六根清浄、お山は晴天。 登って下って、どっこいしょ。

たまに書く、時々入力、気が向いたら、したためる。駄文満載、阪神裕平ことおやじぃ雅のアウトドア雑記帳。

み~と・ざ・ね~ちゃぁ・まうんてん(1)

2019-04-09 14:55:55 | Mt.Fuji~ただし“本家”を除く
ビーフだけにあらず松阪〜その1〜
今日“も”ここまで
堀坂山~観音岳~日川富士〜鉢ヶ峰【松阪市/三重県】



自らも「おじさん」の称号を卒業して、
そろそろプラス「ぃ」、自覚は全くないが
「おじぃさん」の域に差しかかる年齢かもしれない。

そして後ろからやってくる人、年齢はどう見ても
私を上回っている。しかし早い、速い、
ついでに疾いも加えていいほどの健脚だ。

ここは三重県松阪市。日本三大和牛のひとつである
松阪牛(まつさかうし)の故郷である。

本場で牛肉三昧、松阪牛に舌鼓を打ちにと
いいたいところだが目的はなぜか山登り。
予定は伊勢富士とも称される堀坂山から
日川富士まで、ご当地富士をつなぐコースを歩く。

さて先ほどの後ろからやってくる人とは、
堀坂山の登山口に通じる林道入口の
駐車場で出会ったご婦人だ。

ご婦人は、朝ごはんに軽く体操と
こちらが出発前のルーティンワークの最中に、
地元ナンバーの軽自動車で登場。

運転席から降りるやいなや、
テキパキと身づくろいの後、
さっそうと出発である。

遅れること少々で、こちらも
後を追うように歩き出す。すぐに追いつき
駐車場では目礼程度だったが、今度は
「こんにちは、お先に」「どうぞ、どうぞ」と
言葉を交わして、追い越した。

林道は思いの外急勾配で息が上がる。
別に無理をする必要もないが、
人を追い越したからにはと、
朝から意味不明の理由のもと
カラ元気を出して一気に登山口出合まで。



もう限界という矢先に登山口出合に着いた。

やれやれと来た道を振り返ると、ご婦人の姿が
驚きのスピードで接近中である。

ようやく息が整ったかと思う頃には
すでにご婦人も登山口出合、話もできる距離に。
息の乱れもなく、平然と
ハンカチで汗を拭っていらっしゃった。

この距離で何も話さないのは変である。
そこで定番の天気の話を皮切りに、
しばしお話タイムだ。

ご婦人は、ほぼ毎日ここへと訪れ、
歩いているそうだ。

事前に調べた資料には、堀坂山は地元の人に
大層親しまれているとあったが、のっけから
まさしくその通りと、うなづく場面に遭遇である。

では、そろそろ頂に向けてまいりましょうか。
先に休んでいたので「ではまた、お先に」と
ご婦人にひと声かける。しかしご婦人からは
予想外のお言葉が帰ってきた。
ご婦人曰く「お気をつけて。私は戻ります」。

何ですと、足は再びストップである。
体調に異変でもと、心配になり
引返す理由を根掘り葉掘り質問である。

ご婦人によると、いつも歩くのは
ここまでだそうだ。
気分転換と運動を兼ねたお散歩としては、
適度な勾配もあるこの道が最適だとのこと。

そんな言葉を発してご婦人、回れ右。
踵を返し、再び来た道を歩き出していかれた。
その姿はあっという間に小さくなり、
そして視界から消えた。

慣れているとはいえ、まあ見事な
歩きっぷりである。市民の皆様の健康に
かなり役立っているようですな堀坂山さんは。

では私も初見参。そんな堀坂山のピークへと、
お邪魔させていただきましょうか。

ご婦人が下へなら、こちらは上へ。
それでは登山開始だ。

朝から飛ばし過ぎで、
スタートからちょっとへこたれ気味であるが、
さあて元気出して歩きますかである。



※つけたしの「ふたこと、そしてみこと」。
いい忘れていたが、今日は普通の平日。
にも関わらず堀坂山への道中は、
地元の方とはあちらこちらで
“ご対面”&“ご歓談”となる。
また堀坂山頂上からの展望も良し。



