ハイカーズ・ブログ(徘徊者備録)

「あなたの趣味はなんですか?」
「はい、散歩です」

「こうなる前からですか?」
「いいえ」

ロマンさんてえらいんや

2012-04-21 09:59:28 | 杖道
毎日新聞・4月21日朝刊

杖を始めて間もない頃、ロマンさんをはじめてみて、なんと素晴らしい日本人以上に日本人らしいサムライだと感銘を受けたが、こんなえらいひとだったのだ。

渡邊ロマンさん(37)

アンチウイルスアプリで人気の、中欧・チェコの大手ソフトウエアメーカーの「ZONER」社の日本支社長。
スロバキア生まれ。流暢な日本語を話し、杖道五段。
母国にいる時から「七人の侍」など黒澤明の映画を見ながら日本酒を飲んでいたというほどの日本好きだった。
日本の武道や文化に憧れ、”ジャパニーズドリーム”の念が高まり、04年春に来日。
翌春に千葉の国際武道大学を卒業し大阪市に移り住む。

因みに、ゾナー・アンチウイルス・フリーはスマートホン用の無料アンチウイルスアプリとして人気で今月中にダウンロード数が世界で50万を突破する見込み。

怪我防止に心掛けること

2011-09-26 19:48:07 | 杖道
杖道における傷害と対策 (改訂杖道入門より)

制定杖は真剣勝負の理合を薄めてまで、角度や間、間合等について怪我をせぬように安全性について配慮してある。
また、剣道のような試合も行わないため、瞬発力を用いるために生ずる傷害も極度に少ないといえる。

とはいえ、たまたま傷害を生ずることもあるため、その概略と対策を考える。

傷害を生ずる要件
1.指導者が武術だから怪我ぐらい当然という感覚で、粗野な指導をする場合。
2.練習生が粗野な性格で格闘技感覚の者、せっかちの性格の場合。この種の者は他人に怪我をさせやすい。
3.高齢者で耳が遠い。あるいは耳が遠くないにも拘らず、指導者の言うことが全く耳に入らない場合。これが一番多い。

怪我の種類と対策
1.右足の骨折ないし右足打撲
引き落とし打ちで太刀を打ち落とした時、右手中心の握りで左手の握りが弱い。かつ右足の引きが遅い場合、太刀先が右足甲に当たる。(全治三ヶ月の骨折になる)脛や腿にあたる場合は打撲となるが、後遺症は生じない。

2.拳の打撲ないし指の裂傷
「繰り付け」「繰り放し」「体当たり」の前半動作で杖先で太刀の中柄を取るとき。杖を扱う者がやみくもに杖先を太刀の中柄に向かって衝撃を与えた場合に生じる。(重度の場合は指の骨折、軽度の場合は指の打撲、裂傷)
打ち太刀は柔らかく剣を振る。
杖は正しく捌き、性格に中柄に向かってあげること。

3.肋骨の骨折、打撲
脾腹への突きの時や水月への打撲が肋骨側にずれた時に生じやすい。水月の上部の鳩尾をつくと折れやすい。
肋骨にひびが入った場合も治り難く回復に一ヶ月以上かかる。
やみくもに打突きせず正確に行えば問題ない。

4.アキレス腱の断裂、脹脛の肉離れ
高齢者が打ち太刀の時、杖に体当たりされた時、あるいは繰り放された時、後ろに下がって止まるために踏ん張った時に生じやすい。
稽古前のウォーミングアップをきっちりやる。

5.尻餅による骨盤下部の打撲ないし後頭部の打撲
打ち太刀は、杖に体当たりされる時、力をいれて抵抗しない、上に挙げた手を張らない、胸を張って反り過ぎない、下がる時は腰と膝を緩める。

狭い稽古場所での場合
自分達以外の武器があたる場合がいちばん危険。
狙って当たったものは思いのほか大丈夫で、間違って当たるものがいちばん危ないということを以外に理解していない


不自然な動作による腰痛
腰の捻りを必要とする技のとき、足から体を返さないものは上体のみで打突きする為、腰椎の三番、四番、五番に強い負担を掛けることになり腰痛を生じる。

内科的疾患の問題について
制定杖は老若男女を問わず学ぶことができる。
しかし、当然ながら高血圧、心臓病、脳の疾患ほか、本質的に生活習慣に起因する疾患については、指導者の関知するところではない。
医師ではないから改善指導することもその任ではなく、責任も取れない。
従って、特に高齢者はしっかり自己管理し、稽古場では他に迷惑を掛けないよう十分に配慮されたい。

  

