六根清浄、お山は晴天。 登って下って、どっこいしょ。

たまに書く、時々入力、気が向いたら、したためる。駄文満載、阪神裕平ことおやじぃ雅のアウトドア雑記帳。

アンダンテ、返上。ただし本日だけ

2016-05-18 02:07:31 | Lively~話題&人気の山
日本一小さい山脈、櫛形山脈
(JR中条駅~関沢~櫛形山~鳥坂山~白鳥山~JR中条駅)&塩の湯温泉
  

「タクシーに乗るべきだったかな」。
少し後悔しつつ、その日は歩いていた。
ここは新潟県の胎内市。日本で一番小ぶりな山脈である
櫛形山脈からの帰り道、山の汗は
ひと風呂でと温泉へと向かっている。

「駅の脇の道から線路を渡り、
後は、ひたすらまっすぐ」。
資料では、駅からタクシーとなってはいたが
とてつもなく遠いというわけでもないので
ここは節約、ケチに徹しますかと徒歩とはしたものの
単調なこともあり、スピードは一向に上がらない。

「ウォークもいいが、ランでも楽しそうだ」。
山での行動は、朝、JR中条駅をトボトボとスタート。
そして途中の関沢から登山道へと入り、
櫛形山(568m)、ユズリハの峰(385m)、
鳥坂山(とっさかやま/438.5m)、
白鳥山(298m)を巡り、再びJR中条駅に戻って来た。


        
最近、このルートは“山駆ける”と
トレイルランのコースとして、つと有名だ。
実際に訪れてみると、自らはいつでも山はアンダンテ、
歩くようなスピードがモットーであるが、
足の回転が上がることも度々。

理由は、アップダウンが続くが
急な下りが多いせいか、ずっと下っているような気になること。
加えて足元が滑りやすいので
自然と足の運びはスピーディーに。
お陰でちょっとだけ
トレイルラン気分を味わうことができた。 
        
         


「築地は、つきじと読まないのか」。
温泉にはまだ到着しない。しかし、出がけに
ここを過ぎれば、もうひと息だと
チェックポイントにしていた築地を通過。
しかし東京とは異なり、こちらは漢字は築地でも、
読み方は「つきじ」ではなく「ついじ」。
よく見ると地図にもルビがふってあった。
もっと読図は、しっかりとしましょうである。

「間もなく海、そして」。
JR中条駅を出発して、すでに1時間を過ぎた。
もうそろそろと感じた矢先に
お目当ての温泉の看板だ。

それでは、山の汗を
海を眼前にした温泉で
さっぱりと洗い流すといたしましょうか。
とりあえず、帰り道のことは忘れて。

「では、駅へと戻りますか」。
温泉を出て再び往路を戻る。
途中、築地周辺にさしかかると、
クラブ活動を終えた学生さんたちと遭遇した。

そしてすれ違うたびに、こんにちはと
ご丁寧にも皆さんひと声、ご挨拶である。

元気一杯あり、どこかテレもあってか
ぼそぼそとなど、いろいろな声に
こちらも挨拶返しをしているうちに
パワーをいただきました。

現金なもので、
足どりも軽やかとなってきましたぞ。

今日は学生時代のテスト勉強や、
おっさんとなった今なら居酒屋のメニュー以外では、
とんとご無沙汰の“やまかけ”三昧の1日だった。

温泉と挨拶で喉が渇いた。途中に1軒だけあった
コンビニエンスストアで、ビールでも購入するか。
よし急ごう。こうなったら平地でも小走りだ。


《温泉について》
温泉名は「塩の湯温泉」。温度はかなり熱い。
そして温泉を口に含むと“看板”に偽りなしでまあ塩辛い。
また何となく油のようなにおいもする。

猫舌ならぬ“猫身体”の身のため、
湯舟につかるまでは
かなり時間を要したが、熱さもあってか
お湯から出ても身体ポカポカで、実に気持ちよし。
また塩分は強いが、ベタベタ感もない。
お値段は350円。