           

一方の日川富士。こちらは一転して
人の気配なし。頂上も木々に覆われ、
展望も、頂上に着いたぞという達成感とも
無縁なる場所。
しかし途中の道では、里山の雰囲気を満喫だ。

           



にぎやかな伊勢富士に、超渋めの日川富士。
両極端のご当地富士山を一度に。
ブランド和牛の故郷で、
面白い低山歩きのひと時を過ごす。

          

〜2018(平成30)年10月16日、今日も元気だが懐寒し。
   お山を降りたら、せめて松阪牛の名店「和田金」の
    前でも通るか。てなことも考えつつ松阪の自然とたわむれる〜

尾張ナゴヤは薄紅色の富士

2018-09-06 19:14:05 | Mt.Fuji~ただし“本家”を除く
公園の“富士山風”遊具施設(愛知県)


この夏、 所用があり新幹線に乗って
故郷・名古屋へ出向く機会があった。

マイクのテストではないが
本日は晴天なり。よって途中の車窓からは
日本一の山「富士山」のお姿とご対面である。

そして、ふと思った。
名古屋と富士山、何となく縁が薄いのかなと。

第一、見ることができない。
肉眼で富士ウォッチングが可能な最西端は和歌山。

よって距離としては問題はないが、
途中の南アルプスなどに遮られ、
残念ながら名古屋からは拝めない。

でも昔は、眺めることができたはずでは。

葛飾北斎の富嶽三十六景のひとつである
「尾州不二見原」通称「桶屋富士」の場所は
現在の名古屋市内である。

しかしこれは、北斎の勘違い。
桶の間に白く小さく描かれている“富士山”は、
南アルプスの聖岳(3013m)だ。

また東京には、かつて流行した富士山講の名残りで
人工的な富士山「富士塚」が点在しているが
名古屋ではあまり聞かないし、見当たらない。

いや待て、待て、ちょっと待て。
つくりものなら
確か、子ども時代に祖母の家への
往復の途中で富士山に遭遇したような記憶がある。

何とも気になる。そこで帰京する前に
少々遠回りと寄り道してみると。

ありました、公園の一角に富士山が。

ルックスは美しい円すい状で、
色はチョイと派手めの薄紅、ピンク色。

これは登って滑って楽しむ遊具と
称するべきなのか。

斜面の一部には、登る足場となる石が埋め込まれ、
また経年劣化でできたであろうヒビが
「金つぎ」のように補修された富士山が、
静かにたたずんでいた。

  

せっかくなので上へ、頂へとアタックしてみる。
ピークは大人1人が座れるスペース。
名古屋ゆえ“よっこいしょういち”の
かけ声のもと腰をおろす。

そしてインターネットで
詳細を調べてみる。

すると、ある新聞記事が見つかった。
記事によると、こちらは1960年~1990年の間に
市内の公園に設置された滑り台で、
モチーフとなったのはもちろん富士山だった。

ふ~んそうだったのか。疑問は氷解したが、
この夏、名古屋の暑さは尋常ではない。
日光が降り注ぐピークに、これ以上滞在していては
今度は身体がとけてしまいそうだ。
急いで下山だ、退却と公園を後にする。

名古屋駅の地下街でひと息。
コーヒーに小倉トーストをほおばりながら
あらためて名古屋と富士山の関係を一考してみた。

やれモンロー主義だ、偉大なる田舎とか、
歴史をひもとけば、三英傑の信長、秀吉、家康は
出世とともに皆地元を離れてしまうやら、
徳川ご三家で唯一将軍が出なかった他と、
自虐的で、ひねくれ傾向がなきにしもあらずの
土地柄ではありますが、名古屋の人も
やっぱり大好き富士の山。疎遠とはいえないようだ。

見えぬならパークに築け富士の山ですかな。

いくつになっても「たわけ者」らしく
実にお気楽、ノー天気な結論に達した。

    

〜2018(平成30年)8月末、猛暑の影響で誰もいない公園にて
   おっさんひとりで“富士山”遊び。人が見たら、ちょいと不気味かも〜


丘じゃあないよ“富嶽”だよ

2018-07-23 23:25:39 | Mt.Fuji~ただし“本家”を除く
明田富士山(35メートル/日本で一番低い富士山)
     

