~日本で海岸線から一番遠い地点(長野県佐久市田口榊山)~
2016年5月31日の火曜日、
時間は午前10時を1分まわった瞬間、
私は「日本一」になった。
10時ジャストではなく、
また針のある時計の文字盤が1番美しいとされる
10時10分でもないところが悔やまれるが
とにかく日本一になった。
では何が、どんな日本一なのか。
それは「日本で海岸線から一番遠い地点」に立つ人間。
周囲には誰もいないので、
正真正銘、この日この時間に限ると注釈はつくが
兎にも角にも、今、私は日本一である。
場所は長野県の佐久市。小海線の臼田駅から徒歩で
約2時間半、途中、函館とここにしかない五稜郭に、
未知の生物がいきなり登場しても
何ら違和感ゼロ、エメラルドグリーンの
水をたたえたダムを経て、
少しばかり沢伝いに登った山の中だ。
着いた「日本一の地点」は、
サイト地にはなりそうだがやや傾斜した地。
展望なしで、特に目立った特徴はなし。
あるのは、日本一の地点を示す看板2つのみ。
とはいえ日本一である。気分は決して悪くない。
記念の1枚に、コーヒーブレークの1杯と、
しばし、いや、たっぷり、これでもかと
日本一気分に浸った後、来た道を戻る。
今年は熊の出没も多い日本のお山、ここへ来る
途中にも注意を喚起する表示があった。
したがって、お守りがわりの鈴をつけ
ついでに歌でもと「あるぅ日、森の中、くま…」いかん
歌詞に難ありで、これでは熊との遭遇だ。
慌てて口には別の歌、ザックの鈴の音も高らかに
脱兎のごとく、一目散に車の往来もある
県道目指して下山する。
日本一の地点を出て35分、
県道に着く。ではここから先は
のんびりとまいりましょうか。
行きは五稜郭もダムもちらっと拝見だったが、
帰りのはじっくり見学。
そして、この日本一の地点を訪れると
「到達認定証」を発行してくれるそうなので、
市役所の出張所へと足を伸ばすことに。
建物の老朽化に伴う工事のため
出張所が移転していたのは予定外だったが
立派な認定証もいただいた。
「ムフフフフ、イヒヒヒヒ」と、
普段からニヒルやクールとは真逆の
ヘラヘラムードの表情が、
一層、にやけ気味となる。
2016年5月31日の火曜日、
時間は午前10時を1分まわった瞬間、
私は「日本一」のおっさんになった。
そして同日、午後2時を過ぎた頃、
日本一の認定証を手に、
駅へと向かう道すがらは
他人が見れば挙動不審者、
実に怪しげな笑顔をふりまく
おっさんにもなっていた。
ただし、
こちらは日本一にあらず、多分。
2016年5月31日の火曜日、
時間は午前10時を1分まわった瞬間、
私は「日本一」になった。
10時ジャストではなく、
また針のある時計の文字盤が1番美しいとされる
10時10分でもないところが悔やまれるが
とにかく日本一になった。
では何が、どんな日本一なのか。
それは「日本で海岸線から一番遠い地点」に立つ人間。
周囲には誰もいないので、
正真正銘、この日この時間に限ると注釈はつくが
兎にも角にも、今、私は日本一である。
場所は長野県の佐久市。小海線の臼田駅から徒歩で
約2時間半、途中、函館とここにしかない五稜郭に、
未知の生物がいきなり登場しても
何ら違和感ゼロ、エメラルドグリーンの
水をたたえたダムを経て、
少しばかり沢伝いに登った山の中だ。
着いた「日本一の地点」は、
サイト地にはなりそうだがやや傾斜した地。
展望なしで、特に目立った特徴はなし。
あるのは、日本一の地点を示す看板2つのみ。
とはいえ日本一である。気分は決して悪くない。
記念の1枚に、コーヒーブレークの1杯と、
しばし、いや、たっぷり、これでもかと
日本一気分に浸った後、来た道を戻る。
今年は熊の出没も多い日本のお山、ここへ来る
途中にも注意を喚起する表示があった。
したがって、お守りがわりの鈴をつけ
ついでに歌でもと「あるぅ日、森の中、くま…」いかん
歌詞に難ありで、これでは熊との遭遇だ。
慌てて口には別の歌、ザックの鈴の音も高らかに
脱兎のごとく、一目散に車の往来もある
県道目指して下山する。
日本一の地点を出て35分、
県道に着く。ではここから先は
のんびりとまいりましょうか。
行きは五稜郭もダムもちらっと拝見だったが、
帰りのはじっくり見学。
そして、この日本一の地点を訪れると
「到達認定証」を発行してくれるそうなので、
市役所の出張所へと足を伸ばすことに。
建物の老朽化に伴う工事のため
出張所が移転していたのは予定外だったが
立派な認定証もいただいた。
「ムフフフフ、イヒヒヒヒ」と、
普段からニヒルやクールとは真逆の
ヘラヘラムードの表情が、
一層、にやけ気味となる。
2016年5月31日の火曜日、
時間は午前10時を1分まわった瞬間、
私は「日本一」のおっさんになった。
そして同日、午後2時を過ぎた頃、
日本一の認定証を手に、
駅へと向かう道すがらは
他人が見れば挙動不審者、
実に怪しげな笑顔をふりまく
おっさんにもなっていた。
ただし、
こちらは日本一にあらず、多分。