里の家ファーム

無農薬・無化学肥料・不耕起の甘いミニトマトがメインです。
園地を開放しております。
自然の中に身を置いてみませんか?

障害者の権利 改善勧告を受け止めよ

2022年10月16日 | 生活

「東京新聞」社説 2022年10月12日 

 国連の障害者権利委員会が、日本の障害者政策を初めて審査し、精神科医療や障害者教育などについて改善を勧告した。

 審査は日本が二〇一四年に批准した、障害によるあらゆる差別を禁じた障害者権利条約に基づいて行われた。勧告に法的強制力はないが、政府は重く受け止め、改善に向けた方策を講じるべきだ。

 権利委は日本の障害者政策が条約の趣旨に合致しているか否かを審査し、総括所見を公表した。

 所見冒頭で懸念を指摘したのは日本の政策が、健常者が障害者に「やってあげる」というパターナリズム(父権主義)に偏っているという点だ。

 障害者は平等に扱われる権利を持ち、社会はそれを保障する義務があるとの条約の趣旨に反する父権主義は共生の理念と矛盾し、収容や分離につながりかねない。

 所見が紙幅を割いたのは精神科医療と障害者教育の問題点だ。

 日本の精神科病床数は経済協力開発機構(OECD)加盟国全体の四割弱を占め、平均入院日数も突出している。政府は〇四年、入院医療から地域生活への転換に向けた改革を打ち出したが、成果は乏しい。主な原因は医療保護入院など強制入院の制度にある。

 所見は強制入院を障害を理由とする差別と断定し、制度を認める全ての法律の廃止を要請した。大胆な提案のようでもあるが、先進国ではすでに在宅医療が主流であることを想起すべきだろう。

 患者が病院内での虐待や非人道的な扱いを外部に報告しやすい仕組みの創設や、加害者の刑事処分を見逃さないことも勧告した。

 障害者教育についても、特別支援教育を分離教育と懸念し、中止に向けて障害のある子とない子が共に学べる「インクルーシブ(包摂)教育」に関する国の行動計画を採択するよう求めた。

 政府は通常教育と特別支援教育の選択は本人と保護者の意思によるとするが、教育委員会が特別支援教育を強く勧めた例は多い。永岡桂子文部科学相も「特別支援教育を中止する考えはない」と述べた。勧告を一蹴していいのか。

 権利委のヨナス・ラスカス副委員長は「分離教育は(大人になっても)分断された社会を生む」と指摘する。傾聴に値する言葉だ。障害者を締め出す社会は弱く、もろい。政府はいま一度、条約の趣旨に立ち返るべきである。


園のようす。
桜の葉は殆ど落ちてしまいました。

ツタも色づき始めました。

巨大毒キノコ。


子どもの不登校、学校にどう伝える?先生からも「助かる」「欲しかった」対応策の依頼文、市民団体が作成 

2022年10月15日 | うつ・ひきこもり
「学校への依頼文」フォーマットを公開します
 

630名以上の知恵を集めてついに公開です!

2022年4月4日

 
 
 
 
フォーマットは文末でダウンロードいただけます
 

⼦どもが不登校や登校しぶりになったとき、多くの保護者は⼤きな衝撃を受け混乱します。

そしてその状態のまま、我が⼦へのケアと学校とのやり取りが始まります。 そんな保護者が感じる苦しさは、次の言葉に現れています。

「毎朝しなくてはならない出欠連絡が本当に精神的苦痛で、それをしないでいると今度は学校側から掛かってきて、その電話を取って答えなくてはならないというのが地獄で、それが原因で家族や物に当たるようになったりして、一体これで誰が幸せになってるのだろうと、常に疑問を持っていた。」(40代 父親

不登校児童生徒数は8年連続で増加し2021年度に19万人を超え過去最多となりました。少子化にも関わらず年々増加の一途をたどり、小学生では8年前の約3倍の人数に急増しています。※

 

多様な学びプロジェクト」は、全国約400ヶ所の平日昼間に立ち寄れる子どもの居場所を「とまり木」として紹介、不登校保護者や支援者を対象にオンラインの交流会や講座などを開く全国組織です。

 私たちは、令和4年3月1日~10日に、不登校/行きしぶりのお子さんがいる保護者を対象とした「学校とのやりとり困りごとアンケート」を実施、10日間で632件もの回答を集めました。

 そもそもこのフォーマット作成企画は、多様な学びプロジェクト運営の「とまり木オンラインサロン」会員の1人の保護者の声から始まりました。(きっかけとなった久保田さんの想いは 前回の記事 に)

「同じようなことで疲弊する保護者を一人でも減らしたい!」

 その呼びかけに賛同した「とまり木オンラインサロン」会員有志が集まり、「学校とのやりとりに関するアンケート」を実施したうえで、そのアンケート結果を元にした「学校への依頼文」フォーマットを作ろうという企画が生まれました。

 普段は、子育てや仕事をしている普通の保護者が集まって、「どんなことを聞いたらいい?告知はどうしたらいいだろう?」と手探りで作ったアンケートに「多様な学びプロジェクト」が伴走。10日間という短い募集期間にもかかわらず、632件もの回答を集めました。

 アンケートの集計結果からは、不登校/行きしぶりのご家庭の約9割が、学校とのやり取りに困難を抱えている実態が明らかになりました。

 
 下図は、アンケートで「困ったことがある」との回答が多く寄せられた項目です。1位に出欠連絡について、2位に教師との意識のずれについてが挙げられ、どちらも6割を超えました。
 
 自由記述欄には、学校とのやりとりで疲弊し、心が折れそうになっている保護者の声や、「こうしたら家庭の考えがスムーズに伝わりました。」という知恵が沢山詰まっていました。

 アンケートに書かれたエピソードを読みながら、保護者の考えを学校に伝えるためにどういう形がいいのか、不登校やホームスクール家庭当事者であるメンバーが、何度も話し合いを重ね、この学校への依頼文フォーマットは生み出されました。

 さらに保護者の視点だけでなく、現役の学校教員や、不登校支援者など様ざまな方々にも見ていただき、そこから得られたご意見も取り入れています。

 そうして、出欠連絡の方法、プリントなどの受け取り方、給食費の払い方など、不登校の子どもの保護者が困りがちなアレコレをギュッと詰め込んだ「学校への依頼文」フォーマットが完成しました。

そんな「学校への依頼文フォーマット」と「アンケート報告事例集(速報版)」を本日公開いたします。

 
 様々な知恵がつまった「アンケート報告事例集(速報版)」を参考にしながら、依頼文フォーマットのチェックリストに答えていくだけで、保護者が悩んでいることについて「我が家の学校への依頼文」が完成します。

 学校への依頼文フォーマットは、可能であれば不登校当事者であるお子さんの意思を確認しながら作り上げてください。 ですが、もし、お子さんが学校に関する話題を出すことも辛そうな場合は、無理をせず保護者のみで作成していただければと思います。

 出来上がった依頼文は、保護者のご判断で学校との面談の際にご活用ください。

 なお、この学校への依頼文フォーマットやアンケート報告事例集は、学校批判のために作り上げたものではありません。

 保護者を取り巻く現状を整理したうえで、学校と家庭が、「子どもが伸び伸びと成長できる環境」「子どもの幸せ」という共通目的のために対話を進める一助になることを、心から願っています。

 また、この依頼文は無理に作成・使用をする必要もありません。 悩んでいる保護者の方に「同じ悩みを抱えている人はたくさんいる、あなたはひとりではない」というメッセージとともに、色々なやり方があるとお伝えすることを第一目標としております。

 「アンケート報告事例集(速報版)」は、4⽉の新学期時期に皆様のお⼿元に届くよう、速報版として作成しております。上記アンケートの回答内容をより丁寧に分析・整理した詳細版も、後⽇公開予定です。

学校への依頼文フォーマット(Googleドキュメント版)へのリンク ※下記記載例と事例集を参考に記入ください(省略、詳しくは【拡散歓迎】「学校への依頼文」フォーマットを公開します (tayounamanabi.com)


山ぶどうの収穫。

山ブドウは優れもの

2020年11月03日 | 健康・病気


マイナ保険証

2022年10月14日 | 生活

マイナ保険証の“ゴリ押し&恫喝”義務化に「廃業に追い込まれる!」医療現場の悲鳴上がる

日刊ゲンダイDIGITAL  2022/10/13

 河野太郎デジタル相は13日、2024年秋にも紙の健康保険証を原則廃止し、マイナンバーカードを保険証代わりに使う「マイナ保険証」に一本化する方針を発表した。マイナンバーカードが普及しないため、保険証を“人質”にして、マイナンバーカードの取得を事実上、強制する暴挙に出た格好だ。マイナ保険証の一本化には医療現場からも悲鳴が上がっている。

 医療機関に対しては、23年4月からマイナ保険証に対応するシステムの導入を義務化する方針だ。半年後には義務化がスタートすることになる。

 開業医などでつくる埼玉県保険医協会が実施した調査(8月24日~9月9日=医師297人、歯科医師214人)によると、9割が4月からの義務化に反対だった。

「かかった費用をすべて国が負担してくれるわけではありません。IT環境が整っていない開業医も少なくなく、機器や回線を整備するのに一定の費用がかかります。また、患者への説明など窓口負担も大きくなります」(保険医協会事務局の担当者)

 個人情報の塊と言えるマイナ保険証を扱う医療機関にとって、院内でのセキュリティー面の不安は計り知れない。医療スタッフが不満を持つ患者に対しマイナ保険を使うように説得するのも大変だ。

「保険医取り消しも」と恫喝

 厚労省は強硬姿勢だ。8月24日の厚労省の説明会で、水谷忠由医療介護連携政策課長は、義務化に応えられない医療機関について「保険医療機関・薬局の指定の取り消し事由となり得る」と“恫喝”している。保険が使えなくなれば、ほとんど患者は来なくなり、いずれ病院はやっていけなくなるはずだ。

 調査では義務化を機に廃業を検討する声も寄せられた。

〈高齢のため新しいシステムへの適応が難しく廃業に向かうしか道はありません〉(内科)

〈当院のような小規模診療所ではシステムの維持、管理費の負担があまりにも大きく、廃業に追い込まれるのではないかと懸念しています〉(精神神経科)

〈義務化されたら閉院します。患者さんにもアナウンス済みです。かなり、怒っている方がおられる現状です〉(60代歯科)

「医療行為と全然関係ないことで廃業するのは、医者にとっても、患者さんにとっても不本意なことです。オンライン資格確認は、義務化ではなく任意にとどめるべきです」(前出の担当者)

 河野大臣は医者も患者も歓迎しない義務化をゴリ押しするつもりなのか。

*     *     *     *

マイナンバーカード強制 反対署名開始

個人情報 預けられない 制度反対連絡会

「しんぶん赤旗」2022年10月14日【社会】

 中央社会保障推進協議会や全労連などの諸団体でつくるマイナンバー制度反対連絡会は13日、河野太郎デジタル相が会見で、2024年度秋に現在の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに一本化する方針を表明したことを受け、ネットで「保険証を廃止して、マイナンバーカードに一本化することに反対する緊急署名」を開始しました。

 コメント欄には「情報漏えいのリスクが高くなる。こんな愚行許されない」「病院に持って行かなければいけなくなり、紛失のリスクが大きくなりすぎる」などのコメントが寄せられ、5時間で約5000件の賛同が寄せられました。

 SNS上では、署名呼びかけとともに「#健康保険証の原則廃止に反対します」「#マイナンバーカードの義務化に反対します」のハッシュタグ(目印)がついた「統一協会と癒着した政権を信用できない。個人情報を預けられない」などのコメントが拡散されています。

 署名を呼びかけた連絡会事務局の原英彦さん(全労連・社会運動局長)は、「マイナンバーカード取得は法律では任意となっています。河野氏の発言は原則義務化を強調し、反発する世論を抑え込むようなものでした。個人情報保護の重要性を発信していきたい」と話しています。


コロナ禍で医療スタッフが頑張ってくれたのに、これはないよな!
支持率まだ下がるよ!
わたしも早速署名いたしました。

キャンペーン · 【緊急署名】一体誰のため? 保険証を廃止して、マイナンバーカードに一本化することに反対する緊急署名 #健康保険証の原則廃止に反対します #マイナンバーカードの義務化に反対します · Change.org

園のようす。
ヤーコンを抜き取りました。

手前のは来年の種芋です。「種苗法」に抵触する?じゃがいもの種は?
ワケワカラン法律だ!

