ハイカーズ・ブログ(徘徊者備録)

「あなたの趣味はなんですか?」
「はい、散歩です」

「こうなる前からですか?」
「いいえ」

心技体か体技心か

2011-06-30 14:15:58 | 武道関連
毎日新聞夕刊 6月29日
憂楽帳

体技心

「体が最初でいいんですか」

今週からスポーツ面で始まったプロゴルファー・青木功さんの長期連載企画
「インサイド」
その取材で、青木プロのトレーニングを見学した時のことだ。
座右の銘を聞くと、「そうだなあ。体技心かな」
との答え。
相撲などでよく耳にする「心技体」の間違いでは。
そう疑う私に、「健康な肉体があってこそ、技と心が身に着くんだ。自分の体を鏡で見てみなよ。この先ずっと嫁さん、子供を養っていく自信あるかい?

気さくな人柄の青木プロに「お前もやってみな」と勧められ、たじろいだ。
そしてスーツ姿のままトレーニングマシーンに向かう私に一言、「その腹じゃ無理だな」

不規則な生活に運動不足がたたり、内臓脂肪の詰まった立派な太鼓腹。
毎年家族に減量宣言しては無残な結果に。
そんなわが身が恥ずかしかった。

68歳となった今でもアスリートの肉体を維持し続ける青木プロを前に、思わず口走った。
「僕、痩せます」

連載が終わるのは9ヵ月後。
その時までに、「世界の青木」への誓いを果たせるだろうか。

根の深さを思う

2011-06-17 10:11:21 | 武道関連
桜はさわやかに散り、今この老木の根っこに思いをやる。

北島三郎 根っこ

咲いた花だけ 人は観て
きれいな花だと もてはやす
花には枝あり 幹がある
目にこそ届かぬ その下に
忘れちゃならない 根っこの力
蔭で支えて 土ん中

上へ上へと 背伸びすりゃ
嵐で根こそぎ 倒される
前 横 後ろに 気を配り
足蹴にされても 踏まれても
愚痴さえ言わずに 根っこは耐える
陽の目 一生 見なくても

裸さらして 生きる木は
雷さんにも どやされる
涙は裂けても こぼさない
我慢を肥料に 今日もまた
命を枯らさぬ 根っこがあるさ
明日にでっかい 花となる

穴を沢山掘る

2011-06-08 14:36:57 | 晩年学
友達と飲んでいて、突然ひらめいたことを口にした。
私の晩年は『ルービックキュー完成達成型』を目指すと宣言。
私は多趣味多芸で、沢山の別個のフィールドを持っているのではなく、六面あるものの相互に関連していて、こっちをいじっていたら、あっちがなんとなくよくなったり、ということで結果的に1個の完成したブロックが出来上がるということ。

この酔っ払いの仮説を正当化する論文を見つけた。

「上達のコツは」医学博士 立身政信
上達のコツを脳の働きから考えてみよう。
どんなことでも練習を重ねることによって少しづつ上手にできるようになってくる。
学習によって習得するということですが、脳科学から見ると、思考と行動のパターン化ができてくるということ。

ところが、ある程度上達したところで、ほとんどの人が壁にぶつかります。
プラトー(高原という意味)と呼ばれる停滞状況ですが、努力を続けることによって乗り越えることができます。
その後再び上達してまた停滞するということを繰り返しながら、少しづつ実力がついてくる。

ところが、停滞することで迷ったり悩んだりするうちに逆に技術が低下することがある。
これがスランプに陥った状態です。
スランプは、ある程度上達した段階で起こるもので、未熟な状態ではほとんど見られません。
子供がスランプに陥ることは少ないといわれています。
なぜなら固定観念にとらわれることなく新しい方法を取り入れる柔軟な脳を持っているからです。

ここにスランプを乗り越えて飛躍的な進歩を勝ち取るヒント「上達のコツ」が隠されている。

思考と行動のパターン化ができて、技術がある程度上達すると、脳の働きが固定化されます。

これがプラトーやスランプを生むもとになる。
このとき脳に別な情報を与えてやると、脳はこれまでの固定化された思考と新しい情報の似ている部分や違う部分から、新しい発想を生み出すようになる。

つまり、別の世界を追求することで、プラトーやスランプを超えて物事をより深めることができる。

これはシャベルで土に穴を掘ることと似ている。
最初と同じ穴の広さで掘り続けても早晩限界がきます。
そのとき穴の広さを大きくすることで、より深く掘り進むことができる。

上達のコツの一つは「視野を広げること」