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何を守る「安全保障」か

2022年06月19日 | 社会・経済

「東京新聞」社説 2022年6月19日 

 ロシアによるウクライナ侵攻の渦中で迎える参院選。政権与党が戦禍に乗じて問いかけるのは日本の「安全保障」です。防衛費の倍増を主軸に、国の責任として、仮想敵国の脅威から国民の「命と暮らし」を守るため、と。

 でも、そうでしょうか。

 外敵に備えるまでもなく、戦禍の脅威は既に国境の内に来ています。小麦などの供給危機に端を発した食料価格の急騰は、何より人の「命」に必須の食料だけに節約も厳しい。「暮らし」への打撃は低所得層ほど深刻です。

 だけど、国の対策は輸入肥料価格の補填(ほてん)など、供給側向け一辺倒。消費者の苦しい家計には支援の気配すらありません。

 底流には、いびつな金融緩和政策の傍ら、長らく放置された格差社会が広がります。増える低所得層に公助が十分届かない。新たな脅威が来るとしわ寄せは弱者に行き、守られるべき「命と暮らし」が守られない。コロナ禍でも見た日本政治の酷薄です。

◆次世代の命も守る責任

 この内なる「安全保障」の無策にこそ、私たちは目を見開かねばなりません。

 例えば、国の想定より六年も早いペースで進む「少子化」です。

 若い人々が将来に明るい展望を開けず、家族を持つことへの期待がうせる。その少子化がまた、社会や経済の活力をそぎ、将来を一層暗くする。悪循環です。

 無論、生涯子どもは持たないという個々人の自由は尊重されなければなりません。

 しかしながら、人間社会で世代の「命」をつなぐ子どもを産み、育てる営みは、その社会を末永く守り継ぐための根幹でしょう。

 ならば国の責任として今なすべきは、次世代にも向けて「命と暮らし」を守るため、少子化の悪循環を断つことです。日々の暮らしに窮する弱者にこそ、将来を明るくする公助が必要なのです。

 なのに、これほどの脅威を差し置いて、それでもなお防衛費倍増なのでしょうか。

 いや、単に少子化か防衛かの政策論ではありません。ここで私たちが問い直すのは「命と暮らし」を守る政治の責任の果たし方。ひいては国際社会で日本に求められる平和外交の理念です。

 話は二〇〇〇年の前後に遡(さかのぼ)ります。国連で新千年紀の一目標として「人間の安全保障」を惹句(じゃっく)とする取り組みが動きだしました。

 自国を敵国から守る国家の安全保障とは別に、世界で人々の命や暮らしを貧困、疫病、飢餓などの脅威から守る考え方です。

 実は、当時の小渕恵三首相が構想し、国連に設けた基金と有識者委員会が礎になりました。

 ノーベル経済学賞のアマルティア・セン教授と、緒方貞子・元国連難民高等弁務官(一九年、九十二歳で死去)が共同議長を務めた委員会は、〇三年の報告書で弱者を包括的に守る活動を方向付け。これを骨格にした「人間の安全保障」は一二年、国連の行動として定義付けられました。

 その理想は「持続可能な開発目標(SDGs)」の基盤ともなって、今に息づいています。

◆平和外交の意義と誇り

 再び遡って〇一年。年初にその共同議長に就いていた緒方さんは九月十一日。まさにニューヨークのビル四十階の部屋にいて「貿易センタービルが炎に包まれ、倒壊していく様子」を目撃しました。

 その恐怖が冷めやらぬ中で、自問を繰り返すシーンが自著の講演録などに出てきます。テロとの戦いが始まろうとしていました。

 いつどこで暴発するかもしれぬテロを相手に、国家の安全保障だけで国民を守れるか。テロの温床ともなり得る脅威から弱者を解き放ち、尊厳ある人生に導く「人間の安全保障」こそが今後、国際活動の主流になるのだろうと。自問は確信へと変わります。

 緒方さんはまた「人間の安全保障」が日本主導で提起されたことに、格別の意義を見いだしてもいました。平和憲法の下で経済発展を遂げ、その成果を基に政府開発援助(ODA)などで平和外交に尽くしていた、母国への「誇り」だったかもしれません。

 けれども、いつしか近隣国との間に疎通を欠き、近年「内向き」の外交姿勢に傾く日本に対して、緒方さんは独善をこうたしなめていました。「自分の国だけの平和はあり得ない。世界はつながっているんだから」…。

 もう一度、問い直します。

 それでもやっぱり、防衛費倍増でしょうか。近隣の仮想敵国に備える国境の守りですか、と。


長いビデオですが最初の30分だけでもぜひ。

自公政権の「防衛費」とは、アメリカへの貢でしょう。どのような武器を揃えるのか?何が必要なのか?どうでもいいことなのです。アメリカへの「財政支援」それが第一位であり、国民の「命を守る」ことなど何も考えてはいないのです。こんな「防衛費増額」断固反対です。軍は国民を守ってはくれません。

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園のようす。
今日も新たな家族が・・・

いちごの収穫。



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