Mr.しもの前途遼遠

オンラインプロレスラー、Mr.しもとザ・ミックの成長日記みたいなものです。

キン肉マン -完璧超人始祖編-の話

2021-02-05 21:22:35 | キン肉マン

©ゆでたまご/集英社

2021年1月29日から
2月5日まで
コミックス29巻分が
無料公開されている
『キン肉マン』。
シリーズでも
屈指の名作とされる
「完璧超人始祖
(パーフェクトオリジン)編」が
まるまる楽しめると
いうことで
私もプロレスゲーム
動画作成を
いったんお休みして
この1週間、
『キン肉マン』の
イッキ読みを
楽しませていただきました!
イッキ読みすることで
WEBでの週刊連載時とは
また違う印象も
感じられましたので
改めてこの
「完璧超人始祖編」の
魅力だったり
オススメの試合
だったりについて
今更ではありますが
触れてみたいと思います。
ネタバレを含みますので
これから物語を
楽しみたいという方は
ここから先は
読まないで下さいね!



©ゆでたまご/集英社

まず最初に
ぶっちゃけた話を
してしまいますが
私、「完璧超人始祖編」の
WEB週間連載時は
「・・・あれ!?
 なんで今、
 正義、悪魔、完璧で
 三つ巴してるんだっけ!?
 まぁオモシロイから
 別にどうでもいいか」
とたびたび
それまでのストーリーを
忘れてしまうことが
ありました。
特に完璧超人始祖が
出てくる以前、
完璧無量大数軍
(パーフェクト
ラージナンバーズ)と
戦っている間は
そう感じることが
多かったんですよね。

このシリーズでは
正義、悪魔、完璧の
3つに大別された超人、
それぞれの誕生秘話が
明かされることになります。

私、まさか
そんなスケールの大きい
話になるなんて思わず
序盤の対戦に至る経緯は
結構読み飛ばして
しまっていたんです。
今、読み返してみますと
序盤から丁寧に
伏線が張ってあったり
しますので、
もしこれから
読まれるという方は
正義、悪魔、完璧の
3つの種族がそれぞれ
どんな想いで
戦っているのかを
念頭に置きながら
読まれると
より物語を楽しめるかと
思います。

・・・で、
三つ巴という
書き方をしましたが
これにはやはり
語弊がありまして
正義超人、悪魔超人を
粛清しようとする
完璧超人に対して
正義と悪魔が
結果的に共闘する形で
これを撃退する。

大雑把にまとめると
そんな物語になります。



©ゆでたまご/集英社

しかしながら
この「完璧超人始祖編」が
名作とされる理由は
『キン肉マン』で
これまで明確に
されていなかった
正義、悪魔、完璧超人の
誕生秘話が明かされるから
・・・ではないと
私は考えています。

正義、悪魔、完璧、
出自も思想も違う
3つの種族には
それぞれに戦う理由があり
それぞれの絆がある。

これまでの
『キン肉マン』では
描かれることの少なかった
「敵方の人間味」
みたいなものが
会話の中から見えてきて
超人たちの
キャラクターが
倒し、倒されるだけで
終わらないところが
心を打つのではないかと
思うんです。

かつてサンシャインが
「悪魔にだって
 友情はあるんだ!」
と名言を残しましたが
ゆでたまご先生は
このシリーズでは
それを序盤から
丁寧に描いています。
ロビンマスクと
激戦を繰り広げた
アトランティスが
タワーブリッジを使ったり
スプリングマンが
バッファローマンに
生まれ変わっても
タッグを組みたいと
語ったり・・・。
胸アツ展開が
これでもかとばかりに
畳み掛けてくるんです。
そりゃもう
男泣きしますぜ!

