五月も半ばを過ぎると、低地に春は欠片も無くなってしまう。
一時期、スプエフェ開花ラッシュに湧いた里山はどこも鬱蒼とした草薮に変わり、
一歩踏み込んだら、ムッ( ̄π ̄;とした草いきれ、
それは我慢できるとしても、やぶ蚊の襲来にはたまったもんじゃない。
あの素敵に明るい春はどこへ行ったのだろう。
春の女神様は高い山の上に飛んで行った。
秋田では、5月末から6月始めの時期ならば、標高1000m前後の山上にいらっしゃる。
今回は深山の遅い春の様子をお目に掛けよう。
まずは、八幡平大場谷地。5月31日(月曜日)の模様。
この日は休日出勤の代休。前日同様、素晴らしい五月晴れだった。
一面の枯れ野原と思いきや
奥の方は、ハクチョウの飛来地ならぬミズバショウの群生地と化していた。
ミズバショウがいっぱい。
リュウキンカも負けてはいない。
ここのリュウキンカはエゾノリュウキンカ。
エゾノリュウキンカとミズバショウの混生
今盛んと芽だし中のものも有った。
エゾノリュウキンカの蕾
ニッコウキスゲの芽出し
コバイケイソウの芽出し
下界の暦では晩春初夏だが、林の中はまだ冬衣に覆われたまま。
此処は雪が消えた場所が春なのだった。
「六月中旬の大場谷地」に続く。
エゾノリュウキンカの蕾やコバイケイソウの芽出しが可愛らしいです♪
「雪が消えた場所が春」って、なるほどですね。
春は次々と高所へ・・ですね。
高山は「雪が消えた場所が春」を体感できます。
鳥海山や焼石岳の雪渓周辺では、真夏の八月にミズバショウやリュウキンカの花を見ることが有ります。
こういった場所ではお盆にやっと春なんですね。
更にもっと遅く、九月の紅葉シーズンにヒナザクラの花を鳥海山で見ました。
やはり雪渓の際ですが、
その場所は年によっては十月のあたまに新雪に覆われます。
生育期は二ヶ月あるかないか。それなのに花を咲かせ、生命を繋いでいる。
何事にもすっかり鈍くなってしまった自分ですが、さすがに感動してしまいます。