昨夜10時ころには車のフロントガラスがガリガリに凍り付いていました。今日は今年の初氷、初霜日。
先日、アラレが地面を真っ白にするほど積もりましたが、これは初雪とは言わないのでしょうね。今年は初雪や初冠雪が4.5日早く来ているようですが、ここの初霜は大幅に遅くなっています。普段だと9月末には来るのですが・・・
昨夜10時ころには車のフロントガラスがガリガリに凍り付いていました。今日は今年の初氷、初霜日。
先日、アラレが地面を真っ白にするほど積もりましたが、これは初雪とは言わないのでしょうね。今年は初雪や初冠雪が4.5日早く来ているようですが、ここの初霜は大幅に遅くなっています。普段だと9月末には来るのですが・・・
gooからの「読者登録」通知の過去メールをチェックしてみた。「されました」と連絡が来ているにもかかわらず登録されていない人がいた。すでに『登録』している人からも重複して「登録」申請が来ている。たくさん読者がいればわからなくなることもあるだろう。しかし・・・
こんなことぐらいブログ管理者が忠告できるシステムくらいあってもよさそうだ。
もう一つ、メールが来たのか、コメントが来たのかがはっきりしない。つい「コメント」と思い、後で編集画面で確認しようとするから
メールが置き去りになってしまった。メールをいただいた方、ごめんなさい。
地這い胡瓜
寒くなって、キューリも枯れてきました。実も小さいままです。
うちで栽培しているのは、有名な黒サンゴでも、夏すずみでもありません。地這いキューリなのです。これは露地で栽培するのはとても難しい。北海道の温度の問題かと思うのですが、ピンからキリまで同じ太さにならず、ひょうたん型になってしまうのです。そこでハウスで支柱栽培をしています。ハウス内だと大体同じ太さでそろいます。
この地這いキューリ、皮が柔らかく、中もみずみずしくとても美味しいです。少し太くなりすぎて、他の品種なら捨ててしまいそうな太いキューリもパキパキとみずみずしく美味しいのです。
今、種採りのため太く大きなのが黄色くなっています。
野口種苗さんのHPより
●節成り胡瓜と地這い胡瓜の違い●
ウリの仲間は、雌花と雄花が別々に咲きます。そして、雌花にだけ果実がつきます(あたりまえですね)ので、 雄花はムダ花と呼ばれて嫌われます。
で、この雌花(成り花)が、親蔓の低い節位から葉の出る節ごとに順々につくように人為的に改良された品種が、 節成り胡瓜(支柱栽培するところから、俗に立ち胡瓜と言っています)で、場所を取らず、 狭いビニールハウス内に 何百本も植えることができ、早くから収穫できるので、営利栽培で使われる胡瓜は、ほとんどこの節成り胡瓜の一代 交配種です。(連作に耐え、色や形、日保ちをよくするための品種改良が進み、また特殊なカボチャの台木に接いで いるので、どんどん皮が硬く、不味くなっています)
これに対し、昔ながらの伝統固定種の胡瓜は、親蔓一本仕立てでは雌花のつきが悪く、ムダ花が多くなるので、 適当なところ(本葉5、6枚から7、8枚)で親蔓の芯を止め(これを摘心と言います)、それまでに 出た葉の 付け根から伸びる子蔓を3、4本伸ばして広げ、子蔓や孫蔓のあちこちについた雌花の果実を収穫することで、 最終的な収量を多くします。
親蔓を途中で切って子蔓・孫蔓を伸ばし、そこから出た葉が、よく太陽光線に当たるように広げてやらなくては いけないことから場所を取り、成りはじめるのも遅いのですが、 やがて地面を覆って広がった葉が、自然の太陽光線を いっぱい受け、夏の暑さにも成り疲れせず、昔どおりの柔らかくて味のよい胡瓜がたくさんとれます。 (昔の胡瓜って皮が柔らかいから、もいで一日も置いておくとしなびたものです。確かにこれじゃ市場もスーパーも 嫌がりますね。自家用の畑を持ち、毎日こまめに収穫する人だけが味わえる味。これこそ究極のぜいたくな味では ないでしょうか)これが伝統的地這い栽培の胡瓜、地這胡瓜です。(地這い胡瓜は、雌花が飛び飛びにしか つかないことから、飛び節系とか飛び成り系とも言います。また、地面が充分温まってから直播きして栽培される ことが多いので、寒いうちに苗を育ててトンネルやハウスで栽培する胡瓜に対し、余まき胡瓜とか夏胡瓜とも呼ばれます)
注目されるのは「天然のインシュリン」といわれる「イヌリン」と呼ばれる多糖類で、一般的なイモ類とは違い、ヤーコンと同じようにデンプンはあまり含まれず生の菊芋には15%前後のイヌリンが含まれているとされています。
このイヌリンは消化によってオリゴ糖の一種キクイモオリゴ糖(イヌロオリゴ糖)となり、血糖値の異常によっておこる糖尿病などに良い影響を与えるとされています。
菊芋はデンプンをあまり含まないため芋でありながらカロリーが低く、ジャガイモの半分以下のカロリーしかありません。
菊芋には沢山のカリウムが含まれています。カリウムはナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、高血圧に効果があります。また、長時間の運動による筋肉の痙攣などを防ぐ働きもあります。逆に不足すると、筋肉が弱り、障害を起こすそうです。
今朝の最低気温ハウス内で2℃でした。
ミニトマトも低温障害で割れがひどく、今日からハウス内で2台のポータブル石油ストーブを灯しました。
ほとんど気休め程度なんですが…
ノーベル賞に決まった大隅良典さんが喜びの半面で訴えたかったこと
今年のノーベル医学生理学賞が、大隅良典・東京工業大学栄誉教授(71)に決まった。喜びの声とともに、大隅さんが訴えたことがある。
「研究生活に入ってから、ノーベル賞は私の意識のまったく外にありました」 今年のノーベル医学生理学賞が、大隅良典・東京工業大学栄誉教授(71)に決まった。喜びの声とともに、大隅さんが訴えたことがある。
「研究生活に入ってから、ノーベル賞は私の意識のまったく外にありました」
ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった10月3日の記者会見で、大隅良典さんはこう話した。
●賞には無関心だったが
「本当に賞に無関心な方です。でも、ある時から、自分が受賞することで基礎科学の重要性をアピールできるならもらってもいいとおっしゃるようになった」
と、弟子でともに研究する大阪大学教授の吉森保さんは言う。
大隅さんは2009年の朝日賞、12年の京都賞、15年のガードナー国際賞など受賞のたびに、基礎研究の重要性を訴えてきた。ノーベル賞受賞が決まった後も、
「一つだけ強調したいのは、私が研究を始めた時は『病気に役立つ』などと確信して始めたわけではない。基礎研究はそういうものだと認識してほしい」
と力を込めた。なぜ、大隅さんは繰り返しそう訴えるのか。
大隅さんが長年取り組んできた細胞生物学の基礎研究は、研究成果をすぐに事業化できる分野とはほど遠い。
受賞理由になった「オートファジー」は、細胞が自身の成分を分解する現象だ。大隅さんは1988年からオートファジーの研究を続け、93年にオートファジーに関連する遺伝子を解明。その後、吉森さんや東京大学教授の水島昇さんらの弟子たちが、マウスやヒトなど哺乳類でもほぼ同じ遺伝子が働いていることや、神経変性疾患やがんの発症に関わりうることを明らかにするにつれて、世界中でオートファジー研究が過熱した。
関連の年間論文数は90年代には世界で数十本だったのが00年に100本を超え、08年に1千本超、15年には5千本近くと急増した。
最近でこそ、「オートファジーを活性化することで、有効な治療薬がほとんどない神経変性疾患を治療できるのではと期待されています。オートファジーに着目したがんの薬の臨床試験はすでに米国で始まっています」(水島さん)などと、医療応用への報告も出てきている。しかし、基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)で大隅さんとオートファジーの研究に取り組んだ水島さんと吉森さんは、90年代後半当時、オートファジーが「役に立つ」とは誰も考えなかったと口をそろえる。
●高校時代も好奇心旺盛
