ハイカーズ・ブログ(徘徊者備録)

「あなたの趣味はなんですか?」
「はい、散歩です」

「こうなる前からですか?」
「いいえ」

人間は病気の動物である。

2012-06-03 08:13:03 | 雑談
スポーツを考える  毎日新聞6・2夕刊

下り坂では後ろ向きに

丘沢静也 ドイツ文学者

いままで運動らしい運動をしたことがなかったが、こっそり走ってみたら気持ちが良かった。
体の喜びに目覚めて、人生ががらりと変わった。
毎日のように、ダラダラ走り、のんびり泳ぐようになった。
朝走るのがその日のウォーミングアップで、夜泳ぐのがクールダウン。

私にとって運動は食事や排泄と同様なくてはならないものだ。
運動習慣病だ。
ニーチェは「人間は病気の動物だ」と言った。
どうせ病気なら、生活習慣病より運動習慣病の方がいい。

運動ができるのに運動をしない人は、ぜひ体を動かす喜びに目覚めて欲しい。

スポーツで「結果を出す」とか「仕事をする」ということは考えない。
無理をしない。
一人でやるから競争はしない。
距離や回数ではなく、たとえば30分と時間だけ決めて、ダラダラ走ったり、のんびり泳いだりする。

これが運動習慣病を維持するための秘訣だ。
頑張らないのが教養なのだ。

下り坂では後ろ向きに走る。膝への負担が軽減し、なかなか快適。

体が軽くなると心も軽くなる。
記録も、記憶も、感動も欲しくなる。
目標を持たず、結果を求めず、プロセスをゆっくり楽しめばいい。

「静かなスポーツ」はお金もかからないし、生活習慣病にもそれなりに効き目があるだろう。

スポーツの語源は気晴らしであり、競争の意味はない。

静かなスポーツをスポーツの王道と考えるのなら、競技スポーツはスポーツの特殊な一部にすぎない。

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