乗るべき列車が駅を発つのは約2時間後。
時間はタップリある。のんびり出かけてみるか。

駅の東口を出る。次は角にNHKがある十字路を右へ。
後は真っ直ぐ。駅から時間にすれば、
ものの10分、15分も歩けば
お目当ての山の登山口入口に着く。

本日は、日本に数ある「富士」という
名称がつく山で、
もっとも低いとされる
「明田(みょうでん)富士山」をめざす。

天気はよろしくない。風は強く、雨も時折
思い出したようにザッと降る。

こんな悪天候なら、駅ビルでお茶でもすすって
ぼんやり時間つぶしでもしているのが得策だが、
“日本一”には、敏感に反応する身。
条件反射的に身体が動いてしまうのだから
いたしかたなしだ。

登山道入口からは、ほぼ階段となる道を上へ。
標高というか、高さは35メートル。
約2、3分もすればピークである。

  

ピークからの景色は意外とグッド。
町の隠れた展望スポットといえそうだ。

しばらく町の風景をウォッチング。それでは
そろそろ下山しますか。

再び、家やビルの間の道を進み駅へ。

まだ列車に乗るには早い時間。
愛用のタブレット「宝の持ち腐れ2号」で
明田富士山に関する情報を検索してみる。すると、
日本一低いとされる富士という名の山は
他にもあるらしい。

そういえば以前、四国では日本で一番低い山を
2つ巡ったこともあった。どうも日本の山は、
一番高いはひとつでも、逆に低いは、
ひとつではないようだ。

しかしどの日本で一番低い山も、それなりの理由、
そして出かけてみると、どれも趣があるところ。
別に目くじら立てることもなし、
複数あっても、いいじゃないですかである。

そうこうしているうちに、出発の時間だ。

それでは新幹線「こまち」に乗って
東京へと戻りましょうか。

では「へばなぁ」明田富士山。
山高きがゆえに貴からずとばかりに
みちのく秋田のマチナカに
ちょこんと“そびえる”
日本一低い富士の山。

    
〜2018(平成30)年7月5日(金)。
 新幹線に乗る前に、足をのばしてひと登りする〜


言葉はみんな 生きている

2018-04-26 12:54:59 | Mt.Fuji~ただし“本家”を除く
~武蔵境の“富士山”/杵築(きづき)大社~
   
   
下手な考え何とやら、三歩進んで四歩下がると、
前進はおろか後退気味。
毎度ながら、本日もお仕事、
遅々して進まず、はかどらず。

この状況を、つい最近まで「煮詰まる」と思って、
自らもよく口にしていた。ところが、これは大間違い。
煮詰まるとは、もう間もなく仕事が完成という
意味だそうだ。

そんな恥ずかしいことも思い出し
一層気持ちが滅入り、ますます仕事は袋小路。

ここは、ひとつ気分転換と資料探しも兼ねて
久方ぶりに図書館へ、外の空気をすいにいくことにする。

どうせ出かけるなら、初めての場所、
知らない図書館へいってみようと吉祥寺方面へ。

最寄駅着はちょうどランチタイム。
昼ともなると
何もしなくてもお腹は不二家、ペコちゃんである。

入館前に腹ごしらえ、食後は腹ごなしと、
目的地の図書館には、いまだ到着せず。

おまけに図書館の周囲をブラブラ歩いていたら
「富士山」も見つけた。そこでクイック登山である。
    
  