 味や歯触りは梨のような甘さがあります。

現在市場に出回っている野菜の中で、もっともオリゴ糖を含んでいて、その他ポリフェノールや食物繊維、水分を多く含みカロリーも低く、ダイエット食品として期待されているようです。

フラクトオリゴ糖摂取によって増えたビフィズス菌からつくられる有機酸が、これらミネラルの吸収を高めるといわれています。

ヤーコン

2018年10月23日 | 野菜・花・植物

話題沸騰!ヤーコンの5つの効能と効果的な食べ方

【ベストセラー】「コロナに殺されないたった1つの方法──東大の微生物博士が教える」を世界一わかりやすく要約してみた【本要約】

 


三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記

2022年10月13日 | 社会・経済

第111回:冷笑する者と現場に佇む者~自衛隊弾薬庫疑惑に揺れる辺野古で(三上智恵)

 
 

 「座り込み抗議が誰も居なかったので、0日にした方がよくない?」

 辺野古のキャンプ・シュワブゲート前での座り込みが3000日の節目を迎えた数日後。「座り込み抗議3011日」と表示された看板の横でピースサインをして笑う男性がこうツイートしたところ、1週間でおよそ30万の「いいね」がつき、賛否4000ものコメントが殺到した。ネット用語でいう「炎上」である。

 投稿した2ちゃんねるの創始者で実業家のひろゆきさんは「論破王」の異名をとる論客。YouTubeやネットテレビで活躍、若い世代を中心に大変人気があるのは私も知っていた。社会問題への指摘が鋭いなと感じたこともあるし、慈善活動もされていると聞いている。そんな彼が辺野古に来たらどう言うかな? と思ったこともあった。しかし実際にそれが実現した日、私は午後早めに辺野古から引き揚げたのでニアミスだったのだが、事態は最悪の展開になっていく。

・「1日に1時間座り、土日は休み」という実態を『座り込み』と誇張する
・わざとおかしな人をリーダーにして、まともな沖縄基地反対派を増やさない作戦なのかな?
・すぐ帰る人ばかりなんですね

 連投されるツイッターの文面は、明らかに辺野古の抗議行動全体を嘲笑するものだった。翌日から琉球新報・沖縄タイムスでは数日、このひろゆき発言の波紋について記事が掲載され、沖縄県知事がコメントを出すに至った。ネットやラジオでこの騒ぎをテーマにした番組が組まれ,有田芳生さんは対談本の発売を取りやめた。文化人・著名人のなかからも彼の言動を問題視する意見が続出した。しかし当のひろゆきさんは「逆にフォロワー数が増えて困ってます」と炎上を喜んで見せた。

 彼は辺野古のテントで、長年ずっと抗議活動を続けてきた山城博治さんに向かって「座り込みの意味を理解されていないと思うんですけど」という言葉を投げつけた。その直後に博治さんから電話。“三上さん残っててくれたらよかったのに!”と困惑した顛末を直接聞いて、私は胃が縮むようなたまらない気持ちになった。そして、ちゃんとした情報で対抗しないといけないと、辺野古の座り込みの歴史や人々の思いを含めてネットに投稿したりしてみたものの、どうにもやるせなくて、何か大事なものを傷つけられたような痛みを持て余した。同じように戸惑い悲しむ仲間たちの途切れぬコメントを眺めて寝不足になった。

 しかし、冒頭のツイートから7日後のきょう(※10日)、「長年続けて効果が無かったことが明確になっても、関係者のプライドを守るために止められない」というひろゆきさんのツイートを見て、私は、1997年から続く辺野古の抵抗運動を見てきた人間として、この日々が「効果ゼロ」と切り捨てるほどの不勉強な人たちにも届くような報道をしてこなかった自分の問題なんだと、気持ちを切り替えることにした。ウェットなことを言ってる場合ではない。同じような映像だといわれようと辺野古の抵抗の現場を撮影して世に出し続け、同じことを言ってると勘違いされても内容はどんどん変化していることも伝え続ける。

 誰が、誰のために、どうやって抵抗しているのか。その苦しみを与えたのは誰なのか。傍観し加担しているものの罪はいかほどか。解決する手掛かりはどこにあるのか。逆にそれを阻むマイナスの磁場はどこから生まれてくるのか。それらのことを掴まえられる限り掴まえて、地道に伝えていこうと思う。近道は、たぶんない。額に汗して頑張ってきた人々の行動を「効果がない」とあざ笑う人を「効果的に」とっちめる空中戦ではなく、引き続き積み重ねていくことで育つ説得力を信じたい。

 だから今回は2022年秋の辺野古の現場を動画で伝える。同じように見えても、今の辺野古闘争の緊急の課題は「自衛隊弾薬庫」問題である。辺野古に関わったことがある人でも、その意味をご存じない人がほとんどではないだろうか。大事なことだから、ぜひ読んでほしい。

 「戦争の準備はやめろ」
 「再びの沖縄戦を許さないぞ!」

 10月3日のゲート前のシュプレヒコールである。新基地建設反対、海を埋めるな、違法工事止めろ、海兵隊は出ていけ、などは初期からずっと続いてきたアピールだが、皆さんはこの声を辺野古で聞いているだろうか。たとえば去年までは、「ふたたびの沖縄戦」、つまりこの基地が、沖縄をまた戦場にする作戦に繋がっているとはっきり指摘し抗議することはできていなかった。実はこれはとても大事で大きな変化なのだ。

 「自衛隊は戦争に行くな!」
 「米軍の戦争に行くな!沖縄を巻き込むな!」
 「日本はアメリカの戦争に加担するな!」

 今、最新で喫緊の課題は沖縄を戦場にさせないことである。そのためには自衛隊が使うことになる辺野古の基地を完成させて使わせることも、自衛隊の弾薬・ミサイルを大量に辺野古弾薬庫に運び込ませることも、止めないわけにはいかない。「新基地建設だから」「負担が増えるから」と反対していた時から事態はどんどん変化している。だから辺野古の問題は同じことをやっているとタカをくくっている人こそ、今回の動画を見てアップデートしてほしい。

 いま、辺野古から二見に向かう道の両側の木々は無残にも伐採され、景観が全く変わってしまっている。共同使用することになった自衛隊のためのゲートの建設ともいわれ、または弾薬庫の一角を使用するための進入路の整備、とも言われている。自衛隊が米軍キャンプ・シュワブを共同使用する。その目論見は15年以上前から私は指摘してきたが、去年大きく報道されたので説明はいらないだろう。肝心なのはその意味を理解しているかどうかということ。1996年に決まった、普天間基地を県内に移設するという新たな基地強化の企みよりも、もっともっとたちが悪い話になってしまっていることを、しつこいようだが理解してほしい。

 基地の共同使用と弾薬庫の共同使用の何が問題なのか? “軍事拡大を続ける中国を念頭に”沖縄県内にある米軍の弾薬庫を自衛隊が共同使用するという日米政府の方針は今年5月に共同通信が伝えている。主な米軍の弾薬庫は嘉手納と辺野古にある。南西諸島の防衛を考えたときに、いま現地にある弾薬の量では到底、最前線部隊の戦闘を維持できないという焦りが防衛省内にあることは伝わってくる。防衛相の意向をストレートに伝えてくれる産経新聞によると、中国との有事に備えて、日本は今の20倍の弾薬を保持しなければならず、また第一線となる九州沖縄には必要量の1パーセントしかまだ運び込まれていないという(9月10日付)。兵站を整備しようにも、沖縄の反戦平和運動が強すぎて断念してきた経緯があるとして、その遅れは沖縄側の責任という書き方をしている。しかし急ぐのであれば嘉手納や辺野古の弾薬庫を使う秘策がある、その打開策として日米で着々と共同使用を進めている、ということのようだ。

 “台湾有事”になればそのあたりが戦争に巻き込まれるだろう、と漠然と被害者的な政府の言い回しを信じている人々には「足りないならもっと弾薬を用意しないと! 南西諸島に備蓄しないと!」と思うかもしれない。でも、これまで私が書いてきたことを読んでいる皆さんには説明の必要はないだろうが、沖縄に置かれる自衛隊のミサイルは、島々を守る目的ではなく、中国の太平洋進出を阻止するアメリカの軍事戦略の一環であり、中米対立が姿を変えて台湾あるいは周辺海域での軍事衝突に発展した際に、沖縄からミサイルを発射する。だからこそ、ここがミサイル報復の標的になるという流れにある。この「有事の始まり方」のストーリーは、どの戦争でも国民は「相手が仕掛けてきた」という物語を信じ込まされているという歴史を見ても、非常に慎重に判断すべきポイントである。私が集めた情報の中に、中国が領土的な野心をもって沖縄を取りに来るというファクトは今のところない。中国から私たちの国土にミサイルが飛んでくるとしたら、あくまでも日米の軍事行動への報復という形になるのだから、軍事施設のない島を攻撃する必用はない。

 とすると、軍事武装している島はどうなるか。仮にミサイル発射基地となった宮古島が中国軍に占領された場合には、周辺の島々に日米共同で設置していくあらたな拠点からミサイルを撃ち込み、そのあとに日本版の海兵隊といわれる水陸機動団が、九州や辺野古から逆上陸して敵をせん滅する作戦になっている。つまり、今のところ外国を攻撃することはできない自衛隊のミサイルは、自国の領土が敵に占拠された場合に奪還のために「国内に」打ち込まれる想定なのだ。占領された島に住民がたくさん残っていても、国土奪還のために弾が撃ち込まれる可能性は大である。ということは、あと9割以上この地域に運び込まれようとしている弾薬は、私たちの島を焼き、沖縄に生きる命に撃ち込まれるミサイルなのだ。用途をきちんと理解していれば、私たち沖縄県民は「弾薬はあればあるほど安心」などと思えるはずはない。

 しかし、「反対運動」は、難しい局面に来ている。「米軍基地反対」だけなら一枚岩で大同団結できていても、次のようなことでは認識に差が出ている。それは、自衛隊が沖縄での戦闘を念頭に動いていることや、自治体も含めシェルターを含む有事の避難計画を進めようとしていること、自衛隊が南西諸島にどんどん武器弾薬を運び込むこと、日米共同訓練が頻繁になり北朝鮮や中国を刺激していることなどだ。これらのことは私の眼にははっきりと「沖縄を戦場にしてしまうこと」に直結するものなので看過できないが、米軍基地反対だけを目指してきた人たちの中では、関心が薄かったり、意見が分かれてしまったりする項目も多いと思う。今回の動画にあるような博治さんの主張は、まさに的を射ていると思うが、たとえば「オール沖縄という組織として」といわれれば全員が賛同できる部分ばかりではないというジレンマがある。「台湾有事」や自衛隊ミサイル基地をどう捉えるかについては、知識/認識によって、ばらつきがかなり出てしまっている。

 そこで、私も発起人になっている「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」では、現在進行中の沖縄の危機に対する共通認識を持つために『また「沖縄が戦場になる」って本当ですか?』というブックレットを制作した。進行中の日米共同作戦計画をスクープした共同通信の記者が、再び沖縄が軍靴で踏みにじられるのを座視できないと記者生命をかけて沖縄で講演した内容を完全収録している。たとえば、このような、まとまった、まともな情報をきちんと記録して世の中に出していくことで、「座り込みは誇張で意味がない」などとディスるような言説にいちいち対抗するよりも、ちゃんと知るべき大事な情報がいっぱいあることを堂々と提示できたらと思う。一方で、超特急で編集したメンバーは、ひろゆき発言への衝撃やくやしさをエネルギーにしながら踏ん張ってこれを作った。このブックレットは間もなく「命どぅ宝の会」のHPなどで紹介予定なので注視していてほしい。ぜひ入手してほしい。

