鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

今年もやります!!イベント『虫愛ずる一日』

2012-04-11 19:12:29 | 日記

                今年ももうすぐこんな姿が見られるかな。2011 4月末に見たヒメカメノコテントウのカップル





 去年、6月4日(ムシの日)に京都で『虫愛ずる一日』というイベントを開きました。
虫マニアはもちろん、たくさんの人が身近な虫に目をとめて日々観察を楽しんでいます。
そして見た虫、採った虫で標本をつくる人、記録を付ける人、分類する人、絵を描く人、
飼育する人、作品を創る人、写真を撮る人・・・・・と楽しみ方は十人十色。
そんないろいろな楽しみ方をしている虫好きな人たちが集まったら・・・・・
楽しくないはずはない。
と思い、今年も東京で開くことにしました。

発起人(事務局)は、去年東京から京都まで駆けつけてくれたイラストレーターの
宇佐美朋子さん、と私。
6月にindoor編、7月にoutdoor編という2日構成です。
まずは6月のindoor編の概要をお知らせします。

イベントタイトル:『虫愛ずる一日2012 indoor編』(outdoor編は7月に一日観察遠足を予定)
開催日時     :2012年6月16日(土)11:00~18:00
場所       :アーツ千代田3331 B104
協力       :NPO法人『むしむし探し隊』
内容       :展示―標本、写真、漫画・絵本の原画、イラストレーション、木版画、陶器など。
          販売―虫をモチーフにしたアクセサリー、刺繍ボタン、陶器、クッション、手ぬぐい、セレクトグッズ、Tシャツ、
             切り紙の虫、書籍など。
          
          トークショー(要予約 有料)タイトル『虫の愛で方十人十色―虫好きびとの生態』
          ミニ講演  『虫観察一日遠足へのお誘い』
          ワークショップ(要予約 有料)虫の切り紙名人 鍋嶋通弘さんによるワークショップ)

イベントに参加くださる方々: 
●NPO法人『むしむし探し隊』(グッズ、書籍販売と、『昆蟲世界』データベース化紹介)
●秋山亜由子さん(漫画、絵本の原画展示)
●宇佐美朋子さん(イラストレーション、立体作品、陶器、布ものなどの展示と販売)
●鍋嶋通弘さん(虫の切り紙ワークショップ、作品、Tシャツ販売)
●川邊透さん(トークショー)
●天野和利さん(トークショー)
●川上洋一さん(ミニ講演虫観察へのお誘い、書籍販売)
●川上きのぶさん(陶器販売)
●川上多岐理さん(蛾の標本展示、トークショー)
●みのじさん(虫手ぬぐい、イモムシバッヂなどの販売)
●竹上妙さん(木版画の展示)
●中山泰さん(イラストレーション展示)
●中山珊瑚さん(虫のセレクトグッズ販売)
●鈴木海花(写真展示、トークショー)
(参加者は若干増える可能性もあります)

・・・・といった豪華虫好きラインナップ。
日ごろの虫観察をはじめとしたNPO活動、作品づくり、モノづくり、標本制作、虫サイト運営などなど、
さまざまに虫を楽しんでいる方々といっしょに、虫三昧の一日を楽しみたいと思います。

 きょうから参加する方々を、おひとりずつ紹介してきます。
まずは、『虫の愛で方十人十色―虫好きびとの生態』と題したトークショーのメンバーから。

川邊透さんは
虫が好きなひとなら、きっと毎日見ないではいられない人気サイト『むし探検広場』のたのもしい園長さん、
そして、名前調べでたびたびお世話になる名サイト『昆虫エクスプローラ』の管理人です。
毎日投稿される写真をていねいに見て、虫が好きな気持ちいっぱいのあたたかい言葉で名前を教えてくれる園長さんに
一度お会いしてみたい、と思っているファンは多いことでしょう。
イベントでは、直接お話をおききできるのが楽しみです。
*川邊透さんの参考サイト
『昆虫エクスプローラ』
http://www.insects.jp/

昆虫ブログ『むし探検広場』http://insects.exblog.jp/

ツイッター
http://twitter.com/#!/torukawabe



 天野和利さんは
時事通信社国際部の記者にして、昆虫記者を名乗る怪人?
サイトjijiドットコムで『昆虫記者のなるほど探訪』という、
過去最高のアクセス数が10万/週の人気コンテンツを担当していらっしゃいます。
また同好のひとたちとの更なるコミュニケーションを求めて、
プライベートでも『虫撮る人々』というサイトを運営。
どちらも天野さんの虫を観る目のユニークさとユーモア全開の記事で人気のサイトです。
また、小学生のひとり息子T君と、虫が苦手な奥さまをたぶらかして(?)、
ベトナムなど海外の虫の多い国へ旅行することも。
虫の話になると暴走する、という天野さんのトーク、楽しみです。

*天野和利さんの参考サイト
『昆虫記者のなるほど探訪』
http://www.jiji.com/jc/v?p=new-special-fabre0001

『虫撮る人々』
http://blogs.yahoo.co.jp/mushikisya/folder/246817.html

『時事通信社には昆虫記者がいる!』
http://blog.goo.ne.jp/mushidoko64/e/442cff076b75537e571e47ba36517cea