「役に立つ」より「面白い」を優先するのは、若い頃からだったようだ。福岡県立福岡高校時代、化学部でいっしょだった得田悟朗さん(72)は大隅さんのことをこう振り返る。
「顧問の先生から与えられるテーマはちゃっちゃと早めに片付けて、いかに面白いことをするかに熱中してました。水素ガスを大量に発生させたり、火薬を作ったりもしょっちゅう。よく事故が起きなかったと今になってヒヤヒヤするほどです」
大隅さんは会見で静かに語った。
「『役に立つ』という言葉が、数年後に事業化できることと同義語になっていることに問題がある。本当に役に立つことは10年後、20年後、あるいは100年後かもしれない」
国が、産業応用に直接関係がある「役立つ研究」に比べ、基礎研究を軽視しているのは、研究費の配分から見て取れる。
●基礎研究の軽視に警鐘
「私の研究のほとんどは、科学研究費助成事業(科研費)に支えられた」
と大隅さんが語る、科研費を見てみよう。国が科学研究を支援する研究費の一つで、基礎研究にとって科研費の取得が第一選択肢になる。しかし、年3兆4千億円という国の科学技術関係予算のうち、科研費は2300億円弱。しかも、全国の研究者の応募に対する採択率は3割に届かない。申請書では、基礎研究でさえ、「何の役に立つか」を書く必要がある。
「研究費配分の問題もあるが、深刻なのは研究者を目指す人が減っていること。不安定な研究者にわざわざなろうという人は少ない。このままだと日本の科学は壊滅的で、大隅先生は、私たち研究者の声を代弁しているんです」(吉森さん)
研究を「役立つ」ものへと「選択と集中」させる傾向は、04年に国立大学が独立行政法人化して以降強まったが、その結果、日本の研究開発の国際競争力が著しく低下したと指摘される。日本の論文数はこの10年で、世界2位から5位に転落した。
大隅さんらが先行したことで、これまで日本の研究者がリードしていたオートファジー研究でも、政府が大規模に基礎研究へのてこ入れを続ける中国の研究者が急速に追い上げているという。
「日本の研究環境がこれ以上悪くなるなら、研究者の海外流出は否めません。中国やサウジアラビア、シンガポールなど他に行くところはあります。でも、研究者がいなくなったら日本の研究環境はもう立て直せない」(吉森さん)
今年で3年連続、00年以降で17人の日本人がノーベル賞を受賞しているが、多くは20~30年前の研究が対象になっている。今の研究環境が改善されなければ、いずれ「冬の時代」が来るとの危機感は研究者の間で根強い。(編集部・長倉克枝、石臥薫子)
※AERA 2016年10月17日増大号
日本の食糧問題は
キューバ式「地域力」に学べ!
ダイヤモンドオンライン 【第20回】 2016年10月8日
西田栄喜
借金、補助金、農薬、肥料、ロス、大農地、高額機械、宣伝費ぜんぶなし!
しかも、夫婦2人、初期投資は143万円だけ!
なのに、年間売上1200万円、所得(利益)600万円も「幸せに稼いでいる」人物が、石川県能美市にいるという。
東京から金沢まで約2時間半、そこから在来線で30分。そこにそびえ立っていたのは……
ビニールハウス4棟、サッカーコートの半分、通常農家の10分の1の耕地面積=たった30アールしかない「日本一小さい専業農家」で、「菜園生活 風来(ふうらい)」代表の西田栄喜氏(48)。
かつてオーストラリア中をオートバイで走っていた西田氏は、元バーテンダー、元ホテル支配人だったという。
いま、風来で「怪現象」が起きている。
それは、2000円の野菜セットに送料2800円(沖縄)出す人もいて、野菜セットは「3週間待ち」というのだ。
日本海を臨む「日本一小さい農家」で、いったい何が起きているのか?
『農で1200万円!――「日本一小さい農家」が明かす「脱サラ農業」はじめの一歩』が発売された著者に、知られざるキューバ式「地域力」の底力について語ってもらおう。
冷戦期キューバの食糧自給率は日本並みの40%
わが「風来」では、野菜セットなどを2000年からネット販売しています。
北は北海道から、南は沖縄県の方まで、石川県にいながら、全国の方に発送できる。ありがたい時代になったとつくづく思います。
農家は地域に密着しているというのが当たり前なのですが、逆にしがらみも多くなってきます。
変わったことをするとすぐに目立ちます。
でも、こうやって全国の方と直接つながれることで精神的に自由になれます。
そんなこともあり、最初の頃は全国に目を向けていました。
しかし、農家を続けていく中で、少しずつ考え方が変わってきました。
きっかけは、南米キューバでの話。
キューバは言わずと知れた社会主義国。
キューバの冷戦期の食糧自給率は、今の日本並みの40%でした。
農業の中心は、おもな取引国であるソ連などでは穫れない砂糖など換金作物でした。
そして、その農法もいわゆる近代農業で、化学肥料の石油由来の農業でした。
しかし、1990年代初頭のソ連崩壊の直撃を受け、食糧・石油・化学肥料・医療品の輸入の大半が途絶。まさに国家存亡の危機となりました。
そんな状況の中、アメリカでは1992年に「キューバ民主化法」が、1996年には「キューバ自由民主連帯法」(ヘルムズ・バートン法)が制定されました。
狙いはキューバの民主化を促すこと。これらによって、アメリカからの貿易封鎖は強化されました。
餓死者をひとりも出さなかったキューバの秘密
超大国のアメリカからそのようにされたら、国が崩壊してしまうのが普通です。
しかし、キューバはこのような状況にあっても、餓死者をひとりも出しませんでした。
その核となったのが農業の再構築。
もともとカロリーベースで57%を輸入作物に頼っていたうえ、石油に頼るトラクター、コンバイン、潅水ポンプは、ソ連崩壊後1年で半分しか動かなくなり、1994年には1990年の55%まで落ち込みました。
そんな中、選択されたのが「都市を耕す」ということです。
キューバは人口の80%が都市に集中しています。
裏を返すと、都市には労働力があるということです。
コンクリートの上にベニアやブロックなどで囲いをつくり、その中に土や堆肥を入れる「オルガニポノオコ」という手法がとられました。
こういったことができたのは、冷戦時代も地道に有機農業を研究してきた研究者がいたからこそ。
都市農業において、土づくりは重要な課題でした。
そこで活躍したのがミミズ。
ミミズは生ゴミを分解し、ミミズの糞が堆肥になります。
においもせず土壌改良にはもってこい。
そこで、ミミズを自宅で飼うのを政府が奨励することになりました。
また、種も昔の在来品種が復活しました。
在来品種は、その土地で育ってきたので、病害虫に強いという特徴があります。
トラクターなどの機械も、燃料であるガソリンがなければ、ただの鉄くず。
そこで、農耕馬、農耕牛が復活。また、ハーブなどを使った自然農薬も復活しました。
今こそ、「キューバ式の都市型農業」に学べ
そして大切なのが、野菜の食べ方です。
もともとキューバでは、野菜より肉食だったのですが、アジア系の移民が野菜のおいしい食べ方を広げていきました。
そんなこれまでになった「キューバ式の都市型農業」は世界から注目されました。
つまり、有機農業者のあこがれの国ともなったのです。
そんなキューバの話を聞いて、石油エネルギーに頼った農業、そして当時のキューバとほぼ同じ食糧自給率の日本が、もしそのような事態に陥った場合、日本ではどうなるだろうと考えました。
四季もあり土も豊かで水も豊富な日本では、キューバのようにみんなが有機農業をすれば大丈夫かもしれません。
全国的に「地域力」が問われる時代
しかし、今の日本の過当競争社会では難しいのではないかとも思いました。
キューバが未曾有の危機を乗り越えられたのは、有機農業の技術があっただけではなく、強いリーダーシップをもったカストロがいたということ、そして社会主義体制もあったと思いますが、地域のコミュニティがしっかりとしていたからでしょう。
どんなに農業技術があっても、いざというとき、奪い合いになっては意味がありません。
そんなことから、地域力を上げることが何より大切なのではないかと思うようになり、地域力を高めていこうと思いました。
