ」と呼ばれる
無料の自転車貸し出しサービスがあるようで、
さっきから見かける自転車が、それらしい。

ならば私めも銭湯へはまたがってと、
心が動いたがイヤイヤせっかくの歩き旅、
ここは我慢で、キープ歩行モードでまいりますか。

ただ何度なく自転車を見ていたら
もしかしたら自分の前世は
ママチャリだったのかもしれない。
ふとそんな気がした。

理由は自転車は、常に走っていなければならず
立ち止まったらすってんころりん。
このあたりは、いつもバタつき動き回る
普段の暮らしぶりとよく似ている。
また仕事ぶりも、毎度毎度の土俵際で崖っぷち、
いってみれば自転車操業状態だ。

おっと柄にもなく悲観的、
これも夏の暑さのせいかもしれない。

さあさあ自虐チックで、後ろ向きの発想はそのへんで。
それに前世がママチャリならバックはできぬはず。
だったら前へ進め、汗を流しにと銭湯へ急げである。


♨️銭湯メモ♨️
銭湯は城址の先にあり、名称は「浅草湯」。
外観も内装も純和風で、これぞ銭湯という
佇まいのお風呂である。

ちなみに、こちらの銭湯も長野で浸かった
「亀の湯」と同じく、100年以上も前から
営業中だそうだ。

〜2021(令和3)年11月、遅過ぎの感は否めないが、とりあえずアップ。
  今回もタイトルの「振り出しは山登り」はノー登山で偽りあり。
    そして牛街道の隣には馬街道もあり。では今度の訪問は5年後か。
      まあ随分と気の長い話だことである〜

“干支”セトラ

2021-11-09 02:06:48 | THE GOAL IS A PUBLIC BATH〜それ行け、銭湯登山!
振り出しは山登り、上りはひとっぷろ(四)
「牛にひかれて」2話
【長野県、群馬県】

●1話目「牛に引かれて善光寺」を、少しトレースしてみる
滋野~姨捨~善光寺(長野県)

            

とりあえず仕事は、先方に提出した。
後は、直しを待つだけ。

そんな夏の昼下がり
突然、あるフレーズが頭の中を駆け巡った。

同時に、フレーズの内容について
常々はてさてと引っ掛かると感じていたことも
付かず離れず、フレーズの後ろを追いかける。

フレーズは「牛に引かれて善光寺参り」。
今年の干支にもちなむ、有名な一文だ。

そして、はてさて引っ掛かるのは移動の距離で、
自分自身に置き換えたらという点である。

この一文、細かい展開や意味はさておき
発祥というか、登場人物であるお婆さんが
牛を追いかけ始めたスタートは小諸市。

小諸は、大学時代に所属していた
クラブが所有する山小屋を訪ねた際の帰り道に、
よく隣駅「滋野」を利用するため
何度となく通過している場所である。

そんな小諸から牛に引かれしお婆さん、
着いた先、ゴールは長野市の善光寺である。

小諸と長野・善光寺間の距離は
フルマラソン以上の長丁場。
これはフィクションの世界の話であり、
まあよろしいのではとなる部類のことではある。
が、お婆さんの健脚ぶりには、天晴れのひと言だ。

そして天晴れついでに、頭をもたげて来たのは
では、お婆さんならぬお爺さん、
つまり自分の老体ならどんなもんなのか。

もしも1日かけて歩いた場合、
善光寺までは多分無理だが、
ではどのあたりで、ギブアップとなるのか。

以上のような、他人から見れば
実にたわいもない、だが自分自身にとっては
大問題といったことが
2021年の夏、頭の中ではんすう状態となる。

こうなると、何も手につかず。
解決策はひとつだけ、やってみること。
ということで、ルートをチェック。

よくよく調べてみると、途中には日本三大車窓の
絶景に数えられる「姨捨(おばすて)」や、
善光寺の近所には渋めの銭湯もあるようだ。

ではパッキングである。

今回の行動、想定は大学時代のクラブの山小屋へ出かけた
帰り道に「牛に引かれて」としてみた。

したがってスタート地点も、毎度東京へ帰る時に使う
「滋野」駅。時間も、利用することの多い夕方としてみた。

また日程は夕方発なので、途中で野宿1泊、
1泊2日で、ゴー長野&善光寺である。

バスにて東京を昼に立つ。
滋野駅には16時半過ぎに着。
軽く体操をして、沈む夕陽を追いかける形で
西へ、西へと歩き出す。

途中で、宿場に古墳など寄り道も結構あって、
「信濃国分寺」駅に着が19時を少々回った頃。
駅前で、寝るには格好のベンチも発見。


では今日はここまで、今夜は夏の夜空でも
見ながらグッドナイトである。

翌日も天気は晴天。
朝は山での行動の基本でもある
早立ちと6時には出たものの、
これまで同じく、寺にコンビニ、それ以外と
道草に回り道もかなりあり。


それでも9時半過ぎには
温泉街「戸倉」の駅までやって来た。

少しのつもりだったが、
たっぷり休んで、ここからはひと登り。
大汗かいて、もうバテバテと弱音を吐きつつ
やっとの思いで姨捨の駅へたどり着く。
到着時間は12時少々。

さっそく駅のホームへ。
なるほど景色は素晴らしい。
でも夜景も必見のようだ。

      

ここで耳にしたのが、
悪魔のささやきというか、
自らの弱気の虫の声。こんな内容だった。

せっかくだから、どう夜景も拝んだら。
長野の善光寺へは姨捨駅から
電車に乗っても行けるんだし。

ここで根性ありなら、
そんな声何ぞは無視、耳も貸さずにだが
根っからの軟弱の身。たちまち身も心も
お散歩、お昼寝モードとなる。


お陰で、横長で独特の夜景の美しさを
じっくりと堪能。そして電車に乗って
ゴールの長野へ。

予定では夜の新幹線で帰京だったが
肝心の善光寺参りはまだ、それに銭湯にも
お邪魔していない。

とりあえず仕事も一段落状態だ。
よし、今日は長野にお泊まり、
東京へは明日帰るといたしましょうか。

小諸発でもなく、あっさりリタイアと
自慢できる結果ではなかったが
漠然ながらも牛に引かれての雰囲気は
掴めたような気がする。

とりあえず、すっきりである。
ではお宿でも探しますかな。無ければ
得意のステーションビバークでもいいかな。


(追記)
夜は結局青天井、駅前の広場で
寝てしまった。

目覚めた翌日は、少々遅めの朝食と
長野名物「牛乳パン」をほおばり、
食後は長野駅から歩いて善光寺へ。

参拝後は、あの小原庄助さんは朝だが、
私めは昼。これなら身上(しんしょう)を
潰すこともなかろうと、銭湯へも。

銭湯の名称は「亀の湯」。
創業は大正中期というから、
もう100年オーバー営業中のお風呂である。

          

時代を感じつつ、ではニューヨーク、いや入浴だ。
しばらく令和のバタバタを忘れて
ハダカ天国、風もないのに
ぶぅらぶらタイムを過ごす。

これで身体もさっぱり。
では今度こそ、そろそろ先方からの
直しなど、仕事も待つ東京へ戻りますか。


〜2021(令和3)年11月、今頃夏の話をアップ。
  おまけにタイトルには「振り出しは山登り」とあるが、
    行動中に頂は踏まず。このあたりは、まあ良しとしますか〜