完璧超人側に
関してもそうで
ガンマンが
イジられキャラだったり
イロモノ色の強い
サイコマンが
シルバーマンだけは
信頼を置いていたりと
会話の節々から
人間関係が
見えてくることで
ただの敵役では
終わっていないというか。
倒された後に
「勿体ない」とさえ
思わせてくれるんです。
そりゃもう
男泣きしますぜ!(2回目)



©ゆでたまご/集英社

新章第1話から
第72話まで、
コミックスでは
38巻から45巻までは
正義&悪魔超人と
完璧無量大数軍との
戦いが描かれます。

正義超人側からは
おなじみの
アイドル超人たちが、
悪魔超人サイドからは
バッファローマンを
リーダーとする
7人の悪魔超人が
主力として戦います。

面白さのポイントは
読者の予想を良い意味で
ゆでたまご先生が
裏切ってくれる
トコロですね。
悪魔超人たちが
次々と敗れていき
「やぱり正義超人の
 引き立て役なのか?」
と思ったタイミングで
ブラックホールが
ダルメシマンを倒し
「おやっ!?」と思わせる。
次のアトランティスと
マーリンマンの戦いでは
アトランティスが
タワーブリッジですからね。
ココで完全に
心を掴まれました。

ここまでの試合で
名勝負を挙げるなら
前述の
アトランティス
vsマーリンマン、
バッファローマンと
スプリングマンの
熱い絆が涙を誘う
ジョン・ドウズ
vsディアボロスの
タッグマッチ、
そして
対戦相手をも感化させる
正義超人のリーダー、
ロビンマスクが散る
ロビンマスクvsネメシス、
この3試合は
外せないですねー。



©ゆでたまご/集英社

第73話、
コミックスでは
46巻からになりますが
場面はガラリと転換し
ついにこのシリーズの
主人公とも言える
悪魔将軍が再登場!
『キン肉マン』でも
最強の敵として名高い
悪魔将軍が
完璧超人始祖を
なぎ払っていくのですが
これもただただ
爽快というわけではなく
かつての同志を
倒していくというところに
センチメンタリズムを
感じてしまったり・・・。

・・・まぁ
当時週刊で読んでいた私は
「将軍、カッケェーーッ!!」
としか感じて
いませんでしたが・・・(笑)

実はこれまでの
完璧無量大数軍との戦いは
陽動作戦に過ぎず、
悪魔将軍の真の狙いは
超人閻魔=ザ・マンと
自らを含む
完璧超人始祖の消滅だった。


ここにきてようやく
これまでの伏線が繋がり
線となってきます。
しかもそれは
作品全体の根幹となる
設定にもなるのです。

今シリーズのラスボス、
ザ・マンはかつて
堕落した超人たちを
絶滅させようと考えた
他の神たちを説得し
自らが神の立場を降り
超人となることで
10人の優秀な超人の
命を助けた。
その10人が
完璧超人始祖であり、
現存する完璧超人は
それを起源としている為、
エリート意識が高かった。


・・・ゆでたまご先生、
この設定が
後付けだとしたら
文字通り
完璧じゃないですか!!

・・・更に・・・!!

10人の完璧超人始祖には
悪魔超人=ゴールドマンと
その弟である
シルバーマンもいた。
ザ・マンのやり方に
異を唱えた両名は
それぞれが悪魔超人、
正義超人の祖となり
正義、悪魔、完璧の
3つの種族に分かれた。


・・・スゲェッ!!
この設定が
明かされたときは
震えましたぜ。
あの銀のマスクが
キン肉マンの先祖で
マッスルスパークを
アレした人だなんて!



©ゆでたまご/集英社

さて、話を設定から
物語の方へ戻しますと
ここから
悪魔六騎士も登場し
完璧超人始祖との
戦いが始まります。

ジャンクマンが
完璧超人始祖から
金星を上げたり
ザ・ニンジャと
カラスマンの
試合のオチなんかは
ブロッケンJr.
vsザ・ニンジャを
想起させるものに
なっていたりと
ここでも
ゆでたまご先生の
数々の仕掛けに
驚かされるわけですが
個人的に好きなのは
サンシャインですね。
人間だった
ジェロニモに負けたり
『II世』では
情けないポジションを
演じていたりと
不遇だったサンシャインが
ヒールポジションを
取り戻すかのような
狡猾さを見せてくれます。



