柿の木は大変に脆く
ウッカリ足をかけると瞬間的にボキッと簡単に折れてしまう
従って相当に神経を使う作業で
やや細い枝には体重をかけないようにして
遠くのほうは竹竿の先に太い針金などを付けて
これで挟んで枝を折って採るような工夫もしたものである
吊るし柿の作業も大変で
山のようにある柿を包丁で皮むきする仕事は夜も行われた
皮が残っていると その部分だけ堅くなって
良いツルシンボウにならないので手間のかかる仕事である
すっかり剥いてしまうと 凧糸をこの柄にぶら下げ
10~11個くらいをつけてやる
これを二階の南側の日当たりの良い軒に吊るし
ある程度乾いてくると取り入れて
糸を付けた柄を鋏で切って外して良く揉み
蜜柑箱などの中に藁を敷いて平らに一並べして
又 藁を敷いて一並べを繰り返して 蔵中に保存しておく
正月頃になる程よく粉(糖分)がふいて白くなってくるのである
採っているときに落ちて傷がつくと吊るし柿にはならないので
切って繭籠に紙を敷くなどして その上に並べて干した
一家中が力を合わせてやらなければならない 冬支度の一つで
こんなところに田舎の生活の良さがあったのだと思う
-終-
☆そういえば 僕が生まれる前?
生家を改装する前は 二階屋根裏で蚕を飼ってたって聞いたことがあった
生家の二階は 20畳一間
確か部屋の端の戸を開けると 屋根裏になっていた記憶が・・・
ここで蚕を飼ってたのかもしれない
隣の友達の家は 僕の小さいころも蚕を飼っていて
二階全体に 蚕の篭があり 一つの山に篭が5-6個?摘まれていた
籠には桑の葉が敷き詰められて
じっとしていると かさかさと動く音が・・・不気味・・・
僕は 蚕は苦手だったなあ