![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/b7/a1464c234e89253f3b5f72decb532e8a.jpg)
ハートマークで歓迎してくれた、「オオムラサキセンターびばりうむ」のハバチの幼虫。
前夜、中央本線は30日特急運休というニュースがはいり、
やっぱり台風は来る、ということが確実ななか、
山梨県北杜市オオムラサキセンターでの『虫愛ずる一日』は決行されたのでした。
しかし、当日の観察会予約キャンセルは2名のみ。
台風に追いかけられながらも、最終的には40名もの方が参加してくださり、計画どおり、
午前の観察会、交流ランチ、対談と、すべてのプログラムを無事終えることができたのは、ひとえにみなさんの熱意のおかげでした。
「虫好きな女性は増えているんでしょうか?」とメディアの方にときどき質問され、
「たぶん・・・・」と答えていたのですが、
これからははっきり「はい、増えています!」と答えることにしましょう。
しかも、その年齢層の広さにまた驚き。
私にとっては、虫観察もさることながら、虫愛ずるひとびと観察に
興味津々の一日でした。
たとえば、
小学生の女の子とお父さん、
ツノゼミが大好きという小学4年生(この年齢でツノゼミみたいな小さなサイズの虫に集中できるのがすごい)の男の子とお母さん、
地元、北杜高校放送部の女子高生(年に一度の放送コンテストに応募する作品制作の取材もかねての参加)、
虫好きな娘のために申し込んだという母娘、
大学生の虫ともだちはふたりで、
材木会社に勤めているのでマレーシアなど虫の多い国にも行くチャンスがあるというOL、
70歳代と思われる杖をついたおばあちゃんまで、まさに「虫愛ずる姫一代記」みたいな
年齢層の広さでした。
地元山梨の虫好きさんたちはもちろん、東京から、遠方からは北九州、大阪、愛知、名古屋からと参加者の住まいもさまざま。
また近隣のペンション『八ヶ岳自然ヒュッテ』のオーナー竹内さん、
地元『山梨日日新聞』と『八ヶ岳タイムズ』の記者さんたち、北九州から遠路きてくれた森先案内人石原さん、
生物専攻の大学生2名など、
男性陣の参加がさらにこの会を盛り上げてくれたのでした。
山梨日日新聞WEBサイトではさっそく記事になりました。
まずは、オオムラサキの幼虫「ムーちゃん」のいる生態園「びばりうむ」へ。
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ムーちゃんたちはこの時期、3齢から4齢に育ち、体も2センチ近くの大きさに育っています。
もうすぐ食樹のエノキの枝から地面に降りて、枯葉の下で越冬にはいるそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/3d/6dbdbb6eaeb5468f4e369e5b7a06dcaa.jpg)
ふつうの来園者はこの「びばりうむ」で、オオムラサキの幼虫を見るわけですが、
きょうの参加者の虫目は、それだけでは収まりません。
ここは総金網張りなので、鳥に食べられることなく他にもいろいろな幼虫がいるんです。
まるっこい頭部がかわいいハバチの幼虫。
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イラガ幼虫贔屓の私がはじめてみるヒメクロイラガ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/b5/037630b4a83bf2921c8e1bed57c9c74c.jpg)
点描のような模様から毒棘が生えているところなど、見るからに痛そうでスゴ味がある。
鳥のフンに擬態している系の蛾の幼虫。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/0b/1a374d9d26df30314c59ac16a3227e7b.jpg)
そしてあの『イモムシ ハンドブック』の表紙のセンターを占める人気者
リンゴドクガの幼虫も見つかりました!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/8f/1933eec2c89a955e6009844e975002fb.jpg)
次はオオムラサキセンターから5分ほど歩いたところにある棚田のある風景のなかで、
みんな散らばって虫さがし開始。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/8b/d12af1d9b1c69f1eecbec510d2eb42cf.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/56/d0f5a6053f7bb16d7cbd3148f4f7c1a7.jpg)
そう!川邊園長を囲んで、夢のリアル『むし探検広場』実現です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/0e/7908aefc351cffc9e38307d1353f7e4c.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/86/9855b29a69c0a8370160c84c8cce1a5a.jpg)
参加者のなかには、赤ちゃん連れの若夫婦もいました。
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妻→幼虫好き、夫→成虫好きなんだそうです。虫好きがうらやむ理想のカップルです。
子どものときからの虫好きが、人生のなかで躓くのが、配偶者を探すときだといわれています。
ずっと採集してきた大事な標本を拒否されるとか、