 ところで、今回辺野古で出会った「海くん」と呼ばれている若者について、短いインタビューを動画に入れているのだが、彼は、自分が生まれた年に名護市の住民投票で地域が分断され、それから自分が生きてきた時間ずっと、ここで苦い日々が続いてきたことを重く受け止めていた。海くんは何度目かの辺野古だが、今回は1カ月以上辺野古に住んでみるのだという。彼が見ようとしているのは反対運動をしている人たちだけではなく、基地移設先の当事者として長年暮らしてきた人々の本音や、北部の人たちの立ち位置などであり、さらにもっと大きく、沖縄戦からずっと重い荷物を抱えてきた年月のことまで視界に入れようとしていた。そして、自分は外から来た人間として何ができるのかを考え続けているがわからない、とだいぶ言葉に詰まりながらも、それでも「ちゃんと、ここに居るんだよ」と言いたい、と話してくれた。その現段階での結論が私には心地よかった。

 気になっていることや場所に、特に当てもないのに飛び込んで、若さと共感力で大事な何かを読み込んでいこうとする行為がある。私も、迷惑を承知でそんな行動を続けてきたクチかもしれない。学びたい、受け取りたいと思って飛び込んでくる人間に対して、迎える側も面食らったり、多少の摩擦を経験したりするだろうが、お互いに敬意をもっていれば、それを乗り越えていく関係ができていくだろう。しかし、心を開いて話す用意もなく、突っ込みどころを探すかのような仕草で現場を訪れてチラ見していく若者が、テントにいる人から「まともな答えは返って来なかった」と書いても、それはそうだろうと思う。国を相手に長い闘いを強いられてきた現場にせっかくやってきたのなら、その行為が一方的に思えたとしても、せめて一旦は彼らの言い分を聞いてほしかった。ひろゆきさんは、米軍基地だけでなく、自衛隊に反対するなんてありえないとも発言していたけれど、なぜ今、自衛隊が南西諸島にミサイルを並べているのか、どういう作戦が進行しているのか、知らない話も聞けたのではないだろうか。私たちは明日の命に直接かかわる事態として、必死に情報を集めているのだから。

 「座り込み現場」には当然いろんな人がいる。人間集団に、あらゆるイシューで一枚岩になれというほうがおかしい。自衛隊を否定していなくても今回のミサイル基地増強には反対しているとか、安保は賛成でも政府の沖縄政策は許せないという人もいる。辺野古で反対運動している人の中には、ほかのイシューには踏み込みたくない人もいるし、そこまで関心を広げられない人もいる。そうした多様性がありながら「基地反対」という一つの目的で力を合わせている場所であることも、もっと理解できたと思う。

 ひろゆきさんは「感情とか背景とかの話をしたがる人たちだ。僕の質問には答えてない」、とあくまで「継続して座り込んでないものは『座り込み』じゃない」の一点で勝負したかったようだが、その小さなプレーコートに相手をおびき寄せて言い負かすことに、どれだけの意味があるのだろう? 答えが見つからなくても、辺野古に佇んで考えてみる決心をした海くんのような若者のほうが、大事なものをつかみ取る力や勇気を養うことができたのではないだろうか。同じ日に辺野古にいた二人の若者(海くんは今年25歳、ひろゆきさんは今年46歳になるというが、沖縄では「ニーセーター」(青年)かな?)について、いろんな人が辺野古に来るものだなあ、とあらためて活火山のような辺野古の磁場の誘因力と面白さを思った。

 
三上智恵(みかみ・ちえ): ジャーナリスト、映画監督/東京生まれ。1987年、毎日放送にアナウンサーとして入社。95年、琉球朝日放送(QAB)の開局と共に沖縄に移住。同局のローカルワイドニュース番組のメインキャスターを務めながら、「海にすわる〜沖縄・辺野古 反基地600日の闘い」「1945〜島は戦場だった オキナワ365日」「英霊か犬死か〜沖縄から問う靖国裁判」など多数の番組を制作。2010年、女性放送者懇談会 放送ウーマン賞を受賞。初監督映画『標的の村~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』は、ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞、キネマ旬報文化映画部門1位、山形国際ドキュメンタリー映画祭監督協会賞・市民賞ダブル受賞など17の賞を獲得。14年にフリー転身。15年に『戦場ぬ止み』、17年に『標的の島 風(かじ)かたか』、18年『沖縄スパイ戦史』(大矢英代共同監督)公開。著書に『戦場ぬ止み 辺野古・高江からの祈り』(大月書店)、『女子力で読み解く基地神話』(島洋子氏との共著/かもがわ出版)、『風かたか 『標的の島』撮影記』(大月書店)など。2020年に『証言 沖縄スパイ戦史』(集英社)で第63回JCJ賞受賞。 (プロフィール写真/吉崎貴幸)
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「ひろゆき氏騒動」について【望月衣塑子】2022年10月13日(木) 大竹まこと はるな愛 望月衣塑子 砂山圭大郎 【大竹紳士交遊録】【大竹まことゴールデンラジオ】

北原みのり「おんなの話はありがたい」沖縄の基地問題について。

2022年10月12日 | 社会・経済

沖縄の基地反対に暴言を吐き続けてきた 座り込みの背景にある歴史を知り「わたしたち」の国を変えるべき

AERAdot  2022/10/12

「わたしたち」は、沖縄への暴言を吐き続けてきた。

 2011年11月、当時の田中聡・沖縄防衛局長が、「これから犯す前に『犯しますよ』と言いますか」という趣旨の発言を、記者たちとの非公式懇談の場でした。普天間の代替基地建設に関する話題の中での言葉だった。

 2013年1月、沖縄県内の全41市町村の首長らがオスプレイに抗議するデモを東京・日比谷でした際には、「売国奴」「日本から出てけ」と、沿道から汚い声をあびせ続けた集団がいた。

 2014年1月、辺野古への基地建設が争点になった名護市長選挙について問われた自民党幹事長(当時)の石破茂氏は、「基地の場所は政府が決める」と言い切った。

 2016年10月、抗議運動に加わる芥川賞作家の目取真俊さんによって、大阪府警の機動隊員が「どこつかんどんじゃ、ぼけ、土人が」と言った場面が撮影され、報じられたが、当時の松井一郎・大阪府知事はツイッターに「命令に従い職務を遂行していたのがわかりました。出張ご苦労様」と記した。また、当時の安倍政権は「土人」発言を「差別と断定できない」と述べた大臣の訂正や謝罪は不要とする答弁書を閣議決定した。

 2017年1月には、TOKYO MXの番組「ニュース女子」が、「機動隊が暴力を振るわれている」「(基地反対派は)日当をもらっている」などとデマを流した。さらに沖縄の運動に深く関わる辛淑玉さんを名指しで攻撃した(今年6月、東京高裁は辛淑玉さんへの名誉毀損を認め、制作会社のDHCテレビジョンに550万円の支払いと謝罪文の掲載を命じた)。

 挙げればきりがない暴言を、「わたしたち」は繰り返し吐いてきた。沖縄の選挙結果が示した「辺野古新基地反対」の声をねじ伏せ、沖縄戦の遺骨が混じっているかもしれない土砂を、ジュゴンが泳ぐ珊瑚の海に投げ入れてきた。沖縄の選挙に一喜一憂するリベラルな「わたしたち」も、自分の暮らす地域では、非自民党議員を推す力はなかった。「わたしたち」は、沖縄の海を愛ではするが、「わたしたち」の国を変えることはできなかった。

『沖縄という窓』という本が今年、岩波書店から出版された。雑誌「世界」で2008年から、3人の書き手が沖縄から沖縄と日本を語り続けてきた、貴重な「定点観測」の一冊だ。著者の一人、山城紀子さんは、1974年に沖縄タイムスに入社し、ジャーナリストとして女性たちに道を切り開いた。性暴力問題を発信し続けてきた。1981年生まれの親川志奈子さんは、琉球民族独立総合研究学会の共同代表であり、研究者として大学で教え、放課後児童クラブの運営もしている活動する思想家だ。松元剛さんは、琉球新報で記者として沖縄を見つめてきた。

 世代も専門も違う3人が、月に1度、沖縄に立ちこの社会を記し続けた14年間の記録は、沖縄から見た日本の記録でもある。沖縄の歴史を知ろうとせず、戦争を忘れた日本人が沖縄をどのように見つめ、どのように踏みにじってきたのか。加害の歴史は根深く、加害者は底抜けに鈍くいられることで、加害者であり続ける。それは、「沖縄に寄り添おう」と本土から訪れるヤマトンチュにも言えることだ。親川志奈子さんはこう記す。

「『沖縄の運動に寄り添い』沖縄人を動かすのではなく、日本人という立場で踏ん張り、日本人としてやるべきことを実行していってほしい」

 200万人超もフォロワーがいて、毎日のようにネット上でその名が流れてくるひろゆきという人の基地反対をする人々に対する暴言が、波紋を広げている。何十年に及ぶ基地被害に抗議する人々が放つ「ヤンキーゴーホーム」という声を録音し、“得意げに”「平和活動家はヘイトスピーチをしている」という人々の姿が本書には記録されているが、ひろゆき氏がやったのは、まさにそのようなことだろう。「座り込みの定義」にこだわり、座り込みの背景にある歴史を敢えて見ない。表層を切り取り、差別の構造を理解せずに、冷笑する。幼い理屈を恥じずひけらかし、無知を剥き出しにすることで日本は底抜けに壊れていくのだと危機を覚える。

 まずは知ることでしか、始まらない。すでにこの社会には、沖縄を生きる人々が積み重ねてきた言葉、その闘いの歴史が十分にある。座り込みをしてきた人々が見つめてきた景色を、「わたしたち」は真剣に想像すべきだ。それが本当の知というものなのだと思う。親川志奈子さんの言葉をここに紹介したい。

「私たちは日本語を覚え、日本の方を向き続けてきました。でも、沖縄が日本を変えることはできない。日本を変えるのは日本人であるべきです」


まだ土が湿っていますがさつまいもと落花生を収穫しました。初めての栽培でしたのでほんの少量です。


「環境後進国」化で没落の日本、「グレタ世代」の若者達と農業に逆転のチャンス

2022年10月11日 | 自然・農業・環境問題

志葉玲フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)

   Yahoo!ニュース(個人)10/7(金) 

350NewENEration のウェブサイト

 日本には優れた環境技術がある――かつてはそう言われてきた。ただ、少なくとも地球温暖化防止のための脱炭素の分野においては、もはや日本は「後進国」へと落ちぶれていることを、そろそろ直視すべきだろう。EV(電気自動車)の開発・普及、世界的な大企業がサプライチェーンを含め脱炭素化を推進する国際的な流れの中で、日本の脱炭素化の遅れは、環境技術だけでなく経済全体の没落も招くことになる。だからこそ、これまでの失敗を認め、新たな対応策を取るべきだ。幸い、日本には大きな可能性がある。

〇日本製品が「ダーティーな製品」と敬遠される?

