のんびり、ぶらぶら、歩いてのはずが、嗚呼~
“アディショナルタイム”は
約100分
居酒屋で、つまみを注文しているのではない。
また、ここが出題されなかったら白紙かなと
試験前日の一か八かの心境でもない。
今、正真正銘、新潟にて山を駆けている。
といっても、
トレイルランに興じているわけでもない。
実は、帰りに乗る予定の
列車の時刻を勘違い。
慌てふためき、間に合うか、間に合えよと
祈る思いで駅へと一目散、急いでいる。
気がついたのが、これがまた
何とも微妙なタイミングだった。
今回の行動はピストン山行だったので、
帰り道は勝手知ったる歩いてきた道。
そのため、ここまで歩けば
駅はもう少しの距離となったところで、
まだ時間には余裕があるぞと大休止。
だあれもいない、通らない
林道の脇で、ぼんやりと過ごしていた。
たっぷり過ぎるほど休んで、腰を上げる前に、
念のためと事前に作成したコースタイムと
携帯電話の時刻と交互に見ていると、
あれれである。
いかん、しまった、これは大失態、
列車の時間を間違えていたことに気がついた。
これが大幅になら、あきらめもつく。
ところが、さっきも書いたが
現在の居場所から駅までは、
走ればもしかすると間に合いそうな微妙な距離。
列車の到着時間が、予定より少し遅れることだってある。
ここは走るかと、息せききって
予定外のダッシュとなってしまった。
しかし結果は無念、駅到着は
発車時刻を過ぎていた。当たり前だが駅に列車の姿なし。
さすがは日本の鉄道、時間には正確ですなと
感心しつつ、ここは観念で次を待つしかない。
駅に掲示された、ほぼ空白の時刻表をチェックしてみると
次の列車まで、待ち時間は約100分である。
時間つぶしに駅の近くを散策でもと考えたが、
駅の周囲はオンリー道路で、ほかには何もない。
仕方がないので、人の気配は全くなしの
駅のホームでザックを枕に大の字となり、
遅いが夜ではないので昼寝タイムかなと目を閉じてみる。
目を開くと列車がやって来るまで、あと60分。
30分くらい寝ていたようだ。
ちょいと小腹も空いてきた。
そうだ確かザックになかには
入山前、別件の用事後に予備食にでもと
購入した「サンドパン」が
残っていたことを思い出した。
昼寝に続き、今度もまた少し遅めだが、
3時のおやつ、モグモグタイムとまいりましょうか。
サンドパンとは、コッペパンにバタークリームが詰まった
やわらかい食感と甘さが特徴となる菓子パンで、
新潟のご当地パンでもある。
そんな一品を口にしながら、ふと思った。
周囲は自然がたっぷりで、
時間もどこかのんびりと進んでいるような。
おまけに静かで、変な雑音もない。
コスパ、タイパと大忙しで騒がしい都会とは、
まさに真逆の世界である。
それに太陽の光や、風の匂いや音など、
五感で感じる自然も、どこか心地よしだ。
やはり人も動物。期せずして、
自然に囲まれたローカル線の無人駅で、
都会生活で不足気味な
ビタミンN(ネイチャー)を補給できた気がする。
う~ん、この列車を待つ間は、
食べているのパンの名称はサンドではあるが、
決して「砂をかむ思い」ではない
貴重なひと時になったのかもしれないな。
自らのミスの招いた状況を棚に上げ、
都合のよい解釈をしながら
列車の到着を待つ。
それにしても時間がたたんな。
おいおい、つい今しがた
のんびりは素敵だてなことを
ほざいた舌の根の乾かぬうちに‥。
いやはや人の心は二転三転、
実にわがまま、困ったものである。
〜出かけたのは確か6月だったか。
そんな古い話を今頃記すのだ〜
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