かつて経験したことのない
不思議な1年の秋に
只見~蒲生岳(828m)~要害山(705m)~只見【福島県】
「なんて日だ!」。
朝、只見の駅を降り、空を見上げて
開口一番、出た言葉は、お笑い芸人のギャグと
同じだった。
日差しはある、遠くには申し訳程度だが
青空も見える。しかし雨である。
今年は例の「COVID-19(新型コロナウイルス)」の影響で、
春先から、誰もが人生で初となることが続く毎日で、
例年とは全く異なる時間を過ごすことを余儀なくされた。
となると、この狐の嫁入り的、あまりお目にはかかれない天気も
まあ今年らしいのかもしれない。
おっと、ぼんやり思いにふけっている場合ではなかった。
山の行動の基本は、まずは早立ち。それでは
雨具をまとい、いざ最初のお山となる
蒲生岳へと出発する。
蒲生岳は、高さは1000mにも満たない。いわゆる低山だが
「会津のマッターホルン」と呼ばれるだけあり、その姿は個性的。
その存在を知ってから、今度、そのうち、いつか日と、なかなか
登る機会がなかったが、本日ようやくご対面だ。
天候は、引き続き薄日はあるが時々雨。
ルートは急峻で岩場多し、スリップ注意で慎重に行動する。
途中も無理せず、一番ポピュラーでユニークな名前の
「鼻毛通し」をチョイスして、めざせピークである。
登山口から約1時間でピークに着く。
展望は抜群。赤、黄、また枯れた茶に緑などの木々の葉の色、
民家や鉄道の鉄橋など、眼下にはまるで秋のジオラマのような風景が、
本日のへんてこりんな天気も幸いして、一部は黒雲でダーク、
ところどころは太陽の光に照らされて明るめと
絶妙のコントラストつきで広がっていた。
美しい風景を目に焼きつけたら、では慎重に麓へと。
登ってきた道を、今度は下山路として、一歩一歩、下へ、下界へ。
ホールド、スタンスはしっかりしている、そしてロープに鎖もあり、
普通に歩けば問題なしだが、雨の濡れもある。
ここは落ち着いて確実に。
はい無事に降りました、やれやれと思った矢先、
木の根っこに足を取られて大転倒。何事も最後まで
気を抜くべからずである。
蒲生岳を後に、今度は要害山へ。朝来た道を引き返す。
高校の手前で右折して、ここからは道なりに。
景色を見ながら、今日ばかりはマスクなし。晩秋の日本・
福島の自然の息吹をたっぷりと吸い込む。振り返ると
再び見事なコントラストの風景の中、
先ほど登った蒲生岳の独特の姿も拝めた。
いかん、急に深呼吸をして肺が驚いたようでむせてしまった。
おっと、振り返った際の身体のひねりで腸もびっくりか、
おな…、いや転失気(てんしき)も高らかに放ってしまった。
誰もいないし、まあいいでしょう。
要害山といえば、一説には武田信玄の生誕とされる
お城があった山梨・甲府が有名だが、会津の要害山も
古くはお城ありの場所。現在ピークに周辺は、
テレビの中継塔が林立。昔は外敵、今は電波障害から
地域を守る役目を担っているようだ。
テレビの中継塔に隠れ、かなりささやか、小ぶりの
ピーク表示を記念に1枚写真を撮ったら、さあ振り出し、
只見の駅へと下山するのみ。
だが要害山からの下山ルートも、相当な急降下。
かなり気をつけてはいたが、終点の神社の手前で、
また大転けだ。先の蒲生岳での教訓は、いかされずである。
予定通りに只見の駅に戻ることができ、
15時台の列車に乗ることも可能だったが、
ようやく雨も上がった。
特に先を急ぐこともないと、周辺をブラブラして
みることにする。
ただ、飲食店など大方のお店は
疫病蔓延防止のためか臨時休業中で万事休す。
列車も15時の次は18時、さぁてどうする3時間だ。
そして再び口をつくのは
「なんて日だ!」のひと言。
仕方がないので、駅前の土産物店で
ウインドショッピングでもして時間を潰すことにする。
何も買わないのは失礼かと思い、
一品選んでレジへ。店員さんに
この周辺で、何か見どころ、
または見学できるような施設はと尋ねたところ
「温泉ではないけれど、少し歩けば
沸かし湯のお風呂がある」とのこと。
これは朗報、早速ゴーである。
料金は500円。ん、このフィナーレは
最近のマイブーム、山に登って、ゴールは地元の昔ながらの
お風呂屋さんとする「銭湯登山」にも似ているような。
それはともかくニューヨーク、
福島は南会津、只見の町で入浴だ。
湯船につかって、今日1日の一人反省会。
天気には一応恵まれたとしよう。計画した2つの山の頂も踏んだ。
秋の風情も楽しめたし、ひょっとすると
これはなかなか充実の山旅だったのではないか。
ならば結論は、こんな感じか。
「なんて日だ!」あらため
今日は「なんていい日だ!」。
〜明日はトリック or トリート、ハロウィンか。
ところでハロウィンって、何だっけ?