 脱炭素の分野において、日本もかつては優れた技術を持つ国だとされていた。だが、お家芸だった太陽光発電は中国やカナダ、米国などの企業にシェアを奪われ、風力発電は、デンマークや米国、中国の企業が強い。そうした中、日本の大手電力は、よりにもよって数多の発電方式の中でも、最もCO2排出係数の多い、石炭火力発電に固執している。昨年、COP26(国連気候変動枠組条約締約国第26回会議)で、2030年代に主要経済国が石炭火力発電を廃止することが、40カ国以上の賛成で合意されたにもかかわらずだ。石炭火力発電への依存は、世界市場における日本製品のハンデとなる。既に、サプライチェーンを含め脱炭素をアップルやグーグルなどのグローバル企業が目指す流れがある中、石炭火力発電による電力で作られた日本製品は、脱炭素的に「ダーティーな製品」と敬遠されることも、今後、十分に起きうることなのだ。

〇「グレタ世代」が叫ぶ脱石炭

 大手電力や政府与党が「脱石炭」に後ろ向きな中、日本で声をあげているのが、「グレタ世代」とも言える若者達だ。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんの「気候ストライキ」(=温暖化対策を求めるデモに参加するため、学校や仕事を休んで行う抗議活動)に影響を受けた若者達は、日本にもいる。彼らが、今取り組んでいる重要課題の一つが、GENESIS松島計画の見直しを求める活動だ。

 GENESIS松島計画計画は、電源開発株式会社(以下、J パワー)が、老朽化した松島火力発電所(長崎県西海市)に、ガス化設備を追加することにより、運転を継続するというもの。Jパワー側の説明によれば「CO2をはじめとする環境負荷を速やかに低減しつつ電力の安定供給を実現する」「バイオマス、アンモニア等カーボンフリー燃料の導入により、更なる CO2 削減の実現を目指す」という。だが、気候ネットワークなどの環境NGOが指摘するように、ガス化設備を追加したところで、石炭火力発電が膨大なCO2を排出することには変わらない。また、バイオマス燃料も、FoE Japanなどの環境NGOが指摘するように、生産するために森林が伐採された場合に、樹木や土壌などに蓄えてきた炭素が放出されるため、CO2を出さないカーボンフリー燃料とは言い難く、生産地での自然破壊につながる恐れもある。また、アンモニア燃料も、化石燃料からつくる際にCO2が発生するので、これまたカーボンフリー燃料とは言い難い。J パワー側は「CCUS(二酸化炭素回収・貯留・活用) を組み合わせる」ことで、脱炭素化を目指すとしているが、同社に筆者が確認したところ、CCUSの活用は「検討している」ものの、「現時点でいつ行えるかは決まっていない」とのことで、バイオマス・アンモニア燃料も同様とのことだ。温暖化防止は時間とのたたかいでもあり、早急な脱炭素化が求められる中、やはり、石炭火力発電を「改良」して今後も活用していこうという方針は得策だとは言い難い。

 このGENESIS松島計画の見直しのパブリックコメントを送るキャンペーンを行っている のが、「350NewENEration」だ。国際環境NGO 350japanから派生した、10代、20代の若者達が参加するアクションチームで、「石炭ゾンビ」というサイトを立ち上げ、上述のパブコメの募集や、識者メッセージの紹介、勉強会の開催を行っている。

〇農業+再エネで地方活性化を目指せ

 そもそも、日本は太陽光、風力、小中水力、地熱など、いずれもポテンシャルが高く、その気になれば、再生可能エネルギー大国になれる。国策として、再エネを導入し、中国や欧米に遅れを取っている関連の技術やシェアで巻き返しを図るべきなのだ。筆者が注目しているのは、農地や休耕地と共存する太陽光発電、ソーラーシェアリングである。これについては、以前、記事を書いたので、そちらも参照していただきたいが、ソーラーシェアリングだけでも、日本の総電力需要をまかなうポテンシャルがあること、農業や地方の活性化にもつながることから、非常に有望だと言える。これに加え、EVの普及推進と、EVのバッテリーを「仮想発電所」として活用することで、夜間発電できない太陽光発電の弱点をカバーしていけばよいだろう。

 政府与党は、安倍政権以降、「クリーンな石炭火力発電」を国策として推進してきたが、上述したように、その様なものは現状では存在せず、技術の確立を待つ時間もない。政府も企業も、若者達の声に耳を傾け、脱石炭・再エネ普及に速やかに取り組むべきなのだ。(了)


 今ここでコロナが落ち着きつつあるということで、車や飛行機での旅行を奨励してもいいものか?「待ったなし」という状況をもっと真剣に考えるべきである。太陽光発電については、まだ問題が多い。

雨の切れ間に。


108カ国が廃止した死刑をなぜ日本は続けるのか? 「世界死刑廃止デー」に刑罰の本質から考える

2022年10月10日 | 事件

「東京新聞」2022年10月10日

 きょう10日は「世界死刑廃止デー」だ。NGO「世界死刑廃止連盟」(本部・パリ)が設定し、今年でちょうど20回目にあたる。世界では死刑の廃止が進むが、日本では毎年のように執行され、存廃を巡る議論も活発とはいえない。そもそも刑罰は何のためにあるのか。死刑を正当化する理由付けは。廃止デーに合わせ、死刑について考えた。(特別報道部・大杉はるか)

関連記事】マス目を埋める「鬱」、赤文字の「ありがとう」…秋葉原事件の加藤智大元死刑囚が残した表現の変遷とは
【関連記事】「死刑になりたい」と発生する事件が増えている…制度の是非を問う映画が来月都内で公開

◆「刑罰の本質は、ルール遵守と将来の犯罪予防」

 2008年に東京・秋葉原で7人を殺害し10人を負傷させたとして、加藤智大元死刑囚(39)の死刑が7月、執行された。古川禎久法相(当時)は執行時の会見で「凶悪犯罪が後を絶たない状況にかんがみると、罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者には、死刑を科することもやむを得ない。死刑を廃止することは適当ではない」と述べた。

 死刑を巡っては、「人を殺せば死で償うべきだ」「被害者や遺族の心情から必要」「犯罪抑止に必要」などの存続論、「誤判の場合に取り返しがつかない」「更生の可能性がなくなる」「人道上許されない」などの廃止論がある。

 「昔から同じ論点が出され、話が進まない。これでいいのかと感じた」。法制審議会会長も務める中央大大学院の井田良まこと教授(刑法理論)は話す。今年「死刑制度と刑罰理論」(岩波書店)を刊行し、死刑は理論上成り立たないという観点で論じた。

 井田氏によると、刑罰の基本は犯罪に見合った罰を科すこと。ここで考えるべきは犯罪が傷つける対象だ。被害者だと思いがちだが、刑法上は「法規範(ルール)」なのだという。

 「対象が被害者だと考えると、贈収賄など被害者のいない犯罪は説明がつかない。刑罰の本質は、ルールを守らせ、将来の犯罪を予防することだ」

 人は育つ過程でルールの順守を学ぶ。「たとえば非行少年はルールの学び方が不十分だったということ。刑罰を科して更生を図る」

◆「死刑の犯罪予防効果、科学的に証明できない」

 だが、1990年代以降、日本は犯罪に対して重罰・厳罰化の時代に入った。背景に被害者保護の考え方があった。「保護立法が進み、並行するように『もっと重い刑を』となった」

 学者の間でも、犯罪と被害者らの痛みを天秤てんびんの一方に載せ、「重い犯罪なら死刑が当然」との主張が出てきたという。冒頭の法相の発言とも重なる。

 井田氏は「被害者のために刑罰を科すことが正しいかのような考え方が広がった。分かる面もあるが、刑罰の本質ではない」と異を唱える。「刑法は個人が犯罪に向かうのを抑制することで、法益と将来の被害者を守り、社会の秩序を維持するためにある。過去に目を向け報復しても社会のプラスにならない」

 犯罪が傷つけた相手が「社会の秩序を守る法規範」と考えれば、「死刑は法規範という公共の利益のために命を奪うことになる」というのが井田氏の見解だ。「今の憲法上、公益のために死んでくれという考えは認められていない」 死刑が将来の犯罪を抑止するという意見は根強い。これについて井田氏は「死刑の予防効果は科学的に証明できない。刑罰制度は推測で成り立っている面がある」と指摘する。

 欧州など死刑廃止国での刑罰の考え方は、処罰感情の充足に重きを置いたものではなく、規範侵害の回復にあるという。「日本人は『目には目を』を後生大事に考えているんだね、と見られている」

◆OECDでは米国と日本だけ、バイデン大統領は公約に死刑廃止

 世界的には死刑の廃止が進む。国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」によると2021年現在、死刑廃止は108カ国。10年以上執行がないなど、事実上の廃止を加えると144カ国に上る。一方の死刑存続・執行国は日本や中国、北朝鮮、イランなど55カ国。先進38カ国が加盟する経済協力開発機構(OECD)の中では日本と米国だけだ。

 その米国でもバイデン大統領が死刑廃止を公約に掲げ、21年7月には連邦レベルでの死刑執行が一時停止された。アムネスティによると、州レベルでも同年末時点で、50州のうち23州が死刑を廃止し、13州が過去10年間に死刑を執行していなかった。

 この国際情勢にもかかわらず、日本の国会では、存廃を巡る議論が低調なままだった。

 1994年には超党派の「死刑廃止を推進する議員連盟」が発足し、執行停止と事実上の終身刑の創設を柱とする法案づくりで合意したが提出に至らなかった。2008年には終身刑創設を目指す「量刑制度を考える超党派の会」もできたが、議員の引退や落選が相次ぎ、休眠状態に。18年に改めて超党派議連「日本の死刑制度の今後を考える議員の会」が設立された。

◆世論調査で8割が「やむを得ない」

 今年3月、新会長に就任した自民党の平沢勝栄衆院議員は「この問題から逃げていた。われわれの責任でもある」と自戒を込める。19年の内閣府世論調査では「死刑もやむを得ない」が80.8%で「廃止すべきだ」の9%を大きく上回った。だが平沢氏は、その前提となる死刑に関する情報開示が不足していることを問題視する。「国民は執行されたことしか知らない。執行までの間がどうなっているのかなどの情報を提供し、議論する必要がある」

 平沢氏は「(死刑を存続しているために)日本人が海外で死刑判決を受けても強く抗議できなかったり、逃亡した容疑者らの引き渡しを拒否されたりする問題も考えなければならない」と指摘。「今の状態を放置してよいということではない」として、議連での議論を急ぐ意向を示した。

◆「遠くない時期に廃止の方向」の声も

 死刑執行には、法相の命令が必要となる。だが執行命令書にサインしなかった法相もいる。元衆院議員で弁護士の杉浦正健氏(88)がその一人だ。05年10月の就任会見で「私はサインしない。心の問題。宗教観、哲学の問題だ」と述べた。数時間後に発言を撤回したが、06年9月の退任まで執行しなかった。

 杉浦氏は「当時は死刑について考えがはっきりしていなかった。不意打ちで質問され『しません』と言ってしまった」と振り返る。蚊やハエを叩たたくだけで怒った真宗大谷派の祖母の影響もあった。

 その後は死刑廃止について徹底的に学んだ。法相退任が近づいた時、執行可能な状態だった4人の死刑囚の記録を読んだ。教誨師きょうかいしは各死刑囚について「悔い改めて死ぬのを覚悟し、静かにしている」とコメントしていた。「そういう人を殺すことはないだろう、と思った。むしろ働かせて償わせるべきだと」。選挙区(愛知12区)に戻ると、批判も多く受けたが、賛同してくれる人もいたという。

 09年に政界を引退すると弁護士に戻り、今は日本弁護士連合会の「死刑廃止及び関連する刑罰制度改革実現本部」顧問を務める。杉浦氏は死刑について「国家が人命を奪うということ。本来は人権を擁護するのが国家。死刑にすべき人たちを教育によって社会に復帰させるのが国だ」と語る。

 その上で、今後をこう見通す。「死刑廃止は最終的には国会が法律で決めないといけない。国際的には廃止が増えている。日本の国会議員も考えるから、そういう方向になるのではないかと思う。そんなに遠くない時期にね」 

◆デスクメモ

 犯罪被害者対策では近年、給付金の引き上げや刑事裁判への参加制度の導入といった施策がとられてきた。不十分さも指摘されるが、死刑存廃の論議に比べ動きはある。犯罪を巡っては、更生や再犯防止の取り組みも欠かせない。報復的な見地でなく、冷静な議論が必要だ。(北)

 


最後のバラが咲き始めた。

ラベンダー

銀杏

ウスヒラタケ


水分不足、持ち帰り塩水につけるとピチピチに。


統一協会 安倍元首相と深いきずな 開祖供養行事で新たな祈り指示

2022年10月09日 | 社会・経済

「しんぶん赤旗」2022年10月9日

 統一協会(世界平和統一家庭連合)と安倍晋三元首相の関係について、岸田文雄首相は調査を拒否しています。ただ安倍氏との“きずな”は、統一協会内で周知の事実でした。信者らが見聞きした癒着の実態とは―。 (統一協会取材班)

