毎日新聞 近聞遠見 石見隆夫より
「このきわどい時期、日本を留守にするのはいかがなものか。
中印との間に緊急の懸案があるわけでもない」
「いや、まあ総理は、しゅ・は・り、の方針で着実にやっている」
「何です、それは」
「知りませんか。守・破・離。
武道などの修行のやり方を三段階に分けたもので・・・」
「ほお」
「いまの総理は〈守〉、これから〈破〉、そして〈離〉と順に」
剣道、空手道などの解説書によると、〈守〉は流儀を忠実に守り型どおりにやることで、それが一通り終わる頃に、型を破る努力をする〈破〉だ。
さらに修行を重ね、高い段階に進むことができれば〈離〉の境地に至る。
武道だけでなく、書道、茶道、華道などでも、修練の精神は同じだという。
政治家の道はどうなのか?
2閣僚問題で、つまずいた。野党による問責決議の前に処置できず、臨時国会を閉じ、国家公務員給与削減法案など重要法案を先送りしてしまった。
身を削らないまま、歳出カットに不熱心なまま〈税と社会保障の一体改革〉に「不退転の決意で」と繰り返しても、空疎に響くばかりだ。
こうした一連の野田流儀を、武道の〈守〉と言い換えていいものか。
守・破・離とにたのに、運・鈍・根がある。
かって保守政界で政治家の心得としてよく使われたが、最近はあまり聞かない。運を大切にし、鈍重に構え、根気よく励む、ということだ。
対照的である。
守破離は〈跳ぶ時は、思い切って跳べ〉と求めているのに対し、
運鈍根は〈あせらす、地道に汗をかけ〉と教えている。
この国難の時節、どちらに時代の要請があるのか。
自民党の伊吹文明元幹事長は〈民主党マニフェストは票を取るための嘘、絵空事だったのは国民の知るところとなった。来年こそ「嘘のない誠治」にしたいものです。と書いている。
無理な跳び方をしてロスばかり目立つ民主党政治を戒めている。
伊吹も自民党も運鈍根派だ。
一方、辛らつな発言で知られる浜矩子教授は「野田よ、怒れ!怒るとアドレナリンが出る」とけしかけた。
守破離派だ。
〈守〉はほどほどにして〈破〉に手を染めろ、と促している。
「このきわどい時期、日本を留守にするのはいかがなものか。
中印との間に緊急の懸案があるわけでもない」
「いや、まあ総理は、しゅ・は・り、の方針で着実にやっている」
「何です、それは」
「知りませんか。守・破・離。
武道などの修行のやり方を三段階に分けたもので・・・」
「ほお」
「いまの総理は〈守〉、これから〈破〉、そして〈離〉と順に」
剣道、空手道などの解説書によると、〈守〉は流儀を忠実に守り型どおりにやることで、それが一通り終わる頃に、型を破る努力をする〈破〉だ。
さらに修行を重ね、高い段階に進むことができれば〈離〉の境地に至る。
武道だけでなく、書道、茶道、華道などでも、修練の精神は同じだという。
政治家の道はどうなのか?
2閣僚問題で、つまずいた。野党による問責決議の前に処置できず、臨時国会を閉じ、国家公務員給与削減法案など重要法案を先送りしてしまった。
身を削らないまま、歳出カットに不熱心なまま〈税と社会保障の一体改革〉に「不退転の決意で」と繰り返しても、空疎に響くばかりだ。
こうした一連の野田流儀を、武道の〈守〉と言い換えていいものか。
守・破・離とにたのに、運・鈍・根がある。
かって保守政界で政治家の心得としてよく使われたが、最近はあまり聞かない。運を大切にし、鈍重に構え、根気よく励む、ということだ。
対照的である。
守破離は〈跳ぶ時は、思い切って跳べ〉と求めているのに対し、
運鈍根は〈あせらす、地道に汗をかけ〉と教えている。
この国難の時節、どちらに時代の要請があるのか。
自民党の伊吹文明元幹事長は〈民主党マニフェストは票を取るための嘘、絵空事だったのは国民の知るところとなった。来年こそ「嘘のない誠治」にしたいものです。と書いている。
無理な跳び方をしてロスばかり目立つ民主党政治を戒めている。
伊吹も自民党も運鈍根派だ。
一方、辛らつな発言で知られる浜矩子教授は「野田よ、怒れ!怒るとアドレナリンが出る」とけしかけた。
守破離派だ。
〈守〉はほどほどにして〈破〉に手を染めろ、と促している。