©ゆでたまご/集英社

第118話、
コミックスでは51巻から
抗争は最終局面へ突入。
完璧無量大数軍の
ストロング・ザ・武道が
超人閻魔、つまり
ザ・マンであったことが
作中でも明かされ、
完璧超人始祖で
悪魔六騎士を迎撃した
ガンマン、サイコマン、
ジャスティスマンの3人と
完璧無量大数軍の
ネメシスがそれぞれ
バッファローマン、
ブロッケンJr.、テリーマン、
ラーメンマンと戦います。

正義超人の戦いは
45巻のウォーズマンと
ポーラマンの試合
以来となりますが
それを不満に
感じさせなかったのは
ゆでたまご先生が
悪魔超人側を魅力的に
描いてくれたから
だったんでしょうね。



©ゆでたまご/集英社

ブロッケンJr.が
死力を尽くしても
及ばなかった
サイコマンを撃破するのは
完璧超人始祖であり
正義超人の開祖でもある
シルバーマン。
優しそうな表情に
似つかわしくない
「虐殺王」の異名を持つ
シルバーマン、
たった一度の戦いで
眠らせておくには
勿体ないキャラです。

不敵で不気味な
サイコマンなんですが
シルバーマンに対しては
敬愛の念を隠さない。
感情に左右されない
完璧超人始祖として
サイコマンは
不適正なのかもしれません。
ですが、そこがなんとも
人間くさくて
魅力的なんですよね。
このシリーズで
読者のヘイトを
最も集めていた
サイコマンなんですが
その散り際には
評価が180度変わっている。
・・・ゆで先生、
やってくれるぜ!!



©ゆでたまご/集英社

ラスト2戦は
プロレス的に言えば
ダブルメインイベント!
その1戦目は
我らがヒーロー、
キン肉マンが
キン肉族でありながら
完璧超人となった
祖父の弟、
ネメシスと対戦します。
キン肉族タイプの
キャラクターでしたので
この展開は読者の皆様も
予想できたのではないかと
思いますね。

私、このネメシスだけは
イマイチ好きに
なれないんですよねぇ。
このシリーズ、
どんなキャラであっても
人間らしさみたいなものが
感じられるところが
とても好きなんですけど
このネメシスだけは
感情の見えない
ロボットのように
感じてしまうんです。
意図してそういう風に
見せているのかも
しれないですけどね。
慈悲の心がないのが
弱点・・・と言っても
ピンとこないですし。

ただ、試合の結末は
予想外のもので
驚かされました。
実質的に勝利をほぼ
手中にしていたネメシスが
完璧超人であるがゆえに
マッスルスパークではなく
それを超える完成度の
(ネメシスにはそう見えた)
アロガントスパークを
繰り出し自滅する。
テリーマンと
ジャスティスマンの
試合に続いて
すっきりしない勝ち方と
言えなくもないのですが
改めて読み直してみると
これ以外の終わり方は
ないのではないかと
思えるくらい
ネメシスの背負った宿命に
適したラストシーン
だったのかなと。



©ゆでたまご/集英社

Wメインイベントの
第2戦目にして
このシリーズの
ラストバトルとなったのは
かつてのゴールドマン、
悪魔将軍と
かつてのザ・マン、
超人閻魔による一戦。

先に言ってしまいますが
もし、この試合で
悪魔将軍が敗れて
キン肉マンvsザ・マンが
行われたとしたら
こんなにキレイに
締まらなかったと
思っています。
悪魔将軍とザ・マン、
この師弟関係が
崩れたことから
始まった戦いは
やっぱりこの2人の戦いで
終わるのが美しい。
少年漫画の常識に捉われず
主人公にラストバトルを
戦わせなかったという
ゆでたまご先生の判断は
素晴らしかった。

この試合については
今更私なんぞが語るのも
野暮だと思いますね。
『キン肉マン』史上、
最高の試合として
この試合を挙げるファンも
少なくありません。


沢山の『キン肉マン』
ファンを呼び戻し、
当時以上の熱量をもって
ファンを魅了した
「完璧超人始祖編」、
私も心の底から
楽しませていただきました。
『キン肉マン』を
まったく読んだことの
ないという方でも
楽しめる作品ですが
是非とも少年時代に
『キン肉マン』を
楽しんでいた方にこそ
読んでもらいたいですね。
「王位争奪編」までしか
知らないという方、
人生の半分、
損してますよ!?


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