虫好きをカミングアウトして、ちょっと変わっている女性だと敬遠されるとか。
そんなことから考えると、このふたりの出会いはもうハッピーというしかありません。
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きれいなヨコバイをいろいろ探してくれた男性陣。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/51/aa24ee2575437d65f7470ff584e19cac.jpg)
うすーいブルーが美しいオオヨコバイ。
一生懸命ビデオで撮影する北杜高校放送部員のふたり。
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葉のうえにチョコンといた黄色いカエル。
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そして、この日の参加者で最高齢と思われるおばあちゃん。
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杖をついているので、細い坂など大丈夫だろうか、という心配をよそに、
滑りやすい坂道を私より早いスピードで、下って行きます。
そして、虫らしきものを見つけると、杖を置いて虫眼鏡をとりだし、
一心に観察しているその姿は、虫を見る楽しみは一生モノだと教えてくれます。
虫好き人生の範としたい方でした。
コスモスが咲き乱れる里山で、ほんとに台風来るの?というさわやかな空気のなか、
1時間半ほどの観察を楽しんだ後は、センターのテラスで楽しいランチの時間です。
まずはみんなで簡単に自己紹介。
好きな虫をきいてみると、カマキリ、ナナフシ、ツノゼミ、ガムシ、ガ、チョウ、テントウムシ、カメムシ・・・・・などなど実にヴァラエティに富んでいる。
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ところで、このランチタイムを少しでも楽しいものに盛り上げようと、
オオムラサキセンターのスタッフたちは、どうしたら女性によろこんでもらえるだろう?と知恵をしぼってくれたようです。
テラスの中央には、竹と野の草花を使った豪華な花飾り。
テーブルの上にも、花が飾られて華やかな雰囲気を演出しています。
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そして、間伐材を使ったピザ窯で焼いたピザの美味しかったこと!
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生ハムや地元の野菜がたっぷりトッピングされてボリュームも満点。
炭火で焼いた団子がまた、タレの味がさっぱりしていて美味しいんだなあ。
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さらにサービスとして、コーヒーにこだわりのあるスタッフのひとりが淹れてくれるひきたて豆のコーヒー、地元の伝統食であるクロスズメバチ(地蜂)のバター炒めやイナゴの佃煮、ナスとみょうがのお漬物までが、おしゃれな竹の取り皿とともに供されました!
こんな心のこもったもてなしに、ランチ交流会が盛り上がらないわけがありません。
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地蜂せんべいとクロスズメバチのバター炒め。
初めて食べたクロスズメバチは、もう栄養満点という感じの濃いぃい味でした。
にぎやかでなごやかなランチ&交流会の後は、ビデオルームに集合して、
川邊さんと私の対談。
川邊さんからは、全国から毎日寄せられる投稿の半分は女性からとか、
男性が「この虫の名前を教えてください」というシンプルな投稿が多いのに対し、
女性からの投稿文には、虫の様子が添えられていることが多いという
男性と女性の違いについての興味深い指摘が。
また男性の場合は、昆虫少年がそのまま大人になったようでいつまでも子供っぽい(笑)のに比べ、
女性の虫好きは、どこか自覚的で大人っぽい、という話も。
たしかに、考えてみるとそうかな。
『虫さがしは、大人の女性のたしなみです!』なんて、言える日が来ないかなぁ・・・・来ないか。
また虫の写真を見ながら、それぞれの虫の観察場所の情報や、
これから10月、11月に見られるヤママユガ類の観察方法などの耳より情報も。
複眼の昆虫に察知されずに接近するには、横方向に動かず、
虫に向かって前後に動くといい、などすぐに役立つちょっとしたコツなども教えていただきました。
1時間の対談が終わるころ・・・・・・ついに台風に追いつかれましたー。
外は激しい雨。
帰りを急ぎたいところなのに、ほとんどの方が、熱心にアンケートに答えてくださっている。
みなさん、帰路はきっと苦労して帰られたと思いますが、
台風なんかへいちゃらよ、という虫愛ずるひとびととの
忘れられない一日でした。
この催しを機に、オオムラサキセンターではHPに
『虫ガール情報局 虫好き女子のために情報発信ブログ』を立ち上げてくれました。
私を含め『ガール』という部分に抵抗のある方もいらっしゃるとは思いますが(笑)、
女性の方で虫観察、飼育などのブログを運営していらっしゃる方は
ぜひここに登録してください!
虫が好き、という女性たちは、予想通り、かなりこだわりをもっている人が多いと今回感じました。
だからふだんはひとりでじっくり観察というスタイルだと思います。
でも、一年に一回くらいは、こんなふうに同好のひとたちと集まって、
知識を深めたり、情報を交換したり、虫話に興じたり、という機会も
あってもいいのではないかな、と思います。
今後も、またそんな機会をつくれることを願っています!