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時事通信社刊 『昆虫記者のなるほど探訪』は175ページ 1800円+税
昨夜はジュンク堂池袋本店にて、虫友である天野和利さんの初虫本出版を記念して、トークセッションを行いました。
定員40名の「満員御礼」。ご参加ありがとうございました!
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拍手に迎えられて、天野さん登場。
で、トークをはじめたんだけど・・・・・
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椅子に座ったとたん・・・なんだ、これ!?ま、まぶしー
どうもスクリーンに映写するためのプロジェクターからの強烈な光が、ちょうど私の顔に当たっているらしく・・・・・・でも、トークが始まったばかりで、とにかく話をすすめようと、位置をずらす余裕もなく目をしばたたきながら話はじめた。
あとで、「海花さん、顔がライトに直撃されて、まだらになってましたよ」といわれ、えー、早く教えてよー。
撮ってもらった写真の中にはこんな・・・・・・
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顔にハンミョウがべったり映ってる。なぜか後ろの濃い影も表情もホラー風。
まあ、自分では自分の顔は見えないので、まぶしさと戦いながらトークを続けました。
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「いつも時事ドットコムの昆虫記者を読んでいる人?」ときくと、こんなに手が挙がった。天野さん、うれしそう。
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「無料で読めるサイトと、書籍の違いは?」
「有料の書籍を買って楽しんでもらうのにどんな工夫が?」
などなど、私から質問。
その後、画像を見ながら、本のサワリを紹介。
この本は4章で構成されている。
①「ハズレなし、お手軽昆虫名所めぐり」ー場所情報も充実の関東のスポット紹介。
②「昆虫記者と素敵な熱虫人」:養老孟さん、鳩山邦夫さんといった超大物虫好きと、メレ山メレ子さん、新井まゆこちゃん、それに私などの、取材記事。
養老さんや鳩山さんの取材アポは、天野さんが自分で電話して、翌日すぐにOKをいただいたそう。一般公開されていない養老先生の箱根の標本館内部はとにかくゾウムシの標本だらけ、鳩山さんは広大なお屋敷のなかにお孫さんのための蝶飼育室を持っている、話を引き出すための渾身の下見、などなど天野さんのトークはいつものように、ストップをかけないと止まらない。
③「さらにディープな昆虫の世界」:時事ドットコム掲載時にダントツのアクセス数を誇った毒虫の話や、蛾を愛ずる川上多岐理さんの話。
「この本はね、なんと後ろにいくほど盛り上がって面白くなる構成になってるんですよぉー!ハハハっ」(でも、それって、ふつうじゃね?)と昆虫記者が胸を張る最終章④は「海外虫旅行で家庭崩壊の危機」:たしかに昆虫記者の連載コンテンツのなかでも抜群に面白いのがこの海外編。虫に興味のない奥様と息子さんと行く家族旅行のために、いかに綿密に作戦を立て、観光旅行と見せかけて虫を見る日程を巧みに組みこむか、その血のにじむような苦労を披露。
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そして最後に、昆虫記者流フィールドグッズを紹介。
ペッタンコになるプラスチックの吸い口のついた水入れや、
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さて、聞いているみなさんは、よしっ、買わなくちゃ、という気になってくれたでしょうか?
「エピローグ」によると、この本は奥様と息子さんに捧げられている。
そうだ、奥様や息子さんは、昆虫記者が本になるときいて何て言ったのか、訊くの忘れちゃった。今度訊いてみよう。
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最後に、私が先週行ってきたばかりの葛巻を紹介しつつ、特別ラベルのワインをみんなでちょびっとずつ試飲していただきました。
ところで、このトーク会場のスクリーンの両脇の絵にお気づきでしょうか?
そう、正面左の3点が宇佐美朋子さんの布地に描かれたヨナグニサン、右の3点は竹上妙さんの新作『バッタ』を含む木版画。
いつもは名画が掛かっているこのスペースも虫の絵で、という私のワガママに、お二人が3点ずつ、数時間の展示のために重い額を背負ってきて展示してくれたのです。
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重いのをありがとう!竹上妙さん(左)、宇佐美朋子さん(中央)。
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ふたりの虫アイテムは、ジュンク堂7Fの昆虫本棚付近で販売しています。
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あ、それかわいい!まだ試作だという宇佐美さんのハムシバッグ。
会場の出口の机には、発売前の新著が山積み。
天野さんがうれしそうに、さっそく買ってくださった方にサイン。
みなさんに帰りの挨拶をしていると、時事通信社のお二人の方から名刺をいただいた。
その名刺には・・・・・・まさかの驚愕の肩書きが!!!
こんな虫ばっかりに夢中な天野さんみたいなジャーナリストは、もしかすると会社のなかで相棒もいない「特命係状態」なんじゃないか、と私は危惧していたのですが、とんでもなかった。
特命係どころか、昆虫記者は時事通信社さんの「期待の星」だったのです。
みなさん、改めて、天野和利の『昆虫記者のなるほど探訪』、よろしくお願いしますっ!
会の後、近くの椿屋珈琲店で、お疲れ様会。
昆虫写真家の森上信夫さんはじめ11人、ケーキやお茶で、またまた虫の話で盛り上がり、
4月になったら、森上さんの案内で、小野路へみんなで観察に行くことが決定。
「あ、そういえば箱根の養老昆虫館のすぐそばに、うちのね、家があるんです。今誰も住んでないんだけど。夏にあそこで合宿したらどうかな」と竹上さんが言い出して、みんなの心は春から夏への楽しみな計画でいっぱいになったのでした。
ところで、この会には兵庫から伊丹昆虫館の長島聖大さん、大阪からは虫ともだちの石田さんがはるばる来てくれました。
長島さんのお土産は、できたての『いたこんニュース』。表紙は現在開催中の『カメムシだらけに、したろか~』展のポスター。
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そして、石田さんからもらったのは・・・・・・
家の近所で見つけて累代飼育3代目というウスタビガのたまごだよ~
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枝についているのはみたことがあるけれど、触ってみると、こんなに硬くしっかりできているんだ!
うー、楽しみ。
寒い夜だったけれど、体も心も暑いくらいホカホカで帰路につきました。