「たくさんのふしぎ 『わたしたちのカメムシずかん』」。
9月26日、発売(10月3日)までにまだ間があるので、
印刷所から先に届いた分を持って、いちばん最初に読んでほしい人たちがいる
岩手県葛巻町の江刈小学校へ。
これで葛巻訪問も8回目となりました。
この本は江刈小学校のみんなと葛巻町の人たちとカメムシが主人公。
本にも登場する江刈小学校元校長、小野公代先生も駆けつけてくださいました。
左から江刈小学校金沢校長先生、小野元校長先生、葛巻町教育委員長の中田さん、
わたし、日本原色カメムシ図鑑出版社営業の大久保さん。
プロジェクトのサポートをしてくださったみなさんです。
昼食をいただいた後は、いよいよ江刈小学校へ、GO!
江刈小学校は現在新校舎を建築中。
なんと旧校舎の1.5倍の大きさになるそう。
しかも林業の町ならではの総木造。あたりには樹の香りがすがすがしく流れている。
来年春に新校舎ができるまでの間、少し離れたところにある江刈中学校の3Fに
間借り中。
金沢校長先生に、「引っ越しが多くてたいへんですね」というと、
「いやぁ、ここもなかなかいいんですよ~」と。
教室を見せていただいて、すごーく納得。
こんな眺めの教室で勉強できるなんて!
なんだか、ずっと居たくなる教室でした。
さて、図書室にみんなが集まって、校長先生が拙著を紹介してくださいました。
今年は総児童数24名の江刈小学校。
3年前、本が出版できるよう、みんなの力を貸してほしい、とお願いした私は
こうして願いがかなったことを報告し、感謝の言葉を・・・もっといろいろ言うことを考えていたのですが、泣きそうになったので、短くしました 笑。
本をひらいた子供たちからはさっそく
「あ、これ〇ちゃんだ!」
「これ、あたしじゃない?」
「このカメムシはおいらが見つけたやつだ」
とあちこちから声が。
そう、この本の主人公は、きみたちとカメムシ。
みんなの前で新著を朗読、緊張するけど超幸せなひととき。
感想がある人は立ってください、という先生の言葉に、こんなにたくさんの子どもたちが!
「古い校舎が描かれていて、すごくなつかしくなった」
「友達もぼくも出ていて、うれしかった」
「カメムシのことがよくわかって、おもしろかった」と、
最初のうちは、「どんなカメムシが好き?」と訊いても、すうっと顔をそむけていた恥ずかしがり屋で虫好きのS君。訪問3回目あたりから、いっしょにカメムシ探しをしてくれました。
そして写真左の緑色のTシャツを着ているのがT君。このふたりは同学年でいいコンビ。
カメムシはかせ1号、2号としてずっと惜しみない協力をしてくれました。
あ、右端の緑のTシャツの、T君の弟のST君もね。「カメムシ、だいっきらい!」といいながら
探し始めると夢中になっちゃう、やんちゃくん。
みんなみんな、ありがとう。
記念撮影。
この日、江刈中学校の生徒たちは、職場体験で不在なのが、残念でした。
江刈小学校を卒業すると、ほとんどの子どもたちは江刈中学校へ進学するので
3年前に本作りがスタートしたときにいっしょにカメムシを探した子たちは今ここに在学中。
この制作をとおして感じたのは、学校というのはどんどん新陳代謝していく、ということ。
校舎も新築中、校長先生も3人目、もちろん生徒たちも卒業、進学、入学・・・・と。
それでもこのカメムシプロジェクトを途切れることなく続けてこられたのはひとえに
葛巻町役場の教育委員会はじめ町の方々、プロジェクトを引き継いでくださった校長先生や教職員のみなさまのおかげです。また、カメムシ調査を指導して立派な標本をつくってくれたカメムシ研究者 石川忠さん、長島聖大さん、この話にすばらしい絵を描いてくださった絵本作家はたこうしろうさんにも、この場を借りて、心からお礼申し上げます。
この日は岩手放送、岩手日報、葛巻テレビも取材に来てくれました。
上の写真中央の女性は葛巻テレビ取材担当の波紫尚子さん。なんと江刈小学校の卒業生なんだって!
なんか、ローカルの媒体って、いいなあ。
地域に密着した日々のくらしの話題を伝えていくって、すごくすてきな仕事だと思う。
さて、この日は自宅から江刈小学校まで片道4時間半の移動、さらに(ホテル2軒とも満室で)日帰りというスケジュールでしたが、やっぱりここに来たら虫が見たい!
ほんの15分ほどでしたが、校舎の裏で、ツノアオカメムシ(乾燥 笑)と、
ずっと見たかったハッカハムシが見つかりましたー!
葛巻町は、わたしにとって
訪ねるたびに
いくつもの願いを叶えてくれる町。
ほんとうに、ありがとうございました!