 安倍氏が銃撃されたのは7月8日。当時、統一協会は開祖、文鮮明の没後10周年の特別な供養期間中でした。事件の15日後、特別供養に新たな祈りを加えるよう信者に指示を出しました。

 「食口(シック)(信者のこと)が安倍元首相のご冥福と日本が一つになることを祈る」と。

 子どものころから両親に信仰を強要されてきた元2世信者は、「政治家の冥福を祈るという指示は初めてみました」と驚きます。

担当者に注意

 安倍氏と統一協会の関係はいつ頃から深まったのか―。

 安倍氏は官房長官だった2006年5月下旬、集団結婚式を兼ねて開かれた「天宙平和連合(UPF)祖国郷土還元日本大会」に祝電を送りました。UPFは統一協会の開祖文鮮明の妻韓鶴子が総裁のダミー団体です。安倍氏は「岸信介元総理大臣のお孫さん」と紹介されました。

 ただ当時の安倍氏は、現在ほど統一協会と密接な関係があるとはみられていませんでした。実際、祝電を送ったことについて安倍氏は「誤解を招きかねない対応であるので、(事務所の)担当者によく注意した」とのコメントを出しています。祝電はまずかった、というのです。

 ところが安倍氏は昨年9月に、同じUPFが韓国で開いた大会にビデオメッセージを送ります。ここで安倍氏は「演説の機会をいただいたことを光栄に思います」と述べ、こんな発言をしました。

 「今日に至るまでUPFとともに世界各地の紛争の解決、とりわけ朝鮮半島の平和統一に向けて努力されてきた韓鶴子総裁をはじめ、皆さまに敬意を表します」

返り咲く前に

 かつては秘書を注意したのに、一転して自ら韓鶴子総裁を大絶賛したのです。

 この変化の裏に何があったのか―。

 安倍氏は06年9月に初めて首相に就任したものの、わずか366日で退陣に。09年には自民党が政権から滑り落ちました。再び安倍氏が首相についたのは12年12月です。

 統一協会関係者は言います。「国際勝共連合の梶栗正義会長が、安倍氏が首相に返り咲く前に接点をもっていた。うまく協会とつないだのだろう」。勝共連合とは統一協会の政治組織です。

 ジャーナリストの鈴木エイト氏が入手し、全国霊感商法対策弁護士連絡会に提供した資料によると、梶栗氏は昨年10月に統一協会の日曜礼拝でこんな裏話を披露していました。

 ―安倍氏以外の首相経験者3人にアプローチしたが「布教のために利用したいだけでしょ」と断られた。安倍氏との信頼関係は一朝一夕でできたわけではない。

 権力の座からすべり落ちていた安倍氏に対して、政権復帰前から接触してきたことが功を奏した形です。

安倍氏側近の選挙応援 “志を共にしている政治家”

本部のメッセージ 本紙入手

 昨年9月、統一協会のダミー団体「天宙平和連合(UPF)」の大会で、安倍晋三元首相のビデオメッセージを見た信者たちはどんな反応をしたのか―。

 前で紹介した統一協会の日曜礼拝で国際勝共連合の梶栗正義会長は、こんな自慢話をしています。

 ―信者や教会長が「うわーこれどうなっているんですか」「何が起こっているんだ」「すごいことだ」と大騒ぎになった。

“親密さ”強調

 さらに梶栗氏はビデオメッセージが、「日本の再建のために信頼して一緒にできる団体はどこか」と安倍氏が統一協会に信頼を寄せる内容だったと説明。信者に統一協会と安倍氏の“親密さ”を強調してみせました。

 事あるごとに安倍氏との近い関係をひけらかす統一協会。内部で信者は安倍氏をどう見ていたのか―。

 信者の両親を持つ元2世信者は、「信者だったときは安倍元首相を『統一協会を応援する人』『善なる人』ととらえていました。安倍氏の祖父である岸信介元首相、父親の安倍晋太郎元外相についても協会で教わりました」と証言します。

 統一協会は安倍氏側近をも選挙で支援しました。今年7月の参院選で自民党比例候補だった井上義行議員です。井上氏は、第1次安倍政権で首相秘書官を務めました。派閥は安倍派です。一部報道では安倍氏側が統一協会に井上氏の支援を依頼したとされています。

 本紙は統一協会本部が井上氏の応援を求めて信者たちに送ったメッセージを入手しました。

 メッセージでは統一協会の理想世界を実現する「重要な取り組みとして、私たちと志を共にしている政治家の井上よしゆき先生を応援しています」と強調しています。

 そして井上氏が安倍氏の首相秘書官だったことを紹介し、「井上先生をぜひ共に応援していただきたい」と要請。協会ダミー団体「世界平和連合」が主催する井上氏と青年代表とのトークセッションに参加するよう求めています。

役職者が指示

 実際、統一協会元信者らからは、井上氏を応援するよう求められたという証言が相次いでいます。ある信者は井上氏を応援するよう協会の役職者から指示をうけたといいます。元2世信者は「信者の母親から電話で井上氏への支援を求められた」と語ります。

 統一協会は安倍氏を最大の「広告塔」として使い、安倍氏側は統一協会を選挙の手足に使った―そんな癒着の実態が浮かび上がります。

 安倍事務所に、安倍氏側が統一協会に井上氏の支援を要請したか質問しましたが、回答はありませんでした。


 久しぶりの良い天気、空に雲ひとつない状態でした。ところがスマホを家に忘れてしまい、写真もとることもできませんでした。明日、明後日と雨の予報です。それで今日お出かけの方が多かったのでしょう。国道には車バイクが連なっていました。
去年の写真ですが。


麻生太郎 韓鶴子主宰の「旧統一教会関連組織」への“所属疑惑”

2022年10月08日 | 社会・経済

自民党の調査では名前があがっていなかったが……

  • 「このパンフレットの中にはっきりと『Taro Aso』と記されている。麻生太郎副総裁が日本を代表して我々の活動に賛同してくれている証拠です」

そう言いながら、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の韓国人幹部は、私に『UPF(天宙平和連合)』のパンフレットを手渡した。UPFとは旧統一教会系の団体で、’05年に故・文鮮明(ムンソンミョン)と妻の韓鶴子(ハンハクチャ)総裁によって創設された。安倍晋三元首相がビデオメッセージを送ったことでも話題になった団体だ。活動資金の一部は旧統一教会の寄付、つまり信者の献金で賄われている。

自民党の麻生太郎副総裁。旧統一教会が提唱する日韓トンネルの推進団体の顧問に就任していたことも報じられた 写真:時事通信社

その韓国人幹部は表紙に大きく『Think Tank 2022』と記されたパンフを指しながらこう続けた。

「安倍元首相だけでなく、日本のナンバー2である麻生さんも、我々の活動に理解を示してくれていることを日本人は知るべきです」

自民党議員と旧統一教会の関係が取り沙汰される中、自民党が全党員に対して旧統一教会や関連団体との関係について点検結果を発表したのは9月8日のこと。

「自民党の点検で麻生氏の名前は出てきていません。先日、共同通信が行ったアンケートでも麻生氏は『無回答』という答えだった」(政治部記者)

だが――。今回、本誌の取材で、このUPFのパンフレットに麻生氏の名前が掲載されていることがわかり、同団体の活動に深く関与している疑惑が浮上した。

UPFが『Think Tank 2022』なるグループを立ち上げたのは昨年のこと。UPFのウェブサイトによると、この団体は〈政治、経済、学術、宗教、メディア、芸術や文化など、幅広い分野の2000人以上の専門家による世界的なマルチセクター、国際的なネットワーク〉とある。

韓半島と世界の恒久的平和を追求するため、韓鶴子総裁をリーダーとして各国の専門家が連帯して作った組織だという。同組織は複数のグループで構成されており、その中の『世界平和頂上連合(ISCP)』というグループに属する唯一の日本人として、麻生氏の名前が記載されているのだ。

UPF日本支部によると、パンフレットは「UPF-Japanは編集・発行に関わっておらず、内容について一切承知していません」(事務総長)という。

麻生氏の事務所に事実関係を尋ねると、「その団体もパンフレットも知りません」と回答。「抗議や削除要請を行わないのか」と聞くと「削除してほしい気持ちはある」とだけ答えた。

麻生氏が自身の口で旧統一教会との関わりについて説明する日は来るのか――。

『Think Tank 2022』のパンフレット。主にハングルで書かれており、オールカラーで71ページもの厚さが
「FRIDAY」2022年10月14日号号より

*     *      *

参考資料

【麻生太郎研究③】満洲人脈の闇と自民党・歴代首相誕生の背景


この人が一番の大本ではないかと思う。

寒くなりましたが、アイスにハスカップをトッピング。


かっぱ寿司だけじゃない…活況の回転ずし業界が「不祥事ネタ」を連発している背景に何があるのか

2022年10月07日 | 食・レシピ

「東京新聞」2022年10月7日

 回転ずし業界では最近、不祥事のネタが豊富だ。業界4位「かっぱ寿司」の社長が、同業他社の営業秘密を不正に持ち出した疑いで逮捕され、辞任。1位「スシロー」も、メバチマグロの代わりに、仕入れ値が安いキハダマグロを提供していたことを明かして謝罪。コロナ禍で打撃を受けた外食産業の中で、好調を維持してきた回転ずしだが、売り上げが増えればそれでいいの?(特別報道部・山田祐一郎)

◆スシローも、くら寿司も

 かっぱ寿司を運営するカッパ・クリエイトは3日、3位「はま寿司」の仕入れ値などのデータを不正に取得したとして不正競争防止法違反の疑いで先月末に逮捕された社長(当時)の田辺公己容疑者(46)の辞任を発表した。

 新社長になった山角豪氏(44)は記者会見で黒いスーツに身を包み「多大なご迷惑をおかけし、おわび申し上げる」と頭を下げた。

 スシローの親会社も1日、「まぐろ」や「漬けまぐろ」のメニューで、通常使うメバチの在庫切れや単純な誤りのため、9月下旬に6店でキハダを代用していたと明らかにした。キハダは10月からキャンペーンで提供する予定だった。

 なお、スシローは6月、ウニやカニの在庫がない店があるのに宣伝を続ける「おとり広告」をしたとして、消費者庁から景品表示法違反で再発防止を命じられた。7月には、生ビール半額キャンペーンの広告を一部の店で開始前に掲示していたとして謝罪している。

 2019年には2位「くら寿司」で、アルバイトの少年がごみ箱に捨てた魚をまな板に戻す動画を公開し、偽計業務妨害の疑いで書類送検されている。

◆急拡大する市場でかっぱ寿司は一人負け

 醜聞の一方で、回転ずしのマーケットは近年、急拡大を遂げている。

 帝国データバンクが5月に公表した調査によると、回転ずしの市場規模は11年度の4600億円から、21年度は7400億円と1.6倍になった。1世帯当たりの消費額を外食全体でみると、21年度は15年度の7割に低迷しているが、回転ずしは逆に約1.2倍になっている。店舗数も拡大傾向にある。

 ただ、かっぱ寿司の場合、上位3社とやや趣を異にする。「1皿100円」の先駆者で、かつては業界トップだったが、11年にその座をスシローに譲った。

 不振のため社長も頻繁に交代。田辺容疑者ははま寿司の親会社出身だった。

 「3社から大きく離された4位で『一人負け』のかっぱ寿司には焦りがあったのでは」。回転寿司評論家の米川伸生氏が事件の背景をこう説明する。

◆不祥事続発の背景に何が?

