野外保育 とよた 森のたまご
小さな草にも、大きな木にも、一つ一つに役割があり、私たちの生活に欠かせないものを、
小さな手で触れ、いろんな気持ちをいっぱい感じ、育ってほしい。
子ども同士の関わり、時間を大切にし、満足感や、達成感をたくさん味わってほしい。
大人たちは少し口を閉じ、子どもたちが何をどう選ぶのかそっと見守り、
必要な時には知恵のエッセンス。
大人も子どもも育ち合い、自分らしく生きる・・・
『森のたまご』にしか出来ない、手作りようちえんを創っていきたいと思っています。
第1金曜日は“保育話し合い”の日。
子どもたちがいつものようにたまごで過ごしている中、当番にならなかった母たちで
子どもたちの様子や困っていることなどを話す時。
母たちが公園のテーブルを囲んでお話しをする周りでは、週2の子と未収園の子が遊具や水や砂などで遊び、ベイビーちゃんがテーブルの下で石をかじったり、ゴロゴロズリズリペロペロ…。
この時間は“あたため会議”のように議題を解決していく場ではないので気軽に話ができ、会議係りのかよちがもともと予定してくれていた内容から大きく外れたり、なかなか前に進まなかったりすることが多い。
今日もまた、本題に入れずに終了…。
でも、とっても熱い話が繰り広げられ、いい時間を過ごせたな~と充実した気分でお迎えに向かいました。
子どもの育ちについてこんなにも真剣に話せる、そして、誰の話にも否定することなく耳を傾け、真剣に考えるたまごの母たち、すごいな~。
こんな話ができる時間に感謝!
こんな母たちと一緒にたまごに関われることに感謝!!
koma
森のたまごでは、コマを回すことがはやっています。
コマを床などの平面で回せるようになると、普通次は上へと考えます。
手の平の上にのせたり、紐の上で綱渡りなど。
でも、ようちえんの年長さんまでの子にはなかなか、立体への展開は難しいもの。
そこで平面へ投げ入れるけど、ちょっと難度のあがるやり方があります。
それは、おちゃんわんやどんぶりに投げ入れること。
ひとつのポイントを狙って投げ入れるのは、意外に難しいんです。
その技を、夏休み前、コマ名人のLとのおじいちゃんが見せてくれました。
小さい容器のふたに投げ入れて見せてくれたのです。
そこで、年長Aきの母は考えました。
小さな枠がたくさんあるコマ台があればいいのではないかな?
今日、年長さんみんなで作ろうと提案してみました。
そこで年長さん、マイとんかち 持参できてくれました。
年中さんと年少さんは、久しぶりに牛を見に散歩にでかけます。
朝の会で、牛さん見に行くよ~ との声に年中さん達はわくわく。
夏休みが終わって2学期、はじめての牛さん散歩です。
コマ台つくりは、年長さん達と、まず板に木枠を釘で打ち付けます。
ぐるりと木枠を囲んで、みんな木枠を押さえて自分がうつ順番を待っています。
一つの木枠を2人で両方の角から打ち付けると、ずれてしまいました。
そこで、1人づつ釘をうつことにしました。
5人はじっと待っています。
1人が釘をうっていても、徐々に斜めになり、曲がっていきます。
そこを、Rう、上手に釘抜きで抜いてくれました。
Aきが力まかせに叩いて、どんどん斜めに打ちこみ、次々に斜めの釘がたちました。
それをRう、よこから器用に抜いていきます。
なかなか、すばやい動きです。
「Aきが、めちゃくちゃするからうまくできないじゃん」
とぼやいているのはCた。
Aきは、一緒にやるのが母の私なので、うまく打てない気持ちがダイレクトに出てしまうようです
ちょっと、力任せに叩いていて、かんしゃくをおこしているのに近く、手元を見ていません。
木枠にも、固い部分とやわらかい部分があるのか、なかなか釘の頭が入らない所もあり、結構苦労します。
Rき、苦労したけど、1本打ち込みました。
なかなか、進まない作業に、Aきがとんかちを使い土をほり、発掘作業を始めました。
Kい、自分の番になり、やっとという感じで打ち付けて行きます。
Kいは、木工が得意で粘り強く、とんかちを動かします。
ちょっと、斜めになると、とんとんとまっすぐになおして、丁寧にまっすぐささるように調整しています。
固くて、なかなか入らないと分かると、違うとんかちを持ち直し、試してみます。
くぎ抜きの固い頭で打てないかなと、色々試してみる、工夫やさんだな と 感心しました。
横の短い枠を、Lと一緒に図って鉛筆で線をひいた所をのこぎりで切ってゆきます。
Kいも一緒に切りました。
木枠が完成した所で、中の線をひいて行きます。
「早く、色塗りがしたい」
とLとがいいました。Lとは今日は、色塗りがしたくてきたようです。
「この木枠ができないと、色塗りが始められないんだ」
というと、我慢して作業にかかります。
「色塗りしたい」
とCたもいい、そばで作業を見ています。
Lとは、ときおり、発掘作業遊びを始めたAき、Rう、Rきをにらんでいます。
私にもLとの、いらいらした気持ちが伝わってきました。
「なんで、Rうはやらないんだよ」
Kいが、Rうに向かって話しています。
賑やかな声がして、年中さん、年少さん達が帰ってきました。
そこでお弁当になりました。
しばらく、作業をつづけたKん、手を止めてじっとしていたLと。
しばらくして、Lとは泣き出しました。
Lとの体は、汗ばんでいるのにひんやりしていました。
寒いというLと と一緒に、やのちゃんはあたたかいお日様の下でお弁当を食べました。
しずかに、やのちゃんはLとの気持ちを聞いています。
「もりたまの 春芽吹きなんかしない」 (春芽吹き はお弁当の感謝のあいさつです)
「もう、やりたくない」
という、Lとに今日はどうだったのか、何を怒れて、悲しんでいるのか丁寧に聞いてくれました。
「Rうや、Kいはやってくれた。今日は色塗りに来たんだ。本当は木工はやりたくなかったけど、がまんしてやったんだ。
でも、どこまでやれば、色塗りになるか分からなかった」 ← ここは、私の反省点です。説明不足でした。
Lと はなんで皆は(Aき達はやらないのか)を聞きたい、自分の気持ちを伝えたいと、
やのちゃんに話しました。
やのちゃんは、帰りの会でLとの気持ちを、年長さんに話してくれました。
お弁当の時、なんでLとは泣いていて、自分達と一緒にお弁当を食べなかったのか。
「木の枠がほしかったんじゃない」なんて、のんきな考えだったそうです。(ふーみん談)
話を聞いた、年長さんみんな、はじめて Lと の気持ちに気づいた ような顔をしていたようです。
Lと は自分の気持ちをみんなに、分かって欲しかった。
それが、やのちゃんの橋渡しで、みんなに分かってもらえた。
体が冷たくなるまで、高ぶっていた心の動き、気持ちを伝えられたこと、
友達に理解してもらうことが、できたことが Lとには 大きな安心感になったようです。
やのちゃんは、火曜日の畑で芋の収穫をしたとき、年長さんにまかせた芋ほりついても、
話してくれました。
「年長さんに、ここの畝をお願いといって、まかせたんだよ。
だけど、3人しか最後までやっていなかったよね」
年長として、みんなでやること、まかされたことについて、
どう思うかじっくり話のできた、帰りの会になりました。
コマ台はまだまだ途中ですが、これからの作業の中で、巻きおこる年長さん達の葛藤や気持ちの変化が楽しみです。
(こなんちゃん)
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