一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

長周期地震動と注文住宅

2006年12月18日 09時32分03秒 | 建築家の日記
おはようございます。ミタス一級建築士事務所の清水です。


本日2006年12月18日の朝日新聞の朝刊に、「長期周期地震動」についての記事が大きく載っていました。これは、高層ビルなどの場合、ゆっくりとした揺れでも揺れがかなり大きくなっていく現象で、当初は想定していなかったものです。最近この問題がよく取り上げられるようになってきました。

どんなに技術を結集したつもりでも、地震については想定外のことはたくさん出て来るでしょうし、地球の大自然相手ですから、宇宙同様、我々人間には予測できないことの方が多いのです。

わからない…といっていては前進できませんので、ともかくモデルとなる構造計算の基準を決めて判断しています。そのため、大地震のたびに建築の構造計算の基準の見直しがされてきたのが、いままでの現状なのです。


戸建てに住んでいるかたは、「関係のない記事」と思われたかもしれませんが、実は木造はもっとわかっていません。正確な構造計算さえ本当はできないのです。木構造の大家であり、この先生を抜きに日本の木構造は語れない杉山英男先生がいらっしゃいます。木構造の専門書は何十冊もお書きになり、研究を続けていらっしゃいますが、その日本一の大先生でさえ「木構造の接合部は、計算できない」ということをおっしゃっています。

詳しい内容は専門的になりますから省きますが、我々建築士は、だからこそ建築基準法の範囲内で満足せず、過去の地震から学び、実際の経験から地震について教訓を得て、設計プランや構造について考えていかなければならないのです。私が阪神大震災で大ショックを受け勉強し直し、新潟の小千谷地震にも駆けつけて現状を自身の眼で見て被害状況や教訓を焼き付けてきたのは、そのためでした。

私がよく提案する、リビングを2階にという考え方も、もともとはここから生まれているのです。




新潟小千谷地震についての写真やコメントはこちら



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