そんなことから風来では、栽培、加工、直売の3本柱に加え、「知恵」の教室を第4の柱にしました。
「畑の菜園教室」や「味噌教室」など、昔ながらの加工品の教室を通して、互いのコミュニティを深めています。
同時に、教室にきてくれる生徒さんは、そのまま風来のファンにもなってくれるという相乗効果も出ています。
地域に根ざすには時間がかかります。
そこで最初は、インターネットを使い、全国に販売して、少しずつ地域に戻ってくる戦略を考えました。
自分では、「外堀を埋める」と表現しているのですが、外から評価が高まると地域の人の見る目も変わってきます。
これからは真の地域力を上げることが全国的に求められる時代になるでしょう。
【参考文献】
吉田太郎著『200万都市が有機野菜で自給できるわけ――都市農業大国キューバ西田栄喜(にした・えいき)
菜園生活「風来」(ふうらい)代表。1969年、石川県生まれ。大学卒業後、バーテンダーとなる。1994年、オーストラリアへ1年間遊学後、ビジネスホテルチェーンの支配人業を3年間勤務。その後帰郷し、1999年、知識ゼロから起農。
小さなビニールハウス4棟、通常の10分の1以下の耕地面積である30アールの「日本一小さい専業農家」となる。
3万円で購入した農機具などで、50品種以上の野菜を育て、野菜セットや漬物などを直売。SNSなどでお客さんとダイレクトにつながり、生産・加工・販売を夫婦2人でやりながら、3人の子どもたちと暮らす。
借金なし、補助金なし、農薬なし、肥料なし、ロスなし、大農地なし、高額機械なし、宣伝費なしなど、“ないないづくし”の戦略で、年間売上1200万円、所得(利益)600万円を達成。
基準金額95%未満でも105%超でも反省する「売上基準金額経営」を実践。
小さいからこそ幸せになれるミニマム主義を提唱。地域とお客さんとのふれあいを大切に、身の丈サイズで家族みんなが明るく幸せになる農業を行う。
著書に『小さい農業で稼ぐコツ――加工・直売・幸せ家族農業で30a1200万円』(農山漁村文化協会)がある。最近は、多くの新規就農者の相談に乗りながら、全国各地からの講演依頼も多い。
【風来HP】http://www.fuurai.jp/・リポート』(築地書館、2002年8月刊)
石川県能美市にある
「日本一小さい農家」からのメッセージ
このたび、『農で1200万円! ――「日本一小さい農家」が明かす「脱サラ農業」はじめの一歩』を出版したところ、大きな反響をいただき、重版出来となりました。本当にありがとうございます。
私の農園はきていただくと、みなさん「本当に小さい」と声をあげます。
農地面積が通常農家の10分の1以下、30アールの面積(だいたいサッカーコートの半分くらい)で、自他ともに認める「日本一小さい専業農家」(本書では「日本一小さい農家」)です。
バーテンダーを3年勤め、その後オーストラリアへ1年の遊学を経て、ビジネスホテルチェーンの支配人業に就きました。
しかし、あまりの「ノルマ主義」「前年対比主義」に身も心も疲れ果て、逃げ帰るように、郷里の石川県に帰ってきた次第です。
サラリーマンとしてはダメダメでしたが、そこから一念発起。
サービス業の視点で見ると、ビジネスチャンスがあるのではと考え、農家に。
そんな「知識ゼロ」で起農したのが1999年。
ただでさえ厳しいと言われる農業。まして農業技術もない、右も左もわからない状況で普通にやっていては、ひとたまりもありません。
そこで、最初に始めたのが、農業の常識を疑うこと。
今の農業の常識と言えば……
「農業は儲からない」
「農業を始めるには、農機具・設備費など莫大な資金が必要」
「補助金がないと成り立たない」
「農業技術を習得するには時間がかかる」
「広い土地がないと無理」
「人手が必要」
「天候により収入が不安定」
「自然相手なので休みがない」
と大変なことだらけ。
そんな常識の中でも、まっ先に疑ったのが、農業で売上を上げるには大規模化しないと無理ということ。
そこで小さくても、いや小さいからこそできる農業があるのでは?と思って生まれたのが、スモールメリットを活かす農業です。
もちろん、小さいだけではなく、サービス業についていた経験を活かしての加工、直売も手がけ、また、ネット活用など、今だからこそできる農業を心がけました。
その結果……
●“借金なし”……起農資金を含め一切借金なし
●“補助金なし”……行政に一切頼らなくてもやっていける仕組み
●“農薬なし”……当初から農薬を使わない農法を実践
●“肥料なし”……2012年から無肥料栽培(「炭素循環農法」)に切替え
●“ロスなし”……予約販売、加工で野菜のロス(廃棄)がほぼない仕組み
●“大農地なし”……通常の10分の1以下の耕地面積の「日本一小さい専業農家」
●“高額機械なし”……3万円で購入した中古の農機具がメインプレーヤー
●“宣伝費なし”……これまで一度も有料広告を出したことがない
と、まさに常識はずれなことに。
また、通常1000万円くらいはかかるといわれる初期投資が143万円ですみました。
現在、労働力は家族2人(野菜の栽培は私、妻がケーキ屋漬物などの加工を担当、子どもは3人)だけで、年間売上1200万円、所得(利益)600万円。
フェイスブックなどで、お客さんとダイレクトにつながりながら、日々充実した毎日を送っています。
今、風来には、農林水産省などの農業行政にたずさわる方から、農家、一般の方まで、全国から視察団が訪れます。
なぜ、注目されているのか?
それは、知識ゼロ、経験ゼロで始めた「脱サラ農家」が、
家族みんな笑顔でそこそこの収入を地方で幸せに稼いでいる。
その秘訣を知りたいようなのです。
この「幸せに稼いでいる」というのがポイントではないかと思っています。
現在、ビジネスパーソンを取り巻く社会情勢はますます厳しさが増しています。
非正規雇用の増大、東芝、シャープのような大企業であっても経営不振に陥る時代。
社会保障費も減額され、年金もどれだけもらえるかわからないなど先行き不安だらけです。
これまで就農や農的暮らしというと、売上・利益度外視の自然回帰、あこがれという部分が大きかったかもしれませんが、これからは将来への“第2の井戸(収入源)”として、安心感の醸成、将来不安のリスク分散ととらえる――そんな時代になってきたと思います。
文字どおり地に足をつけ、直接「食」を得られる「農」は、何にも代えられない安心感がありますし、定年はなく、身につけた知恵は誰にも奪われません。
特別じゃない、リアルな選択として気づいた人は、どんどん農に向かってきています。
経験もない、資金もない、大きな農地もない、販売ルートもない――そんな“ないないづくし”の元会社員が、ゼロから起農したからこそ、固定概念にとらわれず、農にチャンスを感じられました。
現在会社員で農にあこがれはあるが、敷居が高いと感じている方、
農家になったけど、なかなかうまくいっていない方、
新たなビジネスの芽を探している方、
また、定年後に不安をかかえている方に、
『農で1200万円!』が少しでもお役に立てればと思っています。
実際、風来に話を聞きにきて起農している人が全国にいます。
ただし、風来では、長期研修を受け入れたことがありません。
どういう意味かというと、技術ではなく考え方次第で、小さくても農業で稼ぐことができるということです。
もちろん、技術も大切ですが、技術が最優先するのなら、“技術ゼロ”から始めた私が今こうしてやっていられるはずがありません。
新規就農時の研修で車を路肩に何回も落とし”脱輪王”の異名をつけられ、何度も「落第!」と言われた私でもここまでやってこれました。
そんなこれまで培ってきた考え方、気づいたこと、実践してきたことを、新規就農者や農家仲間の事例も併せて、余すところなく『農で1200万円!』で紹介させていただきました。
農の無限の可能性を感じていただき、農で幸せに稼ぐ人がたくさん出てくる。
本書がそんな手助けになればと願っております。
<連載開始後たちまち大反響! これまでの人気ランキングベスト3>
【第3位!】 子どもの嫌いな野菜No.1は、なぜ「○○」に変わったのか?
