きのうは、出版社、印刷屋さん、デザイナー、私の4者で顔を突き合わせて最終の確認をし、
6月に出る拙著『毎日が楽しくなる―虫目のススメ―虫と、虫をめぐる人に話』のすべての入稿データを印刷屋さんに渡しました。
原稿が書きあがり、掲載する写真がセレクトされ、その両方がデザインされ・・・・・・・
でもその後も、1冊の本を作るのにはまだまだ決めることがたくさん。
そしてそのすべては、出版日までの時間と、
かけられるコストの制約内で決めなければならない。
下は、これで印刷してしまっていいか、何か変更するのならもうこれが最後の最後ですよ!
という確認のために、きのう私が印刷屋さんから受け取った見本のいろいろ。
●右の方に絵が見えているのがカバーの本紙校正
(実際に使う紙で刷ってみたもので色の調整などをするため)。
●オレンジ色のは、本表紙―カバーを取った状態の本体の外側。
これは1色しか使えないので、特色のオレンジにしてもらったが、
ちょっと重いのでピンクに変更。
●左上のほうにある束は、私が格闘した校正用紙。
●下に敷いてあるのは、1折りだけ本紙で刷った内容の見本。
16Pを1枚の紙に刷った裁断前の状態。
(本は通常16ページを一折として構成され、たいていはその倍数で全体のページ数が決まる。
時間とコスト削減のため、最近はほとんど色校正はこのように、
1折りだけ本紙で印刷することが多い。
ちなみに『虫目のススメ』は11折なので176ページの本になる)。
●真ん中あたりに白く見えるのは束見本(つかみほん)。
これは使用するのと同じ白い紙で、本の厚みや全体の感じを見るためのもの。
同じ種類の紙の2種類の厚さのものをつくってもらった。(薄いほうを選択)
出版社と著者にとって重要なのが、
書店でお客さんに手に取ってもらえるかどうかを決める最前線を担う「顔」であるカバー。
デザインは以前お伝えしたように、竹上妙さんの木版画と、
帯に虫の写真が入ることに決まっていたけれど、
この紙に、強度と風合いなどをプラスするための表面加工(PP加工という)をする。
その加工法の選択肢は次の3つ。
1:マット
2:グロス
3:ニスびき
あんまりぴかぴか、てらてらした風合いの本は好きではないので、
今までの著書や編集に携わった書籍ではマットかニスびきを選んできて、
グロスというのは使ったことがない。
前著『虫目で歩けば』では、表紙につかった写真が、
羊毛をリネンに刺しこんだ手芸風のものだったので、
紙もちょっと布地っぽい風合いのものを選び、PPはニスびきを選んだ。
しかし、今回は予算の関係から、そういった高い紙は使えず、紙種はアート紙と決められている。
やたら光っているのはイヤだ、と、のっけからグロスという選択はない、
と思っていたのだが、印刷屋さんがいちおうグロスも見本をつくってくれて……
それを見てびっくり~!!!
マット加工だと絵柄が沈んでしまって、
せっかくの竹上さんの活き活きとした木版画が平面的で重く精彩がない感じ。
逆に、今まで選択したことのないグロス加工が、なんかなんか、すんごくしっくりくる。
どうしてこんな風に感じるんだろう?
このエナメルでおおったような感じって―
あっ、テントウムシの翅の感じと同じなんだ!
羽化してしばらくたって体色がきれいに出てきたばかりの、
そうあのつやつやしたナミテントウやナナホシテントウの翅の風合い!
絵柄がテントウムシだし、すご~く合っている。
ということで、文句なく今回はグロス加工を選択しました。
本自体が、「テントウムシみたいな風合い」になるといいな、と思って。
そして気になる定価なんですが……
1900円+税で、限りなく2000円に近い。
本の値段はなるべく安くしてたくさんの方に読んでもらいたい、と、
この値段の設定をもっと低くできないか、とお願いして出版社に検討してもらってきたのですが、
前著『虫目で歩けば』の128ページに比べ、
今回は176ページと50ページ近い増ページであったこともあり、
とうとう、この定価に決定してしまいました(涙・・・・・・)。
全国の書店に行きわたるのは6月後半になりそうですが、
6月16日に行われる北杜市オオムラサキセンターでの『虫愛づる一日』では、
著者割引きで買った分を、定価より安い価格で、
ご提供したいと思っています。
写真もデジタル、原稿もデジタル、デザインもデジタルで、
校正作業もPDF上で行うことがどんどん増えていますが、
そのすべてが紙の本という、実体をもつ「モノ」に集約されるのが、面白いなあ、
と今回の本作りでは特に感じています。
アナログにこだわる人もいますが、
私は場面場面に応じて、どちらも取り入れればいいや、と思っています。
本もタブレットで電子書籍を読むときもあるし、
ゲームもダウンロードでたちまちできるのがうれしいし(そういえば、もうすぐ『アトリエシリーズ』の新作でるんだ~。たのしみ)、
発信したいときにすぐできるブログを書くのも楽しい。
同時に、紙でできた本の実体感も大好き。
読んで、見て、触って、実体あるモノとして,
の魅力を楽しんでもらえるような、
隅から隅まで、(もちろんさまざまな制約はあるが)
目配りをした本作りをこれからもしていきたい、と思います。
オオムラサキセンターでの催しについては、こちらでご覧ください。
『虫愛づる一日』
場所:山梨県北杜市オオムラサキセンター
期日:2013年 6月16日(日) 10:30~15:30
参加申し込みはこちらで:
6月に出る拙著『毎日が楽しくなる―虫目のススメ―虫と、虫をめぐる人に話』のすべての入稿データを印刷屋さんに渡しました。
原稿が書きあがり、掲載する写真がセレクトされ、その両方がデザインされ・・・・・・・
でもその後も、1冊の本を作るのにはまだまだ決めることがたくさん。
そしてそのすべては、出版日までの時間と、
かけられるコストの制約内で決めなければならない。
下は、これで印刷してしまっていいか、何か変更するのならもうこれが最後の最後ですよ!
