昨日、駅から自宅に続く道を歩いていると、
え、いつもと何か違う・・・
道に迷ったような感覚があり、
うろたえながら左右を見てみると、
道沿いにあった、それは大きな桜の木が二本、
あとかたもなく姿を消している。
その二本の桜の巨木は
道路に面した古い屋敷の庭にあり、
道路におおいかぶさるように大きく枝を広げ、
花の季節になると、
そのあたりは、あでやかな桜の花のトンネル。
桜吹雪が、見惚れるほどに美しかった。
それが・・・
敷地のなかを見てみると、
ブルドーザーが大きな音をたて走りまわり、
容赦なく地面を掘り返している。
そうか、家の主がいなくなって売りに出されたのだ。
敷地の大きさからして
マンションを建てるつもりなのだろう。
でも、だからって、
地域の財産だった桜の木を、
ここまで無惨に伐り倒してしまうなんて・・・
法律的には、
その土地を買った人(会社)の自由なのだろうけれど、
知恵を絞れば
設計に生かすこともできたはず・・・
ばっさりと斜めに伐られたあとの、
直径60センチはあろうかという切り株の断面が、
痛々しいまでに白く、
桜が涙を流しているようで・・・
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