六根清浄、お山は晴天。 登って下って、どっこいしょ。

たまに書く、時々入力、気が向いたら、したためる。駄文満載、阪神裕平ことおやじぃ雅のアウトドア雑記帳。

忙中、勝手に閑ありとする。

2013-11-19 01:22:22 | Mt.Fuji~ただし“本家”を除く
~上田富士(飯士山/いいじさん・1111.5m)~
 
              
                           
 私は自営業、そのため働く時間帯も休日も、仕事の進捗状況や納期
次第となり、特に決まっているわけではない。人からは、よく自由そ
うでいいなともいわれるが、実際はその逆。得意先の都合他、常に何
かしらの事情があり、なかなか予定通りとか、自らのペースでという
ことは難しく、意外と不自由な身の上だ。

 しかも根を詰めて仕事をしていると、どうにもはかどらなくなるこ
ともある。そこで傍からみればサボりではあるが、自らは気分転換の
つもりで、ふらっと山へ出かけることも少なくない。

 今回も夜中に突然、気分は山へ行くかとなった。そんな時のために、
事前に作っておいた計画書をパラパラとめくって。よし決まった、明
日は新幹線に乗るか。

 今回歩くのは上越は越後湯沢にある「飯士山(いいじさん)」。山
頂からの風景もよく、下山後の楽しみに温泉や美味もある。そして別
名は上田富士と、こちらも“富士山”である。

 平日の朝だけあり、越後湯沢駅も閑散としている。駅からは徒歩で
登山口へ。登山道は、のっけから急、いや最後まで急だった。お陰で
高度を稼げ、順調なペースでピークも目前。しかし、やけに人声がす
る。先程の繰り返しとなるが、今日は平日、普通の日のはずだが。

   

 ピークでは国土地理院の方が、露出し過ぎてしまった三角点の石柱
を修正する作業を行っていた。山の地図では長年の付き合いである国
土地理院だが、そこで働く人に会うのは今回が初めてだ。仕事の邪魔
にならぬようにとは思うが、三角点を掘り起こすなどの作業風景には、
ついつい見入ってしまう。ひとり言のつもりで発した言葉も、作業を
していた人には質問と聞こえたのか、ご親切に説明までしていただく。

 いやはや恐縮である。さらに作業風景を記念に1枚撮ってもいいか
と尋ねれば快諾の上、見栄えが悪いなら道具も片付けますかと、まあ
ご親切なこと。いえいえ、そこまでお気づかいなくで1枚、それでは
失礼いたしますである。山頂からの絶景も楽しめたし、スマートな仕
事ぶりも見ることができた。いつも以上に、気分は晴れやかである。

 さあ下りますか。スキー場を抜け、ちょっとばかし一般道を歩いて
越後湯沢の駅へ。駅では、エキナカ温泉と新潟の旬が待っている。最
初は風呂、それとも食事。いやいや、軽く一杯という手もあるな。

   


●コースタイム(カッコ内の左・到着、右・出発時間)  
JR東京駅
(6:08)
 ↓↓↓↓
JR越後湯沢駅→→→→→登山道出合→→→→→940m付近→→→→→
(7:24/7:28)     (7:43/7:48)    (9:20/9:46) 

JR越後湯沢駅から登山道出合までは徒歩となる。道順を文章にする
と次の通り。駅東口を出て、駅前商店街を抜け、R17を渡り、突き
当たったら左。ガーラ湯沢の施設を正面に見ながらしばらく直進。
最初の二股を右、関越道をくぐる道を進み、出現する「神弁橋」を
渡れば、東山フィッシングパークに着。脇では、傾き気味の道標が
お出迎えである。

登山道は「急」のひと言。随所にロープも張ってある。また登るに
したがい、やせた部分や岩場も出現する。しかし普通の慎重さがあ
れば、特に難所というわけでない。

また途中には、鋸尾根と称され4、5ヵ所(数えていたがうろ覚え。
でも6ヵ所はなかった)の大きなアップダウンもある。しかし短時
間。ペース配分や足場への注意を怠らなければ問題なしである。


