地這い胡瓜
寒くなって、キューリも枯れてきました。実も小さいままです。
うちで栽培しているのは、有名な黒サンゴでも、夏すずみでもありません。地這いキューリなのです。これは露地で栽培するのはとても難しい。北海道の温度の問題かと思うのですが、ピンからキリまで同じ太さにならず、ひょうたん型になってしまうのです。そこでハウスで支柱栽培をしています。ハウス内だと大体同じ太さでそろいます。
この地這いキューリ、皮が柔らかく、中もみずみずしくとても美味しいです。少し太くなりすぎて、他の品種なら捨ててしまいそうな太いキューリもパキパキとみずみずしく美味しいのです。
今、種採りのため太く大きなのが黄色くなっています。
野口種苗さんのHPより
●節成り胡瓜と地這い胡瓜の違い●
ウリの仲間は、雌花と雄花が別々に咲きます。そして、雌花にだけ果実がつきます(あたりまえですね)ので、 雄花はムダ花と呼ばれて嫌われます。
で、この雌花(成り花)が、親蔓の低い節位から葉の出る節ごとに順々につくように人為的に改良された品種が、 節成り胡瓜(支柱栽培するところから、俗に立ち胡瓜と言っています)で、場所を取らず、 狭いビニールハウス内に 何百本も植えることができ、早くから収穫できるので、営利栽培で使われる胡瓜は、ほとんどこの節成り胡瓜の一代 交配種です。(連作に耐え、色や形、日保ちをよくするための品種改良が進み、また特殊なカボチャの台木に接いで いるので、どんどん皮が硬く、不味くなっています)
これに対し、昔ながらの伝統固定種の胡瓜は、親蔓一本仕立てでは雌花のつきが悪く、ムダ花が多くなるので、 適当なところ(本葉5、6枚から7、8枚)で親蔓の芯を止め(これを摘心と言います)、それまでに 出た葉の 付け根から伸びる子蔓を3、4本伸ばして広げ、子蔓や孫蔓のあちこちについた雌花の果実を収穫することで、 最終的な収量を多くします。
親蔓を途中で切って子蔓・孫蔓を伸ばし、そこから出た葉が、よく太陽光線に当たるように広げてやらなくては いけないことから場所を取り、成りはじめるのも遅いのですが、 やがて地面を覆って広がった葉が、自然の太陽光線を いっぱい受け、夏の暑さにも成り疲れせず、昔どおりの柔らかくて味のよい胡瓜がたくさんとれます。 (昔の胡瓜って皮が柔らかいから、もいで一日も置いておくとしなびたものです。確かにこれじゃ市場もスーパーも 嫌がりますね。自家用の畑を持ち、毎日こまめに収穫する人だけが味わえる味。これこそ究極のぜいたくな味では ないでしょうか)これが伝統的地這い栽培の胡瓜、地這胡瓜です。(地這い胡瓜は、雌花が飛び飛びにしか つかないことから、飛び節系とか飛び成り系とも言います。また、地面が充分温まってから直播きして栽培される ことが多いので、寒いうちに苗を育ててトンネルやハウスで栽培する胡瓜に対し、余まき胡瓜とか夏胡瓜とも呼ばれます)