「東京新聞」社説 2020年6月8日
新型コロナ禍で、高校生活最後の舞台が次々奪われています。春の選抜高校野球大会に続き、夏の全国高校野球選手権大会、全国高校総合体育大会、さらには音楽コンクールなどが軒並み、中止になりました。生徒たちが積み重ねてきた日々に応えるため、今こそ大人が動く時です。
先月二十日、日本高校野球連盟は、八月の甲子園大会の中止を発表しました。全国各地から甲子園までの移動や、大勢の宿泊による感染リスクなどを理由に挙げていました。
◆甲子園大会中止の衝撃
予選となる地方大会も中止にしたため、全国約十四万人の高校球児たちへも衝撃が広がりました。
甲子園に出場するのはごく一部です。多くの球児にとって活躍の舞台となる地方大会すらなくなったとしたら…。その無念さは想像に余りあります。
知り合いの高三球児は強豪校の野球部ではありませんが、それでも、ほぼ連日、練習を重ねてきました。土日も朝早くから終日、遠征試合などに出掛けました。下級生の時は当然のことながら、グラウンド整備や片付けなどの「雑用」にも追われてきました。先輩たちが引退してやっと、中心メンバーとして活躍できると期待したところでの二月からの練習中断、そして大会中止の決定でした。
それでも自粛期間中、近所に住む球児仲間と集まって自主練を続けてきました。集大成発揮の場が与えられると信じながら…。
◆「独自大会」開催の工夫
幸いなことに、球児たちへの救いの手は各所から差し伸べられました。
かつて球児だったプロ野球選手らも続々と声を上げました。春夏連覇を達成した西武の松坂大輔投手は「選手の心に寄り添い、アイデアを出し、実行することは大人にできる」と訴えました。アマとの間の壁を取り払い、できるだけ支援しようという機運も高まっています。
愛知県、東京都など多くの都道府県が「独自」の地方大会を開催する方針を決めました。さらに、大阪府の吉村洋文知事は、近畿地区の大会を甲子園で開催できるよう、阪神球団に働きかけていることを明らかにしました。
無観客としても、「独自大会」開催にはなお、多くのハードルがあります。開催費用の工面や運営スタッフの確保、新型コロナ感染防止の徹底はもちろん、熱中症やけがへの対策など、枚挙にいとまがありません。
時間にも追われています。緊急事態宣言解除後の今月、学校が再開した東京都では、部活ができるようになるのは早くても今月半ば以降。練習よりまず先に、雑草などで荒れ放題のグラウンド整備から始めなくてはなりません。
しかし、あきらめるのは、まだ早い。運営を支援する予算措置を表明した自治体もあります。無観客でも試合を見てもらえるよう、各地元のケーブルテレビ中継も検討されています。準備期間確保のため、都高野連は当初、七月十一日としていた開幕日を一週間後ろにずらしました。課題解決への努力は進んでいます。
開幕を目指して練習試合が始まったプロ野球の運営も、参考になるでしょう。
現在二十人に制限されている地方大会のベンチ入り人数を増やすよう、提案する監督もいます。少しでも多くの三年生にチャンスを与えたい、という思いからでしょう。「災い転じて福となす」知恵を出し合えればとも思います。
「野球だけ特別扱いするな」との意見も根強くあります。そう指摘したい気持ちは分かりますが、ともに不幸をかこつより、ともにハッピーになる道を探ることを考えてはどうでしょうか。
佐賀県は県高野連、高体連などと共催で、野球を含めた二十九競技が参加する高校生のスポーツ大会を開くことを決めました。鳥取県も野球、高校総体両方の代替大会開催を表明しています。
◆あきらめぬ姿を見せる
両県のような対応は無理としても、各スポーツ競技の独自大会開催や、文化系の部活の代替コンクールや発表会など、野球以外でも、「花道」を探る動きが広まってくれればと思います。
もちろん、最終的に決めるのは生徒たち自身です。受験勉強に集中したい人もいるでしょう。参加の可否を、各人の自主性に任せるのは言うまでもありません。
新型コロナと共存しなければならない時代です。リスクにひるむだけでは乗り越えられません。私たちは自粛期間を通じ、日々の生活に注意を払いながらコロナと向き合う方法を学びました。
若者たちが理不尽に放置されぬよう、手を尽くしたい。「あきらめない」姿を見せるためにも。
いいね!
何もかもが「中止」に追いやられてしまった。
入学式も卒業式も修学旅行さえも奪われてしまった。
「いかにしてやるのか」という発想がない。
これは大人の責任だ。
「抗体検査」を基本に、やるべきことを体験させてあげたい。
お昼を食べようと家に入ってきたが寒い。
今調べると13℃だった。
久しぶりに薪ストーブに点火。
散歩でよくくるお客様より手作りマスク5枚いただいた。
アベのマスクはもういらん。
圃場のようす。