見た見たー?! 毎日新聞

2010-05-26 06:40:04 | 杖道
どうせなら内に取材に来て欲しかったー。
毎日新聞 5月25日夕刊 動きたい 一汗いかが

一瞬に命を懸ける気迫

杖道 清風会兵庫支部に毎日新聞記者が体験入門され特集を組んでいました。
なんとはがき大の大きな写真にはわたしの知り合いが大写しに。(シット・・・)
せっかく1月18日みんなの広場に杖道をやっている高齢者の仲間を紹介した拙文を採用して頂いたのだから、追跡調査でうちの教室に来て欲しかったなー。(ほんと、残念)

以下記者さんの感想
「エイッ!」「ホーッ!」同支部のメンバー6人が、二人一組で杖道の形を演じている。
木刀で切りかかる役割の「打太刀」がゆっくりと歩を進め力強く木刀を振り下ろすや否や、「仕杖」と呼ばれる受け手が、杖の先で木刀をかわして払うと、即座に腹を一突きした。そして間髪をいれずに、相手の眉間すれすれに杖を打ち込む。動作は素早く、そして鋭い。

試しに杖を打ってみた。
杖道には打つ、突くなど12の基本動作がある。そのうちの一つ「本手打ち」に挑戦した。
腰を落として体は半身、杖の先は相手の眉間に向ける。そして、一歩踏み込むと同時に、杖を大きく振り回し、相手に打ち込んだ。


杖道が全国的に広まり始めたのは戦後、剣道に比べ知名度はまだ低い。
全日本剣道連盟によると、10年3月現在で剣道の有段者は約158万4000人、杖道は2万1000人。

杖道委員会の波止先生のコメントも頂いている。さすが毎日新聞。
「武道離れや指導者不足もあり、なかなか杖道人口は増えない。しかし、棒一本で誰にでもできる武術、魅力を伝えて生きたい」と語り、地道な取り組みを誓っている。

ただ、一度その奥深さに魅了されると、とことん極めたくなるのがこの武術の特徴だ。

毎週稽古に参加する尼崎の会社員、鈴森友真さん(22)は「形が完全に決まったときの快感は、言葉にできない」と語った。

とまれ、同じような同志は各地で活動しておられます。われわれも益々稽古に励みましょう。

追伸(おせっかい)
毎日新聞 山衛記者様
杖の試合は演舞で競い・・・とありますが
武道は踊りではないので、演武という辞書にない言葉を使います。

杖の起源?

2010-03-15 11:19:30 | 杖道
葛城山と金剛山の間に、少し窪んだ箇所がある。
そこが河内に通じる水越峠である。点在する民家を過ぎると急に道が狭くなる。
その先から峠道は大きくうねり曲がる。
捨和尚のぼろ庵は、その曲がった辺りから皿に四半里ほど北に入った山中にある。近づくと、樹間を縫って鋭い気合が耳に入ってきた。庵の前で捨和尚が、手にした一本の木の枝で辺りの空気を切り裂いていた。
激しい気合が迸ると同時に、気配が音を立てて裂かれる。
捨流杖術であった。


「小太郎、この棒をもってみい!」
「その棒の真ん中を握れ。これからわしがやって見せるから、よく目の底に焼き付けておくんじゃ」
捨和尚は、いつの間にか自分も棒を手にしていた。
その中ほどを握ると、す、すっと前に出た。
滑る様な動きだ。
背筋も伸び、視線は鋭く前方に立つ木々を見つめている。
「キエーッ!」
怪鳥のような気合が、捨和尚の口を突いてでた。と同時に、捨和尚の足が大地を蹴っていた。
一瞬の鈍い音が静寂の中に起こり、四本の木の枝が同時に落下した。
和尚の棒は一瞬で四つの動きをしたことになる。
しかも、生木の枝を落としたのだ。あれが人間なら、間違いなく脳天を砕かれていた。

「よいか小太郎。お前の握っておるのはたった一本の棒でしかないが、それは腕のひねり一つでたちまち二本になり、また四本になる。これが捨流杖術じゃ。今見たことを決して忘れず修業せい」


婆娑羅太平記 現世浄土 黒須紀一郎 より

第32回 関西杖道優勝大会

2009-11-23 11:29:18 | 杖道
第32回 関西杖道優勝大会
平成21年11月22日(日) 午後1時より
川西市総合体育館

今年で2回目の参加になる。先週初段に昇段した面々も一名団体戦の先鋒として、他の2名は個人演武に出場。
団体戦は一回戦で3:0で敗退、個人演武も賞には選ばれなかったが、しっかりといい杖を拝見して勉強になった一日だった。
会場都合か昼からの開催ということで、夕方六時ごろまでかかり、寒い一日で大変だった。
一番やりやすい言い訳、「稽古不足だった」というのは今年限りにしたいものだ。



