「身体知性」という言葉に惹かれ、
図書館で借りた本を、ようやく読み終えた。
この本の内容を簡単にいえば、
人の感情と身体の関係。
感情(こころ)というものは、
実は身体反応で、
身体に蓄積された、
さまざまな情報が感情を作っているという。
ということは、
遠い未来に永遠の命を求めて、
私の脳の情報を新しい身体に埋め込んでも、
もう私とは別人になってしまうということ?
などと、
本の意図とはかけ離れた発想をしてみたり・・・
この佐藤友亮さんという著者は、
医師であり武道家。
冒頭では
臨床における医師の診断に関して著述している。
患者さんに対する医師の診断は、
「論理的推論」と「身体感覚的判断(直感)」によるもので、
検査や分析結果だけでは確定が難しい部分を、
職業人として生活者として重ねてきた歴史に基づく、
身体感覚的判断(直感)で埋めていくと。
確かに医療分野では、
苦痛を訴える患者を目の前にして、
営業などの仕事のように、
持ち帰って検討します、というわけにはいかない。
医療分野に限らず、
この職業人としての直感というものは、
動物的直感であれ、
経験の蓄積による直感であれ、
正しい場合が多いように感じる。
この本、
難解な部分も多いので、
そこは飛ばし飛ばし読んでいき・・・
最後に、
思想家で武道家でもある、
内田樹さんとの対談が掲載されていて
興味深かった。
印象に残ったのが、
武道とは、
「いるべきときに、いるべきところにいて、
なすべきことをなす」こと、という言葉。
それは医療や研究でも同じかなと・・
そして、
わたし自身の今後を考えるうえで
役立つと思ったのが、
「『したい』ことより『呼ばれる』ことに気を配る」
という言葉。
自分を呼んでいる声を聞くこと、
その、かすかなシグナルを
聞きのがさないことが大事なのだと。
呼んでいる声か・・・
う〜ん、
わたしを呼んでいる声は
あるのだろうか・・・
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