分岐(岩原登山道合流点)→→→分岐(奥添地登山道合流点)→→→
(10:05/10:15)       (10:25/10:25)

飯士山(1111.5m)→→→→→700m(岩原スキー場のリフト終点)
(10:28/11:05)        (11:25/12:00)
                   ↓↓↓↓
                JR越後湯沢駅 
                  (13:27)         

飯士山ピークは、まさに展望台。周囲の苗場、谷川、越後三山など
今回登った季節は秋なれど、その風景に“飽き”はなし。

飯士山から岩原スキー場まで、道は急降下で滑りやすい。しかし急
な分だけ、あっという間。またたく間にスキー場のゲレンデに到着
である。その後は、草原状のゲレンデを下り、道を歩けば越後湯沢
の駅だ。岩原スキー場から駅まで、のんびり歩いて1時間30分。


●新幹線に乗る前に、駅で道草。
JR越後湯沢駅の構内には、東京ならエキナカと呼べそうな商業施設
「ぽんしゅ館」が広がっている。その名の通り旨い日本酒、温泉に
日本酒を加えたお風呂「酒風呂 湯の沢(入浴料800円)」や、コシ
ヒカリで握ったジャンボサイズのおむすび他、新潟・魚沼エリアの
自慢の品が勢揃いしている空間だ。時間はたっぷり、また本日は平
日だけあって、人もまばらだ。まずはと、あれやこれやと考えたが、
やはり最初はひと汗流して。越後湯沢の駅のなか、“日本酒”の温泉
に“ニューヨーク”である。

   

峠の…、いや奥多摩の「釜飯」。

2013-11-18 21:14:40 | Hungry?~喰らわねば帰れん
《軍畑~高水山~岩茸石山~黒山~棒ノ折山~川井》

     

 なぜここで「釜飯」なんだろう。これは、学校を出て就職した際に
出くわした光景に対して、浮かんだ疑問である。

 入社した会社で配属された部署の上司は、当時では珍しく女性だっ
た。ある時、その上司と一緒に出かけた帰り道に、甘味処へ立ち寄っ
たことがある。コーヒーは苦手だが甘いもの、特にあんこものは別腹
という上司。一方、その逆が私。しかし甘味処のメニューは、両者い
ずれにも対応可能な品揃えであり、上司あんみつ、私コーヒーを口に
しつつ、ありがたき上司のお話の拝聴タイムとなった。

 そんな甘味処のメニューには釜飯もあった。こういったお店でコー
ヒーだけを飲むのも不思議だが、釜飯はそれ以上。でも美味しそうだ
なと思いながら、コーヒーをすすっていた記憶がある。

 以来、釜飯に意外な所で食べるとの条件が加わると、無性に食べて
みたくなる。そんな私が、奥多摩のちょっと離れた場所に美味しい釜
飯がとの情報をキャッチしてしまった。これは当然GOである。早速、
山行名「回り道して、腹ぺこ状態で食べる釜飯大作戦」を敢行で「き
のこ釜飯」をパクつきに出かけてみた。

 店は「釜飯 なかい」という屋号で、なるほど車でもなければ無理だ
なという場所にあった。お店の人のテキパキとした対応も気持ちよく、
通された席に「よっこらせ」。しばらくして注文の品もやってきた。
いただきます。ふぅ~ご馳走様。今だに学生時代の悪いクセ、食べる
のがハイペースで、あっという間に完食である。

 では、おいとましますか。店を出て駅まで歩く道すがら、かつて甘
味処で、上司から「人と食事をする時は、ペースを考えて。あなたは
早過ぎ」と注意を受けたことを思い出した。すいません、まだ直って
いません。そして甘味処のメニューにある釜飯の謎についても残念、
現在も氷解していない。

    


●コースタイム(カッコ内の左・到着、右・出発時間)  
JR立川駅
(6:10)
 ↓↓↓↓
JR軍畑駅→→→→→登山道出合→→→→→分岐(上成木登山道合流点)→→
(7:05/7:15)   (7:30/7:45)     (8:17/8:17) 

