うちなー→えぞ日記 (もとすけのつぶやき)

奈良県出身、沖縄での学生生活を経て、北海道ライフを堪能する、
とある研究者の日常のよしなしごとの紹介。

お松明を見に行きました。

2007年03月05日 22時04分17秒 | うちなー日記(沖縄編)
 今日は、家族で奈良の早春の風物詩である、東大寺二月堂の修二会、(一般には「お松明」や「お水取り」ともいいます)を見に行ってきました。
 この修二会(しゅにえ)というのは、毎年3月(旧暦の2月)に行なわれる行のことで、二月に修める法会ということで、「修二会」と呼ばれるようになったそうです。二月堂の名称もこの行から来ています。この行は3月1日から2週間に渡って行なわれ、12日には若狭井から二月堂の十一面観音に供える「お香水」を汲み上げる儀式が行なわれます。これをお水取りといって、この儀式の際の道明かりとして、松明に火を灯して練行衆の足元を照らしたのが「お松明」のいわれとされています。修二会は、天平勝宝4年(752年)から途絶えることなく毎年行なわれており、なんと今回で1256回目を数えるそうです。
この二週間の間、「お松明」は毎晩行なわれるのですが、見ればお分かりの通り、かなり大きな松明を使用し、盛んな火勢で、木造のお堂が火事になってしまわないかと心配になるほどの迫力です。(実際に火事になったこともあったとか・・)
 実は私はこれまで見たことがなく、今日初めて見たのです。

 午後7時前に会場に着くと、すでに人でごった返していました。駐車場にとまっているバスの会社を見れば、結構遠くから来られている人もいるようです。人ごみをかきわけて、進んでいるうちに、お堂にかなり近い場所に空いている場所を見つけました。そこなら写真も良いのが撮れそうでした。
 午後7時過ぎ、お堂の周囲をライトアップしていた灯りが全て消され、いよいよ「お松明」が始まりました。
 まず、堂の麓で松明に火が灯され、そこから松明を手にした童子が約百段ある石段を駆け上ります。そしてお堂の舞台に着くと、舞台上を北側から南側へ進むのです。途中、舞台の端では欄干に松明を立てかけて、豪快に火の粉を撒き散らします。ちなみに、その火の粉を被ると、その年一年健康に過ごせるとも言われており、自ら被りにいく人も多いです。中には燃えカスを拾う人もいます。

 今日は良い具合に風が吹いていて、なかなか派手に火の粉が飛んでいました。私の方にも結構降ってきて、被ることができました。火の粉が威勢よく松明から噴出すたびに、大きな歓声が見物客の間から起こり、ものすごい熱気でした。
 合計10本、それぞれ松明を持つ童子によって、微妙な魅せ方の違いがあり、それも面白かったです。

 初めて見た「お松明」でしたが、その迫力と熱気で、とても満足できました。ところで、奈良の風物詩といえば、もう一つ、若草山の山焼きがありますが、考えてみればそれも火祭りの一種のようなものです。大文字焼や花火など、火を使う祭りは日本全国で行なわれていますが、改めて考えると、日本人って火が好きですよねぇ・・。仏教にも影響を与えたという、ゾロアスター教(拝火教)あたりの名残なのかもしれません・・。

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