川上多岐理さんは
小学生のころ、オオミズアオの死骸を見たことから、蛾の奥深い美しさに憑りつかれた
「蛾愛ずる姫君」。なぜ姫君なのかというと、父上は(このイベントにも協力してくださる)日本昆虫協会の川上洋一さん、
という生まれながらの、由緒正しき虫研究のサラブレッドだからなのです。
小学4,5,6年と「夏休み昆虫大賞」を連続受賞。日本昆虫協会ファーブル賞の初受賞者でもあります。
 今回は、農大卒展以来という、秘蔵の蛾標本を展示!必見です。
トークショーでも蛾の魅力を存分に語ってもらいましょう。

*川上多岐理さんの参考サイト
『今夜もgaviyori』
http://www3.tky.3web.ne.jp/~hynobius/gavyori.html

『イモムシワールド入門』
http://www.jiji.com/jc/v?p=new-special-imomushi0001

『ライトトラップの魅力』http://www.jiji.com/jc/v?p=new-special-ga0001

『川上多岐理さんとライトトラップ!』
http://blog.goo.ne.jp/mushidoko64/e/b08e7f0267fe5fb7ef1a030d26948c4f

すてきなゲストをお迎えしてのトークショー
 6月16日13:00~14:00(入場料800円 先着40名限定)への参加お申し込みは、
下記事項を明記し
mushimezuru@hotmail.co.jp
鈴木海花宛て、メールでお願いします。

●トークショーに参加希望
●お名前
●電話番号
●確認返信用メールアドレス
*なお、ご住所をお知らせいただければDMをお送りします。


 明日は、ハサミと紙で、まるで生きているような虫を切り出す
鍋嶋通弘さんとワークショップについて、ご紹介します。


南アフリカみやげの虫図鑑

2012-04-07 11:44:37 | 日記

                               南アフリカの虫図鑑表紙に載っていた、カミキリムシ?




 南アフリカへ植物さがしの旅をしてきたイラストレーターの三浦ユカさんと、
大人になったら樹木医になりたい植物少年ユウヒ君親子から、お土産をいただきました。


 首にビーズをまいたかわいビンに入っているのは、象の好物であるマルーラという果実のジャム
(プルーンに似た味だった)、
ルイボスティをもっと複雑にしたような香味がすばらしいハニーブッシュというお茶、
ラベルにトウヒがデザインされているブラックフォレストハニー、

そして虫好きな私のためにさがしてきてくれた南アフリカの虫の図鑑!



中を見てみると、

スケルトンなハムシ



南部鉄器でできているかのようなゾウムシ


思いっきり派手なイナゴ。

建物の壁にいたという、
オオミズアオにフォルムと色が似ているけれど
たぶん日本にはいない蛾の写真も撮ってきてくれました。



 三浦さん一家は、じつによく旅する家族で、
ユウヒ君が夢見る植物に会うために、
いろいろな国に出かけていきます。
このあいだはラフレシアの花やマングローブを見るために、ボルネオに行ったし、
今度の南アフリカの目的は、もちろんバオバブをはじめとする南アフリカならではの植物。


旅から帰ると、観たものをすぐノートに。
ページからはみ出しそうな絵と説明文に「見たよろこび」が充満している。

 おかあさんである三浦ユカさんのイラストにも必ず樹が描かれている。

いま発売中の『TRANSIT』誌、ベルリン特集の巻頭エッセイの挿画。

 ユウヒ君と木や虫をいっしょに見て歩いて驚くのは、
枝が切り詰められて、下からでは幹しか見えない大きな木の名前まで
わかること。
「どうしてわかるの?」ときくと、
無言で首をかしげている。
わかるから、わかる、といいたげ。

 以前、ハネカクシという地味な虫が専門の分類学者の人に話をきいたことがありました。
「分類って苦手なんですが、分類の決め手ってなんですか?」
すると、その人はいいました。
「分類に必要なのは・・・・・・本質を見抜く能力です」。

 この言葉、虫の名前を調べているときなどに、ときどき思い出します。
自分にはそういう能力、ないなあ、と思いながら。
そして、木の一部や細部を見ただけで名前を次々言うユウヒ君を見ていると、
これが「本質を見抜く能力」なのか、と。

 ユウヒ君はまだ小学4年生になったばかり。
私のもうひとつのブログ『バニャーニャ物語』も愛読してくれていて、
読めない漢字がたくさんあるから、
毎回お母さんがプリントアウトして読んであげているという。
わかる漢字も限られているのに、
どうして、あれだけ植物についての情報がインプットできて
しかも、すぐに取り出せるんだろう?

 さらにびっくりなのは、ユウヒ君の頭のなかには、
『バニャーニャ物語』の舞台になっている半島の植物地図があるらしいこと。
お母さんに読んでもらっていて、
『アザミさんのパン屋さん』が出てくると、
「あ、あの大きなクスノキのあるパン屋さんでしょう」

『丘の上の石舞台』が出てくると
「石舞台には大きいブナの樹があるんだよね」

『ホテル・ジャマイカイン』が出てくると
「入口に黄色い花のエニシダがあるホテルだ!
裏庭にはアーモンドの果樹園があるし、あそこに泊まってみたい」
というふうに、植物を目印にした架空地図ができあがっているようなのです。

 南アフリカの旅でも、初めて見た木のはずなのに名前がわかるし、
走る車から、ユーカリとアカシアの種類も見分けることができたというのだから、
こういう能力は持って生まれた資質、ギフトっていうんでしょう。

 神戸に住んでいるユウヒ君とはたまにしか会えないけれど、
夏休みになったら、またいっしょに植物&虫さがし、行こうよ!