JR軍畑駅から登山道出合までは、上りオンリーの舗装道路を進む。高源寺を
過ぎ、行く手に砂防ダムが出現したら、はい登山口に到着である。

分岐(上成木登山道合流点)までは結構急登で、なかなかしんどい。


高水山(759m)→→岩茸石山(793.3m)→→名坂峠(八桑下山路分岐)→
(8:35/8:45)   (9:05/9:20)      (9:25/9:25) 

高水山は、お寺の裏庭的雰囲気の場所。展望は今ひとつである。

高水山からは一気に鞍部へ急降下。その後は平坦な道が岩茸石山まで続く。

逆川ノ丸(・841)→→→→黒山(842.3m)→→→→ゴンジリ峠→→→→→
(10:10/10:20)     (10:33/10:40)     (11:00/11:05) 

名坂峠~ゴンジリ峠間は、道は明瞭で道標も完備。しかし稜線を忠実に
進むため、小ピークを全て拾い、道は何度も上下を繰り返す。短い時間
ではあるが意外と疲れる。なお展望も、黒山以外ではなし。


棒ノ折山(969m)→→→→→奥茶屋(キャンプ場)→→→→→→大丹波
(11:10/12:00)      (12:35/12:37)       (13:15/14:00) 
                              ↓↓↓↓
                            JR川井駅 
                             (14:18)     

ゴンジリ峠からは、ひと息で棒ノ折山のピーク。だが足元は、歩幅の
合わない丸太の階段&階段の周囲は、雨でも降ればぬかるみ必至と地
盤は“ゆるめ”。非常に歩きにくい。

棒ノ折山のピークから、時間にして約15分は落ちるかのごとしの道。
そして沢の流れを耳にするようになると階段状。さらに進めば、わさ
び畑が出現し、そうこうしている間に林道と合流。

お目当ての釜飯の店は、大丹波にあり。

(2009年12月/阪神 裕平)

「富士山」バックに、極楽・至極。

2013-11-04 17:28:29 | 絵になる「お山」
~ふくの湯の富士山背景画~



 登る富士もいいが、見る富士も美しい。そして季節は冬である。この寒い
時期に天候に左右されることなく、本物ではないが美しい富士山の姿が拝め
る場所として、思い浮かぶのは銭湯かもしれない。

 銭湯になぜ富士山がなる疑問はたまたまが正解だそうで、特に由緒正しき
理由はないそうだ。また富士山の背景画には’“東高西低”の傾向がある。これ
は銭湯内部のつくりが影響しており、湯船を真ん中に配する関西に対して、
壁際が多い関東の方がビジュアル的にも富士山がマッチするからといわれる。

 しかし日本中で銭湯の数は年々減っており、富士山の背景画を描く絵師に
いたっては、もう日本中にたった2人しかいないそうだ。そんな2人が描いた
富士山が1枚づつ男・女湯に描かれている銭湯が東京にある。これは行かね
ばと、出向いてみた。

 スタートは、資料の収集にと訪れた神田神保町の本屋街。ここから歩く。
JR御茶ノ水駅、順天堂他大きな病院の間を抜け、本郷通りを一路東大方面
へ。赤門を過ぎ、地下鉄の本駒込駅あたりで方向転換、JR田端駅へ向かう
道をしばらく進むと、その銭湯はこつ然と現れた。名称は「ふくの湯」、
こぢんまりとした銭湯だ。

 浴室は男女週がわりとなり、当日の男湯は「赤富士」のある大黒天の湯
だった。湯船につかって仰ぎ見る赤富士。これもまた絶景である。それで
は、そろそろ出ますかな。さて風呂上がりは、富士山には月見草が似合う
そうだが、お風呂の後はやはりコーヒー牛乳が相性よしである。

★蛇足、おまけの駄文。
 このところ東京の銭湯の背景画に「立山」が増えているそうだ。理由は
宣伝。2014年度の北陸新幹線開業を前に、富山県が展開するPRの一環だ。

 都内の銭湯経営者は、そのほとんどが富山、石川、そして新潟の出身者
だそうで、銭湯で富山をアピール、富山なら富士山より立山となったよう
だ。そういえば、銭湯ではお馴染みのケロリンの黄色い桶。頭痛薬ケロリ
ンの製造会社も本社は富山。どうも富山は、銭湯との縁が深いようである。