~2016(平成28)年5月2日(月)いつもよりは駆け足気味で歩く~

よしなしごとを、いろいろと

2016-05-11 23:48:08 | Lively~話題&人気の山
奥沼津アルプス(多比~大平山~・219~大嵐山~原木)




人間とは四六時中、所かまわずで
考え込んだり、思いにふける生き物だ。

たまに山へと出かけても
自然の美しさに感動しながらも
一方で頭の中では
あれやこれやと、
疑問に愚問に妄想やらが
浮かんでは消えてと忙しい。

今回も、こんな有り様である。

計画自体は、実にシンプルで
日本一の吊橋を渡るだった。

昨年末に静岡県は三島市にオープンした
人専用では日本最長の吊橋「三島スカイウォーク」。
場所柄、セールスポイントはやはり富士の絶景だ。
そこで日本一の吊橋から、日本一の山を拝んでみるかなと
まさにうたい文句にのせられてというものである。

しかし、ここで一考である。
せっかく静岡まで足をのばすのだから
吊橋だけでは、もの足りない。

そこで、ひと登り、山歩きをとプラスしたのが、
三島市のお隣となる沼津市にある
“恐怖”の低山だ。

恐怖の低山とは、沼津市の駿河湾沿いに
連なる静浦山地の縦走路を指す。一般には
沼津アルプスとの愛称で、人気のある山でもある。

標高は最高峰の鷲頭山(わしずやま)で392m程度。
ところがルートは、急登に急降下の連続に、
クサリ場にハシゴもありとなっており、
これが恐怖たるゆえんだ。

ただ吊橋の件もあるので、全山縦走は時間的に厳しい。
そこで計画は、多比から大平山(356m)、
奥沼津アルプスを歩き大嵐山(おおあらしやま/191m)、
大嵐山からは伊豆箱根鉄道の原木駅へ下山し、
その後は電車&バスで吊橋へとする。

歩いてみると、恐怖というよりも
飽きのこない変化に富んだという方がよく似合う
低山らしからぬ行動が続き、短時間ながらも面白い山旅となった。

景色は、登り始めこそ左手に富士、右手に海も見えるが
それもつかの間。次に富士山と出会えるのは
奥沼津アルプスの終点・大嵐山までおあずけとなる。



道中はハシゴを登って、急坂&急降下と楽しかったが、
気になる点も。それが道標のこと。
出発、ゴールとなる場所にある道標は、
どちらも共通して、なぜかわかりにくい。

出発地点の多比では、登山道の入口を示す
道標は障害物に隠れていた。



またゴールとなる大嵐山も、柵の切れ目が
登山道の出入口となっており、道標の類いがなければ
見つけるのはかなり難儀だ。
もちろん道標はあるにはあるが、壊れていた。



これはきっと、ちょっと歩いてみるかと
足を踏み入れる困った観光客の
侵入を防止するために違いない。

と、当初は考えたが、いやもしかしたら
山の管理に関わるそれぞれの関係機関が
ウチの担当はここまでとか、それは前例がないとかと
連携がうまく行っていないのかもしれない。

日本の山では、よく耳にする話だ。
せっかく魅力ある山なのに、もったいない。

いかん、いかん、どうもひとりで考えていると、
勝手に変な結論を出そうとしてしまう。

そうこうしている間に、出発の時間だ。
次は、いよいよ吊橋である。

いや、待て待て。吊橋のある三島といえば
最近はコロッケで地域活性化が盛んとなっている。
吊橋の前に、美味しいコロッケのお店を
ハシゴしてみるか。そうそうハシゴなら
さっき山にもあったっけ。

熟慮とはいえずだが、短慮軽卒や
一徹短慮とも、また違う。
いうなれば八艘ならぬ“発想”飛びですかな、これは。

お前は義経か。自らに茶々を入れつつ駅へ、
下山路を急ぐ。


~2016年3月23日、それこそ考える“足”となり歩く~