 田辺容疑者がはま寿司から持ち出したのは、日々の売り上げや仕入れ値のデータとみられる。

 米川氏は「他社の具体的な売り上げデータは、自社の店舗展開のために重要だ。仕入れ値の情報もキャンペーン展開などで大きな意味を持つ」と指摘。不祥事続出の要因に「各社とも問題があっても経営陣に伝わらず、現場での誤った判断につながっている」と風通しの悪さを挙げる。

 現在、世界的な物価高や急激な円安で、仕入れ値が高騰。スシローやくら寿司が1皿100円に別れを告げ、値上げの動きが広がる。不誠実で不透明な運営では、やがて顧客が離れかねない。

 経済評論家の鈴木貴博氏は「これまで激しい競争を全力で突っ走ってきた中で業界として脇の甘さがあったのではないか」と倫理観の緩みに言及する。

 事件に関連し、日本企業での営業秘密に関する社員教育の少なさや意識の低さも問題視する。「成長市場だとなおさら、転職の動きが活発になる。外資系企業では、退職者が営業秘密を持ち出さないように契約で明記されている」とし、各社が組織のあり方を見直すように望んだ。

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【ベストセラー】「激安食品が30年後の日本を滅ぼす!」を世界一わかりやすく要約してみた【本要約】


冷えました。

霜は降りていません。良かったです。
 昨日、我が家の裏山を落葉きのこ出ていないか見てきたのですが全然出てませんでした。そして今日、江部乙の散歩道でバケツ2つ分の落葉きのこをゲット。かなり開いたやつばかりでしたがこれから晩御飯に食べましょう。


雨宮処凛がゆく!国葬が終わり、「分断」が残る。

2022年10月06日 | 生活
 

 あなたは「自分はここに住み続けられるだろうか」と不安になることはないだろうか。

 あるいは飲食店や病院などに行った時、「自分が何をしている誰かバレたら大変なことになるのではないか」と思ったりしないだろうか。

 もしくは普通に生活している中で、見知らぬ人からあからさまに睨まれたり敵意をぶつけられることはないだろうか。

 突然こんなことを書いたのは、国葬を通じて、改めてこの国の「分断」について考えさせられたからである。

 国葬を前にして、8年8ヶ月にわたる安倍政権の「業績」という言葉をよく耳にするようになった。そこではさまざまな言葉が語られていたが、安倍政権が残したもっとも大きなもの、それは「分断」だと私は思っている。

 安倍元首相が自らに異論を唱える者を率先して「こんな人たち」と口にし、時にSNSで誰かを名指しで批判する。総理大臣のそのような作法によって、人を「敵」と「味方」に線引きするやり方は、今や当たり前のものとなった。

 その果てに、私は冒頭に書いたような不安を日常的に感じるようになった。特にSNS社会となり、敵味方を単純に色分けすることがこの数年で顕著になった。また、右派に「敵認定」されている私のSNSはしょっちゅう炎上するようになり、それによって多くのものを失ってきた。本当は、こういうことはネット媒体では書きたくない。具体的なことは「週刊金曜日」10月7日号に書いたので、そちらを読んでほしい。

 さて、このような状況が続いていた中で、安倍元首相銃撃事件が起きたわけである。

 統一教会の名前がまだ伏せられ、「特定の団体」とされていた事件直後、SNSには心ないデマや決めつけの言葉が溢れた。

 いずれも、安倍政権を批判してきたリベラル派の言動が事件を招いたというような内容のものだ。政権批判をしてきた著名人の顔が次々とネットで拡散され、私は背筋がスッと寒くなったのを覚えている。

 その後、逮捕された山上容疑者と統一教会をめぐる問題が明らかになり、一時のデマや決めつけは鳴りを潜めた。が、あの時拡散された言葉たちは、安倍政権的なものが深めてきた「分断」を象徴するようなものだったと今、思う。

 そうしてすぐに国葬が強行されることが勝手に決められた。それは「分断」をより一層深めるものであるのは誰の目にも明らかだった。世論調査をするたびに国葬に反対する人々は増え続け、とうとう直前には7割以上が反対という調査結果も出た。それなのに強行される国葬に、多くの人が反対の声を上げた。

 が、私はこの動きから距離をとっていた。

 一度だけ、知り合いがやっているデモに一参加者として少し顔を出した程度で、それ以外は、反対運動の呼びかけ人に誘われても、スピーチを依頼されてもすべて断っていた。

 もちろん、私自身、国葬には反対だ。しかし、どうしたって感情的になりがちなこの問題は、慎重に慎重に言葉を尽くして語らないと、分断を取り返しのつかないものにしてしまう気がした。20年以上前、右翼団体に所属していた身としての直感もあった。とにかく汚い言葉の応酬になり、分断を決定づけられてしまうことだけは避けたかった。

 距離をとっていたことに対し、「炎上を恐れてネトウヨに屈するのか」という人もいるだろう。しかし、女である私から見えているこの世界は、冒頭のような心配を毎日しなければならない世界なのだ。いつの間にか、そうなっていたのだ。

 一方で、一部の左派の間で飛び交う言葉に引いていた。死去の一報を受け、「ざまぁみろ」などその死を喜んだり茶化したりする言葉。たまたま見かけたデモでは、安倍元首相の死を「嬉しい」などと拡声器で口にして笑う人もいた。少なくとも、私はそういう人たちと一緒にされたくない。また、その手の発言は右派の思う壺だとも思う。人の死を喜ぶ血も涙もない左翼というストーリーはどれほど都合がいいだろう。

 とにかく、そんなようなことが重なって、自分が前面に立つ気にはどうしてもなれなかった。

 さて、ここまで散々「分断」が決定的になることへの恐れを書いてきたが、それには理由がある。私自身、ここ数年のこの国で、最も深刻な問題が分断だと思っているからだ。

 例えば、これを読んでいる人には映画『主戦場』を観た人も多いと思う。慰安婦論争を扱ったドキュメンタリー映画だ。これを観た時、いわゆる右派とリベラルは、同じ国で生きながらもまったく違う世界に住んでいて、まったく違うストーリーを生きていることに驚愕した。以来、その差はどんどん開き、お互いが「言葉の通じないモンスター」化し続けているのではないだろうか。

 そんな社会の分断が進むとどうなるか。

 「自分たちの大切な仲間」と「どうなってもいいそれ以外」という線引きが当たり前になるだろう。

 というか、安倍政権下での森友学園、加計学園、そして「桜を見る会」などのもろもろは、そんな社会を凝縮した上で先取りしたような問題だったわけだが、線引きが当たり前になると、「どうなってもいいそれ以外」の命は軽くなる。少なくとも、積極的に助けようだとか支援しようという発想はなくなるのではないだろうか。

 その上で、この国は30年かけて格差社会となってきた経緯がある。そのような社会は、あまりにも簡単に自分と違う階層の人間を「得体の知れないモンスター化」する。16年、貧困の現場にいて、私はそのことを痛感している。

 年越し派遣村の時にこの国に当たり前にあった「同情」は、14年経ち消えてなくなった。「日本もそういう社会になったのだ」ということを、多くの人が諦めとともに受け入れたからだ。そうして人々がホームレス化することを誰もが「自己責任」と突き放すようになった。そういう社会になると、公助が機能不全を起こしても誰もそのことを問題視しない。「自業自得」の人間が死のうがどうしようが知ったことじゃないからだ。

 そう考えると、生活保護がバッシングされ続け、高齢者が「お荷物扱い」されてきた理由もわかる。また、自民党の政治家たちが高齢者に対して「いつまで生きる気だ」と言ったり、性的マイノリティの人への差別発言を繰り返しても議員の立場でい続けている理由も見えてくる。

 考えてみれば、もうずーっと前から「公的ケアの対象になる人」たちは、「ズルして楽して得して怠けている」という誤解だらけのレッテルを貼られてきた。景気の低迷の中、「病気も障害もなく高齢者でもなければ自己責任で死ぬまで競争に勝ち続いてください、それが無理なら野垂れ死で」というメッセージを浴び続けている多くの人にとって、それらの人々が「特権」に見えてしまう末期的症状だ。衰退が進み、少ないパイを奪い合うような社会で分断が続くことは、社会のシステムを破壊していくことにつながっていくと思うのだ。

 そしてこの分断社会はすでに、顔出しで声を上げ続けてきた私にとって、安心して生きられる場所ではなくなっている。声を上げ始めた16年前とはまったく違った地平に私たちは住んでいる。

 周りを見渡せば、環境も大きく変わった。

 少し前、何かトラブルが起きたりしても「一緒に闘ってくれる/くれそうな」出版社や編集者はたくさんいたのに、ネットの炎上がリアルで様々な実害を引き起こすようになったこの数年で、気がつけば絶滅寸前となっている。その上、長い出版不況で、物言う多くの媒体も消滅もくしは消滅寸前。最後のトドメのように、この2、3年、少なくない編集者から「とにかく炎上しないように」ばかりを言われるようになった。そして実際何かあっても、誰も助けてくれないのだ。

 それが私から見えている世界だ。

 そうして気がつけば、メディアからは政権を批判するような人々の姿がどんどん消えている。特にテレビ業界は凄まじい(8月以降は統一教会問題で頑張る番組もあるが)。

 だからこそ、なんとか分断を乗り越える方法がないものかと思っている。そしてそれを、自分たちやもっと若い世代で考えたいとも思っている。何しろ私たちは、下手したら今まで生きた年数と同じくらいの長さをこれからこの国で生きていかないといけないのだ。

 一方、同世代や下の世代には、すでに日本に見切りをつけ始めている人もいる。私の周りにも、子どもを海外に留学させ、仕事も海外でと考えている人は少なくない。自らが海外移住を考えている人もいる。

 しかし、そうできるのは経済力があったりツテがあったり語学ができたり、とにかく海外でも生きていける才能がある人たちだ。

 翻って、高卒でフリーランス、英語もからきしできない私は、どれほど「日本から出ていけ」と罵声を浴びせられても、この国で生きていくしかない。

 そんなエリートでもなんでもない人間が、自分が「おかしい」と思ったことに声を上げ続けられる社会。それが今、大きく損なわれているからこそ、こんなことを書いた。

 もちろん、「国葬反対」の声を上げることは大切だし、それぞれの立場でできることをやっていた人たちは最大限にリスペクトしている。

 ただ、私たちにはこの分断を乗り越えるための方策を考える責任もあるのではないかと、銃撃事件以降、思い始めている。


 難しい問題です。人が他人を思いやるようになるにはある程度の経済的「余裕」が必要だからです。現在のように賃金は上がらず、将来に不安があるような状態では非常に困難です。これこそ自公政権が望んだ社会です。

 一気に寒くなってしまいました。昨夜からストーブのお世話になっています。明朝は霜注意報が出ました。


雨宮処凛 生きづらい女子たちへ

2022年10月05日 | 生活

俳優や有名料理店店主、学生による性加害 〜逮捕や「謹慎」がどこか「運次第」「空気次第」という現実にモヤる

   Imidasオピニオン2022/10/04

一部性表現が含まれています。ご気分を悪くする方はご注意ください。

 2022年9月、新宿駅の駅員のアナウンスが物議を醸したことを覚えているだろうか。拡声器を持った男性駅員が、電車の前で口にしたのは以下。

「防犯カメラは多く設置しておりますが、痴漢は多くいらっしゃいます。痴漢をされたくないお客様は後ろの車両をぜひご利用ください」

 このアナウンスについては肯定的なものから「自分の身は自分で守れっていう自己責任論に思える」「痴漢に『いらっしゃいます』ってなに?」など批判的なものまで多くの意見が飛び交った。私が映像を見てまず思ったのは、毎日この場にいる彼の目に、「痴漢の常習犯と疑われる人(でも決定的な証拠はない)」が見えていたのかな、ということだ。だからこそ、危険人物がいますよという警告として咄嗟に言ったのかな? とふと思ったのだが、真相は本人にしかわからない。

 さて、これを聞いて考えたのは、「私が駅員だったら痴漢をなくすためになんと言うだろう」ということだ。

 常日頃から、「ちょっとした悪事」から大事件まで、すぐに「懲役何年」などの刑罰で考える私である。例えば友人が「あー、マジでうちの上司ムカつく、殺したい」などと愚痴ろうものなら「殺人罪は死刑または無期懲役もしくは5年以上の懲役。加害者が女性の場合、女子刑務所は全国に9箇所しかないから、家族が面会に行くのも大変だよ。しかも冷暖房がない刑務所もあるから夏も冬も大変だし、やめた方がいいんじゃない?」というようなアドバイスをしてしまい、順調に友達を減らしている。おそらく、彼女が言ってほしいのは「そうだよね、大変だね」といった共感なのだ。わかっているのだが、つい余計なことを言ってしまう。

