うちなー→えぞ日記 (もとすけのつぶやき)

奈良県出身、沖縄での学生生活を経て、北海道ライフを堪能する、
とある研究者の日常のよしなしごとの紹介。

琉球大学受験旅行3日目(後期編)

2005年03月12日 16時55分00秒 | うちなー日記(沖縄編)・・旅
そして3日目、試験当日、朝6時半起床、いよいよ最終決戦の日だ。とりあえず今日は気合で乗り切ろうと思う。風呂に入って体力を充電し、早速出発した。いつものルートとなったゆいレールで首里に向かい、そこでタクシーに乗り換えた。余裕をもって試験会場に入ると、まだ席は空いていた。理系複合棟の102号室(大講義室)が会場だ。だんだんと席が埋まっていき、3席を除いてすべて埋まった。どうやら今年も実質倍率が高いようだ。私は出願が遅かったので、座席も後ろの方で、会場内が見渡せる位置だった。実は前期試験で集中できなかった理由の一つに、前の席の人が試験中に鼻をかみまくっていたこともあった。(その人も不合格だったようだが、その前の席の人は合格していた)だから、試験前から周囲の人のそぶりを気にしていたが、どうやら大丈夫そうだ。
いよいよ試験問題が配られる。後期試験は小論文試験で、私にとっては得意分野である。だから、なんとなく気は楽だった。とにかく自分らしく書こうと決めた。
そして試験開始!配られた問題は、第1問目は「琉球大学で海産哺乳類について研究するとすれば、どのような研究をしたいか」で、第2問目が、ダーウィンについての文章のあとで、「ダーウィンの語った『科学への愛』について自らの思うところを述べよ」という問題だった。私としては、第2問はまさしく得意分野だったので、第1問にゆっくりと時間を掛けた。しかし、意外と本番の小論文というのはどこまで自らの考えを述べて、どこまで客観的に述べればいいのかの境目が難しい。結局「600文字程度」の制限のところ、700文字弱になってしまった。しかし、時間が少なくなってきたので、第2問に進んだ。第2問は、とにかく勢いで書いた。自分でも何を書いたのかよく覚えていないのだが、多分「信仰者と科学者の比較」っぽい内容だったと思う。そして終了30秒前にぎりぎり書き終えた。試験を受ける態勢としてはあまり良くなかったが、とりあえず書くべきことは書けた。
さあ、試験は終わった。会場を後にして、4月に必ずここに戻ってくることを誓いつつ、大学を後にした。バスで儀保に出て、ゆいレールに乗り換え、那覇空港に直接入った。
帰りは熊本の親戚の家に寄るため、ANA468便熊本行きに搭乗する。天候が悪化してきていたが、どうやら飛べるらしい。そろそろ慣れてきた手荷物検査を済ませ、全日空側サテライトの搭乗口に着いて、あることに気がついた。来たときに搭乗した関空からの便が、折り返しで熊本行きになるらしいのだ。まず降りたのと同じ搭乗口であり、同じ機材、時間的にも折り返すのにちょうど良い時間である。航空会社の機材繰りはなかなか興味深い。沖縄入りしたのと同じ搭乗口から搭乗を済ませ、予約通りに窓際の席に陣取った。来たときと同じで、座席が新しいものに更新されており、すわり心地も上々だ。
ドアクローズの後、出発、誘導路を進み始めると、機内放送が入る。機長席からで、やはり今日は強い揺れが予想されるらしい。特に、九州地方上空の気流が不安定で、熊本に近づくほど揺れが激しくなるということだ。ちょっと緊張してしまう。隙をみてシートベルトサインを消して機内サービスを行うが、揺れに気をつけてほしいとの内容だった。そして、その放送が終わると同時に離陸滑走に入り、来た時と同様に軽いエンジン音を響かせながらテイク・オフした。今日の風は強い北風で、低空での揺れは少ないが、時折風に煽られるのが少々こたえる。なかなか今日は上昇しないが、乱気流を避けているのだろう。しばし低空飛行を続け、雲の隙間から上昇し始めた。雲の中はやはり揺れる。それどころか、雲の上に出ても揺れが続く。やはり気流が悪いらしい。近距離路線の割にかなりの高空まで上がって、ようやく揺れが収まり、ベルトサインが消灯した。機窓からは美しい空の光景が広がっているが、いつまた大きく揺れるか分からない。まだ小刻みな揺れはあったが、機内サービスが始まった。こういうとき、客室乗務員は大変だなと思う。時折中くらいの揺れが来るが、しっかりと足を踏ん張ってドリンクを配り続けている。テーブルにドリンクを置いたが、時々揺れでこぼれそうになるので、テーブルをしまって、手で持つことにした。
しばらくすると、屋久島上空でまたベルトサインが点灯し、乱気流に入った。まだコップの回収に来ていなかったが、機長からの指示で乗務員も席に着いているということだった。このまま熊本まで揺れ続けるのかなと思ったが、鹿児島付近で揺れは完全に収まった。左には東シナ海から八代海へと続く海岸線が続いていて、美しかった。再び機内サービスが始まり、コップの回収も終わった。しばし夕暮れ時の機窓風景が楽しめた。
熊本上空に入ってくると、着陸態勢に入って速度が落ちてきたこともあり、再び横風の影響が出てきた。時々西風で右側に煽られる。旋回していないのに機体が傾くのは嫌な感じだ。B767型機は中型機に属するので、B747やB777などの大型機にくらべると、風の影響をよく受ける。左に天草諸島が見えたところで、右に旋回し、熊本市交通センター上空を通過して、最終着陸態勢に入った。熊本空港は丘陵地帯にあり、着陸直前までゴルフ場の敷地が続くため、各コースが手につかめるくらいすぐ下に見えて迫力満点だ。今日もなかなかのスリルを味わえた。着陸は意外にスムーズだった。予定よりも30分ほど遅れての到着だったが、そんなことよりも、強風のおかげで空気が澄み、阿蘇山がくっきりと見えていたのが感動的だった。
降機すると、すでに搭乗口に人が並んでいる。折り返しの便の出発時間が迫っているようなのだが、折り返しの便の目的地は伊丹だった。ということは、この飛行機の機材繰りは関空~沖縄~熊本~伊丹とぐるっとまわるものらしい。なかなか興味深いルートだった。
到着口には親戚が迎えに来てくれていた。
外は猛烈に寒かった。沖縄の気温は25度あって、クーラーが入っていたが、、なんと現在の熊本の気温は-1度!コートを鞄に用意しといて良かった。親戚の家に着くと、飛行機の遅延時間の間に買いに行ったという、馬刺しと白魚の踊り食いで少し気の早い合格前祝いを開いてくれた。どちらも初めてだったので、新鮮な美味しさだった。親戚の親切に感謝!その後、温泉にも連れて行ってもらい、疲れを癒すことができた。
その後、夜行バスで奈良に帰り着いたわけだが、今回の旅は全般的に気持ちの良いものだった。帰宅した私の胸には倍率は高いが、なんとなく後期は合格しているのではないかという期待があった。


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