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プラスチック条約 交渉の現状と展望(上)

2024年12月29日 | 自然・農業・環境問題

東京農工大学 高田秀重教授に聞く

「しんぶん赤旗」2024年12月29日

削減求める国多数 素案に反映

 プラスチックによる汚染を防ぐ条約を策定するため、韓国の釜山で11月の末から12月の初めまで開かれた政府間交渉委員会は、生産規制などをめぐって合意することができず、来年改めて会議を開くことになりました。世界の専門家とともに、現地で各国政府の代表に働きかけを行った東京農工大学の高田秀重教授に、会議の意義と問題解決の展望について聞きました。(間宮利夫)

 合意できなかったことは残念でしたが、プラスチック問題解決に向けて前進していることを感じられた、意味ある会議だったと思っています。会議に参加した170余りの国の過半数に当たる100前後の国が、有害なプラスチック製品とそれに添加されている有害な化学物質の生産と使用の禁止を求めて積極的に発言し、行動していたからです。

健康と環境守る

 最終的に議長から提案された条約の素案には、それらの国の意見が反映されました。たとえば、条約の目的が人の健康と環境をプラスチック汚染から守るためであると明確に述べたうえで、プラスチックをその本体であるポリマーだけでなく、それに含まれている添加剤などさまざまな化学物質を包含する形で定義づけました。

 これは、プラスチック汚染を化学物質問題として捉える、国際的な考え方に沿ったものです。ですから、規制対象には、漏出しやすく環境へのリスクの高いプラスチックだけでなく、人の健康と環境に有害な影響が懸念される化学物質を含むプラスチックなどをあげています。

 具体的な製品や化学物質については、付属書にリストアップする方法が提案されています。各種使い捨てプラスチック、特に発泡スチロール製食品容器、光や熱を受けると添加剤の作用で断片化しやすい酸化型分解性ポリエチレン・ポリプロピレンなど。発がん性や生殖への悪影響が指摘されているフタル酸エステル類やビスフェノールAなどの化学物質も記載されています。

廃棄物管理漏れ

 なぜ、参加国の多くが有害なプラスチック製品とそれに添加されている有害な化学物質の生産と使用の禁止を求めたのか―。それに反対した産油国などが主張し、日本政府も実質その立場だったのは、「廃棄物管理の強化」ですが、それだけではプラスチック汚染問題を解決できないという考えが世界中の人々の間に浸透してきたからだと思います。

 廃棄物管理には、収集、リサイクル、埋め立て、焼却が含まれます。廃棄物管理の強化が必要なことは確かですが、これだけでプラスチック汚染をなくせないことは、実際に廃棄物の管理が進んでいる日本でさまざまな問題が起きていることからも明らかです。

 収集、リサイクル、埋め立て、焼却、それぞれの項目について見てみましょう。

 世界の環境を汚染しているプラスチックの大半は、廃棄物管理から漏れて流出したものです。たとえば、日本では90%以上回収されているとされるペットボトルが、河川敷や海岸を埋めつくしている現状は多くの人がご存じだと思います。

 日本のプラスチックがハワイやその北の太平洋ごみベルトで多く見つかったり、アメリカ西海岸に漂着したりしています。このことは、廃棄物管理だけでは汚染をなくせないことを示しています。

 次にリサイクルですが、日本でリサイクルされているプラスチックは全体の25%程度で、世界では10%以下にすぎません。その割合をあげようとしても、そもそもリサイクル率が低いのは、プラスチックがリサイクルに適さないという背景があるからで、うまくいきません。

 プラスチックの本体であるポリマーは紫外線や熱で断片化しやすい性質があります。リサイクル中にも、こうした反応が進むわけですから、リサイクルして新しい製品をつくったとしても、何回もリサイクルできません。また、プラスチックは汚れやにおいが染み込みやすいので、取り除くには手間もエネルギーもかかるし、それを行うことで資源量が減ってしまいます。

 (つづく)


さてさて、今日もひどい天気です。
朝方晴れたので雪かきしてから出かけたのですが、昼頃からまた視界不良な雪。
ようやく帰ってきました。

今夜は仕事、こんな日は出たくないですね。



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