ハイカーズ・ブログ(徘徊者備録)

「あなたの趣味はなんですか?」
「はい、散歩です」

「こうなる前からですか?」
「いいえ」

いつの間にか自分も高齢者?

2009-11-21 12:21:24 | 晩年学
夢は枯野をかけめぐる
西澤保彦 中央公論社

「人の話は聞かない、何も出来ないくせに、自分の流儀にこだわって、こちらがやることにいちいち文句をつける」

「人間、歳をとると達観するというか、賢明になってゆくものだと思っていた。違うわね。体力がなくなるから、自分のことでせいいっぱい、周囲を気遣う余裕がなくなるという事情を差し引いても、とにかく我儘になる。
ちょっと外へ出てみても判るわ。公共マナーを守っているのは、むしろ若い人たちのほうよ。老人達ときたら平気で行列に割り込むし、人にぶつかっても知らん顔。謝りもしない。電動車椅子に乗ってる人たちのあの独特のずうずうしさって、なんなの。この前目撃したわ、商店街で。狭い通路を、そっちが避けるのが当然って態度で、スピードも緩めず突っ込んできて。歩行者と衝突しても、まるでぶつけられた人のほうが悪いとでもいいたげに無言で睨みつけていたわ。醜悪といったらありゃしない。昔から、お年寄りは大切にしなければしけないと教えられ、もっともだと疑いもしなかったけど、いえ、いまでもその通りなんだろうとは思うけど、こうなってみると虚しい。ほんとに虚しいだけ」

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