【第2位!!】 初期投資は143万円だけ!借金、補助金、農薬、肥料、ロス、大農地、高額機械、宣伝費「ぜんぶゼロ」で、なぜ1200万円稼げるのか?
【第1位!!!】 サラリーマンが今すぐ「第2の井戸」を掘らないとヤバイ理由
「経験もない、資金もない、大きな農地もない、販売ルートもない――そんな“ないないづくし”の元会社員が、ゼロから起農したからこそ、固定概念にとらわれず、農にチャンスを感じられました。」
これがとても大事なのです。わたしもここでは書けない様々な問題を抱えました。「農民」になる必要などありません。専業農家になる必要もありません。農業が好きなら好きなようにやればいいことなのです。お金がなければ、ないなりにやればいいのです。借金することなどないのです。生活を支える農業以外の仕事を持ち、土日農民、朝夕農民でいいのです。農業の可能性は無限大に広がります。だから軸足をこちらに少しずつ移していくことも可能です。金のあるやつは金を使います。金のない奴は頭を使います。これが楽しいのです。
生活・住まいのこと、技術のこと、資金のこと、農地のこと、ご相談に乗ります。
障害者が地域農業の担い手、売り上げ拡大の農園も
広がりつつある「農業」と「福祉」の連携
JB PRESS 2016.09.30(Fri) 白田 茜
NPOや社会福祉法人が農業に進出したり、農家が障害者を雇って農作業を行ったりする「農福連携」が進んでいる。社会福祉法人の中には、認定農業者となったり、6次産業化を進めたりして、収益を上げている事業所もある。国も「農福連携マルシェ」やシンポジウムを開催するほか、助成金制度を創設するなど後押ししている。
なぜ、いま「農福連携」が広がりつつあるのか。背景を探りつつ、具体的な事例をみてみたい。
「農」と「福」が連携することで互いの課題を解決
農福連携が盛んになってきている背景として、まず農業側では、農家の高齢化で労働力が減少し、耕作放棄地が増加していることが挙げられる。2015年度の農林水産省「農林業センサス」によると、農業就業人口は約209万7000人。1985年時点から6割以上減少している。農家の平均年齢は66.4歳となり高齢化が進んでいる。耕作放棄地も約42万3064ヘクタールで、埼玉県とほぼ同面積。1995年時点の2倍近くに増えている。このような背景から、新たな担い手が必要とされているのだ。
一方、福祉側の背景としては、賃金の引き上げが課題となっている。企業に雇用されれば最低賃金以上を受け取ることができるが、企業に雇用されない障害者は「就労継続支援」という訓練を受けることになる。雇用契約を結び利用する「A型」と、雇用契約を結ばないで利用する「B型」に分けられるが、2014年度の1カ月分の平均賃金を見ると、A型で6万6412円、B型で1万4838円。これに障害者に支給される障害者年金を加えても、なお生活していくには苦しいのが実態だ。しかし、農業に従事することで、実際に賃金がアップする例が数多く現れはじめた。
つまり、「農」と「福」が連携することで互いの課題を解決する「Win-Winの関係」を築ける可能性があるのだ。
国の支援は本格化
国の支援も本格化している。農林水産省では2016年3月に「農福連携推進フォーラム」を開催。先進事例の紹介を交えながら、農福連携を行っている団体との意見交換を行った。5月には厚生労働省と農林水産省が東京・有楽町で「農福連携マルシェ」を開催。障害者施設の農業の紹介や生鮮野菜などの展示・即売会を行った。
助成金制度も整ってきている。厚生労働省は2016年度から「農福連携による障害者の就農促進事業」として1億1000万円を計上。農業技術や6次産業化で指導や助言ができる専門家の派遣、農産物や加工品のマルシェの開催に対し経費を補助する。
農林水産省では、福祉目的の農園の開設・整備に加え、農機具の洗い場やトイレ、資材置き場の設置などに対する助成、また専門家の派遣、研修会の開催などに対する助成を行っている。さらに、障害者の雇用を進めるため、障害者が作業を容易に行うことができるよう配慮された作業施設の設置に対する助成や、ハローワークなどを通じて障害者を雇用した雇用主に助成金を支給する制度もある。
実際に障害者が農作業を行う際にネックになるのが、農業知識の不足だ。障害者にとっては、専門家からの支援が受けやすくなることはメリットになる。農業者側にとっても、マルシェの開催などで、障害者が実際に農業に取り組む姿を見れば、理解が深まるかもしれない。
行政、福祉、農業の関係者で構成する協議会も北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国、九州、沖縄の9つのブロックに設置され、農業分野での障害者の就労を進めている。
独自の農福連携の制度を創設する自治体も
独自の農福連携の制度をつくる自治体が増えてきている(表)。ほとんどが最近始まった取り組みだ。
独自の農福連携の制度のある自治体。青森県八戸市や栃木県真岡市などの取り組みは全県レベルに拡大している。(農林水産政策研究所「地方公共団体等における農福連携の推進体制の構築に関する分析」およびインターネット調査により筆者作成)
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障害者が農業を始めるにあたって、いきなり農地を借りたり、購入したりするのはハードルが高い。一方、障害者施設が農作業を農業者から受託する「施設外就労」であれば、比較的容易に農作業に取り組める。しかし、施設外就労を行うとしても、農家と障害者施設の双方とも情報が不足しており、どこにどのような作業を依頼できるのか分からないことが多い。そこで、仲介や斡旋をしてくれる窓口が求められる。
香川県では、健康福祉課が農林水産部やJAと連携して、農家の施設外就労を促進している。「NPO法人香川県社会就労センター協議会」(以下、センター)が窓口となり、農家と障害者施設の農作業受託のマッチングを行う。農家がセンターに農作業を依頼し、センターにいる専任コーディネーターがマッチングを行い、農作業を障害者施設に発注するというしくみだ。
同センターによると、2011年度の延べ作業人数が1752名、延べ参加施設数が286だったが、2013年度にはそれぞれ7704名、1233に急増した。農作業の量も増え、障害者施設に約1000万円近くの工賃が支払われているという。
最近の事例では、群馬県が2014年から「一般社団法人県社会就労センター協議会」を設置し、障害者施設が手がける製品やサービスを受注していたが、2016年から農作業の受注を開始。農業分野の専門家を配置し、農業のニーズ調査や障害者への技術指導を行い、農作業の斡旋を試みている。
群馬県障害政策課の松嶋貴明氏は、農福連携の意義についてこう語る。「障害者には個々に作業の向き・不向きがありますが、農業では作業が多岐にわたるため、適性にあった作業を見つけやすいという特徴があります」。
ほかにも、農家側の高齢化による労働力不足の解消、地域との良好な関係の醸成などの効果が期待できるという。
2016年は4月から5月にかけて、ビニールなどで覆われたレタス畑の草取り作業、ぶどう農園の収穫、トウモロコシ畑の植え付け・草取り作業などを行った。
だが、始まったばかりのため課題も少なくないようだ。農業者に障害者の能力が認識されていないことや、農業者が障害者施設に農作業を委託することに慣れておらず、工賃の設定に困っていることなどだ。また、障害者施設にとっても、時間外である早朝や夕方、土日などに行う作業への対応をどうするかなどの課題があるという。
松嶋氏は「農業に従事して、日々必要な食べ物を社会に提供することは、日常生活を営むうえで必要不可欠な部分を担うことにつながります。障害者・障害者施設が、『食物を提供している』という新たな社会的役割の創出ができれば、『障害者がいる社会』がより普遍的になるのではないかと期待しています」と語る。
この他、自治体とJAが連携して企業が障害者の雇用を促進する目的で作られた「特例子会社」を誘致したり、出資する企業を募って障害者施設を設立した事例もある。JAの支援は大きく農福連携に貢献しているという。今後、自治体による独自の取り組みはますます広がっていきそうだ。
障害者が地域の農業の担い手に
