3日目、播州赤穂の海辺に建つ鏡面のアース製薬研究所へ
さて次は、播州赤穂です。
三宮から車で2時間ほどかかる海辺の町、
赤穂の坂越(さこし)までなんの目的で出かけたのか?
ご注意:今回、世界中でもっとも嫌われモノと思われる虫が、
ちらっ、とですが登場します。
アレだけは、ちらっ、とでもゴメンよ!という方は、
今回はパスしたほうがいいかもしれません。
拙著を読んで手紙をくださった方のなかに、
美術家の池内美絵さんがいました。
池内さんは、ふつうの人が「ぎょっ」とするような素材から
美しい作品を生み出す美術家ですが、
ヤスデの飼育家としても知られています。
欧米にはペットにしている人も多いヤスデ。
私が「虫」というときには、ぎりぎり範疇に入るかどうか、
という感じなのですが、生き物の好き具合が似ているということで、
池内さんと何度かやりとりをするうち、こんな話が。
同じく拙著を読んでくださっている池内さんの知り合いに、
播州赤穂にあるアース製薬研究所で、
60万匹のゴキブリを飼育する女性―
有吉立さんという方がいる、と・・・・・・。
しかも、とても「きれい」に飼育している、と。
ごきぶり―大キライ・・・・・でも、なんだかやけに心ひかれる話でした。
「ゴキブリ」と「きれい」という言葉がいっしょに出てくるところが。
それに有吉さんが個人的に好きなのは、カメムシなんだと
聞いて、もうやみくもに赤穂に行こう、と。
この日、見学をセッティングしてくれた池内さんに加え、
博物館発行の『大阪のテントウムシ』
(すごくいい本です!テントウムシ好きは必携。通販で買えます)
をプレゼントしてくださった大阪市立自然史博物館の松本さん、
そして今では夏休みの自由研究の定番のひとつとなった
「チリモンモンスター」の生みの親であるきしわだ自然資料館の平田さん、
アーティストの宮本さんという豪華メンバーで赤穂へ向かいました。
海と山。
赤穂は風光明媚な土地でした。
道を行くと突然海辺に出て、
そこには空と背後の山を映しこんだ鏡面のビルが建っていました。
ここがアース製薬の研究所。
もともと炭酸マグネシウムを生産する会社であったことから、
今もここに研究所があるのだそうです。
アース製薬といえば、誰もがかの「ごきぶりホイホイ」や「ゴキジェットプロ」など、
イヤな虫を退治する製品で日常お世話になっている会社ですが、
ここには飼育棟というのがあり、
有吉さんは12年前からそこに所属しています。
(池内美絵さん撮影)
まずは広々とした海が見渡せる明るい社員食堂で、お昼をごちそうになりました。
そして会社のご好意で、ゴキブリホイホイができあがる工程を見学。
高温でやわらかくなった特製の糊、
ゴキブリの足の油分を吸って接着面にひっつき安くするための足拭きマットなどなど、
長年の開発の賜物ともいえる工夫が詰まった製品ができあがるまでには、数々の工程があります。
説明をききながら、白いキャップをかぶって真剣に見入る私たち・・・・・・。
(池内美絵さん撮影)
こういうところを見学すると、製品としてちゃんとしたモノができるって、
ずいぶん数々の工程が必要なんだな、と実感します。
各国向けの輸出品も展示されています。
社内にはこんなディスプレイも。
ゾウムシも害虫扱いされてた・・・・・
つづきます。