こんばんは、清水です。
本日は、「ちょっと見て欲しいのですが…。」と、かなり以前にお願いされた家に、午前の打ち合わせの前、朝早くに行ってきました。
7年前に新築の完成時に、私が検査の依頼を受けて確認した家だということを現場に行ってお話しをお聞きし、想い出しました。ご年配で上品で、かわいいわんちゃんのいる穏やかなご夫婦でした。
構造体の問題や雨漏れなどではなく、雨どいの腐食、サビなのです。それもアルミ製の雨どいに茶色の塗装がなされているもので、簡単にサビそうではないのですが、僅か新築2年くらいでアルミに白い腐食が出て来て、本体が茶色だから目立つのです。
この家は、高級住宅で有名な設計事務所、といっても工事も一緒に行ってしまうのですが、「様子を見て…。」と言われ続けてズルズルきて、人の良さに漬け込んで何年も経ってしまい、ここにきて「交換するなら自費でお願いします。」という業者の結論のようです。そのため、「どうしたものか…?」というご相談でした。
こういう場合は、メーカーを呼んできてもらい、メーカーにしっかり調べてもらい判断させます。
アルミが海が近いわけでもないのに2年で腐食するのは、商品が不良品なのか、もともとが欠陥に近い商品なのか、設計が悪いのか、工事方法が悪くてこうなったのか、などは工事会社では判断しにくいことと、工事会社は、わかっていても自分達の非は認めたくないので、グズグズ先延ばしにしようとするからです。こういう点が、工事するところと設計や監理が同じではいけないと言っている理由の一つです。
「交渉に第三者を立てるべきか?」というご相談もありましたが、まずご自身で再度要求してみるべきです。いきなり第三者が入ると先方は驚きますので、ズルイ業者ほど頑なになります。
業者との交渉方法や、万一調停や裁判に持ち込んだ場合のデメリット(被害者であっても、かなりの覚悟が必要です)などをお話し、精神的なイライラや腹立ちのエネルギーによる損も計算にいれて判断すべきですよ。というようなアドバイス、及び現実的で具体的な解決策の案も提案させて頂き、帰ってきました。
「代金をお支払いします…。」と言われましたが、比較的近いことと気の毒なので、「今日はアドバイスだけですから」と、また頂くことなく帰って来ました。まあ、仕事前のひと仕事で、ご年配の方ですから昨日の区役所の住宅相談担当といい、完全なボランティアで良しとしましょう。
ミタス一級建築士事務所 清水煬二
住宅設計の一級建築士事務所