日本セルプセンターが2014年に実施したアンケート調査(1696事業所のうち回答は832)によると、障害者福祉事業所のうち、「現在農業活動に取り組んでいる」と回答した事業所は33.5%にのぼり、割合は年々増えつつある。
農林水産政策研究所企画広報室長の吉田行郷氏による「農業分野での障害者の働く場の創出に向けた取組とその農業・農村への影響」(全農林労働組合『農村と都市をむすぶ誌』2016年8月号)によると、企業による障害者雇用の一形態である特例子会社でも、近年、農業分野に進出している会社が増加しており、2015年6月1日時点で422社の8%に当たる32社が農業活動を行っている。企業や生活協同組合が障害者施設を立ち上げ、農業に取り組む例も増えてきているという。
ピアファームは障害者の賃金を2008年の月額2万3000円から2014年には約4万3000円に上昇させた。それだけでなく、地域での雇用の場の創出、耕作放棄地の活用、地域の農作物を直売所で販売し販路を拡大するなど、いまや重要な地域の農業の担い手となっているのだ。
「農福連携」の道も最初の一歩から
「障害者に農業はできるのか」という疑問を覆す事例が数多く現れ始めた。吉田氏によると、「当初は疑問を抱いていたプロの農業者も、まず草刈りから任せてみて、できることが分かってくると、収穫作業や剪定作業も頼むようになり、いまは戦力と認識するようになっている例もある」という。「(1人で全作業をやるのでなく)農作業を切り分け、複数の障害者が、それぞれ得意な作業を行うチームとしての対応は可能」だという。
上述した2つの農福連携の事例は、単に障害者の居場所づくりや賃金向上だけにとどまらず、周辺の耕作放棄地を引き受けたり、新たな商品を開発したり、地域の農作物の販路拡大に貢献するなどして、障害者が地域の重要な担い手になっていることが分かる。農福連携は大きな可能性を秘めているのだ。
ただし、一足飛びに農家で障害者の雇用を進めたり、障害者施設が農業活動を本格化させようとするのはハードルが高いかもしれない。「京丸園」の事例では、障害者の農業体験から開始して、作業内容を見直しながら少しずつ雇用人数を増やしている。まずは農業体験から始めて、繁忙期などに障害者施設に農作業を委託してみるという方法もある。上述した香川県や群馬県では農作業の委託のマッチング制度がある。
一方、農業に参入しようとする障害者施設にとっては、農業技術の習得が課題となる。農業に参入した障害者施設の中には、もともと農業経験者がいたり、農業経験者を雇ったりしている例もあるようだ。農業経験がいない場合は、自治体に専門家派遣の制度がないかを確認したり、地域の農家に指導をお願いするという方法もある。
まずは、職員が農作業の委託などを通じて農業技術を習得する必要があるだろう。農業分野に本格的に進出する場合は、これら人材の確保に加えて、農地を借りたり、農業関係の補助金を活用するなど設備投資を行う必要も出てくるかもしれない。
千里の道も一歩から。周囲のサポート体制があれば、障害者は新しい価値を生み出していける存在なのだ。障害者が地域の農家を助け、地域住民と関わっていくことで地域の理解が進んでいく。そんな好循環が生み出されることを期待したい。
ここで疑問を持たれる方もいるかもしれない。「障害者が農業で儲けるのは難しいのでは」と。
日本セルプセンターが2013年に行ったアンケート調査によると、農業活動をしている施設では、年間売上高100万円未満が46.4%と多いが、1000万円以上も10.2%ある。家庭菜園的な取り組みが多いが、中には本格的に収益事業を行っている施設もあることがうかがえる。
収益事業として農業に取り組む施設には、認定農業者となったり、6次産業化を進めたりして、地域の農業の担い手となっているところもある。なお、認定農業者になれば、「スーパーL資金」などの低利融資制度や、担い手を支援するための「基盤整備事業」など様々な支援を受けられるメリットがある。
以下に、農業分野から福祉分野に進出した事例と、福祉分野から農業分野に進出した事例の2つを取り上げてみたい。
事業見直しで収益確保――静岡県「京丸園」
1つ目は、静岡県浜松市にある「京丸園」。農業法人が障害者を雇用し、業務内容を見直すことで収益を上げている事例だ。
静岡県内でも有数の規模を誇る水耕栽培農園で、ミニミツバ、ミニネギ、ミニチンゲンサイなどを1年通じて栽培している。「姫みつば」「姫ねぎ」「姫ちんげん」「京丸トマト」などの 濱田健司氏(JA共催総合研究所研究員)の著書『農福連携の「里マチ」づくり』(鹿島出版会)によると、同園の取り組みのきっかけは、求人に障害者が応募してきたことだった。最初は短期間の農業体験だったという。園主の鈴木厚志氏は、「パートさんたちが彼らをサポートしてくれるという、予想もしなかったことが起き(中略)、職場の雰囲気もよくなった。その結果、作業効率が上がった」と述べている。
その後は“ビジネスパートナー”として定期的に障害者を雇用している。現在、従業員は社員・パートを合わせて60名で、うち障害者22名を直接雇用しているという。鈴木氏は「いままで自分たちがやってきた業務を一つひとつ見つめ直し、何をしているのかを体系化・可視化することで、誰でも農業に参画できるようにした」と話している。
一部の人の経験や勘に頼っていた農業を、誰にでもできる“ユニバーサル農業”に。同氏は「農園の経営を引き継いだときは、年間の売上は6500万円くらい。(中略)それから20年、障害者を1年に1人ずつ雇用してきて、売上もいまでは2億9000万円までになった」と語っている。
認定農業者として本格的に営農――福井県「ピアファーム」
2つ目は、福井県あわら市にあるNPO法人「ピアファーム」。吉田氏の前出記事によると、社会福祉法人「コミュニティネットワークふくい」から2008年に独立する形で設立された。認定農業者となって本格的に営農を行っている。
設立前は、近隣農家の梨栽培の作業を受託していたが、設立を機に農家から樹園地を借り受けて自ら梨の生産・販売を行うようになったという。その後、ブドウ栽培を開始し、アスパラガス、にんじん、さつまいもなどの野菜の露地栽培やハウス栽培も行い、栽培面積を拡大していった。
吉田氏によると、「ピアファームの経営耕地面積は2010年には2.7haだったのが、2014年には7.3haまでに拡大している」。さらに、「認定農業者となることで(2011年)、福祉関係の補助金だけでなく、農業関係の補助金、融資も積極的に活用し、耕作放棄地となっている農地を上手く再生して経営面積を拡大している」という。
ピアファームは155戸の農家と契約して農作物直売所を経営しており、梨やブドウの商品開発、それに観光ブドウ農園の開設など、さまざまな事業と組み合わせることで収益性を高めている。
同氏によると、2014年度にはピアファームが生産している農作物の総販売金額は2100万円、また農産物直売所などでの販売金額は1億1000万円だという。現在、25名の障害者、27名の職員を雇用している。
自社ブランドも栽培している。
こんなこともできるんだよという意味でこの記事を紹介した。「農」は、どこへでもくっつくことができる。「農」の利用価値は大きい。「農」の考え方も人それぞれだ。
今日も病院へ行ってきました。先月の薬の副作用について、様々な分野から調べてもらっています。
循環器内科で血液検査、心電図、エコー、レントゲン、すべて異常なし。良好だそうです。
今日は脳神経内科。さまざまな検査とMRI。こちらも異常なし。良好とのお墨付き。
今度14日に脳波を調べ、それで終了となるらしいのですが、それも、おそらく引っかからないだろうといわれてしまいました。健康優良爺だそうです。
まぁ、これで安心しました。あとは腰と皮膚に専念です。
こちらも昨夜はひどい雨と風。外へ出てみると真っ白です。雪ではなく、アラレでした。
とっても気まぐれな「10月りゅう座流星群」から、秋の天体ショーの幕開けです
平野星良 2016.9.30
空気が澄んでくる10月ごろから、秋の夜空は次第ににぎやかさを増していきます。天候が多分に左右する天体観測ですが、今秋を占う意味でも、まずは10月8日の夜空に注目。なんせこの流星群、とっても“気分屋”なことで有名なもので。
13年に一度、もしかしたら “もしかする”かも?