今日もいい音たてて、グッド・ジョブ。

2013-11-04 16:21:42 | Graffiti~チョイとひと言
 どういうわけか、私が愛用するものは世間ではマイナーな存在と
なってしまう。パソコンは、今でこそイノベーションの代名詞のよ
うな企業だが、かつては危ないな、大丈夫かいなの時代が長らく続
いたリンゴマーク製。そしてアウトドアーへ持参する火器も…。

 最初に出会ったのは、はるか昔。まだ私が、紅顔の美少年だった
頃である。場所は北海道は札幌の山の店。夏の休みを利用して、い
ざ山登りと出かけた際だった。当時、山での煮炊きはホワイトガソ
リンを燃料にする火器を使用していた。

 ホワイトガソリンを使う火器の火力は抜群だ。しかし持ち運びに
は重さ、大きさとやや難がある。加えて、ガソリン臭が他にうつる
こともあり、不快となることも少なからずあった。

 一方、北の大地で偶然手にしたものは、軽量でコンパクト、そし
て臭い問題もない。おっ、これはいいわいと、普段はあまりないの
だが、旅先で気分も大きくなっていたのか、商品をしっかりと握り
しめレジへ直行。「このキャンピングガスをください」である。

 以来、現在使用しているのが3代目、目にも鮮やかなブルーが特
徴だ。ところがこの火器は、世界ではポピュラーだが、日本では“大
人の事情”があってか、一般の店頭からは姿を消してしまった。

 カートリッジも購入不可能なら仕方ないかと、一時新しい火器を
使っていた。が、Webサイトでカートリッジが販売されていること
を知ってからは現役に復帰。今、使うのはもっぱらはこちらだ。

 キャンピングガスは、他社商品と比較すると、火力が今ひとつで
はある。しかし時間が少々かかるが、お湯も煮炊きもと、火器本来
の役目は果たす。その上、音だって一人前。小気味よくパワフルな
音は、いつ耳にしても、ホッと心を和ませてくれる。

 また時間がかかる点は、仕事やブログの更新など、何事もスピー
ディーとはいえない持ち主も同じ。似た者同士で、まあいいかだ。

  

高さは6m。都内にそびえる「富士の山」。

2013-11-04 16:13:56 | Mt.Fuji~ただし“本家”を除く
~千駄ヶ谷の富士塚(渋谷区千駄ヶ谷1-1-24/鳩森八幡神社内)~



 東京都内には、実に多くの“富士山”、いや厳密にいうならば塚が
ある。これは江戸時代に庶民の間で流行した富士信仰の名残で、疑
似富士登山をするためにつくられた「富士塚」と呼ばれるものだ。

 登山とはいい難いが、とりあえず“富士山”である。そして本物の
富士山同様に文化的遺産でもある。そこで、ちょっと登ってみた。

 今回、数ある富士塚のから選んだのは、都内に現存する富士塚で
は最古、1789(寛政元)年に築造された「千駄ヶ谷の富士塚」。
もっとも厳密には選んだというよりは、仕事でよく歩くルートの途
中にあり、以前から気にはなっていた山なのだが…。

 場所はJR千駄ヶ谷駅から歩いて4、5分の距離、お洒落なスポッ
トである青山や明治神宮外苑にも近い鳩森八幡神社の境内にある。

 まずは登山口に立つ。姿形は整っており、まさにミニチュアの富
士山だ。それでは出発。石段混じりのピークへと続くらせん状の道
を進む。程なく祠があるピークに到着。登頂成功である。そして下
山となるが、意外と歩きにくく、実際の山道と同様に下りには慎重
さが必要だが、それも一瞬。あっという間に下山も完了だ。

 駅からも近く、緑も多い千駄ヶ谷の富士塚は、仕事の息抜きや気
分転換にはもってこい。登ってリフレッシュ、都会のオアシスとい
えそうだ。なお千駄ヶ谷の富士塚では、有料で「登頂記念」も発行
してくれる。お値段は1枚300円也。