この表題の本は、長塚 麻衣子さんが、生まれつき右手に障害を、
持ちながらも、それは自然のことと受けとめ、社会人生活を経て、
2児の母として、子育てに忙しい日々を送っている様子が、
書かれている本です。
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文中より・抜粋にて。
私の身体障害者手帳には、先天性右2・3・4・5指欠損と記されている。
専門医の診察によると、「先天性四肢末端減形成症」と言われる。
一級から6級まであるが、4級というのは四肢障害のなかでは、比較的軽い。
右手は手首までまったく正常で、右手指の欠損の原因は、
私が胎児まで、まだほんのおとなの親指大くらいの時期に、子宮内の
羊水に、出血などがおき、そのために繊毛などが、手の指の部分に
からみついて、伸びる指のはたらきを止めてしまった、
と考えられる、と説明してくれる。
生まれつき右手の指が1本しかない。
正確には手のひらから少し、形の曲がった親指と、
小指の第一関節が、ニュツと生えている状態。
小学校ではバトン、中学では剣道、高校からは民族舞踊に熱中して過ごす。
大学卒業後、社会人生活を経て、結婚する。
いじめられた経験をもつ者は、なかなか心の傷が癒えていない場合が多い。
当時のいじめっこの顔が、浮んできて怒りや悔しさがこみあげてくる。
私のなかでは、いじめられたという経験は、大人になった今でも、
こんな気持ちにさせる、いやな思い出だ。
「野部(旧姓)は、いつもがんばろう、がんばろうとしている。
がんばるって意味、しっていますか。
我(が)を張(は)る、という意味でもある。
我を張るのは、いつも、いいこととはかぎらない。
我を張っていたら、見えるものも見えなくなってしまうこともあるよ。
離れていっちゃうものもある」
先生に「がんばらないことも大切」、と言われたのは、初めてだった。
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「頑張る」、を辞書で引いてみました。
① 一生懸命に努力(忍耐)する
② 自分の考えを、おしとおそうとして、
どこまでも強く主張する
③ ある場所を守って、いつまでもいる
頑張るにも、②のような意味があること、正直知りませんでした。
あまりいいことのようには、思えませんが・・・・・。
よく「頑張ってね」、と使う言葉ですが、「これ以上何を頑張ればいいのか」
と思う人もいるのではないでしょうか。
励ましの言葉のようでも、その人の受け方によっては、
苦痛の言葉になるかもしれない。
「頑張ってね」の言葉は、やたらに使っていいものか、どうか、
この本を読んで、考えさせられたことでした・・・・・。
庭の丸ツゲの新芽です・・・(私が刈り込んだツゲです)