 そんな私が新宿駅の駅員だったら、こう言うだろう。

「痴漢行為は強制わいせつ罪となりえる立派な犯罪です。強制わいせつ罪は6カ月以上、10年以下の懲役となります。刑務所内では痴漢などの性犯罪者が一番『格下』の扱いを受けるそうなので他の受刑者たちから執拗ないじめを受ける可能性があります。また、職場や家族を失う確率も高いでしょう。それだけでなく、裁判は誰でも傍聴できます。法廷で語られるあなたのこれまでの半生の細部や、年老いた母親が証言台で泣き崩れる様子などを傍聴マニアに一字一句記録され、ネットに書かれる可能性もあり、それが書籍化することもありえることから一生後ろ指を指されて生きていくことになるでしょう」

 これが毎日、駅のホームでスピーカーからアナウンスされていたら。痴漢なんて一瞬でいなくなるのではないだろうか。

 それにしても謎なのは、こうしたリスクを本当はみんな知っているはずなのに、なぜ性加害はなくならないのかということだ。

 すべてを失うということでは、最近、俳優・香川照之氏の問題が注目された。

 ご存知の通り、銀座のクラブでの性暴力だ。PTSDを発症したという被害女性の苦しみを思うと言葉もない。また、その女性だけでなく同じ店のママの頭を鷲掴みにしていたことや、番組スタッフへの暴行疑惑も報じられている。渦中の香川氏は、TBSやNHKの出演番組の降板や打ち切り、CM放送の中止などに至っている。刑罰は受けていないものの、一連の行いは彼から仕事と信頼を奪い去った。

 さて、そんな22年夏を振り返ると、多くの性加害事件が注目されている。

 7月には、元陸上自衛官の五ノ井里奈さんが男性隊員からの性暴力を告白。一人の告発は大きなうねりとなり、8月には防衛省に10万5000超の署名を提出。一連の動きを受けて9月29日、防衛省は五ノ井さんに謝罪。また、セクハラ行為をした隊員は懲戒処分になり公表されるという。これに対しては「一人の訴えが防衛省を動かした!」と大きなニュースになった。

 9月はじめには、ミシュランガイドで「1つ星」を獲得した人気の日本料理店の店主(46歳)が性的暴行で逮捕・起訴されていたことが大きく報じられた。店主は女性客に睡眠薬入りのお酒を飲ませて店内で性的暴行を加えた罪に問われているという。

 同時期に報じられたのが、同志社大学のアメリカンフットボール部の部員4人が準強制性交罪で逮捕された事件。4人は今年5月、京都のバーで20代の女性と酒を飲んだあと、部員の家に連れ込み、泥酔して抵抗できない女性に性的暴行を加えた疑いだ。その様子は、スマホで撮影されていたというからあまりにも悪質だ。

 一方、9月なかばには、公明党議員のセクハラ問題が報じられた。被害女性から告発されたのは、参議院議員の熊野正士氏(57歳)。

 熊野議員は創価学会二世の被害女性に好意を持ち、頻繁に電話やLINEをするようになったというのだが、そのLINEが現在、世間の失笑を独り占めしている状態だ。一部を「週刊新潮」9月15日号から紹介しよう。

「○○さん(被害女性)に、キスをしたら、『気持ちいいわ、あなた、舌使いがとても上手になったわね』って、目がとろ~んとなるの。僕が、今度は、首すじからオッパイをゆっくり、丁寧に舐め回して、そしたら、○○さんが、大きな喘ぎ声を出しながら、『アソコも、そのいやらしい舌で気持ちよくして』って言うの」「○○さんが、僕のペニスを咥え込んだまま、舌を絡ませてくるの」

    このような感じで、終始語尾が「なの」「するの」調なのが本当にキモさの限界を突破。私の中の「誤爆LINE晒され部門」でブッチぎりの優勝となったのだが、被害はLINEだけでなく卑猥な電話などもあり、女性は当然、激怒。この被害について女性は公明党にも伝えていたものの、今年7月の選挙で熊野議員は何事もなかったかのように当選。が、被害女性が警察や弁護士にも相談したことを伝えると、熊野氏は長期入院すると言って音信不通に。そうして一連の報道から約1カ月後の9月30日、熊野氏は議員辞職した。

    そしてやはり9月なかばに報じられたのが、巨人・坂本勇人選手の女性とのトラブル。避妊せず性行為をして女性が妊娠すると中絶を迫り、追い詰められた女性が自殺未遂をした件だ。証拠音声もあることから大きな注目を集め、また批判の声も多く上がっているのだが、これに対するある「擁護」がすごかった。

 それは元野球選手の笠原将生氏。自身のYouTubeチャンネルで、「女が悪い」「中に出されたくなかったら抵抗できると思うんすよ」などと二次加害のオンパレード。挙句の果てには「15人堕したとか10人堕したとか5人堕したとか全然野球選手、いるわけよ」などと発言。野球選手なら「あるある」とでもいうような、特権意識と選民意識を丸出しにした発言に、そしてそれを堂々と口にする姿にただただ衝撃を受けた。彼の周りでは、それが「常識」で、その発言が社会からどう受け止められるか想像もしていないのだろう。

 やはり、この国の政界やスポーツ界などには、昭和で時が止まっている人々がいまだ存在するのである。無知とは、本当に恐ろしいものである。もはや加害行為となっている彼の動画を見ながら、本当に痛ましい気持ちになった。

 さて、香川氏は仕事を失い、ミシュラン店の店主は顔も名前も店名もすべて晒され、「みんなが憧れる1つ星の天才料理人」から「ゲスすぎるレイプ魔」となった。準強制性交罪の法定刑は「5年以上の有期懲役」。罰金刑はない。裁判はこれからだが、少なくとも5年は刑務所暮らしとなるわけだ。

 同志社大学の学生たちも準強制性交罪。せっかくアメフト部で活躍していたのに、自ら起こした加害行為によって人生は大きく変わった。しかも顔も名前もネットに出回っている。出所した後はどうするのだろう。

 公明党の熊野議員は参議院議員を辞職。自らの妄想LINEによって6年分の議員歳費が吹っ飛んだわけである。参議院議員の歳費はボーナス込みで年2180万円だから6年で1億3080万円。それがパーである。というか、彼が辞職しなければ、この「妄想LINE男」に、6年間でそれだけの税金が支払われていたのだ。

 そして坂本選手だが、報道後も普通に試合に出続けているという。問題をスルーする巨人軍には批判の声が寄せられているというが、この件、どうなるのだろう。

 さて、ここまで書いてきたように、坂本選手以外は多くのものを失っている(彼も報道によって失ったものは多くあるだろうが)。このように、性加害は、加害者にとってもリスクが高いものである。すべてを失い、家族も失い、これまでのキャリアも何もかもパーになる可能性があるということ。そのことをもっと世間に知らしめるべきではないのだろうか。

 なぜなら、「モラル」とか「女性をモノ扱いせず対等に接する」とかのアドバイスがまったくもってひとつも通じない人たちがこの世には大勢いるからである。そのような人に何をどこから言えばいいのか、まずそこからわからない。それは彼らが「そんなことを理解してもなんのメリットもない」と思っているからで、であれば、そういうタイプには「こういうことをしたらこうなる」というリスクを見せつけることしか抑止力にならないのでは、と思うのだ。

 そしてここまで書いてきたことでもうひとつ、非常にモヤモヤすることがあるので書いておきたい。それは、性加害やハラスメント、暴力などの加害者の扱いについて、刑事事件になった場合を除いて「明確な基準」がないことだ。

 例えば野球選手が中絶を迫った女性が自殺未遂を起こしても変わらず試合に出続けられるのに、芸能人の不倫や女性トラブルは時にワイドショー挙げての大騒ぎとなり、謹慎が続くケースは多い。

 同じ芸能人でも、立場によって随分違う。例えば16年、『新婚さんいらっしゃい!』(朝日放送テレビ)でおなじみの桂文枝(桂三枝)氏の不倫騒動がメディアで騒がれたが、テレビ局は「引き続き、出て頂く」と明言。また、19年にはその不倫相手が自宅で睡眠導入剤など多くの薬を服用して亡くなったことが報じられたが、それでも22年3月まで、桂文枝氏は「新婚さん」の司会をつとめた。

 また、宮崎県知事戦への出馬を表明したタレントの東国原英夫氏についても思うところがある。

 1998年に東国原氏がサービスを受けた風俗店の女性が16歳だったことが発覚し、「淫行騒動」と騒がれ謹慎となったことは多くの人が知るところだ。が、これは現在だったら、確実に「復帰などありえずアウト」案件だと私は思う。なぜなら、「満18歳に満たない者」が性的サービスに従事していることは「人身取引」にあたる可能性が高いからだ。ヒューマントラフィッキングといわれる人身取引は重大な人権侵害であり、麻薬に次ぐ世界第2の犯罪産業である。「人身取引」と言うと海外の話、もしくは外国人の話でしょ、と思うかもしれないが、日本で人身取引に取り組む団体に来る相談のうち4割が日本人からのものだ。

 が、まだまだ人身取引という言葉も知られず、「男の性欲」周りに今よりずっと世間が寛大だった90年代、東国原氏は「謹慎」期間を経て復活。今に至るまでテレビに出続け、宮崎県知事にまで登りつめた。

 そんな、「何かをやらかした人の扱いの基準がまったくもって適当」というのが、私がもっともモヤモヤするところなのだ。

 ある人は笑って許され、ある人は厳しく断罪されてすべてを失う。ある人は謹慎で済み、ある人は永久追放となる。それを決めるのが「世間の空気」っぽいところにもさらにモヤモヤする。単なる「運次第」となっている限り、再発防止のルールなど決して作れないからだ。

逮捕者が出ている性暴力事件だってそうだ。同じことをしても逮捕されていない加害者が山ほどいることを私たちは知っている。加害者の中には「みんなやってるのに自分は運が悪かった」と思っている者もいるだろう。現に伊藤詩織さんへ性加害をしたと報道されている山口敬之氏は、逮捕状まで出ているにも関わらず捕まっていない。これが殺人だったら「こっちは見過ごされてあっちは逮捕」なんてありえないのに、性暴力の場合、そんなことがまかり通っている。

 この夏、注目された数々の事件。このモヤモヤについて、あなたはどう思うだろうか。


イジメ事件でも加害者はほとんど罰せられず、出席停止処分も受けていない。

園のようす。
急激に寒くなりました。


昼食も今日から薪ストーブのある土間で。10時のおやつは栗を煮てたべました。「やめられない止まらない」

きょうの収穫物です。


岸田政権発足1年 「信頼と共感」強調しても広がる「不信と反感」 国葬、旧統一教会問題も具体策語らず

2022年10月04日 | 生活

「東京新聞」2022年10月4日 

 

 岸田政権は4日、発足から1年を迎え、岸田文雄首相は3日の所信表明演説で就任時に掲げた「信頼と共感」を再び強調した。だが、世論の反対を振り切って安倍晋三元首相の国葬を実施し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題でも閣僚を含む自民党議員の関係調査はずさんで、自ら「不信と反感」を広げる言動が続く。国民の信頼低下は内閣支持率の下落からも明らかで、野党との論戦が待ち構える今国会は首相にとって正念場になる。(山口哲人、坂田奈央)

◆国民の声「受け止める」と繰り返す

 「さまざまな意見を重く受け止め、今後に生かす」「説明責任を果たしながら取り組みを進める」。首相は演説で、安倍氏の国葬と旧統一教会の問題に言及したが、抽象的に国民の声を「受け止める」と繰り返しただけで、国葬のあり方や旧統一教会と政治家の関係見直しなどの具体論は語らなかった。

 国葬と旧統一教会問題は、内閣支持率低下の要因となっている。国民が首相の説明と対応に納得できていないためだ。国会の関与を経ずに閣議決定した国葬を正当化し続け、教会側と自民党議員の関係調査も当初は否定。批判が拡大した後に「自主点検」を始めたが、結果の公表後に山際大志郎経済再生担当相らの新たなつながりが相次いで判明。教会側と関係が深いとされる安倍氏は点検の対象外で、幕引きには程遠い。

