一昨日1月27日、三菱重工長崎造船所にて新日本海フェリーの新造船の進水式が行われました。
三菱長崎造船所初 フェリー2隻同時命名進水式
長崎造船所の長い歴史の中でも、2隻同時の進水式は初めてとのことです。
今回進水したのは、「すずらん」と「すいせん」の姉妹で、私も建造開始前から注目してきた船です。進水を機に新日本海フェリー公式HPでも新造船情報が公開され、いよいよ就航が楽しみになってきました。
「すずらん」と「すいせん」は、苫小牧~敦賀航路に現在就航している船と同名です。2隻とも旧船名がそのまま残ったのは意外でしたが、今後も「すずらん」に乗れるのは嬉しいことです。(初めて北海道に上陸した際に乗った思い出の船名なので・・)
現在同航路に就航している「すずらん」と「すいせん」。細身で流線形のデザインが美しい船です。片道1000km近くある同航路を航海速力29.4ノットの俊足で毎日運航しています。
「すずらん」という船名は、1970年に新日本海フェリーが初めてフェリーを就航させたときの「すずらん丸」から始まり、「フェリーすずらん」、「ニューすずらん」、そして現在の「すずらん」と引き継がれてきた伝統の船名でもあります。実は、初代「すずらん丸」と「ニューすずらん」は、それぞれ就航当時の日本最大トン数のフェリーでした。現在就航中の「すずらん」も1996年の就航当時は日本最長・最速のフェリーで、その年のシップオブザイヤーを受賞しています。そして、今回進水した新「すずらん」もまた、2012年現在日本最長サイズ・最速級のカーフェリーなのです。
去年11月の当ブログの記事で、建造中の写真から新造船の予想図を描き起こしていたのですが、今回の進水式の映像や公式HPで公開された画像などを参考にして、より正確な横面図に描き直してみました。
一番上が現行の「すずらん」、中段が新造船の雛形となった「あかしあ」(小樽~舞鶴航路に就航)、下段が新「すずらん」です。
新「すずらん」・「すいせん」は全長224.5mあり、2004年に就航した「あかしあ」・「はまなす」と並んで日本最長サイズです。ただ、航海速力(通常航海中の最高速力)は「あかしあ」型では30.5ノットだったところ、新「すずらん」・「すいせん」では29.4ノット(現行船と同じ)に抑えられるようです。これは就航する航路の違いによるものと思われ、「あかしあ」型の小樽~舞鶴航路が積丹半島を大きく迂回する航路を取る一方、「すずらん」型の苫小牧~敦賀航路はより直線的に結ぶので、29.4ノットで十分デイリー運航可能なのでしょう。また、30ノットの高速域では、少しの速力の違いで燃費が相当変わるらしく、次世代のフェリーとしての省エネ性を確保するための狙いもあると思います。
上の横面図を見比べると分かりますが、新造船は旧「すずらん」型の意匠をうまく取り込んでいます。「あかしあ」型よりも凹凸が少なくなり、より格好良い船型になったと思います。
新日本海フェリーの公式HPでは、就航まで毎月新造船の情報が次々に公開されるとのことなので、今後は船室や各施設などの内装がどのようになるかが楽しみです。
夏休みには早速乗ってみたいですね。
-追記-12.02.01
色々とネットの情報を漁った結果、新造船の中身が徐々に明らかになってきました。それによると、どうやら新「すずらん」・「すいせん」は既存船とかなり異なった仕様になりそうです。
ポイント1.等級名称がカタカナになるらしい。参考:クルーズニュース記事
現在はスイート、特等、1等、2等といった種別ですが、新造船ではスイート、ジュニアスイート、デラックスA、ステートA、ツーリストAという名称に変わるようです。公式HPの説明では、個室の設備を充実させると書いてあるので、名称変更に伴って何かしらの設備追加がなされるのかもしれません。
ポイント2.なんと露天風呂付き!参考:敦賀港振興協会 「敦賀港だより」1月号
予想図を描く際に客室3層目の開口部らしきものが気になっていたのですが、なんと露天風呂だそうです。3層目の煙突前に新たに出来た公室については、窓の大きさや左舷右舷対称の構造から浴場だろうとは予想が付いたのですが、その前方の開口部が露天風呂だとは夢にも思いませんでしたよ・・。浴場は「あかしあ」型では客室2層目にあったので、それが3層目に移るとそのスペースが空くことになります。また、2層目は船首側の舷側通路が廃されてキャビンが幅一杯まで拡大されているので、合わせるとかなり余裕のある空間が生まれるはずです。恐らく、エントランスから3層目までの吹き抜けが「あかしあ」型よりもかなり拡張されるのでないでしょうか。ますます楽しみになってきました。
