里の家ファーム

無農薬・無化学肥料・不耕起の甘いミニトマトがメインです。
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牛乳と小麦

2015年01月06日 | 健康・病気

 今日は二十四節気の「小寒」。池や川の氷も厚みを増し、寒さが厳しくなる頃です。「寒の入り」ともいい、寒さの始まりを意味します。
小寒と大寒を合わせたおよそ1か月を「寒中」「寒の内」といい、寒中見舞いを出す時期とされています。「寒中見舞い」は寒さの厳しい折に、相手の健康を気遣う季節の便りです。
 それにしては、今日の気温は異常です。プラス3度まで上がり、小雨が降りだしました。

 

「noahnoahの21世紀カラだ島ブログ」より

  良いと思い込んで摂っていたものが、実は悪くなる「原因」そのものだった、なんてことが世の中には沢山あります。例えば、乳製品に小麦。これって、長い歴史の中で人類のいのちを支えてきたものですよね。でも、これらがもし、深刻な自閉症を悪化させる原因そのものだったとしたらどうしますか?アメリカにカリン・セルーシーさんという女性がいます。彼女の息子のマイルズくんは、生後18ヶ月で「自閉症」と診断されました。

●カリンさんと息子のマイルズ君

 彼の成長は15ヶ月目までは全く正常だったにも関わらず、その後、突然覚えていた言葉をまったく使わなくなり、親の言葉もまるで理解していないように見えました。そして家族とは目を合わせなくなり、自分の殻にこもったきりで、床に額をこすりつけたり、うがいをするような音を立てたり、ドアの開け閉めをえんえんと繰り返すようになってしまったのです。また、親が抱きしめようとするといやがり、奇声を発するようになりました。
 同じ時期に、耳の慢性的な感染症にかかり、下痢を繰り返すようにもなりました。自閉症は脳の中の異変によって起こる発達障害です。医師は、「マイルズくんは成長してもこれらの深刻な症状は変わらないだろう」と言いました。母のカリンさんは、医療は我が子を助けてくれないとあきらめ、その日から図書館へ通い、膨大な量の自閉症に関する文献を調べました。その時、自閉症が牛乳による「大脳のアレルギー」によって引き起こされると信じているある母親の体験について書かれた記事に出会いました。
 カリンさんには思い当たる節がありました。マイルズ君は子供でありながら、1日2ℓ以上もの牛乳を飲んでいたからです。最初のうちは豆乳を飲ませていたのですが、ある時、牛乳を与えてからは盛んにそれを欲するようになり、いつの間にか習慣となっていたのです。さらにカリンさんは、お母さんが数ヶ月前話していたあることを思い出しました。それは、耳の感染症にかかっている多くの子供たちは、牛乳と小麦に対するアレルギーを持っていること。なので、そのような食べ物をマイルズ君から遠ざけるように言われていたのです。しかし、マイルズ君は極端に偏食で、牛乳、チーズ、パスタ、シリアルしか食べません。なので、カリンさんは「そんなことしたら、子供が餓死してしまうじゃない!」そう言って、お母さんに反発したのでした。けれども考え直し、試してみる価値があると思ったカリンさんは、マイルズ君の食事に乳製品を使わないように努めました。すると、しばらくして何が起こったでしょう。マイルズ君は金切り声を上げるのを止め、長い間同じことを繰り返すのを止めました。明らかに改善が見られたのです。カリンさんは、そのことを伝えるため有名な小児科医に会いました。しかし、その医師はこう言いました。「息子さんは自閉症です。牛乳アレルギーの問題は興味深いですが、それが自閉症の原因であるとも、改善した原因であるとも思いません」カリンさんはひどく落ち込みました。
 しかし、制限食を続けていくうち、マイルズ君の症状は日ごとに良くなり、ある日、カリンさんと目が合うと、ニッコリと微笑んだのです。カリンさんはうれしさのあまり泣き出しました。そして、ご主人と「牛乳」がマイルズ君の行動に影響を与えたという仮説を証明するためにテストをしました。それは、以前のように朝三杯の牛乳を与えて様子を見るというテストです。すると、牛乳を与えた日には、額を床にこすりつけ、奇声を発するというしばらく忘れかけていたあの行動をするのです。しかし、家で牛乳を与えていないにも関わらず、自閉症の行動をする時がありました。調べてみると、保育園でマイルズ君がチーズを与えられていたことがわかりました。
 こうしたことをきっかけに、夫妻は乳製品が彼の自閉症に関係があることを確信しました。ご主人が研究文献を調べると、自閉症児の、あるタイプの子供たちは、牛乳のタンパク質(カゼイン)をカラダがペプチド(アミノ酸の結合したもの)に分解する過程で麻薬様の物質に変異し、それが脳に影響を与える場合があることが分かりました。研究者たちが自閉症児の尿を調べてみると、尿からは、なんとアヘンヘロインが検出されたというのです。夫妻は、こうした作用を及ぼすもうひとつのタンパク質がグルテンであることもつきとめました。グルテンは、小麦、ライ麦、大麦、オートミールや、それらを原料とする加工食品に多く含まれています。
 そのため、カリンさんは、マイルズ君の大好きなパスタとシリアルを与えるのを止めました。すると48時間以内にマイルズ君の便は、下痢から固形の便に変わり、1ヶ月後には言葉を話せるようになりました。しかし、かかりつけの医師らは、夫妻の主張する「自閉症と食事の関係」については嘲笑するばかりでした。夫妻は自分たちがそのエキスパートになるべきと考え、外国の研究者や自閉症の子供を持つ親たちのグループと交流を試みながら、自分たちの食事療法の成果を積極的に外へと伝え始めました。その活動によって多くの子供たちの症状が改善され、夫妻のもとには世界中から沢山のお礼の手紙やメールが届くようになりました。現在、夫妻は自閉症の子供を持つ親たちのためにサイトを立ち上げ、情報提供による支援を行っています。私は、何も牛乳と小麦を悪者扱いしたいわけではありません。
 最初に書いたように、これらの食べ物は昔から人類のいのちをつないできたものです。にも関わらず、近年、こうした食物を原因とするアレルギーや疾病が世界中で増えていることの背景には、私たちの暮らしが急激に変わってしまったことがあるように思うのです。大量の農薬や化学肥料による穀物の大量生産や遺伝子操作された種。抗生物質やホルモン剤を多用し、家畜にも環境にも負荷がかかり過ぎる酪農産業。人類の飽くなき欲望の追求とエゴが食物の質を変え、私たち自身の生体をも変化させ、それがますますエスカレートしていることの表れとして、こうした現象が生じているのだと考えます。
 日々の暮らしの中にある「過剰」なものを見つけ出し、バランスの良い摂取のあり方や距離を模索していくのは、自閉症という問題を抱える個人や家族のみならず、すべての現代人にとって必要なことなのではないかと感じます。自然界はバランスで成り立っています。現在、この世界を取り巻く問題のすべては、私たち人類のふるまいが自然から離れた結果として生じたもの。ならば、その振りきれた針を戻すには、自然をよく観察し、自然と親しみ、自然の中に生きることが求められます。私たち人類がその原点に立ち返った時、乳製品も小麦も、人のいのちをつなぐ安全な食物へと再び回帰していくのだと感じているのです。

●カリンさんも関わっている食事療法による自閉症改善のためのネットワーク機関ANDI
http://www.autismndi.com/