◆格差是正のための「分配」はどこへ

 演説からは、政治姿勢の変化も読み取れる。首相は就任後初の所信表明演説では「分配」を12回繰り返した。成長重視で格差や貧困の拡大を引き起こしたと指摘される安倍政権の経済政策「アベノミクス」と一線を画し、子育て世代の教育費支援など4本柱の分配戦略を打ち出した。わずか1年前のことだ。

 だが、今回は「分配」の文字が消え「成長と分配の好循環」が「賃上げの好循環」にすり替わった。首相は「賃上げが高いスキルの人材を引きつけ、企業の生産性を向上させ、さらなる賃上げを生む好循環」と力説。分配に比べると、民間主導を促すような内容で、具体策の策定時期も「来年6月まで」で即効性は見えない。

◆じわりと濃くなる安倍カラー

 経済重視への傾斜など、安倍氏の路線と重なる部分も目立った。

 急激な円安などで進む物価高への対応では、電気料金の国民負担の緩和策を打ち出したが、詳細を語らず内容は分からずじまい。むしろ「円安のメリットを最大限生かす」と、外国人観光客の誘客や輸出企業への効果を強調し、円安を容認しているとも受け取れた。1年前は触れなかった再稼働、新型炉開発など原発推進の姿勢も鮮明にした。

 改憲でも、国会の演説では初めて「発議」に触れ「国会でこれまで以上に積極的な議論が行われることを期待する」と踏み込んだ。自民党が「反撃能力」と言い換えた敵基地攻撃能力の保有に関しては「検討を加速する」と明言した。

 首相は政策面でも自らのカラーを薄め、安倍氏を支持する党内保守派への配慮を重視したのか。演説に対する各党代表質問は5〜7日、衆参両院で行われる。

*   *   *

消費税使い2800病床削減

コロナ禍でも「医療費抑制ありき」

「しんぶん赤旗」2022年10月4日

2021年度分 厚生労働省報告

 消費税を財源とする国の給付金を使って、新型コロナウイルス感染症対応の中心となる急性期病床などが、2021年度分で2770床の削減となったことが分かりました。厚生労働省が9月30日に開いた有識者会議で報告しました。コロナ禍のもとでも「医療費抑制ありき」の自公政権の姿勢が鮮明です。

 この給付金は、病床削減を進める「地域医療構想」の実現を狙った「病床機能再編支援」です。20年度に新設(当時は病床ダウンサイジング支援)され、コロナ禍の中でも21年度に予算を195億円に倍増。全額に国費で消費税財源を充てる仕組みとして改悪法に位置付けました。減床数に応じて1床あたり114万~228万円を支給し、医療機関を統廃合や病床削減へ誘導しています。

 厚労省が報告したのは21年度分の実績(計画分含む)です。急性期病床や長期入院向けの慢性期病床の計2770床の削減に対し、29都道府県120医療機関に57億9千万円を交付しました。

 20年度分の計2846床減・56億7千万円の交付と同程度ですが、物価高でも消費税減税を拒み、「消費税増税は社会保障のため」という説明とかけ離れた病床削減に突き進む政府の姿勢が、いっそう厳しく問われます。

 有識者会議で厚労省は22年度分の交付予定額も報告。計40億8千万円の予定額のうち大阪府が最も多い7億9千万円で、兵庫県の6億円、山口県の3億5千万円と続きます。全体の交付額はさらに増える見込みで、経団連の委員は「取り組みが非常に少ない」と述べ、統廃合の促進などを求めました。


 今「旅行支援」など必要なのか?緊急にお金を回さねばならないところがあるのでは!

未明から降り始めた雨、今もまだ降り続いている。
 プリンターのインクを買いに行った。すごい値上がりだった。もちろん消費税も割増だ。
これから北国ではストーブを点けるが灯油の値段がちょい前のガソリン価格だ。
寒い冬、凍える冬になりそうだ。


東電、トリチウムを検知できない線量計で処理水の安全性を誇張 福島第一原発の視察ツアーで

2022年10月03日 | 事件

「東京新聞」2022年10月3日 

 東京電力が福島第一原発の視察者に、放射性物質のトリチウムが検知できないうえに、セシウムについても高濃度でないと反応しない線量計を使い処理水の安全性を強調する宣伝を繰り返していることが本紙の取材で分かった。専門家からは「処理水の海洋放出に向けた印象操作と言われても仕方ない」と批判が出ている。(山川剛史)

「処理水を測ってみますが、メーターは振れません」。処理水のサンプルに線量計を当てて説明する東京電力の担当者(一部モザイク処理)=福島県大熊町の福島第一原発で「処理水を測ってみますが、メーターは振れません」。処理水のサンプルに線量計を当てて説明する東京電力の担当者(一部モザイク処理)=福島県大熊町の福島第一原発で

 処理水は、原子炉内に溶け落ちた核燃料の冷却で出た高濃度汚染水を少なくとも2回除染し、基本的には微弱なベータ線を発するトリチウムを含むだけの状態にしたもの。トリチウムは除染設備でも除去できない。

 視察ツアーでは、放出基準の約15倍のトリチウムを含む処理水入りのビンにガンマ線のみを検出する線量計を当てて反応のない様子を示す。東電によると2020年7月から約1300団体・1万5000人に見せている。本紙は先月14日の取材時に説明を受けた。

 担当者は、建屋の高濃度汚染水に含まれる放射性物質のうち、ガンマ線を発するセシウムなどは除去し、処理後の水は周囲の放射線量と同等になっていると説明したが、ベータ線用の測定器を使っていない以上は「線量計を反応させるほど高濃度のセシウムは含まれない」ことがいえるにすぎない。

 元京都大複合原子力科学研究所研究員の今中哲二さんは「トリチウムのエネルギーは弱い。ろ紙などに染み込ませてベータ線測定器を当てても、もっと濃度が濃くないと反応は出ないだろう」と指摘。東京大大学院の小豆川しょうずがわ勝見助教(環境分析化学)は「科学的には全く無意味。ガンマ線はセシウムだと1リットル当たり数千ベクレル入っていなければ線量計は反応しない。セシウムが放出基準(同90ベクレル)の数十倍入っていても『ない』印象を与える」と話した。

 東電は取材に「実演は、外部被ばくで人体に影響を及ぼすガンマ線が低減されていることを説明するのが目的。ベータ線を発するトリチウムが、放出基準値を超えていることも説明している」と主張。実演のあり方については「さまざまな工夫をしながら取り組む」と述べるにとどめた。

【関連記事】汚染水を浄化しても残るトリチウムとは? 世界中の原子力施設で海洋放出、環境への蓄積で内部被ばくの懸念も

◆解説 本当に処理水への理解を得る気があるのか

 東京電力が、福島第一原発の処理水の安全性をアピールする実演で、放射性物質のトリチウムが検知できない線量計を使っていた。東電は以前にもマスコミ向けに非科学的な実演をして問題になった。同じ実演を多くの視察者に見せ続ける東電の姿勢には、本当に処理水への理解を得る気があるのか疑わざるを得ない。

 専門家が指摘する通り、東電の実演では、ベータ線についてもガンマ線についても、何ら検証をしたことにならない。確認のため、記者が放出基準の約19倍の放射性セシウムを含む水に、実演で使われたのと同機種の線量計を当ててみたが反応はなかった。

 にもかかわらず、こんな手法で処理水の安全性を強調したのでは「印象操作」「うそ」と受け取られても仕方ない。最近の一般向け視察で実演を見せられた福島県南相馬市の女性は、本紙の取材に「東電への不信感がまた強くなった」と話した。

 福島第一原発の汚染水の処理で、東電は漏水事故を繰り返さないよう耐久性のある溶接型タンクを造り、ためている水も現在の技術でできるだけリスクを減らす努力をしてきた。現地で愚直に努力を続ける姿を見せることが、処理水への理解を得る最も近道だろう。(山川剛史)


もう嘘もごまかしもないアベ後の世界を築きませんか?

園のようす。
今年は栗もどんぐりも豊作です。

ラズベリーもまたなりだしました。

明日は一日雨の予報です。
ゆっくり休めるかな?

きょう無事誕生日を迎えることができました。
圃場を江部乙に移したこと、正解だったと思います。
ここでは2人の方が手伝ってくれています。
住まいのあるところではおそらく難しかったことでしょう。
他人と話すこともない日々を送っていたと思います。
あのままでは鬱になっていたかもしれません。
そしてこのブログで多くの人たちとの繋がりもできてきました。
残り少ない人生、大切に過ごしていきたいと思います。
これからもよろしくお願い致します。

後継者募集中

 


ミャンマー軍事政権が安倍氏国葬に参列…岸田政権に「恥を知れ!」と世界から大ヒンシュク

2022年10月02日 | 社会・経済

日刊ゲンダイDIGITAL  2022/10/02 

 何とも後味が悪い。日本政府は安倍元首相の国葬に、国軍がクーデターで実権を握ったミャンマーを招待。軍事政権に“お墨付き”を与えた愚行には、国外から厳しい批判が寄せられている。国軍下のミャンマー外務省は早速、国葬参列を国内外に周知して正当性のアピールに余念がない。

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 ミャンマーからは、ソー・ハン駐日大使夫妻が参列。駐日大使といえど、国軍支配下の政府代表である。国葬後に、ミャンマー外務省が公式ホームページとフェイスブックに、祭壇や大使夫妻の写真を添えて〈ミャンマー政府を代表して出席した〉などと掲載。

 日本政府はミャンマーの参列を認めたことにより、軍事政権に「公式の政府」としての正当性を国際社会へアピールする機会を与えてしまった格好だ。

 林外相は9月30日、ミャンマー国軍関係者の参列について「さまざまな意見があることは承知している」「(国葬という)行事の性質に鑑み、外交関係を有する国にはすべて通報を行った」などと釈明。「クーデターの正当性を認めないというわが国の立場は、駐日大使の参列によって変わるものではない」と説明したが、そんな理屈は国際社会に通用しない。

「たとえ日本側が公式に承認していない未承認の国であっても、その代表を自国の行事に招いたり、親書を送ったりすれば、外交上は『黙示の承認』を行ったことになります。つまり、林外相が『わが国の立場は変わらない』と言い張ったところで、国際社会からは『日本は事実上、軍事政権を承認した』とみなされるわけです。軍事政権にとって宣伝効果を生む行為は厳に慎まねばならなかったのに、まったくもって外交上の配慮に欠けていました。軍事政権が正当性を訴えるプロパガンダに、日本政府がくみしているとみなされても仕方ありません」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)

■「人権意識の低さ、外交オンチぶりを露呈した」

 村の焼き打ちや空爆を繰り返すミャンマー国軍の非人道ぶりを黙認するかのような日本政府の姿勢に、SNS上は大荒れ。特に国外のアカウントから、怒りの声が続出している。英語のツイートを訳してみる。

〈違法なミャンマー軍事政権の代表者を安倍元首相の国葬に招いた日本政府は恥を知れ。軍事政権は残虐行為を犯しているのに、罰せられない。彼らに正当性を与えることは、非人道行為を助長することになる〉

〈在日ミャンマー人や人権団体の抗議があったにもかかわらず、軍事政権のソー・ハン駐日大使が国葬に出席した〉

 米シンクタンクの研究員のツイッターを訳すと、〈日本政府のミャンマー軍事政権への接し方を鑑みれば、(国葬招待は)驚くことではない。1988年にミャンマー国軍がクーデターを起こした直後、軍政を公式に承認した最初の国が日本だからだ〉と皮肉交じりに投稿していた。まさに世界中から大ヒンシュクを買っている状況だ。

「岸田政権は人権意識の低さ、外交オンチぶりを国内外に露呈してしまいました。外交上の立ち振る舞いがどんな意味を持つのか、もっと真剣に考えてほしいものです」(五野井郁夫氏)

 岸田首相は安倍国葬の意義について、「暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜く決意を示す」と意気込んでいた。ただでさえ決断力に欠ける岸田首相だが、その「決意」とやらも薄っぺらである。