という確認のために、きのう私が印刷屋さんから受け取った見本のいろいろ。
●右の方に絵が見えているのがカバーの本紙校正
(実際に使う紙で刷ってみたもので色の調整などをするため)。
●オレンジ色のは、本表紙―カバーを取った状態の本体の外側。
これは1色しか使えないので、特色のオレンジにしてもらったが、
ちょっと重いのでピンクに変更。
●左上のほうにある束は、私が格闘した校正用紙。
●下に敷いてあるのは、1折りだけ本紙で刷った内容の見本。
16Pを1枚の紙に刷った裁断前の状態。
(本は通常16ページを一折として構成され、たいていはその倍数で全体のページ数が決まる。
時間とコスト削減のため、最近はほとんど色校正はこのように、
1折りだけ本紙で印刷することが多い。
ちなみに『虫目のススメ』は11折なので176ページの本になる)。
●真ん中あたりに白く見えるのは束見本(つかみほん)。
これは使用するのと同じ白い紙で、本の厚みや全体の感じを見るためのもの。
同じ種類の紙の2種類の厚さのものをつくってもらった。(薄いほうを選択)
出版社と著者にとって重要なのが、
書店でお客さんに手に取ってもらえるかどうかを決める最前線を担う「顔」であるカバー。
デザインは以前お伝えしたように、竹上妙さんの木版画と、
帯に虫の写真が入ることに決まっていたけれど、
この紙に、強度と風合いなどをプラスするための表面加工(PP加工という)をする。
その加工法の選択肢は次の3つ。
1:マット
2:グロス
3:ニスびき
あんまりぴかぴか、てらてらした風合いの本は好きではないので、
今までの著書や編集に携わった書籍ではマットかニスびきを選んできて、
グロスというのは使ったことがない。
前著『虫目で歩けば』では、表紙につかった写真が、
羊毛をリネンに刺しこんだ手芸風のものだったので、
紙もちょっと布地っぽい風合いのものを選び、PPはニスびきを選んだ。
しかし、今回は予算の関係から、そういった高い紙は使えず、紙種はアート紙と決められている。
やたら光っているのはイヤだ、と、のっけからグロスという選択はない、
と思っていたのだが、印刷屋さんがいちおうグロスも見本をつくってくれて……
それを見てびっくり~!!!
マット加工だと絵柄が沈んでしまって、
せっかくの竹上さんの活き活きとした木版画が平面的で重く精彩がない感じ。
逆に、今まで選択したことのないグロス加工が、なんかなんか、すんごくしっくりくる。
どうしてこんな風に感じるんだろう?
このエナメルでおおったような感じって―
あっ、テントウムシの翅の感じと同じなんだ!
羽化してしばらくたって体色がきれいに出てきたばかりの、
そうあのつやつやしたナミテントウやナナホシテントウの翅の風合い!
絵柄がテントウムシだし、すご~く合っている。
ということで、文句なく今回はグロス加工を選択しました。
本自体が、「テントウムシみたいな風合い」になるといいな、と思って。
そして気になる定価なんですが……
1900円+税で、限りなく2000円に近い。
本の値段はなるべく安くしてたくさんの方に読んでもらいたい、と、
この値段の設定をもっと低くできないか、とお願いして出版社に検討してもらってきたのですが、
前著『虫目で歩けば』の128ページに比べ、
今回は176ページと50ページ近い増ページであったこともあり、
とうとう、この定価に決定してしまいました(涙・・・・・・)。
全国の書店に行きわたるのは6月後半になりそうですが、
6月16日に行われる北杜市オオムラサキセンターでの『虫愛づる一日』では、
著者割引きで買った分を、定価より安い価格で、
ご提供したいと思っています。
写真もデジタル、原稿もデジタル、デザインもデジタルで、
校正作業もPDF上で行うことがどんどん増えていますが、
そのすべてが紙の本という、実体をもつ「モノ」に集約されるのが、面白いなあ、
と今回の本作りでは特に感じています。
アナログにこだわる人もいますが、
私は場面場面に応じて、どちらも取り入れればいいや、と思っています。
本もタブレットで電子書籍を読むときもあるし、
ゲームもダウンロードでたちまちできるのがうれしいし(そういえば、もうすぐ『アトリエシリーズ』の新作でるんだ~。たのしみ)、
発信したいときにすぐできるブログを書くのも楽しい。
同時に、紙でできた本の実体感も大好き。
読んで、見て、触って、実体あるモノとして,
の魅力を楽しんでもらえるような、
隅から隅まで、(もちろんさまざまな制約はあるが)
目配りをした本作りをこれからもしていきたい、と思います。
オオムラサキセンターでの催しについては、こちらでご覧ください。
『虫愛づる一日』
場所:山梨県北杜市オオムラサキセンター
期日:2013年 6月16日(日) 10:30~15:30
参加申し込みはこちらで: