ミカドも愛した国民食のひとつを味わいに
ヤビツ峠で、馬鹿に旨いカレーを
【ヤビツ峠~護摩屋敷の水・ピストン~蓑毛(神奈川県)】
バスは定刻通りに出発した。
車内は平日の朝らしく、通学客で混んでいる。
やがて学校のある停留所に着き、
学生たちが降りてゆく。
車内は誰もが座った状態となり
立っている人はいない。
そんな残った乗客を、あらためて見渡してみると‥。
あれま年寄り、失礼、年配の登山者ばっかりだ。
おっと忘れていた、俺も立派なじぃさんか。
乗っているのは、小田急線「秦野」駅を
8時25分に出発して、ヤビツ峠へと向かうバスだ。
学生たちの降りた後の車内は、
はたから見れば皆シルバー登山者だが、
唯一、ひとりだけ除外される。
それが、かくゆう私め。
足の指が壊れて以来、
屋外行動には、歩行時間3時間までの
“リミッター”がついてしまった。
3時間を超過すると、とにかく痛い。
加えて、下りはまだ我慢ができるがアップ、
登りは痛む度合いも急上昇するので
極力控えてと、我ながら情けない状況である。
だったら視点を変えて
ここはひとつ、山登りではなく山下りにでも
挑戦してみますかと思い立った。
しかしそんな都合の良い場所はないか、
いやあった、しかも近場だ。
では早速ということで、バスの乗っている。
なお今回の主な目的は、登山ではなく食事。
きっかけは、ある新聞の記事だった。
記事によると丹沢のヤビツ峠には、
今上天皇が若かりし頃に訪れた際に振る舞われ、
絶賛したカレーを今に再現、
メニューにしているお店があるという。
ヤビツ峠なら、往路はバスでいける。
これなら登りはなし。
さっそく行動計画を練ってみた。
バスは8時を逃すと、平日は14時台までない。
したがって選択肢なし。
8時25分発のバスは、ヤビツ峠に9時を
少し回ったあたりに着く。
この時間ではお目当てのお店は
まだ閉まっている。
よって今回の登山、いや下山行動計画は
バスでヤビツ峠、降りたら近隣の名水「護摩屋敷の水」で
お水をいただき、それからカレーを、
朝昼兼用のブランチとして楽しむ。
そして食後はブラブラ徒歩にて蓑毛までとしてみた。
当日は予定通り、水場で憩い、周囲を散策後、
カレーのお店へと足を運ぶ。
直ちに入店し注文、もちろん決まり文句、
「あっ、すいません、ご飯大盛りで」も
しっかりと伝える。
いよいよカレーがやってきた。
では、いただきます。
しばらく味わっていたら、お店の方が
「最近、よく現れるんですよ」と
庭先を指さす。庭に目をやると、野生の鹿が
葉っぱむしゃむしゃ、鹿もブランチタイムを
満喫しているようだ。
こっちは旨いカレーを食し、お隣では鹿が
無心に食事中。ここで、いきなりダジャレが
頭に浮かぶ。
「鹿」といえば、暴言でお馴染みの
あの二文字に登場する漢字のひとつ。
それから「旨い」を「馬い」に変換して。
そうだ「並外れている」といった
意味を表現する際には
「馬」に「鹿」の漢字を使うこともありましたっけか。
よぉし、ならばこのカレー、正式メニュー名は置いといて
勝手に命名・馬鹿に旨い、
「馬鹿旨カレー」とさせていただこう。
カレーも完食。腹も満ちたし、へんてこりんで
お店の方には失礼となるような
ダジャレ・メニュー名もこさえた。
これにてヤビツ峠でのミッション、無事完了。
それでは蓑毛まで2時間ばかりの下山登山行動、
出発進行、のんびりと歩いてまいりましょうか。
~下山は山道もあるが山ビル天国。
山ビルの餌食はご免と車道を歩く~
~ブログへのアップは10月だが、
歩いたのは2024(令和6)年7月19日(金)~