毎日新聞夕刊8月21日
幸せのトンボ 専門編集委員 近藤勝重さん
書く。今の子はメールやパソコンの「打つ」が「書く」だから、手書きがいいよ、などと言うと、なおのこと書くのを嫌がる。
でも書くことを面倒がらず、日記や手紙、メモと何かについて書いていれば、その効果はいろいろな形で表れるはずだ。
まず第一に元気になれると言っておきたい。
井上ひさしさんは文章の本で「書いて自分が元気になれるように」と希望的におっしゃっているが、書くことで悩みが解消できれば、そのぶん間違いなく元気になれる。事実、それは可能だ。
自分の性格はなかなか変えられない。
しかし、考え方は変えられる。
悩んでいることを書いて整理する。
ふと気付く。そうか、こういう見方が悩みを深めていたんだ。
それならこういう見方にチェンジしてみよう。
それでうつうつとした気分が解消した患者がいる、とは臨床心理士の話。
次に、書けば優しくなれる。
けんかはしばしば言い争いから起きる。
反省をかねてそのことを日記に書いてみる。
とてもじゃないが相手に投げつけた言葉など記せない。反省。
手紙も書いていると相手のことを思う気持ちになれる。
時候の挨拶を考えていると、自然にも目が行く。
それだけでもいつもより優しい自分になれる。
それに手紙は手間がかかる。
そのぶん相手を思う気持ちも増すだろう。
清水義範さんの「大人のための文章教室」を読んでいると、文章の上達は「カラオケ上達法と実はよく似ている。
カラオケのうまい人は「ちゃんと聞き手の反応に気を配っている。どう歌えば上手く聞こえるかを考えていて何度も歌いこんでいる」ものだ。
文章も「書くからには、読み手を意識して、そこに伝えようと思っていなければならない」とつないでいる。
人間は自己表現することが好きで、上手くそれが出来れば気分がいいのである。
なるほど、なるほど。
文章もカラオケも自己表現、うまく書ければ、上手く歌えれば、元気になれるわけだ。
幸せのトンボ 専門編集委員 近藤勝重さん
書く。今の子はメールやパソコンの「打つ」が「書く」だから、手書きがいいよ、などと言うと、なおのこと書くのを嫌がる。
でも書くことを面倒がらず、日記や手紙、メモと何かについて書いていれば、その効果はいろいろな形で表れるはずだ。
まず第一に元気になれると言っておきたい。
井上ひさしさんは文章の本で「書いて自分が元気になれるように」と希望的におっしゃっているが、書くことで悩みが解消できれば、そのぶん間違いなく元気になれる。事実、それは可能だ。
自分の性格はなかなか変えられない。
しかし、考え方は変えられる。
悩んでいることを書いて整理する。
ふと気付く。そうか、こういう見方が悩みを深めていたんだ。
それならこういう見方にチェンジしてみよう。
それでうつうつとした気分が解消した患者がいる、とは臨床心理士の話。
次に、書けば優しくなれる。
けんかはしばしば言い争いから起きる。
反省をかねてそのことを日記に書いてみる。
とてもじゃないが相手に投げつけた言葉など記せない。反省。
手紙も書いていると相手のことを思う気持ちになれる。
時候の挨拶を考えていると、自然にも目が行く。
それだけでもいつもより優しい自分になれる。
それに手紙は手間がかかる。
そのぶん相手を思う気持ちも増すだろう。
清水義範さんの「大人のための文章教室」を読んでいると、文章の上達は「カラオケ上達法と実はよく似ている。
カラオケのうまい人は「ちゃんと聞き手の反応に気を配っている。どう歌えば上手く聞こえるかを考えていて何度も歌いこんでいる」ものだ。
文章も「書くからには、読み手を意識して、そこに伝えようと思っていなければならない」とつないでいる。
人間は自己表現することが好きで、上手くそれが出来れば気分がいいのである。
なるほど、なるほど。
文章もカラオケも自己表現、うまく書ければ、上手く歌えれば、元気になれるわけだ。