只見の一角で、一人反省会の後のお風呂で
ふと思う。そんな2020(令和2)年の10月は30日に歩く〜
不思議な1年の秋に
只見~蒲生岳(828m)~要害山(705m)~只見【福島県】
「なんて日だ!」。
朝、只見の駅を降り、空を見上げて
開口一番、出た言葉は、お笑い芸人のギャグと
同じだった。
日差しはある、遠くには申し訳程度だが
青空も見える。しかし雨である。
今年は例の「COVID-19(新型コロナウイルス)」の影響で、
春先から、誰もが人生で初となることが続く毎日で、
例年とは全く異なる時間を過ごすことを余儀なくされた。
となると、この狐の嫁入り的、あまりお目にはかかれない天気も
まあ今年らしいのかもしれない。
おっと、ぼんやり思いにふけっている場合ではなかった。
山の行動の基本は、まずは早立ち。それでは
雨具をまとい、いざ最初のお山となる
蒲生岳へと出発する。
蒲生岳は、高さは1000mにも満たない。いわゆる低山だが
「会津のマッターホルン」と呼ばれるだけあり、その姿は個性的。
その存在を知ってから、今度、そのうち、いつか日と、なかなか
登る機会がなかったが、本日ようやくご対面だ。
天候は、引き続き薄日はあるが時々雨。
ルートは急峻で岩場多し、スリップ注意で慎重に行動する。
途中も無理せず、一番ポピュラーでユニークな名前の
「鼻毛通し」をチョイスして、めざせピークである。
登山口から約1時間でピークに着く。
展望は抜群。赤、黄、また枯れた茶に緑などの木々の葉の色、
民家や鉄道の鉄橋など、眼下にはまるで秋のジオラマのような風景が、
本日のへんてこりんな天気も幸いして、一部は黒雲でダーク、
ところどころは太陽の光に照らされて明るめと
絶妙のコントラストつきで広がっていた。
美しい風景を目に焼きつけたら、では慎重に麓へと。
登ってきた道を、今度は下山路として、一歩一歩、下へ、下界へ。
ホールド、スタンスはしっかりしている、そしてロープに鎖もあり、
普通に歩けば問題なしだが、雨の濡れもある。
ここは落ち着いて確実に。
はい無事に降りました、やれやれと思った矢先、
木の根っこに足を取られて大転倒。何事も最後まで
気を抜くべからずである。
蒲生岳を後に、今度は要害山へ。朝来た道を引き返す。
高校の手前で右折して、ここからは道なりに。
景色を見ながら、今日ばかりはマスクなし。晩秋の日本・
福島の自然の息吹をたっぷりと吸い込む。振り返ると
再び見事なコントラストの風景の中、
先ほど登った蒲生岳の独特の姿も拝めた。
いかん、急に深呼吸をして肺が驚いたようでむせてしまった。
おっと、振り返った際の身体のひねりで腸もびっくりか、
おな…、いや転失気(てんしき)も高らかに放ってしまった。
誰もいないし、まあいいでしょう。
要害山といえば、一説には武田信玄の生誕とされる
お城があった山梨・甲府が有名だが、会津の要害山も
古くはお城ありの場所。現在ピークに周辺は、
テレビの中継塔が林立。昔は外敵、今は電波障害から
地域を守る役目を担っているようだ。
テレビの中継塔に隠れ、かなりささやか、小ぶりの
ピーク表示を記念に1枚写真を撮ったら、さあ振り出し、
只見の駅へと下山するのみ。
だが要害山からの下山ルートも、相当な急降下。
かなり気をつけてはいたが、終点の神社の手前で、
また大転けだ。先の蒲生岳での教訓は、いかされずである。
予定通りに只見の駅に戻ることができ、
15時台の列車に乗ることも可能だったが、
ようやく雨も上がった。
特に先を急ぐこともないと、周辺をブラブラして
みることにする。
ただ、飲食店など大方のお店は
疫病蔓延防止のためか臨時休業中で万事休す。
列車も15時の次は18時、さぁてどうする3時間だ。
そして再び口をつくのは
「なんて日だ!」のひと言。
仕方がないので、駅前の土産物店で
ウインドショッピングでもして時間を潰すことにする。
何も買わないのは失礼かと思い、
一品選んでレジへ。店員さんに
この周辺で、何か見どころ、
または見学できるような施設はと尋ねたところ
「温泉ではないけれど、少し歩けば
沸かし湯のお風呂がある」とのこと。
これは朗報、早速ゴーである。
料金は500円。ん、このフィナーレは
最近のマイブーム、山に登って、ゴールは地元の昔ながらの
お風呂屋さんとする「銭湯登山」にも似ているような。
それはともかくニューヨーク、
福島は南会津、只見の町で入浴だ。
湯船につかって、今日1日の一人反省会。
天気には一応恵まれたとしよう。計画した2つの山の頂も踏んだ。
秋の風情も楽しめたし、ひょっとすると
これはなかなか充実の山旅だったのではないか。
ならば結論は、こんな感じか。
「なんて日だ!」あらため
今日は「なんていい日だ!」。
〜明日はトリック or トリート、ハロウィンか。
ところでハロウィンって、何だっけ?
只見の一角で、一人反省会の後のお風呂で
ふと思う。そんな2020(令和2)年の10月は30日に歩く〜