森友「地下3m以深ゴミなし」で財務省窮地
日刊ゲンダイ 2017年5月17日
メガトン級の「籠池砲」だ。大阪市の学校法人「森友学園」の国有地激安払い下げ問題で、民進党プロジェクトチーム(PT)が16日開いた会合に出席した籠池泰典前理事長。小学校建設をめぐり、当時、森友の顧問弁護士だった酒井康生氏と京都市のキアラ建築研究機関、藤原工業などの間でやりとりされたメールを公開したのだが、その中身は仰天だ。ナント! 巨額値引きの根拠となった地下のゴミが「ナシ」と記されていたからだ。
メールの中身をざっくり言うと、近畿財務局(近財)から、小学校建設地のボーリング調査データ「柱状図」の提出を求められ、その対応についてキアラと酒井弁護士が複数回にわたって対応を協議しているもの。「柱状図」は財務、国交両省が国有地払い下げの際に価格を算出した根拠資料だ。
両省はこのボーリングデータなどを基に、地中9.9メートルまでゴミが埋まっていたとして、8億円の値引きを決めた――としているが、メールにはこんなくだりが出てくるのだ。
〈ボーリングした位置においては、約3m以深には廃棄物がないことを証明しております〉
驚天動地とはまさにこのこと。ボーリング調査した業者自身が、3メートル以深にはゴミがないと認めていたのだ。つまり、近財に柱状図を提出したら、ゴミがないことがバレるため、どうしようかと協議していたワケで、結局、キアラは酒井弁護士に〈工事に関わるボーリング調査に関する資料は抹消いたしました〉と報告。しかし、これが事実であれば、ボーリングデータが抹消されたにもかかわらず、財務、国交両省はどうやって「地下9.9メートルのゴミ」を確認し、「8億円値引き」を決めたのか。これまでの国会審議が全て吹っ飛ぶ重大証言だろう。
その謎を解くヒントは別のメールだ。キアラが、国交省航空局の「安地」氏に対し、〈(ゴミの)処分費単価を送らせていただきます〉〈ご用命いただいておりました小学校建設地のボーリング及び液状化の第三者資料を送らせていただきます〉という内容だ。
これを文面通り解釈すれば、業者がゴミの処分費用の積算資料を作り、国交省に伝えていたことになる。つまり、財務省は国交省が適正に値引き費用を算出した――と説明していたが、大ウソだったワケだ。
さらにトドメは、近財管財部統括国有財産管理官の池田靖氏が、キアラや酒井弁護士宛てに送ったメールだ。
〈当局としては5月末を目処に土地の評価額算定を実施し、森友学園との土地の売買契約を締結するべく、作業を進めたいと考えております〉
〈瑞穂の國記念小學院開校に向けご協力いただきありがとうございます〉
■籠池氏とのガチンコ勝負から逃げる財務省
財務省はこれまで、一貫して森友側と国有地売買について事前協議したことはないと説明してきた。それが〈5月を目処に締結〉なんて具体的時期を提示し、〈ご協力いただきありがとうございます〉だ。森友が国にお礼を言うなら分かるが、なぜ、国が森友にお礼を言うのか。アベコベだ。これぞ、財務省が「国立安倍晋三小学校」建設のために“忖度”して動き回ったという証左だ。
これだけハッキリとした動かぬ証拠を突き付けられたにもかかわらず、相変わらず財務省はノラリクラリ。民進党PTに籠池前理事長と会合に同席するよう求められたのに、国会審議中を理由に“ガチンコ勝負”から逃げた。最終的に籠池前理事長と入れ替わる格好でPT議員の質疑応答に応じたが、例によって中尾睦理財局次長がチンタラと説明を続け、メールの中身についても「初めて見た」と言うばかり。ただ、新たな「籠池砲」に動揺を隠し切れなかったのも明らか。財務省が完オチするのも時間の問題になってきた。
さらに、 毎日新聞2017年5月17日
加計学園計画
新学部は「総理の意向」
学校法人加計(かけ)学園(岡山市)が国家戦略特区制度を活用して、愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画について、民進党の玉木雄一郎氏は17日の衆院文部科学委員会で、文部科学省が特区を担当する内閣府から、「総理のご意向だと聞いている」「官邸の最高レベルが言っている」などと言われたとする記録が存在することを明らかにした。松野博一文科相は「文書の存在を含め確認していないが、確認したい」と述べ、事実関係を調査する意向を示した。【伊澤拓也、杉本修作】
内閣府、早期開学促す
加計学園の理事長は安倍晋三首相の友人で、野党は「首相の友人が利益を受けたのではないか」と国会で追及し、安倍首相は国会で「加計学園から私に相談や圧力が働いたということは一切ない」と答弁している。
衆院文部科学委員会で、加計学園に関する記事コピーを手に松野博一文科相に質問する共産党の大平喜信衆院議員。
毎日新聞が文科省関係者から入手したA4判の文書によると、「獣医学部新設に係る内閣府からの伝達事項」と題された文書には「平成30年4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい」「これは官邸の最高レベルが言っていること」と早期の開学を促す記述があった。
「(文科)大臣ご確認事項に対する内閣府の回答」と題する文書には「設置の時期については(中略)『最短距離で規制改革』を前提としたプロセスを踏んでいる状況であり、これは総理のご意向だと聞いている」と書かれていた。
また、この文書には「国家戦略特区諮問会議決定という形にすれば、総理が議長なので、総理からの指示に見えるのではないか。平成30年4月開学に向け、11月上中旬には本件を諮問会議にかける必要あり」との記載もあった。
文科省関係者によると、一連の文書が作成されたのは昨年9~10月で、一部の文科省幹部で共有されたという。
獣医師系の大学は全国で16あり、国は「質の確保」を理由に大学設置や定員増を制限しており、獣医学部は北里大が青森県に開学した1966年を最後に新設されていない。
政府は昨年11月、規制緩和の一環で52年ぶりに獣医学部の新設を認める方針を決定。内閣府と文科省は今年1月、特例で1校の新設を認めるとの告示を共同で出した。事業者の公募に対して加計学園だけが申請し、文科省の大学設置・学校法人審議会で審査が進められている。
加計学園の獣医学部新設構想
岡山市の学校法人「加計学園」が運営する岡山理科大が2018年4月、政府の国家戦略特区に指定された愛媛県今治市で獣医学部の開設を目指している構想。大学用地16.7ヘクタール(約37億円相当)は市が無償譲渡し、総事業費192億円のうち最大96億円を市と県が負担する。学園理事長が安倍晋三首相の友人で、特区に応募したのが同大だけだった点などから、野党側が国会で政策決定の経緯が不自然だと追及していた。
もう年貢の納め時。凶暴罪につき、お約束通り、もうおやめになったらいかがです。
あなたに「憲法」を語る資格無し!
アベの凶器「共謀罪」。