富士山は、その昔大流行した
富士山講の名残りの富士塚で、本物の富士山は
石ころだらけだが、こちらは緑がたっぷり。
新緑の中を20秒でピークに到着。

ピークで、しばらく休憩していると、
霊験あらたか、それとも緑のパワーが原因なのか、
気持ちも晴れて、やる気も身体にみなぎってきた。

そろそろ仕事を煮詰めに、
誤用ではなく本来の意味となるべく
図書館へとまいりましょうか。

でも、最近は「冷やす」肝に、凍らす「背筋」と並ぶ
恐怖を表現するお言葉ご三家のひとつ
「立つ」鳥肌だって、感動の場面でも使用されている。

言葉は生き物、生もの、変わるもの。そのうち
煮詰まるだって、どうなることやら。
ちょっと先取りしただけさと、
勝手な考えも頭に浮かんできた。

それでは、GW前のひと仕事だ。

偶然出会ったマチナカの
富士山下る足どり軽く、いざ図書館へ。

そうそう、富士山といえば
学生時代に、√5を「ふじさんろくにおんななし」と
なぜか覚えてしまったことを思い出す。

これは、いくら時代が変わろうと
間違いである。とはいえ当時は
桃色の妄想が脳の89%以上を占める頃。
これも若気のいたりで、致し方なし。

人間は元気になると、何事においても
寛容となるようだ。

  

〜春暖の候、チョイと道草、お散歩登山してみる〜
   

“真っ赤なふぐり”を拝みつつ、我が1年を振り返る

2016-12-24 23:31:22 | Mt.Fuji~ただし“本家”を除く
半原富士(仏果山・ぶっかさん・747m/神奈川県)
 

丹沢の山は近場ではあるが、
とんとご無沙汰だ。

理由は春から秋にかけては、
吸血系やとぐろ系が多いため。
また冬も、気がつくと季節は移り
春となり、機会を逸する。

そして今年も冬の到来だ。

久方ぶりに出かけてみるか、
よし、ゆくぞである。

選んだのは、
ご当地富士でもある「仏果山」だ。

予定は土山峠から仏果山、高取山を経由して
宮ヶ瀬湖まで。冬枯れの低山ハイクとしゃれ込んでみた。

人気の山らしく、道は整備されている。
また途中、急登&急降下、ヤセ尾根、岩場にロープと
アクセントもあり、
なかなか面白い。     

ただし仏果山、高取山は、人、人、人である。
この日も、かなりのにぎわいをみせていた。

大勢で登る山も楽しいが、今日はひとりで歩く山。
喧噪をあとに、宮ヶ瀬湖をめざす。

高取山を過ぎると、山はまた静寂の世界だ。
落葉を踏みしめ、のんびりと進む。

すると突然、前方から足音だ。それも登山道ではない。
よもや、まさか熊かと緊張したが、音の主は
2匹の猿だった。平然と目の前を横切ってゆく。

高取山方面に向かう後ろ姿を見やると、
2匹ともオス。立派な真紅のふぐり、
ゴールデンボールをぶらさげていた。

少し進むと、いきなり立ち止まり
2匹で何やら話し込んでいる、ようなしぐさだ。

随分と“長話”のようである。
その間、こちらは目を合わせず、気配も消し気味で
寄ってくるなよ、襲ってくるなよと念じつつ、
フリーズ状態でいると、ようやく森の中へ消えていった。

    

猿が去るか。あれ、そういえば今年は申年。
毎度ながら今年はと意気込んでいたわりには
何もできずに、もう年の瀬である。

猿使いに「反省」といわれ、しんみりとした
ポーズをとる猿回しの芸があったが、今の心境は
まさしく、それと同じ。期せずしてひとり反省会だ。

そして来る新年に向けて。

猿のお尻が赤いのは、元気さや力強さを
視覚的にアピールしているからだという。

そんなお尻に加え、真っ赤なふぐりも眺めることができた。
これは何かの暗示かもしれない。

よし来年は見習って、己の存在感アップにと
ひとつお尻周辺に、紅でもさしてみるか。

もう何度目かも定かではないが、
とりあえず新年の抱負をと
真面目に考えたつもりだったが、
結果は腰が砕けそうな内容となってしまった。

2017年も、飛躍に発展、成長や大きな前進といった
類いの出来事とは縁がなさそうだ。

それはさておき、歩く山道もいよいよ大詰め。
本日ラストの急降下、宮ヶ瀬湖へと続く急な階段が現れた。

ここは慎重に。正面真下に見える
宮ヶ瀬ダムに向かって
一歩、一歩、前へ、下へ。

 

間もなくフィニッシュも近い。

〜2016(平成28)年12月20日(火)2匹以降も2度3度、前方を横切られ
    その都度ビビりながら歩く〜