三菱長崎造船所初 フェリー2隻同時命名進水式
長崎造船所の長い歴史の中でも、2隻同時の進水式は初めてとのことです。
今回進水したのは、「すずらん」と「すいせん」の姉妹で、私も建造開始前から注目してきた船です。進水を機に新日本海フェリー公式HPでも新造船情報が公開され、いよいよ就航が楽しみになってきました。
「すずらん」と「すいせん」は、苫小牧~敦賀航路に現在就航している船と同名です。2隻とも旧船名がそのまま残ったのは意外でしたが、今後も「すずらん」に乗れるのは嬉しいことです。(初めて北海道に上陸した際に乗った思い出の船名なので・・)
現在同航路に就航している「すずらん」と「すいせん」。細身で流線形のデザインが美しい船です。片道1000km近くある同航路を航海速力29.4ノットの俊足で毎日運航しています。
「すずらん」という船名は、1970年に新日本海フェリーが初めてフェリーを就航させたときの「すずらん丸」から始まり、「フェリーすずらん」、「ニューすずらん」、そして現在の「すずらん」と引き継がれてきた伝統の船名でもあります。実は、初代「すずらん丸」と「ニューすずらん」は、それぞれ就航当時の日本最大トン数のフェリーでした。現在就航中の「すずらん」も1996年の就航当時は日本最長・最速のフェリーで、その年のシップオブザイヤーを受賞しています。そして、今回進水した新「すずらん」もまた、2012年現在日本最長サイズ・最速級のカーフェリーなのです。
去年11月の当ブログの記事で、建造中の写真から新造船の予想図を描き起こしていたのですが、今回の進水式の映像や公式HPで公開された画像などを参考にして、より正確な横面図に描き直してみました。
一番上が現行の「すずらん」、中段が新造船の雛形となった「あかしあ」(小樽~舞鶴航路に就航)、下段が新「すずらん」です。
新「すずらん」・「すいせん」は全長224.5mあり、2004年に就航した「あかしあ」・「はまなす」と並んで日本最長サイズです。ただ、航海速力(通常航海中の最高速力)は「あかしあ」型では30.5ノットだったところ、新「すずらん」・「すいせん」では29.4ノット(現行船と同じ)に抑えられるようです。これは就航する航路の違いによるものと思われ、「あかしあ」型の小樽~舞鶴航路が積丹半島を大きく迂回する航路を取る一方、「すずらん」型の苫小牧~敦賀航路はより直線的に結ぶので、29.4ノットで十分デイリー運航可能なのでしょう。また、30ノットの高速域では、少しの速力の違いで燃費が相当変わるらしく、次世代のフェリーとしての省エネ性を確保するための狙いもあると思います。
上の横面図を見比べると分かりますが、新造船は旧「すずらん」型の意匠をうまく取り込んでいます。「あかしあ」型よりも凹凸が少なくなり、より格好良い船型になったと思います。
新日本海フェリーの公式HPでは、就航まで毎月新造船の情報が次々に公開されるとのことなので、今後は船室や各施設などの内装がどのようになるかが楽しみです。
夏休みには早速乗ってみたいですね。
-追記-12.02.01
色々とネットの情報を漁った結果、新造船の中身が徐々に明らかになってきました。それによると、どうやら新「すずらん」・「すいせん」は既存船とかなり異なった仕様になりそうです。
ポイント1.等級名称がカタカナになるらしい。参考:クルーズニュース記事
現在はスイート、特等、1等、2等といった種別ですが、新造船ではスイート、ジュニアスイート、デラックスA、ステートA、ツーリストAという名称に変わるようです。公式HPの説明では、個室の設備を充実させると書いてあるので、名称変更に伴って何かしらの設備追加がなされるのかもしれません。
ポイント2.なんと露天風呂付き!参考:敦賀港振興協会 「敦賀港だより」1月号
予想図を描く際に客室3層目の開口部らしきものが気になっていたのですが、なんと露天風呂だそうです。3層目の煙突前に新たに出来た公室については、窓の大きさや左舷右舷対称の構造から浴場だろうとは予想が付いたのですが、その前方の開口部が露天風呂だとは夢にも思いませんでしたよ・・。浴場は「あかしあ」型では客室2層目にあったので、それが3層目に移るとそのスペースが空くことになります。また、2層目は船首側の舷側通路が廃されてキャビンが幅一杯まで拡大されているので、合わせるとかなり余裕のある空間が生まれるはずです。恐らく、エントランスから3層目までの吹き抜けが「あかしあ」型よりもかなり拡張されるのでないでしょうか。ますます楽しみになってきました。
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