このあいだの連休は台風の爪あとの残る裏高尾の林道と鎌倉の谷戸を歩いてきました。
また、裏高尾?といわれそうだけど、だっていつも必ず、ここでは他では見られない虫にあえるから。
裏高尾の林道にも、大きな倒木があちこちにみられ、そのままになっているので、
ところどころ倒木の下をくぐって進みます。
道には折れた針葉樹が敷き詰められたようになって、
踏むとシダー系のまるで精油のような香りが立ち上がってくる。
生田緑地や鎌倉の谷戸も、同じようでした。
台風15号・・・すごかったんだなあ、と改めて思います。
木々の葉は紅葉する前に茶色く縮れ、全体にいためつけられた、という感じ。
そろそろ越冬の準備にはいろうとしていた虫たちは、どうしているんだろう?
台風などの強い風が吹いたあとは、吹き飛ばされてきた迷い蝶などが見つかる反面、
ここまで生息環境が台風によって変化していると、
来年の虫状況にも、大きな影響を及ぼすだろう、などと思いながら、
それでもけっこうたくさんの虫に出会えました。
もう1,2か月もすれば、蟲の姿もすっかり少なくなるこの時期、
この夏から秋はじめにかけて見た虫をまとめてみました。
8月後半、近所の多摩川周辺で見た虫たちから。
目が離れているせいか、どこかひょうきんな表情のウズラカメムシ。グレーの濃淡の具合がきれい。
イネ科の植物を食害するやっかりものでもあります。
右上に写っているチビっこいのも違う種類だけれどカメムシの仲間。
オレンジ色の粉を体中につけているカツオゾウムシ。
手でこすると簡単に粉がとれて、黒っぽい体があらわれます。
なんのために粉を体につけているんだろう?
体表を保護するためなんだろうけど、それにしてはとれやすい。
ビーズを並べたような目玉がチャーミングなクロイトトンボ。
スイスイって感じの飛び方もさわやか。
このごっついおじさんのようなカメムシは、ホオズキカメムシといいます。マット過ぎ~
隣にいる小さいのもカメムシです。カメムシ、いっぱいいるなあ。
ちょっと鱗粉がはげてきているシロオビノメイガ。
グレーっぽい体のなかで、くりっとつややかな目が目立つデーニッツハエトリのメスです。
ハエトリグモって、動作にメリハリがあるので、見ていておもしろい。
ミズヒキにいたトゲカメムシ。ミズヒキの花は2ミリくらいの小さなものですが、
けっこうカメムシのお気に入りみたい。
ナガゴマフカミキリ。体長15ミリ。
体側のギザギザが特徴のノコギリカメムシの、これは5齢幼虫。
こちらがノコギリカメムシの成虫。ほんとにノコギリの歯のようです。
このぼやけた縞模様のハムシは、ブタクサハムシといいます。
赤い色があざやかなブチヒゲカメムシ。きょうはほんとによくカメムシに会う日だなあ。
これもカメムシ。体の細長いヘリカメムシの仲間。
カメムシの形態も実に多様です。
1センチと小さいけれど、4本の白い模様が目を引くヨツスジヒメシンクイというガ。
虹色の翅をふるわせているキタヒメヒラタアブ。無駄のない美しさにみとれちゃう。
次は8月の生田緑地で出会った虫。
ジンガサハムシやカメノコハムシは、まるでプラスチックでつくったような
透明感のある円盤状のものを背負っている面白い形態のハムシですが、
これははじめてみるカメノコハムシで、
イノコズチカメノコハムシといいます。
銀地に黒っぽいすじが混じった渋く上品な体を
透明なドームがすっぽりとおおっています。
手前の頭部の部分はちょっと弾力のあるシリコン素材でも使っているように見えて、
見ればみるほど不思議でステキなハムシです。
おっ、カブトムシじゃん。
夏だなあ。
この嵩の大きさは、通常小さい虫ばかりを見ている私には
巨人級の超おおもの。
カブトムシって、ふつう木の幹の樹液にいることが多いと思いますが
これはなぜか、つる草にぶらさがってジタバタと難儀しているようでした。
こんなおっきなガをつかまえちゃったカラスハエトリのメス。
食べきれるの?
金茶色にぴかっと光る小さなハムシ―イモサルハムシかな、と思ったら
いきなり飛翔。
あら、翅の下には青く光る腹部。
下着にも気を使っているオシャレさん。たった4ミリしかない虫なのに。
つや消しのずんぐり体型のハナダカカメムシ。
地に足をつけて生きてます、という感じの、華やかさはないけれど
好感をもてるカメムシです。
3ミリと、小さいのに、葉っぱの上で目立っていたのは
ヒロオビジョウカイモドキ。
ぼかしの効いた背中の模様がいいね!
猛暑の日もあったけれど、
ちょっと気温の下がった日には
やっぱり虫をさがしに歩き回っていた8月でした。
あすは、つづけて9月に高尾の林道で見た虫を紹介します。