いい日でした、6月2日は。
からっとして、風も強くなく、温度も上がって。
なのに原稿仕事。
明るい外を横目でみながら、猛ダッシュで仕事をして3時になんとか終わり、
まだ陽も明るいので、急いで近所の「わたしの聖域」にでかけました。
家から5分くらい歩いたところに民家園と神社があり、この神社の急な(見あげただけで疲れる急勾配)階段の下にずっと売れないまま忘れられているような売り地があり、まわりを木に囲まれて、草がはえまくり。
春はこんな様子。
初夏のいまはこんなふう。
ちょうど小さな家一軒建つくらいの広さなのですが、けっこう虫が多くて、ちょっと見ていると1時間くらいあっという間にたってしまうわたしの聖域。
たぶん草刈をしていないせいか、今までに積み重なった枯れ草が地面をおおっていて、この中に大量のコモリグモが住んでいます。
行くたびに、「草が刈られていませんように」と心のなかで祈ります。いままで何度も悲しい思いをしてきたから、気持ちのどこかに「ある日消えてしまう・・・」覚悟はありますが。
ブログトップのヒメカノコテントウもここで見つけた。
春にはカラスノエンドウやギシギシ、イネ科の草やクローバーなどが繁茂し、大量のテントウムシがいましたが、季節が移って、だんだんクズやヤブガラシなどが旺盛になってきています。それとともに、虫の種類も変わってきているよう。
1, 5センチほどのカニグモ2種。すごいオデブ。クモが太っているのは虫が多い証拠だろうか。
こちらのは頭胸部背面にサルの顔のようにみえる模様が。
クズの常連はマルカメムシ。もうじき成虫とはまったく違う、幼虫の姿が見られるでしょう。
ヤブガラシにはキイロテントウ。きょうもまた会えてうれしいです~
ナナフシのこども。体長はまだ8センチくらい。
ナナフシって、目つきが素っ頓狂。どこ見てるの~
それからハエ・・・・・・。
雑虫が好きなわたしですが、「でもハエまでは行くなよ」と自分を戒めているのです。しかし、ハエにもびっくりするような美しく込み入ったデザインの体をしているものがいるんで・・・・・・。
これは3ミリくらいと小さいけれど、虹色の目玉に黒いボタンのあるグレーの胴着、翅にはアンティーク風の黒いレース模様。このレース様の翅を片方ずつ交互に、横にひょこっと上げる奇妙な動作を繰り返していました。
去年ミネソタに住む姪が送ってくれたフルーツフライに色具合が似ているなあ、と思ったので調べてみると、やっぱりそうでした。
日本語では果樹につくハエは「ミバエ」と呼ばれるらしい。
で、このミバエ。果樹を天敵から守る場合もあるが、多くの場合壊滅的な被害を与える大害虫として、農家の目のカタキ的存在。ネットでも「日本全土を狙っている恐ろしい害虫たち」の仲間として駆除方法が載っていました。
「ミバエって、きれいなものがいますねえ」なんて能天気に言ったら、果樹農家の人たちにボコボコにされそう・・・。
この時期はチョウやガの幼虫を見かけることが多く、イモムシ・ケムシはちょい目をそらせたいけど、「これがいったいどんなチョウやガに変態するんだろう?」という好奇心に打ち勝てず、つい写真を撮るが、
それにしてもなんでしょうね、このフクラスズメの幼虫のポップな体の模様。
もうちょっと寄ってみると
そして最後に見つけたのがこれ。
ゴミじゃないです。
孵化したばかりと思われるジョロウグモの子グモが団居(まどい。自立するまで集団で過ごす)をしているところ。
毎年冬に採集して孵化を観察するのを楽しみにしているジョロウグモですが、今年は採集に失敗。採っておいたものはどれもジョロウグモの卵塊ではなかったようで、がっかりしていたのです。
ちょっと迷ったけれど、けっきょく団居ごと採集することに。
例年のように室内で観察するか、ベランダのフジの枝あたりに放すか・・・迷っていたら、
夜には採集ビンの空気穴からみんなであふれ出るように外に出ていたので、いやおうなしに室内飼育に方針決定。
そして、翌朝。
あれ???ビンのまわりに煙のように集まっていたクモがまったく姿を消しています。
居間のなかをあちこち見回すと、 天井付近に、集結していました。
2時間ほどすると、2つだった集団はひとつに。
たぶん、もうちょっとで独り立ちしていくと思われます。
今年も、おしりから糸を出して、1匹1匹風にのって自立していく子グモを見送ることができるかな。
ところで来週再来週と、2回北海道へ出張があります。札幌と旭川。
仕事だけど空き時間もあるので、ぜひ虫目になってきたいと思っています。
「北海道って寒いのに、虫いるのぉ?」などといってはいけません。
札幌は江戸から明治時代にかけて、松村松年によって日本の昆虫学が発祥した地。
『札幌の昆虫』という本も買って、ただいま札幌で虫目になる準備中です。