「10月りゅう座流星群」が、もっとも見ごろ(極大)となるのは10月8日(土)の21時ごろから。注目は北西の方角です。
約6.5年の周期で太陽の周りを回るジャコビニ・ジンナー彗星が母天体となることから、ジャコビニ流星群とも呼ばれています。この流星群、母体の彗星が二度公転する13年ごとに活動が活発に。
日本では2011年にピークを迎えているため、今年がその当たり年ではないのですが、諦める必要はありません。なにぶん「気まぐれ」で知られるこの流星群。天体の専門家たちでさえ、「何が起こるかは見てみないと分からない」と予測にさじを投げるほど。
それは国立天文台の記録を見ても明らか。
例えば1933年にヨーロッパで、1946年にはアメリカで星の嵐(流星嵐)を観測しておきながら、1972年の日本においては好条件にもかかわらず、さっぱり流れなかったとあります。かと思えば85年、98年には一時間に100個を超える流星が。
そうフタを開けてみないことには、どんな夜空が待っているか誰にも分からない。逆にワクワクさせる要素を多分に含んでいるのがこの流星群なのです。
これはもう、あったかく着込んで一晩にらめっこの覚悟かしかない!流星を心待ちに秋の夜空をぼんやり眺める。ステキな季節の幕開けです。
カット野菜の需要が最近急増しています。健康志向の中で、「健康のために、野菜を積極的に食べたい!」という人が増えています。コンビニなどで売られているサラダも同じカット野菜の仲間です。サンドイッチに挟んである野菜も同じです。
自宅で野菜を切って放置しておくとすぐに萎びてしまいますよ。でも、スーパーで売っているカット野菜は、シャキシャキ新鮮のままです。なぜカットした後も長時間鮮度を保っているのでしょうか?
カット野菜は、野菜を切った後、次亜塩素酸ナトリウムという消毒液やプールの消毒に使う 塩素水に何度も繰り返し漬けて殺菌します。においを嗅いだだけで、食べたら危ないとわかるはずですが、そのにおいを消すために、何度も水で洗浄します。野菜の断面から染み込んだものは水洗いでは落とせません。
この次亜塩素酸ナトリウムは、胃酸と反応すると、発がん性物質を発生させると言われています。
アスコルビン酸(ビタミンC)による褐変防止処理なども行われます。野菜に含まれている栄養素は水溶性のものが多いですから、殺菌剤液に漬けたり洗浄したり する間に流れ出てしまい、ほとんど何も残っていません。あえて言えば食物繊維くらい でしょうか。
ドレッシングが付いていることもあります。 これがまたクセモノです。ドレッシングには、保存料や化学調味料などの添加物が大量に使われています。添加物そのものは、単体なら安全だといわれていますが、複数の添加物が反応すると 人体にどのような影響を与えるかはわかっていません。
カット野菜だけでなく、「日本茶」を含むペットボトル飲料、その他全ての加工食品に複数の添加物が入っています。これらを組み合わせるとどのような化学反応が引き起こされるかはまだわかっていません。わかっていることもあります。あえて言うなら只今実験中というところでしょう。
カット野菜は外食産業、中食産業(弁当屋)を中心に利用が広がっているので、知らず知らずのうち食べてしまうかもしれません。
『強いシバレ続きます。』2014年01月21日
もうひとつ、気になる記事がありました。カット野菜の売れ行きが好調で、これからも伸びる可能性が強く、食品関連会社は、その増産体制を構築するとのことです。
カット野菜の需要は、ひとり暮らしの老人、若者、単身赴任者などに支持され、これからの人口動態を見ても、十分採算があると判断されているようです。
大手、キューピーと全農が立ち上げた(株)グリーンメッセージ(出資金20億円、キューピー51%、全農49%、2013.12設立)。事業内容はカット野菜等の青果加工品の製造・販売で、売り上げは2015年18億円、2025年100億円を計画している。
レタスチップ・千切りキャベツ・ミックス野菜・小ネギスライスなどが中心で、特にサラダ、サンドイッチ、トッピング用などの生食用で、生産技術力と品質力を活かし、安全・安心、健康栄養、利便性をうたい衛生面で鮮度の良い商品作りを行うという。
以前、『カット野菜』を書いたが、「安全・安心、衛生的で鮮度の良い商品とは何によって裏打ちされているのか見極めることが重要です。また、「健康・栄養価」を謳うならば、その陰にあるものの正体を確かめる必要があります。
レタスチップなどは数時間で腐るものなのです。腐らなくすることが彼らの「安全・安心」なのです。価値観が全く逆なのです。
また、野菜は水洗いをするほど栄養価は失われます。なのに、「健康・栄養」をうたうことは添加物の使用を認めているようなものです。
それにしても人の力、調理する喜び、食べる喜び、体を作る喜び、が失われています。
『袋詰めサラダの大規模食中毒』2016年02月14日 | 健康・病気
北米では死者も発生:袋詰めサラダの大規模食中毒
ライフハッカー [日本版] 2016.2.13
原文筆者は面倒くさがり屋なので、こんなことは言いたくありません。でも、カットされたレタスなどが入った袋詰めのサラダは、やっぱり食べないほうが良いと思うのです。北米ではもう何度も、袋詰めのサラダ用野菜が原因で、大規模な食中毒が発生しているからです。
(編集部注:日本での発生件数は北米ほどではないようです)
十分な殺菌がなされておらず、残った菌が食中毒の原因となった
ごく最近のケースを見ても、ドール社の袋詰めサラダからリステリア菌が発見されました。妊婦がリステリア症にかかると、流産や死産を引き起こす可能性があります。この袋詰めサラダは2016年1月27日にリコールされましたが、15人が入院し、1人が亡くなりました。2012年と2013年にも、同じような袋詰めサラダが原因で大腸菌による食中毒が発生しています。
2015年にアメリカ農務省が発表した報告によれば、リステリア菌とサルモネラ菌による食中毒の原因食材の最上位は野菜と果物です。大腸菌による食中毒の原因食材としては、僅差の2位です。でも、袋詰めサラダには、丸ごとそのまま売っている野菜よりも厄介な点があるのです。2006年に、ホウレンソウに付着していた大腸菌が原因で大規模な食中毒が発生した直後、Emily Bazelon氏がウェブ雑誌「Slate」で次のように説明しています。
袋詰めのサラダを製造するにあたって、加工工場では、複数の産地から葉物野菜を集めます。それから3種類の異なる薬剤で消毒処理を施し、乾燥させ、袋に詰めて密閉し、近くの市場に出荷するのです。ただし、薬剤による消毒だけでは大腸菌は根絶できません。大腸菌を殺菌するには、野菜に熱処理と有機酸処理を施さなければならないのです。でもそうすると、野菜はおそらくしなびてしまうでしょう。多数の産地で生産された野菜を、十分な殺菌処理をしないまま混ぜてしまうため、1軒の農家から出荷されたホウレンソウが大腸菌に汚染されていただけでも、袋詰め加工の過程で菌が拡散してしまうのです。
というわけで、筆者はまた、サラダを自分でつくることにしました。袋詰めサラダに菌が付着していたら、消費者にはどうしようもないのですから。サラダを洗ったとしても、大半はまだ生きている菌を家庭内に広げてしまうことになりかねません(それでも洗いたいと言うのなら、酢を水で薄めた希釈液のほうが、ただの水よりわずかながら効果的です)。
カットされていないレタスやホウレンソウを丸ごと買ってきた場合であっても、生産地で菌に汚染されているおそれはあります。けれども、はるか遠くで生産されたレタスと同じ洗浄水に浸かった履歴はないでしょうから、そのぶん少しは安全かもしれません。 Beth Skwarecki(原文/訳:遠藤康子/ガリレオ)
香りつき柔軟剤の強い刺激に要注意
毎日新聞医療プレミアム2016.10.3
洗濯ものをふんわりと仕上げるだけでなく、身につけている間も香りが続く、香りつき衣類用柔軟仕上げ剤(柔軟剤)が人気です。香りが癒やしとなっている人がいる一方、香りの刺激によるさまざまなトラブルも目立ってきています。
ドラッグストアやスーパーでは、アロマやハーブ、花の香りなど何種類もの香りつき衣類用柔軟仕上げ剤(柔軟剤)が並んでいます。衣類やタオルなどをやわらかく仕上げる商品として、以前は部屋干しのにおいなどを抑える微香タイプが主流でしたが、近年は香りの強い海外からの輸入品がブームとなり、芳香性に注力した商品が広がっています。
好きな香りに包まれると癒やし効果があるのも事実ですが、心地よい気分になるのか、逆に悪い気分になるのか、香りの感じ方や身体的な反応には個人差があります。アレルギーのような症状が出るほどなら、使用を中止するべきです。
中には柔軟剤を定められた量の倍以上使っているケースもみられ、国民生活センターでは消費者に対して、過度な使用を控えるように訴えています。柔軟剤そのものも使い過ぎで、皮膚のトラブルを起こすこともあります。柔軟剤メーカーも適正量を超えて使用しないよう、また香りの強さがわかるよう商品のパッケージに表示するなど、啓発活動を進めています。
衣類用柔軟仕上げ剤以外では、入浴剤やシャンプー、コンディショナーなどでも「香り」がブームになっています。色とりどりの入浴剤・洗浄剤にも化学物質が含まれており、身体への影響がまったくないとはいえません。これらは柔軟剤とは異なり、直接、皮膚や髪の地肌からの吸収が考えられます。
使用後にかゆみや違和感、不快感、かぶれなどを生じた場合は、すぐに使用を中止してください。他人は平気でも自分に合わないものもあります。皮膚への刺激が繰り返されて、徐々にアレルギーを発症する場合も。日ごろから洗浄剤や石けん、シャンプーなどの使用に際しては、使い過ぎ、洗い過ぎに気をつけましょう。
監修:関東中央病院皮膚科部長 日野治子
国民生活センターによると、「柔軟剤を使用して室内干しをしたらにおいがきつく、せきが出るようになった」「柔軟仕上げ剤を使用したタオルで顔を拭くとせきが止まらない」「隣の家の洗濯もののにおいが強く、頭痛や吐き気がする。窓も開けられない」といった深刻な事例も報告されています。特に隣人とのトラブルは、窓を開ける暖かい時期になると増える傾向にあるようです。
その背景として、柔軟剤の香り成分に含まれている化学物質や化合物による影響が考えられます。これらが皮膚や鼻など粘膜から吸収されると、のどの痛みなどアレルギーに似た症状がみられることがあるのです。そのため、化学物質に弱い人は十分に注意しましょう。
これは、「パオパオ」という保温資材です。明日の予想最低気温3℃、次の日2℃、その次の日は1℃です。おそらく、ここでは氷が張るでしょう。
この資材は光を95㌫くらい通し、保温効果もなかなかです。何年も使っているので、かなり穴が開いたり、裾がビラビラになっています。光透過率もかなり下がっていると思います。もう強い霜でだめになるまで、日中もかけっぱなしです。収穫の時は捲り上げてやります。
おめでとうございます。ノーベル賞:医学生理学賞に大隅良典・東工大栄誉教授
1日2日と「更新プログラム」がインストールされ、PCが部分的に動かなくなったり、動作が遅くなったりとひどい状況で、今やっとアンインストールして、機能が戻った感じです。そうでもないかぁ?
“Origami” から生まれる世界的な技術革新
nippon.com [2015.02.13]
Origami”はすでに世界共通語であり、この日本の伝統工芸技術を産業的に応用しよう
折り紙ヒントの「ハニカムコアパネル」は数兆円市場
「折り紙」と書けば、1枚の和紙で鶴から恐竜に至るまで、さまざまな形を作り出す日本の伝統文化を思い浮かべる。一方 “Origami”は、今や世界数多くのオリガミ・ファンに通じる国際語だ。その折り紙技術が、実は、数兆円規模のビジネスに発展する宝の山だと明治大学研究・知財戦略機構の萩原一郎特任教授は指摘する。もはや、Origamiは、単なる芸術でなく新たなイノベーション産業の鍵を握っているのだ。
折り紙の七夕飾り(左)がヒントになって生み出されたというハニカムコア。右は段ボール製ハニカムコア。(写真提供:萩原特任教授)
一説には、第2次世界大戦後まもなく英国人エンジニアが、折り紙に切り込みを入れて作った七夕飾りからヒントを得て、ハニカムコア(Honeycomb Core)を開発したといわれる。ハニカムコアは、六角形の筒を蜂の巣状に平面に敷き詰め並べたもの。身近なところでは、段ボール製の緩衝材でよく目にする。新幹線には、振動の軽減対策として床材にアルミのハニカムコアパネルを使用、衛星搭載のロケットでは、アイドリング時の爆音振動による衛星の音響破壊を防ぐために、壁面にハニカムコアパネルが貼られている。
今や数兆円規模の市場を持つハニカムコア技術が、日本の折り紙にヒントを得て英国で開発されたというのは、少々皮肉な話である。
伝統工芸という意識から抜け切れない日本
「日本のお家芸である折り紙を、なかなか実用的な産業技術に生かせないのは、日本の技術者として恥ずべきことだ」という強い思いが萩原教授を突き動かしている。
萩原教授はもともと衝撃工学の専門家として、日産自動車で衝突研究に携わっていた。その後、東京工業大学教授に就任、「協調工学」(車の乗り心地など、製品開発にユーザーの感性を織り込むための研究)を担当していたが、2002年に京都大学の野島武敏博士(現・明治大学先端数理科学インスティテュート客員研究員)の提唱する折り紙工学に出会う。野島氏は、折り紙の、軽くて強い、あるいは、展開収縮できる機能を有効利用すれば、産業に結び付くと唱えていた。その可能性に共鳴して、萩原教授は「折り紙工学研究会」を立ち上げた。
「協調工学は感性が大切です。例えば、(螺旋状に実る)ヒマワリの種の配列を見ると美しいと思う。美しいモノを使えば人の脳も活性化するのではないかと…。2002年京都大学の野島教授が折り紙工学を提唱した際の発表を聞いて、これだ!と思ったのです」
注目される「折りたたみ式ロボット」
日本では、いまだ伝統工芸のひとつとしてみなされる傾向のある折り紙だが、昨今、世界の折り紙技術に対する注目は著しいと萩原教授はいう。2014年8月に東京で開催された「第6回折紙科学・数学・教育国際学会」には、世界30カ国から300人近くが参加した。
折り紙技術への注目の背景には、1990年以降折り紙の設計を支援するソフトウェアや,折りによる紙の変形をシミュレーションするソフトウェアなどが多く登場して、「計算折り紙」の研究が進んだことがある。米国では、2012年に米国立科学財団が折り紙技術の研究プロジェクトに1600万ドルの研究開発費を提供したという。
その米国では、マサチューセッツ工科大学のコンピュータ科学者エリック・ドメイン教授(Eric D. Demaine)が形状記憶ポリマーシートで作る「折りたたみ式ロボット」の論文を発表して注目されるなど、斬新な研究が行われている。