開会式の様子

試合の様子

お疲れの参加者一同

70歳、杖道初段に合格

2009-11-21 11:43:31 | 杖道
11月15日(日)
秋季杖道審査会にて、高齢者の塾生4名、全員初段に合格できた。


基本技12本 単独動作。正しい姿勢、確実な打突。気、杖、体が一致しているか


初段は形、五本を行う。
一本目 着杖。二本目 水月。三本目 引提。四本目 斜面。五本目 左貫。







実技の合格は発表。四段まではめでたく全員合格。
学科試験を受けて、登録料支払い。




師範を囲んで塾生一同喜びの記念写真。

第36回 全日本杖道大会

2009-10-20 09:36:35 | 杖道
第36回 全日本杖道大会

平成21年10月18日(日)
横須賀アリーナ

今年初めて出場させていただきました。
杖の試合というのは打太刀(木刀)と仕杖(杖)がペアを組み、紅白2組のペアが演武を競い合い、どちらが優れているか3名の審判が判定します。
私は相棒がヘルニアを起こし、参加が危ぶまれていましたが、急遽メンバー変更し即席のペアで出場することが出来ました。ご配慮いただいた関係者の皆様に厚くお礼申し上げます。お相手していただいたM氏、ありがとうございました。

即席コンビにしては上出来で三回戦まで進むことが出来ました。あと一歩というところで私のミスであえなく敗退。・・したというものの多くのことを学び取って帰りました。

初めての参加でしたが、どういうわけか顔見知りが多くて、初めての気がしません。居合道家が一割ぐらいいたのではないでしょうか。えー先生もですか、お前もか、君もか?ってなぐあいでした。
なにか求めるものが、杖には在るのでしょう。


杖道は世間ではまだまだよく知られていない気がします。
大会のパンフレットの紹介文を再掲します。

杖道とは古来から伝わる武道の一つです。長さ128cm、直径2.4センチの白樫の丸い棒(杖)を武器とし、打ち掛かる太刀を相手に「突かば槍、払えば薙刀、持たば太刀、杖はかくにもはずれざりけり」と伝書にあるように太刀、槍、薙刀の技に独自の動きを加味した誠に玄妙多彩な武道です。見た目にはただの杖に過ぎませんが、正面はもとより左右から繰り出す杖先の一撃には予測を越えた鋭さが秘められています。

杖の稽古では立会いの形だけで行います。
打ち込んでくる太刀を捌き、すかさず杖で太刀の動きを制するというもので、形稽古とはいえ真剣勝負に近い稽古方といえます。

杖道は、約四百年前に夢想権之助勝吉が創始しました。夢想権之助は剣の達人でしたが、あるとき宮本武蔵と試合をして敗れたため、武蔵を破るべく筑前大宰府の宝萬山に籠もって創意工夫の結果編み出したのが、神道夢想流杖術です。

杖の試合は前述のとおりペアマッチです。
礼法、着装、正しい姿勢、正確な打突、充実した気勢と気迫の籠もった気合、目付、残心などがポイントになる。
高段者になるとさらに熟練度が求められる。
正確な切り付けと刃筋、間と間合い、杖の用法、気・杖(剣)・体の一致など打太刀の技量と仕杖の技前が相対的に判断される。

一挙手一投足が武道としての合理性を備え、理合に適った攻防が演武の形を離れて真剣勝負を彷彿とさせるだけの迫力を有することが求められる。

いかに一瞬一瞬に己の全霊を尽くすかということが大切。



杖道1級審査

2009-08-10 07:40:07 | 杖道
今までは各道場で実施されていた1級審査が、今回から本部でまとめて行われるようになった。
昨年から稽古を始めた、私の後輩が4名1級審査を受けることになり、付き添いでついていく。
自分の時より緊張している。
早めに会場に行って、準備運動ののち基本うちの稽古を繰り返す。
皆滝のような汗。
私は見学だけのつもりでいたら、月例研修会の日でもあり、受験者以外は段別に分かれて指導を受ける。
他の道場の方たちと交流でき、また上段の先生の指導をいただき有意義な一日だった。
自分の稽古中も審査が気になりちらちらと余所見。
みな人が代わったように真剣に立派にやっておられて安心した。
1級全員合格。
秋の初段審査までわずかしか時間はないが、厳しい稽古をしていこうと誓い合い、祝杯は秋までお預けにして散会。