一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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能登半島の地震報道を観て

2007年03月26日 11時36分44秒 | 住宅リフォーム・耐震
こんにちは、ミタス一級建築士事務所の清水です。

昨日3月25日は、朝9時過ぎから現場でのお客様と打ち合わせの後、10時30分から2度目の完成検査の立会い、午後は事務所でのお客様との打ち合わせに時間があるので、事務所に戻る前に昼食を採りました。

入ってすぐにテレビで、能登半島の地震の報道を観て初めて知り驚いたのですが、もうひとつ驚いたのは、たまたま入った店の人の実家が震源地のすぐそばということで、「実家に電話がつながらない」と店の人が話をしていました。

店を出て店名は、そのとき初めて知ったのですが…『能登屋』でした。

報道を観ると、阪神大震災や中越地震と同じようにやはり1階が潰れています。何度もお話しているように、木造2階建ては必ず1階が潰れます。2階が先に潰れることはありません。1階が潰れて2階が乗ってきて落下したその衝撃で2階が潰れるケースがほとんどです。

1階には、柱はあっても壁が少ないケースが多いのです。特に被災した家を観ると、昔からある立派な家でも内部は襖が多くて開放的です。全体を大広間としても使えるような壁が少ない家は被害を受けやすいのです。私のホームページの中越地震の写真をご覧になっても、わかると思います。

構造的にはリビングを2階にした方が地震には強いという理由でもあります。

屋根も通常の瓦だけでなく、本格的な家はその下に土を敷いている非常に重い屋根の家ですから、これも不利です。地方の本格的な古い家には多いですね。

驚かれるかも知れませんが、建物というのは、どんなにいい加減な建て方でも、地震が無ければ倒れることはまずありません。テレビに出てくるひどい欠陥住宅はもちろん、もっとひどい昭和48年のオイルショックで建てられた家でも傾いたりガタガタになっていても、完成してしまえば倒れることはありません。このことが、
建築業界の考え方を安易にさせている原因のひとつでもあります。


今回の地震で、残念ながらお亡くなりになられた方はおひとりです。庭の灯篭の下敷きになってのことです。あれだけの建物の被害で、建物自体による被害で怪我はされても、お亡くなりになった人はいないのが、不幸中の幸いでしょうか。

さらに、2次被害の火災の被害の報道が無いということは、最小の災害で済んだということでしょう。阪神大震災では、密集していたこともありますが、この火災の被害も甚大でした。

被害が拡大しないこと、被災に合われた多くの方の安全とご健康をまず祈りっています。



ミタス 一級建築士事務所のホームページ より

中越地震のときの写真





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