「折りたたみドレス」―三宅一生とのコラボ
折り紙の巻き取りモデル(下段/萩原特任教授提供)を応用してデザインされた三宅一生デザインのドレス(上段/撮影:山田愼二)
もちろん日本でもさまざまな研究、応用の取り組みがある。例えば、世界的ファッションデザイナーである三宅一生氏は、野島武敏氏とのコラボレーションにより「折りたたみドレス」をデザインした。
そこで活用されたのは、野島氏が生み出した「巻取りモデル」「円錐折り畳みモデル」だ。こうしたモデルは、朝顔のつぼみがらせん状に花へと開花するメカニズムがヒントになっている。
実は、貝、昆虫の翅(はね)やヒマワリの種の配列モデルなど、自然界にある折りたたみ構造には航空宇宙工学や機械工学の研究者にとって興味深い研究テーマが潜んでいる。2014年11月、東京大学の斉藤一哉助教による「昆虫界の“最難”折りたたみ、ハネカクシの翅の隠し方の謎を解明」の発表が米国科学アカデミー紀要に掲載された。この研究がさらに進めば、人工衛星用太陽電池パドルの展開構造から傘や扇子などの日用品にまで広範な工業製品に影響を与えると期待されている。
缶チューハイから人工血管まで
「ミウラ折り」(左図)は、JAXA の三浦公亮名誉教授が考案した折りたたみ方。長方形を対角線の方向に引っぱったり押し戻したりするだけ で即座に開閉ができる。缶チューハイに応用されたアルミの「ダイヤカット缶」(右端)も、もともと三浦教授の宇宙工学の研究がもとになっている。
人工衛星では、太陽電池パネルの折りたたみに使われた「ミウラ折り」が有名だが、身近な例では、吉村パターン(ダイアモンドパターン)と呼ばれる折り構造を表面に利用した缶チューハイがある。プシューと缶を開けると同時に、缶の表面に凹凸のダイヤカットの形状が現れる。おなじみの読者も多いはずだ。
その他、簡単につぶせるペットボトルや、軽くて強い車体や家具、エアバックの折りたたみなど、私たちの日常にも折り紙技術は応用されている。
建築では木材や鉄鋼パネルを折りの素材として立体建築物にする工法の研究、医療分野においては、「なまこ折り」を応用した新型の人工血管(ステントグラフト)技術や、肺疾患検査を助ける肺胞管折り紙モデルなど、さまざまな応用研究が進められている。
アメリカ航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)はブリガムヤング大学の研究者らとの共同研究で、折り紙の技術を応用し、折りたたんだ状態の約10倍に広がる太陽電池パネルを開発中だ。(写真は試作品、BYU/NASA)
量産化に結びつく技術開発を目指して
このように、日本の折り紙技術は医療、運輸、建築、宇宙産業など広範な分野で注目を集めてきてはいるものの、実用化されて量産に結びついているのはハニカムコアだけだという。
2014年11月には、前述の東京大学の斉藤一哉助教が、新たなハニカムコアの製造方法の実証に成功した。従来は、何層かに積み重ねたものを広げていたハニカムコアを、今回折り紙式に1枚のシートに切り込みをいれ、立体形状を作り出す手法を応用した。この技術により、高強度、高剛性なハニカムコアの製造が容易になり、コストも削減できるだけでなく、従来は難しかった曲面パネルも作ることができる。
一方、明治大学の萩原教授チームが取り組んでいるのは、トラスコア(ダイアコア)と呼ばれるパネル開発だ。こちらも曲面化が容易で、火災にも強い。また、同じ形状のパネルを上下凹凸同士で、サンドイッチ方式に組み合わせると、剛性が平板の訳7〜8倍、しかもコストは通常のハニカムコアの3分の1程度になるという。現時点では、太陽光パネルへリオスタット、リチウム電池ボックス、列車床構造などへの応用が検討されているそうだ。
「トラスコア」パネルは三角錐の突起を並べた形状。曲面化が容易、かつプレスで成形できるので安価、火災に強い。(写真提供:萩原特任教授)
萩原チームは「折り紙式3Dプリンター」の開発にも注力している。通常の積層型3Dプリンターとは逆転の発想で、3次元データから折り紙の展開図を印刷する。このデータを使えば、将来的には高価な金型を使わずにモノづくりができる。溶接ロボット、折りロボットなど産業用ロボットの導入を視野に、開発を進めている。
折り紙の伝統に根ざしてはいるが、折り紙工学はまだ新しい研究分野だ。今後、折り紙の発想、技術の産業実用化に向けて、日本を含め各国でどのような斬新な取り組みが進むか注目したい。
(2015年1月明治大学研究・知財戦略機構・先端数理科学インスティテュートでの取材に基づいてニッポンドットコム編集部が構成/バナー写真=明治大学・萩原一郎特任教授/撮影:山田愼二)
全国9000世帯の家計簿が丸裸!平均月収&支出内訳はいくら?
マネーゴーランド 2016.9.25 林誠二
面と向かって聞きづらいけれど、気になってしまう他人の家計簿。そんなときにご紹介したいのが、総務省がおこなっている家計調査。この結果を見れば全国の平均的な月収や様々な支出の概算がたいてい把握できます。
そんな家計調査、最新の調査結果(平成28年4~6月期平均速報)が8月に公開されましたので今回はその内容をピックアップしてみました。
■家計調査とは
家計調査とは、総務省による一定の統計上の抽出方法に基づき選定された全国約9千世帯を対象とした家計の収入・支出,貯蓄・負債などの調査です。それらの情報をもとに景気動向の把握,生活保護基準の検討、消費者物価指数の品目選定及びウエイト作成などの基礎資料として利用されています。平均的な世帯と比べた収入や支出のギャップがわかります。どの支出を抑えるべきかなど参考にしてみるのも良いでしょう。
■総世帯の支出内訳
・食料 61,534円
・住居 16,117円
・光熱水道 17,428円
・家具家事用品 8,330円
・被覆、履物 9,923円
・保健医療 10,366円
・交通通信 32,448円
・教育 9,393円
・教養娯楽 25,355円
・そのほか 48,523円
支出合計 239,416円
■勤労者世帯の実収入
総世帯平均 480,671円
二人以上の世帯平均 546,000円
この結果を紐解くと、支出の多くを占める食費が減少傾向にあるようで、電気代や保健医療費が増加傾向です。また、全体的に消費支出は控えているようで、特に食費や娯楽、交際費などが減少しており、不景気の感があります。こういった視点を持つことで、新たな節約の視点が得られることでしょう。
隣の家の懐事情はなかなか計り知れないもの。ぜひこれらの結果を参考にして、自分の家計の見直しに役立ててみてはいかがでしょう?
いい天気が続いたのも今日までのようです。
明日からは雨がちの日が続きます。
5日からの最低気温は5℃以下。
霜の心配をしなければいけません。
けさもPCの電源を入れると「更新プログラム」。
かえって使いずらくなった。
わたしも以前、5年連用日記など書いていました。
いまはPCで、一括削除もできます。
元気なうちに片づけてしまいたいです。
こどもたちに迷惑が掛かってしまいます。
断:入ってくるいらない物を断つ。
捨:家にずっとあるいらない物を捨てる。
離:物への執着から離れる。
今朝PCの電源を入れると「更新プログラム」のフンヌンで1時間も要していました。
そして今までの設定が変更され、使いづらい。